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民俗学 ここには、世界の狛犬・三猿・竜(龍)について、私なりの見解で見つけ出した物を展示してあります。世界を旅行して、ここに展示している以外で何か見聞きしたり写真があるとか、ご意見があればホームページの掲示板で、お教え願えれば嬉しいです。日本国内の狛犬については、素晴らしいホームページが沢山ありますので、是非訪れてみてください。 世界の民俗の旅 1 世界の狛犬・世界の竜族
世界の三猿、別のページに独立しましたので上の世界の三猿をクリックして下さい 世界の狛犬日本では神社の社頭や神殿の前に置かれる一対の獅子のような獣。発生的には番犬のように家を守る動物から来ているのではないでしょうか。このように門に鎮座する動物達(特にライオン)は、エジプトから中近東インドなど至る所にありました、私の写真アルバムからいくつか拾い出してみます。【中近東の狛犬】 【イラン】 左の写真は、イラン、テヘランの考古学博物館にあった紀元前2200前のテラコッタ製のライオン像。 見た瞬間に、これは狛犬ではと感じました。もっとも、この像は日本の狛犬より3000年も古いのですが。 【ライオン門】 下の写真は、トルコ中央部ヒッタイトの都があったボアズカレ、古代ヒッタイトの町の名前「ハットゥシャ」にある門。 口を開けて吠えているような表情だが、向かって左側の顔は欠けている、BC14世紀。 左の写真は、ライオンの胸毛の彫刻模様、3500年前の細かい彫り跡がいまだに残っています。 この地には、右のようなライオン像が沢山ありました。 イラクのバビロンにも、戦利品として持ち帰ったと言われる、ライオンの像があります。 右の2つもトルコにあります、真ん中がエフェソスの博物館、左がペルゲ(AD2世紀頃) 【ニムルド西北宮殿の門】 左は、イラク北部にあるアッシリア2番目の首都遺跡。前13世紀に基礎が定められ前9世紀に最盛期を迎え、前612年に攻略される。門を守護している人面有翼獣像は、足の形によって牡牛とライオンの形ある。右の大きな方が牛、アーチ下の一対はライオン。像を正前から見ると両足を揃えていますが、横から見ると4本の足が見えます。つまり5本足の像なのです。ただし、ニネベなど他の都市の物は4本足ですが、横から見ると5本足の方が自然に見えます。 【諸国の門、クセルクセス門】 右はイランのペルセポリス、ペルシャアケメネス王朝の首都、 BC331年アレクサンダー大王によって破壊された。 入口の大階段を上がると人面有翼牛像が宮殿を守っている。 アッシリアの人面有翼獣像と同型でライオンの物もあります(足は4本)。門は幅7b、高さ10b。 【獅子の門】 左の写真は、ギリシア、ミケーネ(ミュケナイ)遺跡。 入口の上にある三角形の処、柱の両側にライオンがいる(右の写真)。 ミケーネ文明は前16〜12世紀にかけてペロポネソス半島に発生ギリシャ文明の先駆となった。この遺跡もトロイと同じシュリーマンが発見しました。 詳細は、遺跡の謎参照 【石のライオン】 左、イランのハマダンにある、メディアあるいはパルティア時代の石のライオン。(像の内部に財宝が隠されているという噂のため何度も爆破され現在の形になったという)。パルティアは古代西アジアのイラン系遊牧民の王国(BC238頃〜AD226)。初期イスラム時代は城門の上に置いてあったという。 【ブハラ汗の城のライオン】 左、ウズベキスタンのオアシス都市、ブハラにあるアルク城の内部にあったライオン像。 作成年代は解らないがそれほど古くないと思います。 【東南アジアの狛犬】 【カンボジア】ほとんどの遺跡の入口にありました。 【アンコールワット】 左側の写真、西塔門にいたる環壕の参道入口にある獅子像。内部の本堂入口にも縦に並んだ獅子像がある。ここは1113年に建てられたヒンズー教の寺院。 【アンコールトム】 中央の獅子像は、アンコールトム、バイヨンの参道にあるもの、ここにも参道の至る所にいて、寺院和守っている。 【プリヤ・コー】(聖なる牛) ロリュオス遺跡群の一つ、3代インドラヴァルマン1世が祖先の霊を慰めるために879年に建立。 アンコール期の建物としては最古のもの。 基壇の前に3基、後ろに3基の煉瓦の祠堂があり、堂ごとに2匹の獅子がいました。 左の写真は、獅子像を後ろから視たもの、前の道路にあるのは牛の彫刻。 左の写真は、カンボジアで私の宿泊したホテル。 名前は「CITY ANGKOR HOTEL」 このホテルの前にも獅子像があり、ホテルを守っていました。 [タイの獅子像] ここに、写真は載せていませんが、タイにも獅子像が店の前などに置いてありました。 牡牝があるようで、雄は玉を口にくわえているもの。牝は、子供を連れているものと言っていました。 [ミャンマーの紙幣] 「うる星やつらの博物誌」 というHPを運営しいる[服部]様から、ミャンマーの紙幣に狛犬が載っているとの情報と、紙幣の画像まで提供して頂きました。 ミャンマーは、小説『ビルマの竪琴』の国と言えば懐かしいと思う方もいると思います。