遅延掃引は、文字通り遅れて掃引することの意味で、トリガ点から離れた(ある時間だけ遅れた)波形の一部分を拡大する方法です。
それ故、通常のトリガ信号とは別に、遅延トリガ信号により遅延掃引を開始しますが、この遅延トリガ信号の発生の仕方により、連続遅延と同期遅延の二つの方式があります。
  

遅延掃引時のスクリーンの表示波形の例です。上側が主掃引の波形、少し太く見える部分(実際には輝度変調がかけられ他の部分より明るく見えます)が拡大する部分、下側の波形が遅延掃引により拡大された波形です。
上の輝度変調がかかる部分の左端までを遅延時間と言います。

「連続遅延」
この遅延掃引では、通常のトリガ信号が発生してから、DTPダイヤルで設定された時間の経過後に、遅延トリガ信号が発生し遅延掃引が開始します。
このモードでは、DTPダイヤルで連続的に遅延掃引を開始するポイントを設定できます。
連続的に可変できるため時間間隔の測定に都合がよいのですが、拡大率を上げていくと次第に拡大波形が左右方向に揺らぎはじめ不安定になる欠点があります。

「同期遅延」
連続遅延と異なる点は、DTPダイヤルで設定された時間の経過後に発生する、最初のトリガ信号により掃引を開始します。
 このモードでは、あらかじめ設定された遅延時間経過後、すぐには遅延掃引が開始しないため、波形の任意の部分からの拡大はできません。
しかし、設定された遅延時間の経過後、最初のトリガ信号により遅延掃引を始めるため、波形の拡大率が上がっても左右方向の揺らぎが目立つことはありません。


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