最終更新日:平成16年3月29日

科学の扉

 前書き
 第1章 力学
  1.非弾性衝突
  2.車との衝突 (衝撃度計算)
  3.安全性からみた車選び
  4.人体にさほどに影響しない衝突
  5.遠心力という曲者 (はみ出し度計算)
  6.ブレーキと制止距離 (制止距離計算)
  7.恐怖のベーパーロック
  8.安全に運転するための心がけ・車を長持ちさせる注意
  9.ビル火災と落下
 10.水槌
 第終章 現代物理学の歴史
はじめに
  1.宇宙理論

 前書き

科学の問題にチャレンジしてみよう。
 身近な生活の中では物理学の法則が働く場合が実に多いのだが、女子高と言うことと、一般に物理は難しいこともあって、カリキュラムから遠ざけられる傾向にあるのは残念だ。それを補えるかどうか分からないが、社会生活をして行く前にぜひ心得ておいて欲しい事柄を主に取り上げ行きたいと思います。

 1章 力学
 我々は車社会から隔絶して生活することはまずできない。そこで遭遇する恐れのある事柄を取り上げて見たいと思う。

 1.質点の非弾性衝突
 今回は、諸君にも関係することになるかも知れない、衝突事故について考えることにする。
勿論、事故は起こさないほうが良いに決まっているが。
 宇宙工学の日本における権威、元東大宇宙研所長「糸川博士」の著書によると人間の耐えることのできるG(重力加速度を単位とする)は5G位だそうだ。これを超えると肉体に損傷を受ける確率が極めて高くなると言うことを意味している。
実際の衝突は複雑なので、質点の衝突のように考えて考察することにする。以下の計算では=は数量計算では≒の意味で使用する。また、有効数字は概ね3桁を基本とする。
 車の質量1100kg、4人(60kg/人)で240kgの計1340kgの乗用車が時速60kmで 変形することのない壁に衝突して前部を20cm凹ませて止まったと言う状況を考える。
時速60kmは60000(m)÷3600(s)=16.7(m/s)として 単純に 20cmで16.7(m/秒)の速度が加速度αを受けて0になったと考えると、1G=9.80(m/s2)として
 16.7=αt, 0.2=16.7t−0.5αt2 が成り立つ。
0.2α=16.7αt−0.5(αt)2 と変形できるから
0.2α=16.72−0.5・16.72  ∴ α=697(m/s2)=71.1G

非弾性衝突においても運動量と力積の和は保存されるから、作用した平均の力をFとし力の作用した時間をtとすると
  mv=Ft 
∴ t=mv/F=16.7÷697=0.0240(s)
  m=1340(kg)  v=16.7(m/s) としてFを求めると,
 F=1340×16.7÷0.0240=934000(kgm/s2)=95300(kg重)

の力が作用したことになる。これは1340kg重の71.1倍であることが分かる。つまりは71.1Gの加速度が水平方向(と見る)に作用したことになる。5Gの約14.2倍である。
 従って、こういう状況であれば何らかの肉体の損傷があって当然と言うことになろう。
実際は、シートベルトに遊び等を考慮して更に10cm人体は移動するとすると30cmで16.7(m/s)の速度が加速度αを受けて0になったと考えらる。
この場合は同様に考えて計算すると、47.4G で5Gの約9.5倍である。これを  とする。

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 2.車との衝突
 次に車との衝突を考えてみよう。
(1) 同じ重量サイズの車同士の場合
 a スピードが同じ場合 これは上と同じ状況になる。
 b 相手(速度V)が自分(速度v)よりスピードが大きい場合(V>v)、 Gは Aの場合より大きくなる。
質量をm、衝突後速度V'一体となった運動をするとすると、
  mV+m(−v)=2mV'  ∴ V'=(V−v)/2
  自分の相対速度は v−(−V')=(V+v)/2>v

