WEBKinoko(FIAT126 はじめに)

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  1. FIAT126って?

  2. フィアット126は、かの有名なフィアット500(チンクエチェント)の後継車として、1973年にイタリアのフィアット社でデビューしました。リアエンジンやサスペンションなど基本的なところはフィアット500と変わらないのですが、エンジンの排気量を増やし、フロントにあった燃料タンクをリアに移し、角張ったデザインになるなど、実用性を高めたモデルチェンジがなされています(このため、フィアット500のエンジンは126用のに載せ替えることも出来ます)。イタリア本国では1987年まで生産され、その後ポーランド・フィアット(当時はFSM)社に移管されました。
    ポーランド・フィアット社ではその後も独自の改良を続け126pとなり、さらに水冷化されたエンジンとリアハッチを持つフィアット126bisに生まれ変わりました。この126bisは、ポーランドや東欧ではかなり一般的なクルマであり、日本国内にも輸入されています。
    その後1990年代に、再び空冷エンジン+ノンハッチに戻し、ヨーロッパの安全基準を満足させるようにボディサイド等を強化し、内装を現代化したモデルが、フィアット126elとしてデビューしました。elはこの後排ガス規制に適合するよう触媒等を付けたelxにバトンタッチします。このフィアット126elxが私のクルマです。
    このフィアット126elxは、最後にHappyEndという1000台限定生産モデルになり、2000年7月をもってポーランドでも生産中止となりました。
     
  3. どうやってみつけたの?

  4. 1999年8月にクルマ雑誌を見ていたら、新車で軽自動車登録されたフィアット126が買えるという記事が出ていて、長野まで行って、試乗をさせてもらって、気がついたら買っていました。 納車は、3ヶ月ほど掛かり12月になりました。

    実は、フィアット126自体は、以前からちょっと気になっていたクルマでありました。ネコ・パブリッシングワールドカー・ガイドの「フィアット」に、ラーダ・ニーバを小型化させたようなクルマが出ていて、それがフィアット126pだったのでした。(ラーダ・ニーバはナカナカ好きなクルマですし、1960-70年代のフィアット車のデザインも好きなのです)
    その後、地元埼玉で初めてフィアット126bisに遭遇したあと、、中古車屋で126bisが出ていたので、見に行ったのですが、意外と値段が高く、また126bisは普通車登録で、税金が高く車庫証明も必要だったので、あきらめていました。

    そんなクルマが、新車なのに中古車と変わらない価格で、しかも軽自動車登録で手に入るのなら、これは買わずにはいられない!となってしまったワケです。(輸入台数も少なく、今回逃がすと来年納車になるかも、と言われました)
     

  5. 整備はどうしているの?

  6. 慣らし運転を終えたあと、オイル交換のついでに添加剤MicrolonXAを入れ、ボディ錆対策として電子防錆装置RustBusterを装着しています。防錆装置の効果は絶大で、錆の発生がほとんどありません。
    オイルは大体半年に1回交換、最初は15W40の鉱物油でしたが、最近はホームセンターで1クォート(0.95)約400円と格安なValvoline VR1(20W50)に変わっています。入れ易く保存し易い容器なのも良いです。
    さらも消耗品やちょっとしたパーツは、海外から輸入しています。ただ、elx独自のパーツ(電子デバイス等)は手に入らないこともあります。取り寄せたパーツは近所のフィアット仲間たちと一緒に取り付けしています。

    なお、今までに次のようなトラブルがありました。

    アイドリング不良⇒キャブのジェットに白い微細な繊維状のモノが詰まっていました。埼玉県川口市にあるA.TRUCCO(トゥルッコ)で、キャブレターのオーバホールをしていただき、詰まっていたホコリを取り除いたところ、アイドリングの安定性があがりました。たまに調子が悪い時は、エアクリーナがブローバイガスの汚れで詰まっていることもあるので、交換は5000kmごと定期的に必要です。
    ブーツ切れ⇒ドライブシャフトアウターブーツの切れをほったらかしていたら、グリスが抜けてドライブシャフトスリーブ内側スプラインが破損し、走行不能となりました。ドライブシャフト一式を取り寄せ、仲間の協力を得て、スリーブ交換作業をしました。
    タイヤ偏摩耗⇒左後輪がカーカスが見えるほどタイヤが摩耗していました。オフミでの仲間から指摘でした。その場でスペアタイヤに交換しましたが、これは126の特性のようです。車検ごとに4輪とも交換し、現在は国産格安になっています。 (つまりタイヤ寿命は2年2万キロということです)
    間欠ワイパー故障⇒ステアリングコラムにワイパーレバーが付いていますが、1段目にしても間欠動作をしなくなりました(通常は数回連続動作のあと間欠状態に変わります)。原因を調べるのが面倒なので、現在は手動間欠ワイパーとしています。
    バルブ溶解⇒キャブにつながっていた電気接点を外したらレスポンスが良くなったのですが、高回転時にアクセルオフするとガス供給がストップしていたようで、シリンダー内部が希薄ガスのため高温となり、その結果排気バルブが融けて圧縮が抜け走行不能になりました。やはり仲間の協力でエンジンを降ろし、バルブ全交換とセミオーバーホールをして復活。わけの分からない電子部品には手を付けない方が良いですね。

    基本的には、適切に整備していれば信頼性は充分高いと思います。
     

  7. 運転した感じは?

  8. コールドスタート時のエンジン始動は、かならずチョークを入れないと掛かりません。さらにその状態でじゅうぶん暖機運転をしないとエンストしたりギクシャクしてしまいます。

    1速とリバースはノンシンクロなので、完全に停止してから入れる必要があります。リバースはシフトノブを下に押してから、4速の奥のポジションに入れるのですが、押したつもりなのに完全に入っていなくて、バックするつもりが4速で前進することしばしです。 また、特に1速が入れにくく、中途半端に入れていると発進時にボーンとギア抜けすることがあります。ふだんは2速に入れてから1速またはリバースに入れていますが、それでもたまに中途半端に入っている場合があります。この抜けた場合は、速度がやや出ていますので無理に1速に入れるとギア鳴りがしますから、迷わず2速に入れて走り出しましょう。

    一旦走り出すと、加速は割と良いほう(2CVと比べて)です。最高速度も120km/hくらいまでは出ますが、ショートホイルベースと板バネサスペンションのためか、ハンドルをしっかり握っていないとやや不安です。トラックの横を通るときも要注意。風圧でハンドルが取られてしまいます。(ジムニーに乗っていたときも同様でした) デコボコ道では、ピョンピョン飛び跳ねて、頭が天井と接触することしばしばあります。

    昔のクルマ雑誌に、126はポルシェと並んで運転が難しいクルマ、みたいな書き方をしていたものがありましたが、こんなところがなのでしょうか?それとももっと峠道とか攻めたときのリアエンジン車の挙動が激しく出るところとか、かもしれません。

    気に入っているのは、色と排気音とスタイルですね。このオレンジはかなり目立ちますし、排気音が、ナカナカにぎやかです。駐車場に停めると、他のクルマより、ものすごく小さいのが逆に目立ちます。何しろ現代の軽自動車よりも、さらに一回り以上小さく、実はスバル360とほぼ同じ大きさなのです。そのため小回りも効きます。
     
     

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