会計のカタロゴス(草稿)
本草稿は、会計学の序論へのこだわりをとりまとめたものです。目指しているのは道草会計学であり、会計学における「視差法」です。寺田寅彦がいういわゆる「あたまの悪い人」が書いた会計学序論です。順次upしていきたいと思っています。 「〜いわゆる頭のいい人は、言わば足の早い旅人のようなものである。人より先に人のまだ行かない所へ行き着くこともできる代わりに、途中の道ばたあるいはちょっとしたわき道にある肝心なものを見落とす恐れがある。頭の悪い人足ののろい人がずっとあとからおくれて来てわけもなくそのだいじな宝物を拾っていく場合がある。・・・・・・ 頭の悪い人は、頭のいい人が考えて、はじめからだめにきまっているような試みを、一生懸命につづけている。やっと、それがだめとわかるころには、しかしたいてい何かしらだめでない他のものの糸口を取り上げている。そうしてそれは、そのはじめからだめな試みをあえてしなかった人には決して手に触れる機会のないような糸口である場合も少なくない・・・・・〜」 (小宮豊隆編「寺田寅彦随筆集(4)《科学者とあたま》 岩波文庫 1963改定) |
リンク先 http://melten.com/m/3681.html
|
カタロゴス:katalogos Logos(理性)の語源は“集める、数える、語る、説明する”というギリシャ語動詞Legionから派生した言葉で、「思想が合理的である」ことを意味している。人間は、物を集め、数え、説明し、その中に論理や法則をみいだしていく。Logosは私たち人間の思考の力を意味している。さて、本書のタイトルとしたKatalogosであるが、英語ではCatalogで目録、カタログである。ギリシャ語起源の接頭辞kata―(下に、…に従って)とLogos(集めたもの)で「数え上げられたもの、集められたもの」を意味する。物事をいっぱい集め、観察、推論し、真実を見出していく過程、すなわちLogosに至る前段的過程を意味している。 「会計のKatalogos」は、複雑怪奇、魑魅魍魎、最近の新聞紙上では、跳梁跋扈の世界まで加わって、ますますわけが分からなくなってきている会計の現実を、原点から整理することによって会計のLogosに至る、前段的会計(理)論である。
|
|