 c 相手(速度V)が自分(速度v)よりスピードが小さい場合(V<v)、  Gは Aの場合より小さくなる。
 同様に考えて、 v−(−V')=(V+v)/2<v

(2) 相手が自分よりサイズが大きい場合、例えば総重量12トンの荷物を制限一杯満載した大型車との正面衝突を考える。
話を簡単にするため、本人は合わせて1.2トンの車両に乗っていて、どちらも時速60km/時で正面衝突した場合を考えることにする。また、衝突後二つの車両は一塊になって同じ速度で運動することを考えることにする。
M:大型車の質量,m:小型車の質量,V:大型車の速度,v:小型車の速度V':衝突後の速度 とする。衝突でも運動量は保存されるから
  MV−mv=(M+m)V'
∴ V'=(MV−mv)/(M+m) の速度で大型車の進行方向に進むことになる。
 上のデータを入れて計算すると、M=10m, V=vとして
  V'=(MV−mv)/(M+m)=(10mv−mv)/(10m+m)=9v/11=49.1(km/時)
小型車にとって、その相対速度は109.1km/時にもなる。これは注意すべき事柄だ。

 次に 運動の状態を分析してみよう。
大型車の塑性変形量は小型車塑性変形量(36.4cm,速度に比例して変形量も増加するとする)に対して、頑丈にできていることを考慮して重量比の逆と考え3.6(cm)とする。(小型車の1/10として)、シートベルト等の遊びは18.2(cm)とする。(速度に比例して伸びるとして計算)。小型車の塑性変形に着目して、V'になるまでの時間をt(s),小型車に働いた加速度をα 大型車のそれをβとし、塑性変形はt(s)間続いていたと仮定する。
 速度について、60×1000÷3600=16.67
  16.67−βt=49.1,
  16.67−αt=−49.1
 距離について
  33.34t−0.5(α+β)t2=小型車の変形量+大型車の変形量+シートベルトの変形量=0.364+0.036+0.182=0.582(m)
  33.34−(α+β)t=0 から (α+β)t=33.34
 代入して
  33.34t−0.5×33.34t=0.582,  t=0.582/16.67=0.0349(s)
  α=109.1÷3.6/t=30.3/0.0349=868.2=88.6G
 これは人体許容Gの実に17.7倍である。
先のA 47.4Gに対しても約1.9倍で大変なGが人体にかかることが分かる。
小型車の前部が54.6cm凹んだとし、シートベルトの遊びが18.2cm、大型車もその1/10凹んだとすると5.5cm
t=0.783/16.7=0.047
α=109.1÷3.6/t=30.3/0.047=644.7=65.8G
これでも人体許容5Gの実に13.2倍である。
これでさえAの1.34倍となる。いかにダメージが大きいか分かるだろう。
 上のことを一般的に求めることができるようにしたものがこれである。

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 3.安全性からみた車選び
車選びのポイント
上の考察から言えることは、車は単に『頑丈にできていれば安心』と言うわけにはいかない。
居住空間は頑丈が良いが、前部は逆にある程度塑性変形してくれた方がGは少なくなる。
また、フロントの部分は長いほうがより安全とも言えよう。キャブオーバー型は命の保証はより少なくなるだろう。
また、シートベルトもハンドルに当たらない程度に伸びてくれる柔構造の方がGは少なくなる。
と言っても、事故を起こさない安全な運転が良いことは言うまでもない。
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 4.人体にさほどに影響しない衝突
最後に、人体にさほどに影響しない衝突として5G程度の衝突はどのくらいの速度で壁にぶつかった時であろうかを次に述べよう。
v=5Gt, 0.3=vt−0.5×5Gt2 が成り立つ。
0.3×5G=v×5Gt−0.5(5Gt)2 と変形できるから
0.3×5G=v2−0.5・v2   ∴ v2=3G=29.4

∴ v=5.42(m/s)=19.5(km/時)
約時速20kmという結果だ。
これは人体が30cm移動して止まったとの前提での数値である。
この数値が30より小さくなればGは5Gより大きくなる。
この程度の速度だと20cm位かとも思うが、それなら
2=2G=19.6 から v=4.427(m/s)=15.9 (km/時)

