文庫本名 |
内容紹介 |
持 |
猟銃・闘牛 |
ひとりの男の一三年間にわたる不倫の恋を、妻・愛人・愛人の娘の三通の手紙によって浮彫にした「猟銃」、芥川賞の「闘牛」等、3編。 |
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ある偽作家の生涯 |
天才と謳われた著名な日本画家の偽作を書き続ける一絵師の暗い数奇な半生を追った表題作。他に「玉腕記」等、歴史に取材した名作集。 |
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あした来る人 |
熱心な登山家とその妻、カジカの研究家、美貌のデザイナー……あしたの可能性を抱きながら今日を生きる人々の姿を爽やかに描く。 |
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敦煌 |
無数の宝典をその砂中に秘した辺境の要衛町敦煌──西域に惹かれたひとりの若者あとを追いながら、中国の歴史を綴る歴史大作。 |
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あすなろ物語 |
あすは檜になろうと念願しながら、永遠に檜にはなれない“あすなろ”の木に託して、幼年期から壮年までの感受性の劇を謳った長編。 |
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黒い蝶 |
戦後に出現した新しいタイプのペテン師が、名バイオリニスト招聘に賭ける奇妙な情を描き、一人の男の夢と行動を追う社会小説。 |
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風林火山 |
知略縦横の軍師として信玄に仕える山本勘助が秘かに慕う信玄の側室由布姫。風林火山の旗のもと、川中島の合戦は目前に迫る……。 |
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詩集 北国 |
さまざまなモチーフを謳った38の詩編には、深い静寂と諦念にも似た明澄さがみなぎっている。 |
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射程 |
憧れ続けた一人の女性が原因で自分の“射程”の限界を超える取引に失敗、破滅する孤独な青年実業家の暗い情熱を描く長編。 |
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氷壁 |
奥穂高に挑んだ小坂乙彦は、切れるはずのないザイルが切れて墜死した――恋愛と男同士の友情がドラマチックにくり広げられる長編。 |
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天平の甍 |
天平の昔、荒れ狂う大海を越えて唐に留学した五人の若い僧――鑒真来朝を中心に歴史の大きなうねりに巻きこまれる人間を描く大作。 |
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しろばんば |
野草の匂いと陽光のみなぎる、伊豆油ヶ島の自然のなかで幼い魂はいかに成長していったか。著者自身の少年時代を描いた自伝小説。 |
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蒼き狼 |
全蒙古を統一し、ヨーロッパへの大遠征をも企てたアジアの英雄チンギスカン。闘争に明け暮れた彼のあくなき征服欲の秘密を探る。 |
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楼蘭 |
朔風吹き荒れ流砂舞う中国の辺境西域――その湖のほとりに忽然と消え去った一小国の運命を探る「楼蘭」等12編を収めた歴史小説。 |
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憂愁平野 |
残酷な愛の真実に耐え、孤独をあたためあいながら人生の平野を歩む人々――男女の結びつきの中にひそむ憂愁を描く長編ロマン。 |
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姨捨 |
著者一族の中に世襲の血として流れる“出家遁世の志”とでもいうべき現実離脱の心を探った表題作はじめ、多彩な短編12編を収める。 |
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風濤 |
朝鮮半島を蹂躙してはるかに日本をうかがう強大国元の帝フビライ。その強力な膝元に隠忍する高麗の苦難の歴史を重厚な筆に描く。 |
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夏草冬濤 |
両親と離れて暮す洪作が友達や上級生との友情の中で明るく成長する青春の姿を体験をもとに描く、『しろばんば』につづく自伝的長編。 |
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額田女王 |
天智、天武両帝の愛をうけ“紫草のにほへる妹”とうたわれた万葉随一の才媛、額田女王の劇的な生涯を綴り、古代人の心を探る。 |
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後白河院 |
卓抜な政治感覚と断行力で独自の生を貫き通した後白河院。稀代の権謀家と目される院の風貌を同時代人の証言により浮彫にする。 |
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幼き日のこと・青春放浪 |
血のつながらない祖母と過した幼年時代――なつかしい昔を愛惜の念をこめて描く「幼き日のこと」他、「青春放浪」「私の自己形成史」。 |
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西域物語 |
砂漠にくり広がられた苛烈な民族抗争史。往古の詩人や勇者たちの活躍……ロマンに満ちた≪西域≫の魅力。「アフガニスタン紀行」併録。 |
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四角な船 |
大洪水の襲来を信じる男がハコ船の建造を頼み自分はそれに乗るべき人を捜す旅に出る。ユーモアのなかに鋭い諷刺をひそめた長編。 |
