第1回夏休み牧場旅行杯
〜北海道牧場見学紀行〜

8月25日(火) <午前の部>【 千歳 → 門別(ブリーダーズSS 他)〜 】
 
 今日は旅行が始まってから四日目、北海道に来てから三日目になります。そしてこの日は日高地方という、日本の競走馬産地の「本場」とも言える場所に乗り込むのが目的です。
 しかし、一口に「日高地方」と言っても西は鵡川・門別(むかわ・もんべつ)、東は襟裳・様似(えりも・さまに)と、長さだけでも100km程度有ります。そこで今日は、日高地方で一番西側の、鵡川・門別の牧場を見て回ることにしていました。
 
 ホテルで目が覚めると、千歳の朝はまだ雨のようです。気温も夏としてはかなり下がっており、もしかすると今日は無駄な一日となってしまうかもしれない…という不安がよぎります。が、何時までもここに居られる訳でもないので、8:45頃にホテルをチェックアウトしました。
 昨日も使った国道36号線を更に南下し、その途中で室蘭方面に向かう36号線と別れを告げ、日高地方に入る国道235号線を走ります。今日最初の目的地である「ブリーダーズSS」は門別にあり、また見学時間が10:30〜11:15とやや早い&短い為、それまでに付くことが出来るか、そして天気はどうなのか、が非常に心配でした。
 ところでその道中、ガソリンが少なくなったので、道路沿いのガソリンスタンドに寄って給油したのですが、見ると値段が非常に安い。スタンドが乱立する関東の激戦地でも付けられない値段です。不思議に思って周りを見ると…遠くに原油の備蓄基地と思われる巨大なタンクが幾つもそびえていました。なるほど、陸上の輸送コストが殆ど掛からないからなんだろうな…、と妙に納得した(^^;私達は、帰りもここで給油しようと決めました。日高に車で行く方は参考にして下さいね(笑)。
 
 さてそうこうしている内に、国道の両側に牧場が点在するようになってきました。心配の種だった雨もとりあえずは止み、日差しもほんの少し出てきた為、馬を放牧している牧場もちらほらと見ることが出来ます。これを良い兆しと喜んだ私達は、更に車を飛ばしました。
 やがて車は鵡川町を過ぎ門別町に入ります。沙流川の橋を渡り「ブリーダーズSS」の案内が出ているところで国道235号線から内陸側に進路を取ると、少ししてブリーダーズSSの正門前に到着しました。
 見ると時間は10:00前。正門には「本日の見学は中止しております」のプレートが(^^;。さすがに雨が止んだばっかりなので、馬を放牧するまでには至らないか…と少しがっかりした我々ですが、まだ開始予定の10:30にもなっていないし、それまでここに居続けるのも虚しいので(^^;、とりあえずすぐ近くにある「日高ケンタッキーファーム」で時間を潰すことにしました。
 
 日高ケンタッキーファームは、現在居るブリーダーズSSから車でわずか数分の所にある観光牧場で、いわば昨日行った「ノーザンホースパーク」と同じ様な施設です。ただこちらは乗馬体験が充実していて、それまで馬に一度も乗ったことのない人でも初心者用のレッスンを受ければ、単なる「引き馬(馬を引く人が居て、客はただ馬の背に乗っているだけ(^^;)」ではない、30分や1時間の乗馬体験が出来ます。この点において日高ケンタッキーファームは「アミューズメントパーク」と言うより、「リゾート施設」に近いものと言えるのかもしれません。
 ちなみに、私達は下の弟が大学の馬術部に所属しており、またそれ以外の2人(私自身含む)も引き馬になら数回ほど乗った経験が有る(^^;為、折角だから馬を見るだけでなく北海道で乗馬もやってみよう!ここには宿泊施設もあるので、泊まりがけで乗馬体験だ!(笑)……と意気込んで居たのですが、宿泊予約を申し込んだところ「その週はもう満室なんです」との事(^^;。残念ですがまた今度の機会に、と言うことになってしまいました(;o;)。
 