約時速16kmと言うことになろう。

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 5.遠心力と言う曲者
 よくカーブを回りきれずに対向車線に飛び出して正面衝突という記事を目にすることがあるが、物理法則を知らない者の悲劇か。
 質量m=1200(kg),総重量1200(kg重)程度の乗用車と言うことで考えよう。
首都高速の設計速度は60km/時と言われている。これで高速かと言いたくなるが、それはさておいて、この道路は60km/時で走る時が最も合理的に道路構造ができていると言うことだ。
 話を戻して例えば、曲率半径r=100m(道路の中央を考える)とする。ここを速度v=時速60km=16.7(m/s)で走る時に発生する遠心力F(ニュートン)は
F=mv2/r から
F=1200×16.72/100=3346.7(ニュートン)=341.5(kg重) の力が真横からかかることを意味する。

そこで道路に勾配をつけて、この水平線に対する角度をθとする。
  tanθ=341.5/1200=0.2846
これを満たす角度は約15.9(度)
 このようにしておくと、車の重力と遠心力のベクトルの和はちょうど道路面に対して垂直になるから道路面に平行な方向の力を受けないで安定した走行が可能となるのである。
 ところで、この勾配のある道路を倍の速さである120km/時で走るとどうなるであろうか。
遠心力は速度の2乗に比例するので、この場合1366(kg重)の力を受けることになる。合力としては路面平行外側に
1366cоs15.9°−1200sin15.9°=985(kg重)の力を受けるわけだ。

 この場合の路面に対する垂直抗力は1200cоs15.9°+1366sin15.9°=1200×0.9618+1366×0.2737=1528(kg重)
路面とタイヤ(ゴム)の間の動摩擦係数はいかほどか。
乾燥した条件の良い道路だと、車の最大登坂角は23.5°位のものであろうか。
この場合はμ=tan23.5°=0.435であるから
1528×0.435=665(kg重)までは支えることができるが、それ以上となると支えきれずに外側にはみだしてゆくことになる。
上のケースだと985(kg重)>665(kg重)であるから、その差は320(kg重)=1200αで加速度αは   α=0.267(m/s2)となる。
はみだし幅をx(m)とすると x=αt2/2 であるから,

 この場合 t=1で0.133(m),t=2で0.532(m),t=3で1.20(m),t=4で2.13(m) はみ出すことになる。人間の反応速度は若い人で0.3秒、普通0.5秒、老人0.7秒と言われている。これを加えると 4.3秒で 2.46m 以上外側に行かせられるという事だ。

 多少道路条件が悪く仮にμ=0.4だとすると、同様にして 1528×0.4=611(kg重)
 上のケースだと985(kg重)>611(kg重)であるから、その差は374(kg重)=1200αで加速度αは  α=0.312(m/s2)となる。
はみだし幅をx(m)とすると x=αt2/2 であるから,

 この場合 t=1で0.156(m),t=2で0.624(m),t=3で1.40(m),t=4で2.50(m)はみ出すことになる。人間の反応速度は若い人で0.3秒、普通0.5秒、老人0.7秒と言われている。これを加えると
4.3秒で 2.88m 以上外側に行かせられることになる。

 先の例で動摩擦係数がμ=0.3だとすると、1528×0.3=458(kg重)となるから、985(kg重)−458(kg重)=527(kg重)となる。
527(kg重)=1200αから α=0.439(m/s2)となる。
t=2で0.878(m),t=3で1.98(m),t=4で3.51(m),反応遅延0.3秒を考慮すると4.06(m)はみ出す勘定だ。
 更に、大雨の日などは水の層がタイヤと路面の間にできやすくなるから、動摩擦係数は更に小さくなるだろう。仮にμ=0.1に低下したとすると、1528×0.1=153(kg重) (少数第1位四捨五入)、985(kg重)−153(kg重)=832(kg重)=1200αから、α=0.693(m/s2) となる。

