ジェンダー   男女の違い   ホルモンによる脳決定   アクア説  遺伝率
 
 
ホルモンによる脳の性決定について
(その実験例)
 
「ここまでわかった! 女の脳・男の脳」新井康允著 講談社ブルーバックスより
 
 
1,ラットの例
 
2,サルの例
 
3,ヒトの例
 
 
 
 
 
 
 
 
 
1,ラットの例   1,ラットの例   2,サルの例    3,ヒトの例
 
 
交尾の時    オスはマウント行動   (のっかっかり行動)
        メスはロ−ドーシス行動 (受け入れ体制)  をする。
 















 
   実  験  内  容   実  験  結  果  解釈


実験T
オスにエストロゲンを注射
 
ロ−ドーシス行動(受け入れ体制)
をとらない。

脳がすでにオス型メス型になっているため。

メスにアンドロゲンを注射
 
マウント行動(のっかっかり行動)
をとらない。
 


実験U




 

オスの精巣を出生後数日以内に摘出
 

成熟してエストロゲンを注射するとロ−ドーシス行動(受け入れ体制)をとる
 

メスの脳になっているため

メスに出生後一週間以内にアンドロゲンを注射


 

成熟してエストロゲンを注射してもロ−ドーシス行動(受け入れ体制)をとらないが、アンドロゲンを注射するとマウント行動(のっかっかり行動)をとる。
 

オスの脳になっているため。

 
    
 
ラットの脳は誕生後早期にアンドロゲンを受けるとオスの脳になる。
 
 
 
 
 
 
 
 
2,サルの例(アカゲザル) 1,ラットの例   2,サルの例    3,ヒトの例
 








 
  実験グループ 小ざるの遊びのパターン 解 釈


 
正常のメス メス型
正常のオス
 
オス型
 

 



 
 
胎生期にアンドロゲンを注射さ
れたメス
オス型
 
脳がオス型に
変化した
新生期新生期にアンドロゲンを
注射されたメス

 
メス型

 
脳に変化なし

 
アメリカのウイスコンシン大学ロバート・w・ゴイ教授らの研究
 
サルの場合胎児の時期にアンドロゲンを受けるとオスの脳になる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
3,ヒトの例  (実験はできないので観察のみ)
1,ラットの例   2,サルの例    3,ヒトの例
 
  先行知識として
 








 



先天性副腎過形成症



 
アンドロゲンが多量に合成される病気で、胎児の時期からアンドロゲンを浴びている。
この症状の女の子は正常な女の子に比べて「おてんば」で遊び相手として男の子を好み、野外遊びが好きで攻撃的で、「ままごと」のような屋内遊びは好まないといわれている。

成長して社会的には女性として立派に適応してゆくことも知られている。

プレダー(Prader)病

 
性ホルモン(アンドロゲンもプロゲステロンもエストロゲンも)がすべて分泌されない。
この病気が男児で発病した場合には、外性器は完全に女形になって生まれてくる。
 
 
 
 
 
  観察1


 
副腎過形成症の女の子
 
幼児期11人中 9人(81%)の遊びが男性型であった。
 
副腎過形成症の女の子
 
児童期11人中 7人(63%)の遊びが男性型であった。
 

プレダー病の  男児
 
     3人
出生時女性と判定され、女性として育てられており幼児期および学童期の行動パターンは女性型であった。
(金沢大学医学部の佐藤保教授らによる 母親によるアンケート調査より)
 
 
 
  観察2


 
 正常な男の子   男性用のおもちゃと遊ぶ時間が長かった。
 正常な女の子   女性用のおもちゃと遊ぶ時間が長かった。
副腎過形成症の女の子   男性用のおもちゃを好んだ。
(カルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のノリッサ・ハインズ博士)
子供達をプレイルームで自由に遊ばせ、ビデオに撮って解析した。
 
 
ヒトの場合受胎後6〜8週間にアンドロゲンを受けるとオスの脳になる。
 
 
 
 
 
 
 
 
各国における同性愛男子の人口 (ダイヤモンド,1993)







 
イギリス 5.0−9.0%
日本 5.8%(両性愛者も含む)
オランダ 7,8%
フィリピン 2,0%
タイ 3,5%
アメリカ 4,8%
   
平均 4,8−5,4%
p102
 
 
 
 
 
INAH(前視床下部間質核  4つの亜核あり)
INAH−2 と  INAH−3で 男で大きくニューロン数も多い。
サンディエゴのソーク研究所のルベイ博士
エイズで死亡した同性愛者の男の脳のINAHが女性と同じように小さい。
 
この亜核の機能はサルなどの実験から類推すると、男性の性的覚醒に関係がある。
 
 
 
 
 
 
1952カルマン
一卵性双生児にかんする研究より一方が同性愛なら他方も100%性的志向が一致する。
しかし、二卵性双生児の場合10%しか一致しない。
 
多数の報告を平均すると、
一卵性双生児270組の内、
両方とも同性愛で性的志向が一致したものが約68%
二卵性双生児264組では16%が
性的志向が一致した。
p102
 
 
 
同性愛は生まれつきである(生得性が強く、環境ではない)。
 
 
 
 
 
 
 
1993年アメリカ国立癌研究所の研究グループ
114人の同性愛男性の家系調査を行った結果
同性愛の遺伝子がX染色体上に存在することが判明。
 
 
アメリカ国立癌研究所のハマーら
X染色体上の特定領域(Xq28)に同性愛の遺伝子の存在箇所を特定した。
 
 
同性愛の遺伝子の場所まで確定した。
 
 
 
 
 
 
参考図書「ここまでわかった! 女の脳・男の脳」新井康允著 講談社ブルーバックス1994
 
 
 
 
 
 
ジェンダー   男女の違い   ホルモンによる脳決定   アクア説
 
 
星の神社