(その1) 突然ですが、「ぎゃざ」って言葉、知ってます? これは世界中で愛好者が数百万を数える、アメリカ生まれのカードゲーム「マジック・ザ・ギャザリング」の、日本国内でだけ通用する略称です。 私、以前からこのゲームをプレイしておるわけですが、この略称がどうにも馴染めないんですよ。 正式な略称は「マジック」または「MTG」なんです。 動詞的に「ぎゃざろうぜ!」とか言われると鼻の穴にニガウリ突っ込みたくなってしまいます。 なんか、好きな物を妙ちくりんな言葉で呼ばれた気分。これです。 皆さんにもご経験があるでしょうか。 不本意なアダ名で呼ばれたり。 好きな芸能人を妙な呼び方されたり。 ぶっちゃけ「C翼」を「しーつば」と呼ぶなと騒ぐ同人女のノリなんですけど、根底に流れる物は一緒ですよね。 これ、実に主観的な問題でして。 てか単純に気分の問題だと思うんですけど。 アメリカ人に向かって「ジャパン」でなく「ニッポン」と呼べ、と言ってる人でも「ドイツ」って言っちゃったりしますよね。 はっきり言っていいと思います。 自分が良ければいいんでしょうな。 しかし。 しかしですよ。 世の中、そーいう事では済まされない問題も多々あるわけで。 南朝鮮ってご存知ですか? まあ北があるんだから南もあるわけで、この言い方は北朝鮮国内でだけ通用する「韓国」の呼び方です。 韓国の人は、こう呼ばれる事を嫌っているという話を聞きました。 アメリカ人の「ジャパン」、日本人の「ドイツ」とは根本的に違う、深い背景がそこにあるわけです。 文化的背景の違う私たち日本人が、それをどこまで理解できるでしょうか? お待たせしました。 長い前フリですみません。 まだまだ前フリは終わってないんですけど、今回ご紹介するこの『ELYSION』。 並みの覚悟では済まされない作品です。 こんばんは。 「豪腕さん」とだけは呼ばれたくない豪腕はりーです。 全国800万のメイド属性の皆さん。 ついにこの私がこの作品を取り上げる日がやってまいりました。 まずは、こちらをご覧ください。 ノーマルメイドさんの話。 クールメイドさんの話。 眼鏡メイドさんの話。 もう数年前の記事で何なんですけど、いわゆる2次元におけるメイドさんをタイプ別に語ったものです。 膝を打つ方もいれば否定される方もいるでしょう。 そりゃ当然です。 どんな批判でも甘んじてお受けいたします。 だから私が批判しましょう。 「真のメイドさん好き」と「メイドさんの持つ属性だけが好きなヲタク」とで、明快なる線を引くべきなのです。 ラインはこの辺でしょう。 メイドさんとは、「家事のできる性的愛玩ペット」ではないんです。 彼女たちはプロなんです。 主人への献身は時に愛として描かれますが、そこにあるのは恋人に対するそれではないんです。 職業に対する誇りを失ったメイドはメイドの格好をした性具です。 「自称メイドフェチ」の人々のかなりの部分が、ここの所を勘違いしているように思われます。 「メイドさんには猫耳が必要」などと倒錯した意見を言う人間に一生メイドは雇えません。 それは、メイドさんが好きなのではなく。 メイドさんの形をしたイレモノが好きなだけです。 「別にそれでもいいや」と思った方に言いたい。 別にそれでもいいです。 日本には固定資産税というのがあり、先進国の中でも群を抜いて高い税率がかけられます。 いきおいメイドさんの育つ土壌となる大きな屋敷が少ないわけで、日本は文化的にメイドさんの生息しにくい国なんです。 だから、ファッションでしかメイドさんを知らない。 これは、仕方のない事だと思います。 メイドさんの仕事とは、どうあるべきでしょう? 夜ごと攻められ歓喜の声を上げるのが主な職務であるはずがない以上、想像で補ってみましょう。 例えば、ある日あなたは天皇陛下のお召し物を洗濯する係になったとします。 この例えでピンと来ない方は、広域指定暴力団の大幹部の靴を磨く係になったとしましょう。 陛下が、あるいは親分さんが、あなたの仕事ぶりに関心を持っています。 ここであんたボケられます? メイドさんのドジボケぶりには、はっきり言って私、食傷気味なんですよ。 どこの馬鹿が広めたんでしょう。 メイドさんのそういう部分は、あくまで「その場の雰囲気を和ませる」程度でいいと思うんです。 毎日毎日ウェッジウッドの皿とかガンガン割られて耐えられます? 毎日毎日洗濯したばかりのシーツ泥だらけにされて笑って済ませられます? ぱんつが見えりゃ何でもいいんですか? 「そうでもいい」と答えた方。 あなた毎日自分で皿洗ったり洗濯したりしてますか? 家庭における主婦(あるいは主夫)という存在は、家事のプロです。 時に失敗もあるでしょうけど、それは人間として許される失敗のはずです。 メイドさんでも時には失敗するでしょうけど、それだって人間として許されるレベルの失敗のはずです。 メイドさんというだけで失敗を何でもかんでも許してしまうのは、人間として失敗です。 そこで出ましたこの『ELYSION』。 「真のメイドさん好き」が膝を打つ内容を織り込んだ作品です。 この私がメイドさんについて、珍しく絶賛しそうな感じがしますが。 まあ欠点も多いんですが。 メイドさんという「職業」に対する真摯な姿勢、そしてその背景など、極めて納得の行く描写がなされています。 されど、これはゲームです。 その上18禁の美少女ゲームなんですよね。 見た目可愛い女の子、という観点では100点満点のクソの価値もないような使えないメイドさんも、けっこう出るには出てきます。 さんざ力を込めていろいろと書きましたが、こればっかりは仕方のない事です。 美少女ゲームの体裁で中身がドキュメンタリーだったら、たとえ私が鈴木みのるでなくても相手の光を消そうとします。 ※一部、プロレスファン以外に分かりにくい表現があった事をお詫びいたします。 というわけで、この作品にはマシーン軍団のようにたくさんのメイドさんが出てくるわけですが。 メインキャラには4人のメイドさん。 タイプで言うと、こんな感じですか。 「ノーマル巨乳ややボケメイド」 「インテリクール眼鏡メイド」 「機械人形的貧乳メイド」 「元気ハツラツオロナミンメイド」 かなり基本に忠実、というかパッと見ギャルゲーにありがちなラインナップで安心です。 ただし。 正直、この中で真のメイドさんと呼べるのは2番目の奴だけなんですが、それはイコール魅力がないというわけではありません。 背景、骨格、性格、立ち位置が、非常に丹念に描かれています。 よって、実に生き生きとゲームの中で血の通う人間として認識できるのです。 この「ゲームの中で」というのが実に曲者でして。 こんな連中が実際にいるわきゃないんですけど、この世界にはこれ、という存在感があるわけです。 そして。 さらに。 全国800万の姉属性の皆さん。 あなた方の心の叫びを、この私が聞き漏らすはずがありません。 どうかご安心ください。 破壊力満点の姉が出てきます。 …といった所で。 あんまりに長くなってしまったので、続きはまた近いうちに書きます。 未だあらすじさえ紹介してませんけど。 今回、映像使ってませんね。 すみません。時間なくて。 …しぃましぇん。 NEXT→ back HOME |