4.3秒で6.41(m) 外側にはみ出すことになる。
 一般的に解析すると、m:車両の質量、V:車両の速度、R:曲率半径、θ:バンク角、t:時間(秒)、α:外側への加速度(m/s2) 、F:遠心力の働く方向への力の総和(ニュートン)、はみ出し距離をX(m)とすると、十分に速度が速い場合
 F=mV2cоsθ/R−mGsinθ−μmGcоsθ となる。
 ここで、十分に速度が速い場合としたのは、上の式はF≧0の場合に成り立つ式であるからだ。F<0となる場合はF=0とする。
 上の式をmでわってαを求めると
 α=V2cоsθ/R−G(sinθ−μcоsθ)
 α>0のときは、X=αt2/2
 α≦0のときは、α=0、X=0
 この関係を自動計算することに求められるようにしたものがこれである。これはジャバスクリプトで書かれているので利用したければプラウザのジャバスクリプトにチェックを入れる。
 いずれにしても、スピードの出し過ぎは、道路の状態にもよるがはみ出し事故に直結し危険であることぐらいは心に止めておいて欲しい。ハンドル捌きではどうにもならない。下手にハンドルを慌てて切ると、スピンして大事故にもなりかねない。大切なことはカーブに入る前に十分に安全なスピード(設計速度)まで減速することである。長生きしたかったら。
 設計速度は最も合理的なスピードだ。日本の高速道路は毎時100km、場所によっては毎時80km、旧首都高速のように毎時60kmの所もある。一般国道は50ないし60km、細い県道あたりだと毎時40km位が目安となろう。これは特になだらかなカーブを安全に曲がるために注意したい事柄だ。急カーブがあったらもっとスピードを落とす必要がある。曲率半径が短くなるからだ。行楽地に行くと、崖に引っかかっている車を見ることもあるが、くれぐれも注意して欲しい。
 一般道路では、カーブであるのにも拘らず水平な道路があるが、先の合理性が考慮されていないので、遠心力の数字がそのまま真横から受ける力となり更に大きく外側にはみ出すことに注意して欲しい。
 更に、排水の関係で外カーブなのにもかかわらず道路の外側が下がっている場所がある。こういった場所は遠心力と同じ向きに重力の分力が更に加わるから特に注意する。絶対にスピードを出して走ってはいけない。脱輪、脱落、落下などと言う悲劇が口を開けて待っている。命は2つはないからね。
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 6.ブレーキと制止距離
 『車は急には止まらない』は今では幼稚園児でも知っていることだろう。では、よく知っているかと言えば、大人でも果たしてどれだけ知っているか、余りよくは知らないのではないかと思う。
 質量m(kg)車が時速V(km/時)の一般化した場合について様々な角度から考察してみよう。μを動摩擦係数,Nを垂直抗力、θを道路の俯角(下り坂の水平面に対する角度)として
路面との間の摩擦力(これが制動力になる)FsはμN(ニュートン)=μ×m×9.80(ニュートン)=9.80μm(ニュートン)
であるから、速度をv、制動時間をt、摩擦力をFsとすると、次の関係式がおよそ成り立つ。
  mv=(Fs−mGsinθ)t=(μN−mGsinθ)t=(μ−sinθ)mGt ∴t=v/(μ−sinθ)G ……(1)
であるから、速度に比例し、動摩擦係数μに反比例し、質量には無関係であることが分かる。だが、実際は重い物ほど制動距離は長くなるようである。理由は、重い物ほど制動に伴う摩擦熱も大きくなり制動力が減殺されるからと考えられる。そこで、これを重量比の関数としてシートの計算式では補正することにする。
  空走時間をT、制止距離をx、この間の減速の加速度をαとする。
また、速さvの物体はkvの空気抵抗を受けることを考慮すると(これは速度が小さい場合はさほどに影響しない)
  F=mα+kv−mGsinθ=mα'
  ∴ α'=μG+kv/m−Gsinθ
  ここでのvは変化する量である
  話を簡単にするために平均の速度を考えてvの平均を
  V/2 と考えることにする。ここでVは初期速度である。
  α'=μG+kV/2m−Gsinθ………(2)
  (1)はt=V/(μG+kV/2m)………(3)
  V−α't=0,x=V(t+T)−α't2/2 から
  α'=V/t, (2)を代入して
  x=Vt+VT−(μG+kV/2m−Gsinθ)t2/2
  (3)を代入して
   =V2/{2G(μ−sinθ)+kV/m}+VT

