まず、電気信号として直流と交流について理解した後、数ある波形の中から代表的なものを説明しています。
また、一般家庭の交流を100
Vとテスターや交流電圧計で測っていますが、実は瞬間瞬間で電圧が変わるこの交流電圧を、エネルギー的に等価な直流電圧に置き換え、その電圧値を「実効値」と定義しています。
しかし、同じ交流をオシロスコープは波形として見ているため瞬間瞬間の値をリアルタイムで見ていることになり、これはいわゆる「瞬間値」です。
その他に「最大値」と言う言葉も出てきます。これらの相互の関係も含めここで説明しています。
●直流電圧と交流電圧
●代表的な波形 (正弦波、ノコギリ波、方形波、パルス波)
●交流電圧計の限界
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オシロスコープの心臓部にあたるブラウン管は、私たちが毎日見ているテレビジョンのブラウン管とはその仕組みが少し異なっています。
オシロスコープ用のブラウン管は静電偏向形で、テレビジョンに用いられているものは電磁偏向形と呼ばれ、電子銃から発射された電子ビームを偏向
(曲げる) する方法が大きく異なっています。
ここでは静電偏向形ブラウン管についてその構造や個々の働きについて説明しています。
●ブラウン管の種類 (電磁偏向形ブラウン管、静電偏向形ブラウン管)
●静電偏向形ブラウン管の構造
●電子銃部 (カソード、
制御グリッド、第2グリッド、第1陽極、第2陽極、
後段加速電極)
●偏向部 (ブラウン管の偏向部 、偏向板の構造
、垂直偏向板、水平偏向板、
偏向板の機能、偏向感度)
●蛍光面 (残光時間、目盛 )
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ここではブラウン管に波形がどのように描かれるのか、もう一度復習した後に、オシロスコープの掃引方式の優劣や2現象時の仕組み、その他、回路構成をブロック・ダイヤグラムで表し個々のブロックを説明しています。
●基本的な動作
●同期方式 (同期掃引方式、トリガ掃引方式)
●トリガ掃引方式オシロスコープの回路構成
●入力減衰器
(垂直プリアンプ、遅延回路、垂直メイン・アンプ、トリガ発
生器、掃引ゲート回路、掃引発生器、ホールドオフ回路、水平軸増幅器、
アンブランキング回路、電源/高圧回路、校正電圧回路、ブラウン管)
●2現象オシロスコープの回路構成
●2信号の切替方式 (ALT(オルタ)方式、CHOP(チョップ)方式とは)
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オシロスコープには沢山のノブやスイッチが付いていて、最初はどこから手をつけてよいか迷います。しかし、パネルを見るとスクリーンを中心に垂直軸、時間軸、同期回路、高圧回路など回路別にノブやスイッチなどが配置されているのがわかってきます。
ここでは、パネルにあるノブやスイッチ (下に記載のもの)
について、個々にその役割とどの様に機能するのかを豊富な図面により説明しています。
フロントパネルの図からノブやスイッチを指定する場合は、下のパネル図をクリックすると、四倍に拡大したフロントパネルの図が現れ、そこで個々に指定します。(必見)
●SCREEN (蛍光面)
●POWER
(電源スイッチ)
●SCALE ILLUM
(目盛照明調整)
●INTENSITY
(輝度調整)
●FOCUS (焦点調整)
●TRACE ROTA
(輝線傾き調整)
●VERTICAL POSITION
(垂直位置調整)
●CH1 INPUT / CH2 INPUT
(信号入力端子)
●AC - GND - DC
(入力結合切替)
●VERTICAL MODE
(垂直入力切替)
●CH2 INV (CH2反転)
●X-Y (X-Yモード切替)
●VOLTS/DIV
(垂直感度調整)
●VARIABLE
(垂直感度微調整)
●リアパネルにある機能
(CH1 OUT(CH1出力)、Z AXIS
INPUT(輝度変調入力)
●SWEEP TIME/DIV
(掃引時間切替器)
●VARIABLE
(掃引時間微調整)
●HORIZONTAL POSITION
(水平位置調整)
●×10MAG
(10倍掃引拡大)
●CAL
(校正用電圧端子)
●EXT. TRIG
(外部トリガ入力端子)
●GND (接地端子)
●TRIGGERING MODE
(トリガ・モード選択)
●TRIGGERING SOURCE
(トリガ信号選択)
●TRIGGERING SLOPE
(トリガ・スロープ設定)
●TRIGGERING LEVEL
(トリガ・レベル調整)
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まず、電源スイッチを[ON]する前に、あらかじめノブやスイッチを初期位置にセットします。機種によって異なりますが、ノブは12時方向、ロータリー・スイッチも12時方向、レバー式スイッチは一番上
(一番左)、プッシュ・スイッチが並んでいたら一番上