ニホンピロウィナー
名種牡馬ニホンピロウィナー
今までは故郷である下河辺牧場で繋養されていた
のですが、最近ブリーダーズSSに移ったようです
 ともかく、日高ケンタッキーファームに入園し、少し待つことにしました。園内を回ると、ロッジのある北側には私の大好きな馬、グルメフロンティアの故郷である白井牧場がすぐとなりに見えました(^^)。ちょうど調教か乗り運動をしている馬もちらほら見かけます。今回は見学予定に組んでなかったのですが、次回来るときは絶対白井牧場を見学するとの誓いを胸に(笑)、時間が来たのでまたブリーダーズSSに戻ってみました。
 
 すると…見学客とおぼしき人達が集まっています。しかも、馬も放牧されているようです。やった!と3人で喜び、すぐさま車を駐車場に止めて中に入りました。
 ちなみにこの時、ここにはニホンピロウィナータイキブリザードトロットサンダーマチカネタンホイザアスワンアフリートアラジイーベルツェンスターオブコジーンスリルショーソウルオブザマターソビエトスターダンスオブライフフォティテン等の種牡馬たちが繋養されていました。
 
タイキブリザード
この年、種牡馬1年生のタイキブリザード
見学中、ひたすら草を食いまくっていました(^^;
 入った後、見学者担当の職員さんの説明があります。とにかく「最近はマナーの良くない見学者が結構居るので、きまりはちゃんと守って欲しい」との事。結構、神経を尖らせているようでした。まあ、繋養している種牡馬はどれも「億単位」の価値が付いた馬ばかり、その点はしょうがないですね。
 それに実はこの年、私達が見学に行く2ヶ月ほど前に、ブリーダーズSSではマチカネタンホイザの馬具(引き綱だそうです)」が見学者によって盗まれると言う事件があり、その後暫くの間「全面的に見学禁止」になるという事がありました。
 私達が行った時は、ようやく見学が再開された直後だったので運良く見学することが出来ましたが、こういう「自分が良ければ後の他人の事なんかどうでも良い」と言うような、自己中心的な輩は一切行かないでほしいですね(怒)。
 
トロットサンダー
マイル戦では無敗だったトロットサンダー
この日の午後に我々が訪問した
フラット牧場の代表生産馬です
 更にここでの見学中に、あれほど職員から注意されたのにも関わらず、牧草地に入る・牧柵によじ登る等の行動を無神経に続ける大馬鹿者が2,3人居ました。
 近くに職員さんが居なかったので特に何もありませんでしたが、「きまりを守らない方が出たら、今後即全員見学禁止にします」と言われていたので、この自己中心的な無神経さにはさすがに腹が立ちました。他の人も同様に思っていた人が結構居たようで、中には私達に「あの人らはあなた達の同行者ですか?」と確認して回る人が居たほどです。冗談じゃない、私の知り合いにそんな馬鹿者は居ないよ、と言う気分でしたね(^^;。
 あくまで個人的な感想ですが、このような無神経な人物は若者が5,6人位で来ているグループの中に時々見かけます(当然、全てのグループがみんなそうだと言うことは絶対無いですよ(^^;)。
 何故かというと5,6人以上のグループだと、その中に1人位は「俺はそれ程競馬に興味がある訳でもないけど、仲間が一緒に行こうよって言うから俺も来たんだ」という人が混じっていて、その人物が生産牧場見学の「常識」を知らないor無関心な場合が多いからだと思います。またこの位(5,6人)になると「群衆心理」が働くような人数にさしかかるからでしょうね。
 チトつまらない話になってしまいましたが(^^;、これから生産牧場見学をしてみようかな、と考えている方は、このような大馬鹿者達(笑)のような行動だけは間違ってもしないようにしましょうね(^^)。
 
 この話はともかく、これだけの馬を見ることが出来たのはやっぱり嬉しかったです。特に現役競走馬の頃の姿を見ている、タイキブリザード・トロットサンダー・マチカネタンホイザたちも元気そうだったので、その姿もしっかりと写真におさめてきました。まあ、放牧されたばかりの時間だったので、顔を上げずに草をひたすら食べている馬が多かったですけど(笑)。
 そして見学時間の45分間はあっという間に過ぎてしまいました。私達はもう少し見ていたいな〜という気分に後ろ髪を引かれまくりながら(笑)、ここの門を出ました。
 その後、昼食を摂るために日高ケンタッキーファームに戻った私達は、午後に見学する牧場に大きな期待をしながらそこでのひとときを過ごしたのです。
 
 さて、その牧場というのは… 話の続き(午後の部)を見るならここをクリック!

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