が得られる。
この最後の計算式で自動計算で制止距離(空走距離+制動距離)が求まるようにしたものがこれである。これはジャバスクリプトで書かれているから利用したいときはプラウザのジャバスクリプトの欄にチェックを入れる。
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 7.恐怖のベーパーロック
 確かこう言ったと思うが、要するにブレーキシリンダー内のブレーキオイルが沸騰し気体となる現象だ。これが起こるのは恐怖だ。ブレーキがまったく利かなくなるのだ。
 この現象は何故起こるかを知っておくことは、それを防ぐ意味で重要だ。勿論、オイルが沸騰する(200°C位か)わけだから、シリンダーの周辺が高温になるからだ。高温になる現象は、次の二点が考えられる。
(1)ブレーキの掛けすぎによりブレーキパットとディスクの間の摩擦熱がオイルを沸騰させた。
(2)ブレーキのデスクからブレーキパットを離す働きをしているゴムの老朽化により弾性を喪失し、パットが常時接触し熱を発しブーレーキオイルを沸騰させた。
 (1)は長い下り坂などでブレーキに頼りすぎて下ってくると発生する。
 (2)は古い車を乗っているとゴムの経年劣化により起こる。
対策
(1) の場合はできるだけエンジンブレーキを併用することで避けることができる。 (2) の場合は、いわば故障であるから前兆がある。焦げるような臭いがしたら、ブレーキパットが焦げていると思え。直ぐ修理することである。
 不幸にしてこれに遭遇したらどうするか。
 まず車を安全な所まで静かに移動して止めることである。
(1)の場合だと温度が下がればまたブレーキは効くようになる。
(2)の場合だと、車を止め温度を下げるまでは同じだが、その後は、まず、「ガン」と、1回思い切りブレーキを踏んでみる。これでブレーキパットが多少戻ることがある。戻れば多少ブレーキは効くようになる。焦げるような臭いがしなくなれば取り敢えず、パットは離れたと言うことだ。
この後ブレーキの修理をすることになる。パットやディスクも傷んでいれば交換となる。例のゴムは寿命が尽きているから交換だ。  修理工場まで移動する時は、十分注意する。車間距離を十分に取り、エンジンブレーキを使い、できるだけブレーキの使用は最小限にし、使う時はポンピングブレーキとする。
これ自体は避けることができない。
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 8.安全に運転するための心がけ・車を長持ちさせる注意
1.スピードは控えめに、流れに沿って
2.カーブはカーブに入る前に減速、加速脱出
3.車間距離は十分に取りましょう。
4.急いでいる人には道を譲りましょう。
5.長い下り坂はエンジンブレーキを必ず使いましょう。
6.大通りに出る時は、『右・左・右』を確認。余裕をもって出ましょう。
7.交差点は譲り合いで、通過しましょう。
8.右折車は渋滞の原因、パッシングで合図し、右折させてあげよう。
9.下り坂は、制動距離が長くなることをお忘れなく。
10.渋滞で遅くなる時は、ハザードで後続車に教えましょう。
11.燃料は早めに給油しよう。
12.遠出の時は点検も特に気をつけよう。高速道路走行時は空気圧を少し上げることになっています。
13.駐車時、道路へはみ出している(一部でも)と違反です。事故が起こると、事故責任が生ずるので注意しましょう。
14.不必要な追い越し無理な追い越し無謀な運転しないようにしよう。
15.追い越したい場合は、十分に車間距離(時速をmに直した量位)があることをバックミラーで確認の上車線を変更しよう。
16.ゆっくり追い越すのは危険。追い越すならすばやく追い越そう。
17.よそ見運転は危険。1秒でも時速40kmでさえ約11mも走ります。空走距離(危険を感じてブレーキを踏みこれが作動するまでの走行距離)を含めると若者で15mです。