この小説については、作者もそのモデルになった人物も知っているので、「あの話は事実を曲げて作ったウソ話」とレバノン・キプロス旅行で一緒になった大隈秀夫なる人物から、実際の話というのを聞かされたことがあります。 話を、紙幣の話に戻します。ミャンマー紙幣の単位は、「ミャンマー・チャット(Kyat)」といい、1〜1000チャットまで16種類有り、それぞれ違う色の狛犬が描かれています。45とか90とかの不思議な数の紙幣もあります。 この狛犬もどきは、仏教寺院の門前で建物の守護神像とされる「チンテ」と呼ばれるものだそうです。現在は、紙幣の数が足りないと言うことで国外持ち出しは禁止されています。 下の紙幣は、5チャット、裏の絵はセパ・タクローをやっている図柄です。 【ネパールの狛犬】 ペルー・ボリビア旅行を御一緒した橋本氏から「ネパールの狛犬」の写真を提供していただきました。 (狛犬を大きく見せるためトリミングさせていただきました) 橋本氏のホームページ「ミチの雑記帳:旅の写真日記」のアドレスは下記です http://michio-h.sakura.ne.jp/index.htm 写真は、カトマンズ市内と郊外にあったそうです 【インドの狛犬】 [アジャンタ石窟群の狛犬] 仏教の石窟群の左側が第1石窟、右が17石窟入り口にあった物、6世紀頃の物と思われます。 [エレファンタ石窟群の狛犬] エレファンタ島にあるヒンドゥー教第1石窟の東院に、シバ神のリンガを守るように設置してありました。7世紀頃のもの。 *遺跡の詳細は、世界遺産「インドの世界遺産」を参照してください。 【南米の狛犬】 2004年10月のペルー・ボリビア旅行で、狛犬もどきを見つけました。 もちろんこじつけに近いです、しかし、家や建物の前に置いてあるところは間違いなく狛犬の発想です。 左は、チチカカ湖ウロス島、浮島の前にある葦船。右側の物はボリビアのティワナコ遺跡にあった物ピューマか何かの動物と思われます。 【日本の狛犬】 上で、世界の狛犬らしき物の写真載せました。日本と世界の狛犬で違う点があります。それは日本の狛犬の一方は口を開き、他方は口を閉じている、[阿吽の相]をしているということです。「阿」は口を開いて発する音声で字音の始め、「吽」(うん)は口を閉じるときの音声で字音の終わり。つまり、万物の始めと終わりをあらわしています。密教では、「阿」は万物の根源、「吽」を一切が帰着する知徳といっています。 狛犬の名称は、昔朝鮮半島を高麗と称したからで、外来の犬くらいの意味。上の阿吽以外に、雄雌の物、片方に角がある物などがあります。古い物では奈良薬師寺の物で平安時代後期の木造の物が残っています。江戸時代からは、稲荷神社の狐、摩利支天社の猪、天満宮の牛など祭神の使獣を狛犬にしているところも出てきました。 【沖縄のシーサー】 左側は沖縄でかってきたお馴染みの陶器製のシーサー。ちゃんと法則に則り「阿」「吽」の表情をあらわしています。 右は、久米島の屋根の上にあった唐獅子で、魔よけの一種とされています。 狛犬のホームページはたくさんありますので、私は陶器製の狛犬の写真を2枚だけのせておきます。 【鯉喰神社】 岡山県総社市吉備路をたどったときの写真。 「鯉喰」の名の由来については忘れていたんですが、[まいと]さんから教えていただきました。 このあたりは桃太郎の話の元になった話と思われる、温羅(朝鮮国の王子?=鬼)伝説がありますが、鯉に化けて川に逃げる温羅を、吉備津彦命(つまり、後世の桃太郎)が鵜(う)となって追いかけ、喰らった、将にその場所に神社を建てたのが、ここ。 右の陶製の狛犬写真、どこで撮ったか忘れてしまいました、近畿地方のどこかだと思うのですが、備前・信楽…?。 【狛犬と玉】 獅子(狛犬)と玉の結びつきは、中国の宋代に成立され日本に入ってきたようです。玉は転がることから、物事がうまくゆくということ、子獅子は子孫繁栄につながります。 狛犬の口の中にある玉は、人を惑わせたり傷つけるなどの妄言吐いてはいけないという戒めだそうです。 日本の狛犬の中で玉の上に乗っている、玉獅子といわれる狛犬は広島タイプといい広島の狛犬の特徴です。岡山でも同様な狛犬が多く見られるそうです。 【仁王】 阿吽の相を持つ守護神といえば、仁王があります。 【奈良の仁王】 左の二枚の写真は、私が40年前の修学旅行の時に撮った写真。東大寺の仁王と法隆寺の仁王門。 【国東半島】 右の写真は、九州国東半島の山門の仁王像。 【インドネシアの仁王】 左はインドネシアの寺院遺跡の前にあった物。 右が日本の九州臼杵にある仁王像、平地に直接置いてあり、どこか臼杵の仁王に感じが似ていると思いましたので、仁王の項に入れました。 世界の三猿、別のページに独立しましたのでここ上の世界の三猿をクリックして下さい 世界の竜族 イランの『王書』(シャー・ナーメ)に出てくる竜の話、「ロスタムの竜退治」 イランの博物館で買った細密画の1枚、西洋より中国の竜にちかい。
竜については、これだけでホームページを何個も作れるほど話がありますが次の機会ということにします。 |