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熊谷博人
わが文学の軌跡
中央公論社 中公文庫
初版発行 昭和56年11月25日
解説 無し
頁数 274
収録作品数  
青春の日の柔道への没頭、詩との出会い、戦中戦後の新聞記者生活、中国体験など、40代で作家活動に入り、小説の面白さを復権した著者が、自ら語る自己形成とその文学的軌跡。井上文学の魅力の源泉を探り、全懇を明らかにする。 付詳細年譜・参考文献
備考
中公文庫 A8-3
1195-610408-4622
作品情報
聞き手 篠田一士・辻 邦生
第一部 青春と人間形成 四高時代の柔道部生活  自己を律する魅力ある集団  詩との出会い  『流転』執筆の前後  新聞記者生活  戦時下の生活  最初の中国体験  たえずノートをとる  自分を表現する  敗戦前夜のこと
第二部 現代小説 贅沢な遊びを・・・・  戦後の文学状況の中で  『黯い潮』について  小説のおもしろさを目指す  『黒い蝶』と『射程』  作品批評について  事実とフィクションの間  『あした来る人』と『氷壁』  作品独自の運命  人物の造形について  自伝風作品について  長篇「わだつみ」について  谷崎文学のことなど
第三部 歴史小説 歴史の中のロマネスク  想像力とポエジー  時間と空間  歴史における小説家の領域  『蒼き狼』をめぐる論争 素材とインスピレーション  『風濤』のこと  中島敦について  興味ある時代と座りなおして書く場面  川について 歴史そのままか歴史離れか  これからの仕事 
三毛猫さんの一言

この文庫は小説ではありません。聞き手の二方と氏の3人の対談を文章にしたものです。

太字で、篠田、辻、井上と書かれた後に、お話なさった事が書かれています。それこそ井上氏の語尾が・・・で表されていたり漂っている感情が伝わるようです

年譜が205ページから269ページまで。上下の二段組構成です。

この年譜ですが、実に詳細です。

例えば・・・

昭和4年 1929年 22歳 柔道の練習時間のことで先輩と衝突し、三年生のインターハイ直前に責任をとって柔道部を退部。この頃より詩作を始め、富山県石動町の詩誌『日本海詩人』(主宰者大村正次)に投稿し、二月号に井上秦のペンネームで「冬の来る日」と題する詩が掲載されたのを始めとして、相次いで採用掲載され、同人となる。東京の詩誌「焔」(主宰者・福田正夫)の同人となったのもこの頃である。

・・・

昭和41年 1966年 59歳 1月15日 東京都の成人式で公演。4月 「化石」の取材のため伊那高遠に赴く。

いつどこで還暦を祝ったとか、お嬢さんのご結婚のことなども入っていたと思います。

こんな感じです。お好きな方には大変な魅力だと思います。

文庫本限定!井上靖館作品