目線が高く初心者には難解
オシロスコープを勉強するにあたり、多くの先輩諸氏の著書を読み、また、実際にオシロスコープを前にその記述内容を確認するなど、自分なりに一通りの事を理解するにはかなりの歳月を費やして来ました。ご承知のように、オシロスコープ自体がマイナーなジャンルですから関係書籍も少なく、初心者に易しい書籍は殆どありません。しかも、著者が技術者である場合が多く、敷居の高さを毎度実感しています。
孫引きの安易さを危惧
オシロスコープの著者としてその末席に名を連ねた私にも多くの方々からご質問が寄せられますが、未だ浅学故に即答も叶わず、類書を読み返したりしてお答えしています。私自身が複数の類書からヒントを得てお答えする場合に一番恐れるのは「孫引き」になることです。つまり、自分自身では十分理解できないまま類書を引用して答えてしまうことです。右から左へ答えを受け渡してしまうその安易さを危惧し、念のため読み返してみる私のバイブル中のバイブルがあります。
テクトロニクス直筆の解説書
オシロスコープのリーディングカンパニーである米国テクトロニクス社が自ら執筆した
TYPICAL OSCILLOSCOPE
CIRCUITRY。1961年の初版で既に古典的な技術解説書ですが、オシロスコープの回路とその動作について易しく丁寧に記述されています。英文法に弱い私にも随所にイラストや回路図、数式が挿入され、何の説明をしているかが窺い知れ内容の理解を助けています。
バイブル中のバイブル
この TYPICAL OSCILLOSCOPE CIRCUITRY
で確認することで、孫引きの裏付けや更に自己知識の積み重ねも出来て、今となっては手放せない正に私のバイブル中のバイブルと言えます。1960年代に米国で発行されていて、入手はたいへん困難と思われますが、テクトロニクス社直筆の珍しい本なので少々内容をご紹介しておきます。
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