野球というゲーム最大の欠点であり、また最高の長所でもあるとされるルール。
  スポーツに限らず、勝負ごとにはルールが必要だが、数あるスポーツの中でも
  複雑な部類に入る野球のルール。しかし、恐れることはありません。基本はいくつ
  もありません。それさえ掴めてしまえば、あとは応用に過ぎません。
   当コーナーでは、実際に起こったプレーやわかりやすい例をあげて、わかりにく
  いとされるルールの世界を垣間見ようというものです。ご一緒に楽しみましょう。
   なお、問の例は架空です。問題をわかりやすくするために、実際のプロ野球
  チームや選手を出させていただいています。すべてフィクションです。



ルール千一夜データベースbP



問11.選手交代のアナウンスがない?

   オリックス−福岡ダイエー戦。3−3のタイ・スコアで迎えた9回裏ブルーウェーブの攻撃。
  二死走者一、二塁のチャンスで、打者は日高。ホークスのマウンドはサウスポー吉田修二だ。
  仰木監督は、ここが勝負と踏んで、左打者の日高に代えて、ピンチヒッターに谷を起用した。
  谷は期待に応え、見事に右中間を割って、セカンドランナー五十嵐を迎え入れた。
   狂喜するオリックスベンチで、仰木監督は「あっ」と気づいた。興奮していて、代打・谷を主審
  に告げずに送り出してしまっていたのだ。
   ホークスベンチもこのとこに気づき、主審に「選手交代の宣告が為されていない。故に、代打
  の谷は無効でアウトのはずだ」と抗議した。ダイエーの主張は認められるだろうか?


                                         答えはこちら

問12.ベース踏み忘れ

   広島−横浜戦。横浜の攻撃。二死走者二塁で、打者はポゾ。紀藤の投じたスライダーを巧く
  流した打球は、ライト線に転がった。二塁走者の駒田は悠々ホームイン、打者走者のポゾは一挙
  に三塁を陥れた。しかし、この時ポゾは、一塁ベースおよび二塁ベースを踏まずに三塁に到達し
  ていた。
   このことに気づいていたカープのセカンド・木村は、ボールを受け取ったあと二塁ベースを踏み、
  二塁塁審にアピールした。無論、二塁塁審もポゾのフェール(踏み忘れ)に気づいており、木村の
  アピールを認めてアウトを宣告した。そして二塁走者の生還を取り消して得点を無効にしたのだ
  が、横浜ベンチは「駒田のホームインは有効だ」と主張した。これは正しいか?

                                         答えはこちら

問13.救援投手が牽制で走者を刺して交代

   西武−千葉ロッテ戦。マリーンズ1点リードで迎えた8回表西武の攻撃。1死から高木大成が
  ライト線を破り、一挙に三塁を陥れた。ここで山本監督は先発・園川をあきらめ、切り札のウォー
  レンを投入した。ウォーレンは、打者の鈴木に投じる前に、三塁へ見事な牽制球を放り、高木を
  刺した。
   ここで山本監督は、それまで4連投していたウォーレンを代えた。三塁走者がいなくなればウォ
  ーレンでなくともよい、と判断したからだ。リリーフに後藤を送ると、今度は東尾監督が出てきた。
  「ウォーレンは打者に1球も投げていない。交代はできないはずだ」というのだが・・・。

                                         答えはこちら

問14.プレー中に停電

   ヤクルト−中日戦。地方球場で開催されたこの試合は乱打戦になった。8−8の同点で、7回
  表中日の攻撃。無死満塁とスワローズ4番手の宮出を攻め立て、打者は山崎。が、山崎は宮出
  のスライダーを引っかけてショートゴロ。ショートの宮本は打球をさばくと、セカンドの辻へ送球、
  辻が一塁のペタジーニに送球した瞬間に、なんと球場の照明が消えてしまった。
   ヤクルト側は、「停電がなければ当然ゲッツーだったのだから、二死走者三塁でプレー再開」と
  主張し、中日側は「成立したのは最初のアウトのみだから、一死満塁で再開」を主張した。
  審判はどう判定すべきか?

                                         答えはこちら

問15.ファールエリアに守る

   福岡ダイエー−日本ハム戦。ファイターズ2点リードで迎えた8回、ホークスは2死ながら1塁
  3塁と、下柳を攻め立てた。打者は吉永。日本ハムの外野陣は右寄りに守った。ライト・本西は、
  引っ張り屋の吉永の打球に備え、思い切ってライトラインの外側、つまりファールエリアに出て
  守備についたが、こんなことが許されるだろうか?