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少年・あかね雲 |
子供はただ遊んでいるのではない。獣にも似た鋭い嗅覚を持ち、豊かな感性を内に秘めている。少年の微妙な心理を鮮やかに描く18編。 |
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夜の声 |
交通事故で負傷した万葉研究家の千沼は神の声を聞く。「人間の心を正せ、世の紊れを直せ」使命を自覚した彼は孫娘と共に家を出た。 |
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北の海 |
高校受験に失敗しながら勉強もせず、柔道の稽古に明け暮れた青春の日々――若き日の自由奔放な生活を鎮魂の思いを込めて描く長編。 |
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道・ローマの宿 |
孤独な足音を残して消えていった身近な人々に思いを馳せ、幾度かの異国の旅で出会ったさまざまな風景や人の姿を描く珠玉短編集。 |
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遺跡の旅・シルクロード |
謎とロマンを秘めた≪絹の道≫。青年時代の夢を初めて果たした昭和40年代の旅から15年間の、絹の道の歴史の跡を経巡った旅の記録。 |
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井上靖全詩 |
清冽明澄な詩の世界は井上文学の精髄といえる。既刊の五冊の詩集の総てと最新作、拾遺詩篇多数を収録。半世紀に及ぶ詩業の集大成。 |
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忘れ得ぬ芸術家たち |
橋本関雪、新井寛方、荒井寛次郎など、著者が美術記者時代にめぐり会った絵画や陶芸の大家たちの内面と風貌を生き生きと描く。 |
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星よまたたけ |
亡くなったお姉さんが日記に書き残した謎めいた文字の秘密『星よまたたけ』他、『銀のはしご』など4編を収めた著者唯一の童話集。 |
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河岸に立ちて |
黄河・インダス・セーヌなど。著者が旅で出会ったさまざまな川の魅力をいきいきと伝える。自ら撮影したカラー写真45枚を添付。 |
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夏草冬濤(上・下) |
両親と離れて暮す洪作が友達や上級生との友情の中で明るく成長する青春の姿を体験をもとに描く、『しろばんば』につづく自伝的長編。 |
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石濤 |
83歳で著者が逝去するまでの16年間に発表された短編のすべてを集める。井上靖文学最後の作品集。「石濤」「生きる」など全5篇を収録。 |
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孔子 |
戦乱の春秋末期に生きた孔子の人間像を描く。現代にも通ずる「乱世を生きる知恵」を提示した著者最後の歴史長編。野間文芸賞受賞作。 |
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北の海(上・下) |
高校受験に失敗しながら勉強もせず、柔道の稽古に明け暮れた青春の日々――若き日の自由奔放な生活を鎮魂の思いを込めて描く長編。 |
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文庫本名 |
内容紹介 |
持 |
白い牙 |
乱脈な父母の生活、大人の愛欲の世界への嫌悪から、純粋で観念的に育ってゆく少女の愛のかたちを、リリックに描いて、幼い愛の終わりを予見する。 |
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冬の月 |
過ぎ去った日々のきらめく記憶の断片、数十年を経て相見える旧友との交情、ふたたび蘇って来る若き日の情熱。著者のロマネスクな世界を淡く、涼やかに描き出す珠玉集。 |
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青葉の旅 |
愛別離苦──偶さかの出会いに垣間みる人生の断片、愛の余情を描き、男と女の哀しみとわびしさを浮き上がらせる珠玉。 |
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火の燃ゆる海 |
男女の交情と流離を香り高く描く表題作他、「ある旅行」「訪問者」「盛装」など10篇を収録。 |
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三ノ宮炎上 |
敗戦前の神戸、美貌の不良少女の姿と、炎上する街衢への挽歌を奏でる表題作など、10篇を収録。 |
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夏花 |
愛ゆえに数奇な運命をたどる男女を淡々と描いた名作選。「傍観者」「夏花」など9篇を収録。 |
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楼門 |
人生のさりげない側面と淡々とした筆致で描き、垣間みる一瞬に生の真実をとらえた「ある日曜日」「北国の春」など珠玉10篇を収録。 |
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きれい寂び |
きれい寂び――華やかなうちにも寂のある風情――第一級の人物とその作品を綴り、芸術への理解を深める味わい深い随想。 |
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十字路の残照 |
井上靖・選 日本ペンクラブ編 井上靖の好きな作品、心に遺っている作品23編を収録。 |
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文庫本名 |
内容紹介 |
持 |
おろしや国酔夢譚 |