18.ドアを閉めるときは気をつけましょう。幼児が指を挟まれて骨折することもあります。安全を確かめて締めましょう。家のドアもそうですよ。私はアパートに住んでいたとき、ドアの根本に手を置いていたのを忘れ、ドアを閉めようとして、いやと言うほど痛い目にあいました。長く生きていると(それほどでもないが)いろいろと経験するものです。
19.皆さん、鳥の糞には気をつけましょう。酸性が強烈なので塗装をいためることは確かです。糞がついていたら直ちに水できれいに落としましょう。また、電線の下、柿木のそばなどは駐車禁物です。鳥は飛びながらも糞尿をする器用な動物ですよ。注意したに越したことはありませんね。いずれも被害者になったことがあります。

20.シートベルトは後部座席の人もやっておくことが、事故のとき車の外に放り出されず、助かる確率が高くなるそうです。ドアは事故を起すと開く場合があるそうです。気をつけましょう。尚、車のロックは乗っているときはしないのが良いそうです。理由は、事故を起して救助を必要としたとき、救助できない。ドアをロックするということは助けてくれなくて結構ですと言う意味とか。誰もそんなこと求めていませんよね。
21.スピードを出すにつれて、視野が狭くなることも頭に入れておく。見ているつもりでも見ていないことになるから注意が必要。つまり、道路の幅や、環境に合ったスピードで運転することだ。路地から幼児が急に出てくる。狭い路地で急に車が顔を出す。脇を走っていた自転車が急に右側に移動しようとする。なんてことが良くある。だから事故を避けられるように運転することは大事です。キープレフトは良く分かるが、路地の場合は中央を走った方がとっさの事故を避けることができる確率が高くなることは長年の経験から得られた結論である。つい最近の事だが、いつも通る路地を走っていたら、私をさっそうと抜いていったバイクがいた、大丈夫かなと思っていた矢先、そのバイクは左の端を走っていたのだが、直前に急に車が車庫から出てきたので、バイクは避けられず転倒してぶつかって止まった。もしも中央を走っていたらと思う。もちろん、3メートル位の路地だからそんなにスピードは出てはいない。30キロ位のものか。ちょっと出すぎかなと感じはしたが。かも知れない運転はやはり心に留めておきたいことだとも思います。
 皆さん、車は便利です。しかし、凶器ともなる両刃の剣です。上手に活用して行きましょう。

如何でしたか。皆さん、安全運転に徹しましょう。事故は起こしても、起こされてもつまらない。一歩譲って身の安全を守りましょう。

 
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 9.ビル火災と落下
 次に、最近のビル火災などを考えると窓から飛び降りる羽目にならないとも限らない。
あらかじめどうしたほうが助かる確率が高くなるかは考えておいて損はないであろう。
例えば,ビルの6階にある窓から飛び降りる羽目になったらどんなことになるであろうか。
6階と言うことは5階分の高さ+1m位であろう、階差3mとして16mの高さからジャンプすることになるわけだ。
上の考察でも明らかなように着地から静止までの距離が長いこととできれば作用する力が一定が望ましい。
人体の重心が1m位にあるとして論を進める。
着地まで16m落下して足から着地するのが良いことが分かる。生きたかったらそうせよ。
このときの落下時間は 16=0.5×9.8t2 から t=1.807(s)

着地直前のスピードは v=9.8t=9.8×1.807=17.7(m/s)
着地から静止まで重心が移動するのに70cmあるとすると
17.7=αt,0.7=17.7t−0.5αt2 が成り立つ。
0.7α=17.7αt−0.5(αt)2 と変形できるから
0.7α=17.72−0.5・17.72  ∴ α=223.8(m/s2)=22.8G

 これは 60kg重の方なら,その22.8倍の重さに感ずることを意味し見かけ上体重は1368kg重というとてつもない重さとなる。従って、下で抱えようなどと思ってはならない。かなり大きな乗用車の重さと同じに感ずるからつぶされるのがおちだ。これは70cmの距離を上手に使ってでの話であるから、10cm位の降下量で受け止めようとするなら、その7倍に体感重量は跳ね上がるから注意すること。このケースを想定すると、9576kg重、つまり約10トンに感ずることになり悲劇だ。
 やるなら10人以上でかなり大きな網のような物なら救助には有効であろう。うまく飛び降りてくれればの話だが。勿論網はぴんと張っておくのが良いことは勿論である。ソフトランデングの距離が長くなるから衝撃も小さくなると言う意味でね。