                                         答えはこちら

問16.三振のボールが捕手のマスクに

   阪神−巨人戦。3−3の同点で試合は終盤に入った。阪神は9回、同点ではあるがリベラを
  投入した。先頭打者・二岡はカウント2−2からのストレートを空振り三振した。が、あろうことか
  三振したボールを捕手の矢野が捕球し損ねてしまい、ボールは矢野のマスクに挟まってしまった。
  この間に二岡は一塁へ駆け込んでセーフ。
    阪神側は「矢野のマスクに挟まった時点でボールデッド。したがって二岡は三振だ」と主張、
  一方巨人は「振り逃げと同じ。故に二岡は生きる」と言い募った。
    さて、どちらの言い分が正しいか。

                                         答えはこちら

問17.併殺プレー中の打球に走者が接触

   西武-オリックス。同点の8回、西武は無死1,3塁のチャンスを迎えた。ここで打者は木大成。
 ところが木は、オリックス・高橋のカーブを引っ掛けてしまいセカンドゴロ。完全にゲッツーの打球だ
 ったが、この打球を一塁走者の大友が故意に蹴飛ばすプレーを見せた。あまりにも露骨な態度だった
 ので、審判は故意接触を宣言、打球に触れた大友はもちろんアウト、さらに守備妨害として打者の
 木もアウトとした。東尾監督は、「大友のプレーは故意なので大友がアウトなのはわかるが、木
 は生きるはずだ」というが・・・。

                                         答えはこちら

問18.ホームインと他塁のアウトが同時!?

   ヤクルト-広島戦。ヤクルト、5回の攻撃中。二死走者は一塁に高梨。ここで打席に入った岩村は
  広島・先発の横山の速球を捉え、見事に右中間を割った。俊足で鳴る高梨は、二塁、三塁を回った
  ところで、カープ守備陣がバックホームを放棄したのを確認、スピードを落として、小走りでホームを
  踏んだ。ところが、この生還と同時に、打者走者の岩村が三塁を欲張って憤死してしまった。
  このケース、得点となるか?

                                         答えはこちら

問19.空振りしたバットが捕手に当たった!

   オリックス−千葉ロッテ戦。同点で迎えた6回裏、ブルーウェーブの攻撃は、2死ながら走者1,
  2塁でバッターはイチローという願ってもないチャンス。マリーンズのマウンドを守るのは小野。
  1−2から小野が投じたフォークに引っかかり、イチローは見事に空振りした。ところが、空振りの
  あと振り戻した
   バットが、捕手・吉鶴のミットに当たり、吉鶴はボールを後逸した。これを見た塁上の走者は
  それぞれ進塁したが、当然ロッテ側は抗議した。「打者イチローは守備妨害でアウト、走者は元
  の塁に戻らなければならないはずだ」と言うが、審判はどう判定すべきだろうか?

                                         答えはこちら
問20.走者が逆走

   阪神−中日戦。3回裏タイガースの攻撃、1死走者ニ塁で打者はピッチャーの湯舟。中日先発
  の小池にたちまち2ナッシングを追い込まれてしまい、バントは難しいと判断した一塁走者のカツ
  ノリは、突然一塁に向かって走り出した。これを見た小池は慌てて一塁へ送球したが、これが
  暴投となり、カツノリは難なく三塁へ進んだ。中日・星野監督は「あんなバカなプレーがあるか」と
  抗議したが、本当にルール違反になるのだろうか?

                                         答えはこちら


問21.インフィールドフライを外野手がキャッチ

   日本ハム−近鉄戦。6回裏ファイターズの攻撃で、無死走者1,2塁。打者は3番の片岡。
  バファローズ3番手の柴田は、片岡にポップフライを打ち上げさせた。ショート付近に上がった
  打球を見た塁審は、その場でインフィールドフライを宣告した。が、バックしたショートと前身
  してきたレフトが譲り合い、最終的にレフトの礒部が捕球しようとしたが、グラブの土手に当て
  て落球した。各走者は進塁、打者走者も一塁へ駆け込んだが、塁審はアウトを宣告した。
  日本ハム・大島監督は「インフィールドフライがアウトなのは承知している。が、文字通り内野
  フライの場合であって、このケースはレフトの礒部が落球しているのだからインフィールドフライ
  の適用には当たらない」と抗議した。塁審の誤審なのだろうか?

                                         答えはこちら


問22.フェアの打球にバットが命中

   横浜−広島戦。1回裏ベイスターズの攻撃。2死無走者で打者は3番の金城。カープ先発・
  高橋健の速球に詰まり、思い切りバットを振ったが打球当たり損ねとなり、捕手の前に転がっ
  た。金城は慌ててバットを捨てて1塁へ向かったが、投げ捨てたバットが打球に命中、ボール
  を追っていた谷繁は逆を突かれて取り逃がし、金城は一塁へ生きた。
   横浜・森監督は守備妨害を主張した。打者の金城は「故意ではない」と言っているが…。

                                         答えは
こちら


   戻る ホームへ