神昌丸漂民はロシア帝国が大版図を形成しつつあるのを見た。18世紀日露交渉史、漂民史などを駆使して描く哀切の大作。 |
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崑崙の玉 |
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その人の名は言えない |
パーティーの夜、美貌の女性夏子の唇を盗み去ったのは誰か?無償の情熱と純粋への憧憬との矛盾に悩むヒロインと、周囲に集う讃迎者の葛藤を描く。 |
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欅の木 |
武蔵野に残る「欅」保存に乗り出した主人公の目前に展開する意外な人間模様の種々相を、さりげないユーモアを裏打ちに深く語りかけ、多大な共感を喚ぶ長篇小説。 |
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緑の仲間 |
一切のかけひきを拒みフェアーな態度で人生の難問に立ち向うこれら六人の恋の輪舞曲は、清冽なリリシズムの香気を奏でながら展開し、現代における愛のあり方を考えさせる青春譛歌の長篇小説。 |
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こんどは俺の番だ |
風に舞う妖精のように把えどころのない女優・十津川光子をめぐって四人の男がたがいに恋の縞をけずる。 |
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揺れる耳飾り |
青春の一断面を情感に溢れたみずみずしい筆致で描き上げたイキでシックな愛の譛歌。 |
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魔の季節 |
本栖湖・精進湖・西湖は神秘な富士の樹海の下でつながっているのではないか。この壮大な謎にとりつかれた大学講師とその妻、小悪魔のような女優たちが見せる愛憎図絵。 |
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燭台 |
平穏な結婚生活を続ける捷子の胸奥に時には明滅するランプの翳が射す――。たゆたう美しい中年の女心の核心を衝く傑作長篇。 |
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オリーブ地帯 |
美しい幼馴染み泰子への切ない思いを断ち切れずにいる新聞記者、椎葉了介。彼の眼前に忽然と現われた若鮎のような娘藤川京子。その京子はいつしか彼に心惹かれている自分に気がつく。 |
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白い炎 |
運命のいたずらに翻弄される女心をめぐり対立的に捉えた二人の男との愛の在り方を、日常生活の中に見事に定着させて深い感動を喚び起す長篇恋愛小説。 |
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崖(上・下) |
崖から転落した山代大五は、三年間の記憶を失っていた。生きるという現実のなかにある過去の重みを、一人の男の失われた時間の謎を追究しながら確かめた問題長篇。 |
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黯い潮・霧の道 |
「愛するものよ、さようなら」という遺書を残して歌手と心中した妻の過去を引摺りつつ、記者が直視する「愛」と「死」を描く記念碑的な傑作『黯い潮』。他2編。 |
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貧血と花と爆弾 |
新設民放の“目玉”に競争新聞社が演奏権を持つ世界的なヴァイオリニストの放送権を獲得せんと画策する出向記者の苦闘を活写し「闘牛」と併称される“幻”の表題作の他に11篇を収録。 |
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断崖 |
十数年の数奇な運命の波に翻弄されながらただひとすじの想いを胸にひめていま一人生き残った女がはじめて明かす女の情念をもののみごとに描ききった表題作の他に、珠玉十四篇を収めた。 |
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紅花 |
美しい未亡人光原亜津子と、三者三様の男性との間に醸し出される恋愛心理の微妙な交感を清冽きわまりない叙述の筆に載せて綴る長編。 |
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地図にない島 |
潔癖な処女・多加子が、男性的な青年・洪介との新婚旅行から逃げ帰ったのは何故か?愛の輪舞を繰り広げて青春の何たるかを活写する。 |
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盛装(上・下) |
俳優と心中未遂を起こした瑟子。何故に彼女は親しくもない男と入水したのか。世間の目を逃れるために瑟子は、父の秘書安原とカメラマンの早見とに伴われて浅間山麓に出発したが……。 |
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戦国城砦群 |
武田家滅亡で隼人は明智に、兵太は野武士に身を投じた。旗本荒之介は隼人の恋人を奪い、兵太を情夫とした女と関わる。やがて葛藤の終末を告げる“本能寺の変”が……。 |
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月光 |
汚れのない青年二人に求婚された女性の目にうつる風景と心理の葛藤をみずみずしい感性で活写し、溢れる若さの昂まりの中に純粋で甘くせつない息吹きを伝える恋愛小説。 |
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若き怒濤 |
奔放な言葉と行動で求婚してきた男性三人の真情をさぐる美しい姉。その激しくも傷ましい人生遍歴のなかに、現代的な愛の構図とは何かを問いかけて反響を呼んだ問題作。 |
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遠い海 |
