オシロスコープの垂直増幅器は、その周波数帯域が広く平坦で、直流から高周波信号まで歪みなく増幅します。
その下限周波数( fac )は、オシロスコープの入力回路がDC結合では0 Hz、AC結合では数Hzになります。上限周波数は、オシロスコープの定格表(一例)でわかりますが、

  

周波数特性

DC: DC 〜 100 MHz(−3 dB)

AC: 5 Hz 〜 100 MHz(−3 dB)

 

などとあり、この例では100 MHzが上限周波数、5 Hzが下限周波数(AC結合時)です。

オシロスコープの垂直増幅器の周波数特性(下図)でわかるように、その周波数帯域幅は直流の増幅度の約70 %になる周波数( f : 上限周波数)です。また、上限周波数の2倍の周波数( 2 f )では増幅度が直流の増幅度の約25 %になります。

 

 

 

 

例えば、周波数帯域幅100 MHzのオシロスコープでは、1 kHzの信号で6 div(6目盛)の波形が見えていても、同じレベルの100 MHzの信号は6 div×0.7で4.2 div(4.2目盛)しか振れないことになります。このことがわかっていないと、上限周波数付近の信号を30 %も低い電圧値として読みとってしまいます。

それでは、誤差が3%以内で読みとれる周波数はどの辺かといいますと、上限周波数の約30%の周波数( 0.3 f )が目安です。つまり、14MHz帯を正確に測るためには50MHzオシロスコープが、28、29MHz帯の場合は100MHzオシロスコープが最低必要になります。
  


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