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▼血液サラサラチェック詐欺行為の正体▼
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詐欺行為の正体
2006年8月30日にNHKで放送された「ためしてガッテン」でも注意がうながされていましたが、近年ショッピングセンターや期限貸しのテナントを利用した特設会場にて、無料で血液サラサラセルフチェックを行い、高額な健康器具や健康食品を売りつける詐欺まがいの問題が発生しています。
「ためしてガッテン」では、セルフチェックを行う際に採取する血液量を増減させることで、赤血球の見え方を操作できるという検証がされていましたので、当院でも早速検証してみました。
その手口は下の通りです。
同時刻の血液の見え方の血液採取量による違い
下の比較画像は、同時刻に、採取方法を変えて血液の採取を行った際の画像です。
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左・採取血液多量 = 右・採取血液適量
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左・採取血液多量 = 右・採取血液適量
上の画像は、どちらも同じタイミングで同じ時刻に採血した血液の画像ですが、明らかに違って見えます。
このように意図的に採血量を調整するだけで、見掛け上サラサラの印象を与えたり、ドロドロの印象を与えたりすることが可能な為、「血液がサラサラになるブレスレット」などと称する怪しげな健康グッズを利用させ、その前後で採血量を変えた血液の画像を見せた上で、「このままでは脳卒中や心筋梗塞で死ぬかもしれない」と言葉巧みに脅して商品を買わせるのがこの手の詐欺の正体です。
採血量の違いによって観察像が変わってしまう理由は、下の模式図の通り、プレパラートとカバーガラスの間に出来る「血液の層の厚さ」と「含まれる赤血球数の量」によります。
大量の血液を採取して、血液の層が厚くなるようにプレパラートを作れば、赤血球が幾重にもかさなって確実に連鎖しているような画像が表示されます。
それとは逆に、少量の血液のみを採取し、さらにプレパラートを作成する際にカバーガラスを意図的にプレパラートに押しつけるなどの作業をすると、血液の層の厚さは非常に薄くなり、無理矢理連結をはがされバラバラにされた赤血球の観察像が表示されます。
1,血液採取量−適量
2,血液採取量−多量
3,血液採取量−少量
上図のそれぞれのプレパラートの色の変化に注目して下さい。
適量のもの、多量のもの、少量のものでは、明らかに血液が付着している部分の色の濃さが違っています。これが血液の層の厚い・薄いの違いを表します。
とくに、3番目の血液採取量少量のプレパラートは、意図的にカバーガラスに圧力を掛けて血液の層が薄くなるように加工を施してあります。
この実験では、より結果をはっきりさせるために、少し強めに加工を加えていますが、採血量を少な目に調整して、軽く押しつけるようにカバーガラスを設置するだけの加工でも、多量に採血した血液画像とは明らかに異なる、血液サラサラに見える画像が得られます。
このように、血液サラサラチェックは、プレパラートの作成時に悪意をもって操作を行うと、いくらでも観察結果を変えてしまうことができますので、血液サラサラセルフチェック(新鮮血観察)は信頼できる施設でサービスの提供を受けて下さい。