新しい愛の出発と古い愛の再確認とを生み出す人間の不可思議な営偽を、巨匠一流の深く暖かい眼で抉りだした佳作。 |
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兵鼓 |
源家再興の風雲の中に屹然と立つ青年武将木曾義仲のかたわらには兄妹のように慈しみそだてられた中原兼遠の娘である巴の武者姿が形影のごとくいつも侍っていた。 |
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流砂(上・下) |
仕事と愛の両立は可能か。ヨーロッパの街々からオリエントの砂漠へと、現代のさまよえる愛を追う抒情長編。 |
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アレキサンダーの道 |
歴史の廃墟に立って悠久の時間に思いを馳せるシルクロード紀行。平山画伯の色刷作品三点を収めた。 |
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私の西域紀行(上・下) |
著者の夢は果たされ、踏査行は四度にわたった。白雪を頂く峻険の天山山脈が、タリム盆地が、火炎山が、巨匠の筆に、あざやかに甦えった! 畢生の紀行文学。 |
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西域をゆく |
少年の頃から憧れていた西域に同行した両氏が、東洋の古い歴史について、民族について、その運命について語り尽くした対談。 |
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読書と私 |
芥川賞・直木賞受賞作家29人が自分の人生体験にもとづいて新たに書下した読書についての珠玉のエッセイ。 |
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文庫本名 |
内容紹介 |
持 |
黯い潮 |
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白い牙 |
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貧血と花と爆弾 |
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楼門 |
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異域の人 |
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春の海図 |
井上氏独特の清潔でメタファシックな精神の交流としての恋愛を描いた昭和二十八年の作。詩の如く清純な恋愛小説。 |
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霧の道 |
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真田軍記 |
「戦国時代ほど人々の運命があらわに見える時代はない。月光に照らし出された一本の川筋のように」と著者はいう。いずれも戦国時代に取材した秀作、四編を収めた。 |
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戦国無頼 |
戦国時代小説中の数少ない大ロマン。戦国武士の死と功名、夢と現実、没落と栄達、運と不運が表裏一体をなして、人生の無常観、虚無感が浮彫りされている。 |
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青衣の人 |
恋愛はそれが叶えられないときに、比類なく美しく、永遠の生命があたえられるのだ。異色ある恋愛小説。 |
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春の嵐・通夜の客 |
「春の嵐」は敗戦直後ダンサーになろうとして集った不良少女のような娘たちを、「通夜の客」は同じ時期を、世を捨てた、妻子ある年長の男に仕えて暮す少女を描く。 |
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満ちて来る潮 |
天龍川、十津川、興津の海浜などを背景に展開する、清冽な詩情に満ちた現代恋愛長篇。 |
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愛 |
<愛>をテーマにした好短編三つを収める。三つの愛を鮮やかに捉え、微妙、複雑な生態を見事に浮彫りしている。 |
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風と雲と砦 |
長篠城をめぐる武田方と徳川方との激しい攻防の戦いは、三人の若い武士と三人の若い女たちの個性も信念も願いも愛も、すべてを木の葉のように無残に押し潰していく。 |
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ある落日 |
美貌で聡明な清子は、中年の実業家小杉と運命的な愛情で結ばれた。だが偶然めぐりあった青年建築家箕原の潔癖な倫理観が二人を別離へ踏み切らせた。 |
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海峡 |
様々な人間が綾なす愛の交錯をきめこまかに描く。 |
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白い風赤い雲 |
一人の幼い男の子を連れた未亡人が、妻子ある男を愛して苦しみながら、ついには、子供のために愛人を思いきって裕福な実業家に嫁いでいく。 |
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波濤 |
固く自分の才能を信じる藍木。才能を持ちながら自分の亡びを予感する芝枝。圭子の情熱を燃やしたものは、二人の男なのだろうか。二人の生きる姿なのだろうか。人生の哀愁を切々とうたう著者の最も充実した時期の作。 |
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河口 |
純粋な愛、理想の男性とは何であろう。人生の出だしで絶望していたはずの真実の愛への渇望に目ざめ、失った愛をもとめてさまようヒロインのなかに、井上文学独自の愛の純粋性を具現している。