(一番左)、単独のプッシュ・スイッチは押さない状態などが一般的です。
ここでは測定する信号がCH1に入力された場合のベーシックな操作方法を説明しています。スクリーンに表示される波形を見ながらあちこち操作して、それぞれのノブやスイッチのファンクションを早く覚えてください。
●電源をONする前にあらかじめ基本ポジションにセット
●基本ポジションにセットしたら電源ON
●ノブやスイッチのセットが完了したら信号を入力
●波形の位置を上下に移動させる
●波形の位置を左右に移動させる
●波形の振幅を連続的に変える
●波形の振幅を2倍 (または0.5倍) ずつ変える
●波形の周期を連続的に変える
●波形の周期を2倍 (または0.5倍) ずつ変える
GIFアニメーションを見る場合はここをクリック
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ここでは2現象オシロスコープとしての操作方法を説明していますが、2現象と言っても基本的な操作は1現象と変わりありません。
しかし、二つの信号が入力されるのでスクリーンに表示する波形の組み合わせも複雑になり、また、どの信号でトリガするかも重要になってきます。
第11章にも関連記事があり相互に読み返して下さい。
●電源をONする前にあらかじめ基本ポジションにセット
●二つの信号を同時に観測する
●AUTOとNORMを切り替えてみる
●VERT MODE / CH1 / CH2を切り替えてみる
●スロープの+と−を切り替えてみる
●入力信号を切り替えて表示波形を確かめてみる
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オシロスコープで何が測定できるのか?
基本的には次の三つになります。
●電圧の測定
●時間の測定 (周波数の測定)
●リサジュー図形による測定
タイトル通り非常に重要な章で、ここをジックリと読み、何度も実践することが必須です。これらの測定方法を理解することで、オシロスコープの基本測定をひと通りマスターしたことになります。
●電圧の測定 /
時間の測定 /
リサジュー図形による測定
●電圧の基本測定 (交流電圧の測定
、直流電圧の測定、交流分を含んだ直流
電圧の測定 (直流電圧分の測定、交流電圧分の測定)
●時間の基本測定 (時間の測定 、周波数の測定)
●リサジュー図形による基本測定
(振幅比較、位相差算出、周波数比較)
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「リサジュー」とは、相互に直角方向に振動する二つの単振動を合成して得られる平面図形のことを言い、オシロスコープの測定方法の一つです。
リサジュー図形は、オシロスコープの垂直軸と水平軸に同時に交流信号を入力することにより数多くの図形パターンがスクリーンに描かれます。
リサジュー図形により二つの信号の周波数比、振幅比、位相差などを求める方法を説明しています。
●同じ周波数によるリサジュー図形
●「リサジュー」と言われる由縁
●リサジュー図形の例
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オシロスコープの測定では信号の取り込みに「プローブ」を使うことが必須になっていて、ここではその概要を説明しています。
●プローブの種類
電圧プローブが一般的です。その他に
電流プローブ、高圧プローブ、差動プローブ、FETプローブなどがあります。
●プローブの仕組み
●プローブの仕様
●プローブの校正
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オシロスコープはアナログ的な測定方法のため、測定精度にもおのずと限界がありますが、測定する際に誤差を少なくする工夫や誤差の大きさを知っておくことは、測定データの信頼性を高めることになります。
ここでは、やり方を少し考えることにより、誤差を確実に少なくできる測定方法と測定誤差が避けられない場合とについて説明しています。
●読み取り誤差を少なくする (電圧測定)
●読み取り誤差を少なくする (時間測定)
●周波数特性による測定誤差
●立上り時間 (パルス) の測定誤差
●定格で定められた許容誤差
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前章までで、オシロスコープのベーシックな操作はマスターしたと思います。これから先は、それらをベースにもう少し実践的な測定の例をあげ個々にそのポイントを説明しています。
●電源をONする前にあらかじめ基本ポジションにセット
●基本ポジションにセットしたら電源ON
●トリガソースの選択方法
●VERT MODEがトリガ信号を自動選択
●[LINE]は電源同期 (50 Hz or 60 Hz) 専用
●[EXT]は外部信号でトリガ
●×10MAGの測定
●×10MAGとSWEEP TIME/DIVの測定は同じか?
●×10MAGとSWEEP TIME/DIVの動作の違いは?
