前歯の治療
前歯での部分的な虫歯の場合、その部分を充填する保存修復治療。
大きな虫歯や神経を処置した歯は、全体を冠で被せる補綴治療になります。
歯の変色等がある場合、削る量を最小限に、外側だけをカバーして修復するラミネートベニアという治療もあります。
前面を歯の色の材質でカバーする前装冠について。
使用する材質には、プラスチック(硬質レジン)、セラミック、
ハイブリッドセラミック等があります。
@ 硬質レジン (保険による治療)
審美性
色調等にこだわらなければ問題ありませんが、色調はやや平面的です。セラミックのように天然歯に近い
透明感や色調は出ません。
着色
早い人は1ヶ月程度で着色してくることもあります。
但し、変色とは違い、研磨等によって着色はかなり除去できます。
変色
陶器のお皿は何年経ても変色しません。一方プラスチックのお皿は徐々に色が変わってきます、これと同じしくみです。
どの時点でという区切りはなく、徐々にですが変色してきます。
強度
咬合力等の関係もありますが、ある時突然欠けるということがあります。
特に咬合力が強くかかる人や、奥歯が欠損したままの方は要注意です。
耐摩耗性
歯磨き粉を多めにつける方は要注意です。削れてきて内側の金属が露出する場合もあります。
◎費用
前歯の硬質レジン前装冠は基本的に保険でできます。
Aセラミック (メタルボンド)
◎審美性
天然歯は場所によっても、同じ1本の歯の中でも先端と根本の部分で色は微妙に違います。これを再現するには、経験と技術が必要です。同じセラミックの歯でも人工物とすぐ判るものと、天然歯と見分けが付かないもの、その仕上がりの差は小さくないです。
◎着色
着色はありません。
これは年数を経ても変わりません。
セラミックには歯垢もほとんど着きません。
◎変色
これも陶器のお皿で分かりますように、変色はしません。
◎強度
強度がありますが、破折することもたまにあります。
◎耐摩耗性
摩耗することはほとんどありません
△費用
自費治療になります。
当クリニックでは8.5万円(税込)〜
です。
Bハイブリッド
プラスチックとセラミックの中間的な性質を持つ材料です。
(エステニアは商品名です)
審美性
色調等は硬質レジンとほぼ同等です。
着色
硬質レジン程ではありませんが、着色はしてきます。
○変色
4〜5年程度では、大きな変色はないといわれています。この点が硬質レジンと大きく違うところです。
○強度
硬質レジンより強度があるので、臼歯の噛み合わせの部分にも適用可能です。
咬合力の強くかかる(歯ぎしり等)場合、端から一部欠けてきたりしてくることはあります。
○耐摩耗性
臼歯に使用した場合、年数が経過すると咬合面が摩耗してくる場合があります。
△費用
自費の治療になります。 当クリニックでは6.8万円(税込)〜です。
◎歯冠補綴の自費治療(ハイブリッド、セラミック)の場合、
形成・印象時に2200円(税込)が別途必要です。
※選択時の参考・・
・前歯なので、さすがに金属は困るけど着色は気にならない。
→硬質レジン
・前歯は一番人目に触れるので、変色も無く、天然歯に近い色調にしたい。
→セラミック
・大臼歯も歯の色にしたいけど、できるだけ安く。
→ハイブリッド(保険で出来るケースもあります)
・大臼歯も摩耗するのは気になるし、一番良いものにしたい。
→セラミック