あすなろ物語

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作品情報

作品名 あすなろ物語
さくひんめい あすなろものがたり
初出誌 オール読物[1]
連載期間 1953年1月号〜6月号[1]

収録状況

文庫/全集 文庫本名/副題
新潮文庫 - あすなろ物語
旺文社文庫 - あすなろ物語 他一編
必読名作シリーズ - あすなろ物語
井上靖小説全集 6 あすなろ物語・緑の仲間
井上靖全集 9 長篇2

ちょっと一言

おなまえ 日付 ちょっと一言
フーさん 2001.02.16

この作品を初めて読んだのは中学一年生でただなんとなく題名で選んでよみだしました。読んでいくうちにどんどん物語りにすいよせられていってあっというまに読み終わってしまいました。当時の私は作品の深いところまでは読み込めていなかったです。それでもすごくひきつけられたというところにいまさらながら著者のすごさを感じます。

掲示板から

おなまえ 記事No.
日付
書き込みから
宇部のひとさん [576]
2002/02/24

「あすなろ」もう一度読みました。やっぱりいいですね。

「しろばんば」と比べると少し暗い感じがしますが、そこがまたいいな。

僕は個人的には、大学生の加島が好きです。

勉強するときは彼が鮎太にいっていた克己ということばを思い出して、やってます。

「あすなろ」は中学生の受験期に読んで感動し、それから井上先生のファンになりました。

はたはたさん [1396]
2005/11/17

『あすなろ物語』を最近読み、その後すぐに『しろばんば』という著者の幼少期を書いた本を読んだのですが、『あすなろ物語』は『しろばんば』に比べて内容が少し暗いような印象を受けました。しかし、読み進めていくと物語の中に引き込まれあっという間に読み終わってしまいました。私は今まで読んできた小説の中で「これほど読みやすい小説はない」と思ったほどでした。最後は感動します。(「しろばんば」に比べて少し劣りますが・・・)

座禅草さん [1398]
2005/11/25

「あすなろ物語」発表の当時は、まだ日本人の気持ちが戦争から完全に立ち直ったとは言えない時代でした。

出版される多くの本は、戦争責任追求や戦争体験報告、戦前の反動のような民主主義賛歌、封建制度への軽蔑などなど、いずれにしても戦争の影響が色濃く関わる作品ばかりでした。

そこへ突然「あすなろ物語」が出版されたのです。

昔ながらに繋がる村の生活や、家族の愛情、当たり前に平等な男女の交流など、戦争や封建制や、政治に関係ない、自然な人間の心を中心にストーリが展開していた作品でした。

密閉された酸欠の空間に、いきなり窓が開いて涼風を流されたようで、多くの読者の共感を得たのですね。

井上靖の作品は読みやすいです。

それは、人間の性格や行動を、自然な理解で捕らえて表現しながらストーリを進めていくのが、この作者の才能の特徴だからではないでしょうか。作品の登場人物、話しの筋に、どこにも人工的で技巧的なワザとらしいさが無いのです。

映画化情報**

映画の題名 あすなろ物語
制作 東宝
監督 堀川弘道
封切年月 1955年10月
主演俳優 久保明、久我美子

参考

[1] 井上靖ノート

[2] 旭川市・井上靖記念館ホームページ

文庫本限定!井上靖館作品