作品名 | 氷壁 |
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さくひんめい | ひょうへき |
初出紙 | 朝日新聞[2] |
連載期間 | 1956年11月24日〜1957年8月22日[2] |
連載回数 | 270回[2] |
備考 | 1959年『1958年度芸術院賞』受賞[2] |
文庫/全集 | 巻 | 文庫本名/副題 |
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新潮文庫 | - | 氷壁 |
井上靖小説全集 | 13 | 氷壁 |
井上靖全集 | 11 | 長篇4 |
おなまえ | 日付 | ちょっと一言 |
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リンゴ・スターさん | 2004.03.23 | 井上靖のなかで最も人気ある作品の一つだと思いますが、小説に負けじ劣らじNHKのドラマも良かったです。主演の魚津役は 林隆三、美那子役は 司葉子、 小坂とかおる、教之助は忘れました。 ドラマに吸い込まれていったのを覚えてます。最後の落石で怪我をした魚津の日記を読むシーン(静かなり、限りなく静かなり・・・)で終わりましたが感動的でした。 |
おなまえ | 記事No. 日付 |
書き込みから |
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きじとらさん | [282] 2001/04/26 |
今氷壁を読み返しました。中学生時代以来、十年ぶりです。 前半はノートにあらすじを纏め、内容を分析しながら読んでいたのですが、十章、十一章にはいってからは、ノートどころではなく、一気に、必死に心の高ぶりを抑えながら、読み進めました。 現在激しく高揚しているので、上手く感想を表現する言葉が見つかりません。 中学時代に読んだ時は、上手く恋愛感情を表現できない魚津、小坂、美那子、(教之助もそうかもしれません)たちに共感を覚えたのですが、今晩最も共感したのはかおるでした。 |
伊豆さん | [28] 2000/03/14 |
今、手元に「なつかしの日本映画ポスターコレクション」という本があります。この本に「猟銃」と「氷壁」と「憂愁平野」の当時のポスターがちょうどいい縮写で載っています。ここでポスターに書かれている言葉を紹介したいと思います。映画だけでなく、原作にもぴったりだと思うので。
とくに「憂愁平野」は(時津)美沙子の(納所)賢行へのせつない愛が大変うまく表現されていると思います。 |
座禅草さん | [1394] 2005/11/10 |
井上靖の作品には、いつも「自己の制御」という精神をかんじます。 代表作「あすなろ物語」に、主人公の少年がアスナロの大樹の下で、知った「克己」という言葉に感動する場面があるのですが、それを教えてくれた療養中の大学生が雪に埋もれて心中自殺してしまう。そこにある「己に克つ」と共通の精神ではないか、とおもいます。 登山は厳しい自然が相手であり常に冷静な判断と経験が必要。この厳しさにひかれて主人公は山に登るのですね。 最後の遭難場面では天候の悪化に元の道に戻るべきと判っているのに、朦朧とした頭で感情的に判断してしまった。 別れる決心をした既婚女性への愛と、婚約した若い女性への愛。主人公は、どれほど惹かれても不倫の愛を絶対に選ばないぞ、という道徳的な抑制心をもっていて、道を戻ることと、強く愛する女性に戻ることとを賭けて、登山の安全の判断の基準にしてしまったから、死につながっている。 克己、抑制、道徳。考えてみると、愛があれば全てが許されがちな、今日の気風であり、感情が生きる判断の基準である今日では、昔の気風になってしまいましたね。でもそれらが忘れ去られた今日、あらためて考えると、新鮮な精神かもしれない。 |
映画の題名 | 氷壁 |
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制作 | 大映 |
監督 | 増村保造 |
封切年月 | 1958年3月 |
主演俳優 | 菅原謙ニ、山本富士子 |
[2] 旭川市・井上靖記念館ホームページ