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淀どの日記 |
浅井長政の娘と生れ、家を亡ぼした秀吉の側室となって、遂に大阪城落城の火炎の中で自刃し果てた「淀どの」茶々の生涯を描く。 |
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渦 |
人間模様の渦は、悲劇的破局に向かって回転するが、孤独な存在であるべき人間の生き方に常に厳しさを求める吉松の言辞に、著者の想いは託されている。 |
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昨日と明日の間 |
美貌の人妻を中心に愛の交錯を描く長篇ドラマ。彼らの愛は昨日と明日の間にその波紋を徐々に、大きく広げていく。 |
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城砦 |
長崎で原爆を体験した江上透子。その時以来彼女の心は冷たい城砦に閉ざされ、愛の世を信じない。被爆女性の心の荒廃を描き、人生における愛の意味を問う格調高きロマン。 |
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傾ける海 |
偶然、志摩半島の同じホテルに泊まることになった、暗い思いを持った数人の男女。そして、半島は突如猛烈な台風に襲われた。雨と風の宿に展開される心理的ロマネスク。 |
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群舞 |
ヒマラヤの雪男生存の真偽をめぐって渦巻く人々の群舞。社会風刺をこめてドラマは展開する。 |
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化石 |
十二指腸ガンの病魔のために余命一年と宣言され、一切の希望を断たれた中年実業家の迫りくる死と向かい合うきびしい孤独を描く問題長篇。 |
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天目山の雲 |
名将信玄亡きあと武田家を継ぎ、父の名声への対立心から進んで戦に挑んで敗北、ついに織田軍に追われ、甲州天目山付近で一族と共に自刃して果てる、非運の人武田勝頼を描く表題作ほか、11編を収録。 |
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花のある岩場 |
自分だけが目撃した、一つの出来事を胸の奥に秘め、穂高の自然の中に孤独に生きる、老ボッカの心情を描く表題作ほか、9扁を収録。 |
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星と祭 |
愛する娘を湖の遭難で失った会社社長架山は、その悲しみをいやすべく、ヒマラヤで月を観、娘とともに死んだ青年の父親に誘われて、琵琶湖周辺の古寺を巡る。 |
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花壇 |
<おまけの人生を自分本位に生きたい>、人生の晩年を迎えた一実業家の内省を通して、人間の生きることの意味を問いかける、文学の香り高い名作。 |
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星と祭(上・下) |
愛する娘を湖の遭難で失った会社社長架山は、その悲しみをいやすべく、ヒマラヤで月を観、娘とともに死んだ青年の父親に誘われて、琵琶湖周辺の古寺を巡る。 |
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文庫本名 |
内容紹介 |
持 |
月の光 |
老耄と死に照明をあてることにより、人間の本質を浮き彫りにする――現代文学の巨星井上靖の鮮烈な名編。 |
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楊貴妃伝 |
楊貴妃の運命的な生涯を、女の愛の不思議さと、権力者の非情な心のからみあう人間ドラマを、壮大な叙事詩として構築した名編。 |
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わが母の記 |
――独自の感覚世界に生きる老いた母の姿を、鎮魂の思いをこめつつ、澄明な筆で追求した三部作。ほかに珠玉の短編「墓地とえび芋」を収録。 |
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花と波濤 |
古都を舞台に、三人の男女が織りなす愛の世界を詩情豊かに描く長篇ロマン。 |
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夢見る沼 |
適齢期の女性の心の中に棲む愛と悪魔の葛藤を描いた傑作長篇。 |
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北国の春 |
人間の深層にひそむ心の動きを鮮やかに描出した傑作9編。 |
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歴史小説の周辺 |
井上歴史文学のこの雄大な作品群が誕生するルーツを探り、歴史小説のフィクションとノンフィクションの関わりに多くのヒントを与える、歴史エッセイ集。 |
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歴史の光と影 |
古き美しきものの中に、そして霧に包まれ、茫々たる廃墟の中に、往古の繁栄と衰亡を、人々の誇りと哀しみを、生と死を、井上靖の凛とした“詩魂”が捉えた歴史紀行。抒情にみちあふれた名篇。 |
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本覚坊遺文 |
千利休の忠実な弟子、三井寺の本覚坊の手記の形で語られる、利休の死の意味。 |
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異国の星 |
限りないロマンを秘めた往古の栄光の地を訪ね、歴史への興味をかきたてる、傑作長編小説。 |
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