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上村松篁
星と祭
角川書店 角川文庫
初版発行 1975年3月10日
解説 角川源義
頁数 616
収録作品数 1

皎々たる満月の光が、琵琶湖の面に照り渡っていた。架山は、船の上で、静かに眼を閉じた。湖の北から東へかけて、何体かの十一面観音が、湖を取り巻くように立ち並んでいた。──娘よ、今夜から、君は本当の死者になれ、鬼籍にはいれ、静かに眠れ。

愛する娘を湖の遭難で失った会社社長架山は、その悲しみをいやすべく、ヒマラヤで月を観、娘とともに死んだ青年の父親に誘われて、琵琶湖周辺の古寺を巡った。そして、今、湖上の月光を身に浴びながら、彼の胸に、ようやく一つの思井が定まろうとしていた…。死者と生者のかかわりを通して、人間の<死>を深く観照した、文学の香り高い名作。

備考
角川文庫3418
ISBN4-04-121632-X
収録作品 初出年 情報 紹介 感想
1 星と祭 1971年 有   有
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