症状

・寝つきがよくない
・早く目覚める
・何となくやる気がしない
・憂うつである
・イライラする
・いつも不安である
・パニック症状や不安発作がおきる
・何度も確認しないと気が済まない
・ストレスがかかると、身体症状(腹痛・頭痛など)がでる
・幻覚や妄想に悩まされる

疾患

睡眠障害

睡眠障害には、なかなか眠りにつけない入眠困難、途中で目が覚めてしまう中途覚醒、 早く目が覚める早朝覚醒の3つの大きな種類があります。
また十分眠っているのに昼間強い眠気を感じて会議中や車の運転中に入眠してしまう ナルコレプシー、夜間の睡眠時無呼吸症候群等があります。
このような睡眠障害のコントロールには超短期、短期、長期型の睡眠薬が有効です。

うつ病

いろいろな出来事で人間は抑うつ的なったりしますので、本来その症状は人間のもつ 一時的な心の反応と言えます。
しかしその状態が終日〜長期間続き、不眠や意欲の低下などで日常生活に支障が出るときは 治療すべき症状と言えるでしょう。
そのような場合、まずは前向きに物事に取り組めるように抗うつ剤や精神療法的な治療によって 患者さんの精神的なサポートをすることになります。
以前の古典的な抗うつ剤は便秘や口渇などの副作用が強かったですが、うつ病にかかわる 脳内の伝達物質であるセロトニンやノロアドレナリンのはたらきがより詳しく解明されて 最近ではSSRI(セロトニン再取り込み阻害剤)であるパキシルやルボックスまたは トレドミンなどの薬物療法が主体となっています。また抗不安薬などを併用する事があります。
ただし、投薬の効果は2週間程度かかり、症状が軽快した後でも徐々に減量することが必要で “カゼ薬”とは違うことを理解しておいてください。

パニック障害

不安障害の代表的な疾患がパニック障害です。主症状はパニック発作と閉所恐怖などの空間恐怖です。
患者さんが不安を感じる場面(発表、面接)や場所(トンネル、電車、広場)に出会うと動悸、 発汗、震え、胸痛、脱力感、めまいなどの自律神経症状が出現しいわゆるパニック状態となり 自分でコントロールできなくなってしまうのです。
その後はそのような場でまた同様の症状が起こってしまうのではないかという “予期的な不安”のためにそのような場所(新幹線、高速道路)などを避けようとします。
しかし、症状の起きた結果生まれたその不安が反ってその症状を引き起こす原因となり 悪循環は繰り返されることになります。
そのような悪循環を断つために抗不安薬や抗うつ薬の併用による治療が有効であり、 いわゆる認知のゆがみを直す認知行動療法が補助療法として評価されています。

強迫性障害

強迫性障害には大きく分けて強迫観念と強迫行為の2つの症状があります。
強迫観念はある同じ観念が何度も勝手に頭に浮かんできて拭い去れないこと、 強迫行為は手洗いなどのある同一の行為を非合理に何度も繰り返してしまう行動について 言われます。
治療は比較的難しいですが抗うつ剤がある程度有効と言われています。

身体表現性障害(転換性障害)

心身症ではその症状に対応する基礎的な身体疾患、例えば胸痛や背部痛は基礎疾患である狭心症や 慢性膵炎を診断できますが、そのような身体的疾患が見当たらない場合が多く痛みや失声、 脱力、麻痺症状の認められる疾患です。
環境による内的なストレスや葛藤が身体的な症状に現れた(転換された)と考えられており、 抗不安薬や抗うつ薬の投与が有効であると言われています。

摂食障害

食欲を失ってひどくやせたり、過食して嘔吐したりを繰り返し、生理が止まったりする症状です。
太りたくないというコンプレックスや愛情の欠如が原因と言われています。
やせていることが自己評価を高めるという歪んだ認知のために治療が困難な場合が多く、 抗うつ薬や抗精神病薬がそのような衝動にある程度有効といわれています。

統合失調症

統合失調症は人口の約1%の人が罹患しているといわれています。
急性期には『悪口を言われる』『人の姿が見える』『見張られている』などの幻聴や幻視、 関係的な被害妄想の状態となり、まとまりのない言動で興奮状態となりますが、 投薬治療などで落ち着いてくる慢性期には意欲の低下,抑うつ的で思考力が低下するなど 人格全体の機能低下に及びます。
最近の研究では神経伝達物質であるドーパミンの代謝異常がこの病気の大きな原因のひとつと 考えられています。
治療には最近開発された非定型抗精神病薬が有効であるといわれています。