●「×10MAG」と「SWEEP
TIME/DIV」それぞれの波形表示
●方形波やパルス波の測定
●方形波、パルス波の各部分の定義
●スクリーンの目盛
●立上り時間の測定
●立下り時間の測定
●パルス幅の測定
●2信号の時間差と位相差の測定
●2信号の時間差の測定
●2信号の位相差の測定
●2信号の和と差の測定
●2信号の和の測定
●2信号の差の測定
●映像信号 (ビデオ信号) の観測
●ビデオ信号の観測
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オシロスコープを取り扱って行く上で色々な疑問に直面すると思います。それが運悪く故障の場合もありますが、ほとんどが沢山あるノブやスイッチ類の設定が間違っていたり、操作ミスが圧倒的に多いようです。ここでは頻繁に起こりそうな事例を説明しています。
● 他の場所にオシロスコープを移動したら輝線が傾いてしまった
● 波形の輝度が普段より暗い
● 電源スイッチをONしたがブラウン管に何も現れない
● 輝度が暗く波形というよりは斜線 (または円弧の一部)
に見える
●
波形の輝度が暗くスクリーンの左右外側にも波形が続いている
● 輝線が太く滲んでいるように見える
● TRIGGERING
MODEスイッチがNORMの時に輝線が見えない
● TRIGGERING MODEスイッチがAUTOでも輝線が見えない
● 信号を入力しているが輝線しか見えない
● CH1に信号を入れても波形が見えない
●
CH1とCH2に同時に信号を加えているがCH1の波形しか見えない
● 電源スイッチをONしたが輝点しか見えない
● CH1に信号を加えたが縦に輝線が1本見えるだけ
● リサジュー図形がHORIZ.
POSITIONノブで横方向に移動できない
● リサジュー測定の時に図形の縦と横が説明と違う
● CH2の信号がTRIGGERING SLOPの設定と逆にトリガする
● VERTICAL MODEをADDにしたが予想した波形と異なっている
● HORIZ.
POSITIONノブを回しても輝線がスクリーンから外へ出ない
● TRIGGER LEVELノブが中央付近にあっても波形が静止しない
● 波形の振幅を小さくすると波形が静止しない
● 波形の振幅が1
div位から小さくなると静止しなくなる
● Triggering ModeスイッチがNORMでも波形が静止しない
●
波形の立ち上がり部分から見たいのに立ち下がり部分からになる
● 低周波 (50 Hz以下) になると波形が時々動いてしまう
● ビデオ信号が静止しない
● ×10MAGスイッチをONにすると波形が左右に揺れ動いている
● 低周波を2現象表示している時に波形がちらついて見にくい
● 2現象表示している時に表示波形が細切れになる
● 信号 (直流電圧) を加えたが輝線が動かない
●
直流分を含んだ微少交流電圧を測定したいが波形が見えない
● 同じ信号源からの測定で前回と全然違う測定値となった
● 測定波形に交流雑音が混じっている
● 高い周波数で測定した電圧は誤差が大きいようだ?
● パルス波の立上り時間を測定したが測定値が大き過ぎる?
●
プローブを使用したら測定値が一桁小さくなってしまった
FAQに関するヒントやアドバイスは掲示板の過去ログにあります。
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測定する前に定格を知っておくことは、測定時の誤差や測定の限界を理解し、測定結果に対して適切な評価を可能にします。ここでは、その主だった項目について説明しています。
●「ブラウン管」...形式、加速電圧、有効面
●「垂直軸」...動作様式、感度、減衰器、周波数特性、
入力インピーダンス、最大入力電圧、CHOP周波数
●「水平軸」...動作様式
、感度、入力インピーダンス、周波数特性、
X-Y間位相特性
●「掃引」...掃引時間、掃引拡大、直線性
●「同期」...トリガ・ソース、トリガ・モード、トリガ感度
●「その他」...校正電圧、輝度変調 、CH1信号出力
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本文の用語をABC順とアイウエオ順に整理し、その意味を簡単に説明しています。
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遅延掃引とは文字通り遅れて掃引することの意味です。「遅れて掃引する」の本質的な意味は「波形の部分拡大」にあります。波形の拡大は掃引時間を速くすることで可能ですが、これではトリガ点からの波形拡大になり拡大率が上がれば上がるほどトリガ点の近くしか見ることができません。
そこで、このトリガ点から離れた (ある時間だけ遅れた)
波形の一部分を拡大する方法として「遅延掃引」が使われます。
ここでは、オシロスコープの測定における極め付けとでも言うべきこの「遅延掃引」について説明しています。
●SWEEP
TIME/DIVスイッチによる波形拡大
●「×10MAG」による波形拡大
●遅延掃引とは
●遅延掃引の特徴
●主掃引と遅延掃引
●A & B SWEEP TIME/DIV (A & B 掃引時間切替器)
●遅延時間
●拡大する部分の設定
●「×10MAG」との相違
●連続遅延と同期遅延
●連続遅延 (Starts After
Delay)
●同期遅延 (Triggerable After Delay)
End of Contents
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