  もう一つスピードを減らす方法が場合によっては見つかるであろう、シーツを落下傘代わりにすると落下スピードを減ずることができよう。両手両足に4隅をしっかり結び、ムササビのように滑空するのだ。両手を広げ両足を広げ翼面積を増やすようにすればよい。
 ただし、私自身はやったことはないので、保証はしない。しかし、単に落下するより落下スピードが遅くなるのは間違いない。空気抵抗が増すからだ。やらないよりましだ。

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 10.水槌
 これは余り聞いたことがないかも知れないね。英語では「The water hammer」と言う。聞いたことは無くとも、皆さんはきっと経験しているはずだ。
蛇口を急にキュッと締めると、「ガン」などと音がしたことはありませんか。これが実は「水槌」なのです。なぜこれを取り上げたかと言うと、実は家中を水浸しにして欲しくないからです。これを無造作に繰り返していると、水道管の寿命を縮めるのです。繰り返し起こる水槌のために疲労が起こりやがて破断します。して、水浸しと相成るわけだ。これを防ぐには蛇口をゆっくりと締めることなのです。
 次に、幾分かの考察をしてみよう。
そもそも水槌のエネルギーは水道管を流れる水の運動エネルギーなのです。
水の密度ρ=1(g/cm3),流速をv(cm/s) とすると、ベルヌーイの定理から
 p+ρv2/2+ρgh=一定 なる関係において水栓を締めた後の水圧をp' とすると
 p+ρv2/2+ρgh=p'+ρgh 従って,p'−p=ρv2/2

 つまり,運動エネルギーの部分が水圧の上昇となるのである。
 また、圧力の上昇は流速の二乗に比例していることが分かる。
 そこで、ゆっくり蛇口を締めることは、流速が小さくなってから止まることになるので水槌力は小さくなるのである。
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 第終章  現代物理学の歴史
はじめに
 ミチオ・カク ジェニファー・トンプソン著 『アインシュタインを超える宇宙の統一理論を求めて』を読んだときその発想に感動を覚えた。結論が先にあるようなもので新しい発見とはこんなものかと感心もした次第だ。アインシュタインが残した未完の仕事、統一場理論を説明する最も有力で唯一の理論としての「超ひも理論」を以って宇宙の4つの力を一つの理論で説明しうる革命的な内容を一般向けに解説したものがこの本である。 ここではこの書の概要を紹介し物理学に関心のある者への紹介をしたいと思う。
  1.宇宙理論
 1.超ひも理論ですべてが解けるか
  「超ひも理論は」(超弦理論)は統一場理論として極めて有力である。この理論の生みの親は、カリフォルニア工科大学のジョン・シュワーツとロンドン・クウーン・メリー大学のマイケル・グリーンである。
この理論の未来は可能性にあふれている。現在知られているあらゆる物理現象ー大は銀河の動きから小は原子核内部の動力学に至るまであらゆる物ーを説明できる、包括的な理論かも知れないと言うことである。
物質の本質の捕え方
 原子説 究極のものをアトムと言う粒子であるとは古代ギリシャ時代、デモクリトスは考えた。
 超ひも理論 究極のものを振動するひもと考えている。このひもは陽子の大きさの1000億分の一の、そのまた10億分の一と仮定されている。このひもは余りにも小さいために誰もまだ見た者はいない。
 あらゆる物は、このひもの異なるモードでの振動と言う認識で説明できるのだということ。そして、四つの力をも統一に説明できそうだと言うことが重要となっている。
四つの力  四つの、重力、電磁力(光)、核力二種類(弱い力と強い力)、原子核内部で正に帯電している陽子を結び付けているのは強い力の核力である。原子爆弾などはこの強い力の解放である。
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