生活の中で讃美をしよう

 ハレルヤ。わたしたちの神をほめ歌うのはいかに喜ばしく、神への賛美はいかに美しく快いことか。        

『詩編』147編1節

霊歌について

 『讃美歌第二編』の中には172-181番に10曲の黒人霊歌が収録されています。黒人霊歌は奴隷という身分からの解放を目指して苦闘するアフリカ系アメリカ人たちの魂の声です。彼らの生きる手段として、慰めとして、声として創作され、親から子へと口移しに伝えられてきたものなのです。

 霊歌はどのように創られたか。ある初期の歌詞採集者はこのように言っています。

 「それはまあ、ざっとこんな具合だ。主人に呼ばれて行くと、わしのことをえらく怒っていて、食事は抜き、100回の鞭打ちだというわけさ。それを見ていた仲間がわしを気の毒に思うと、その晩、お祈りの集会の時にみんなに話して、みんなわしのことを歌にするんだよ。なかには歌がとてもうまい奴がいて、そいつを中心にみんなでああだこうだやっているうちに、歌が生まれる。そんな具合さ」

 この奴隷黒人の霊歌がやがて黒人霊歌として、歌いやすく大衆化されて讃美歌として歌われたり、ジャスとして歌われたり、フォークソングとして歌われるようになりました。しかし、それでもこの黒人霊歌は、それを歌い、聞く人たちの魂を激しく揺さぶるものを持っています。それは奴隷黒人たちの生きるための戦いと信仰の力が歌に込められているからではないでしょうか。

霊歌を歌おう

 讃美歌とは本来このような力に満ちているものです。黒人霊歌に限らず、どんな讃美歌でもそれは形式的な礼拝のための礼典歌ではなく、私たちの生活の中で歌う霊歌そのものなのです。そして、それを歌い、聞くことによって慰められ、励まされ、力に溢れてくるようなものだと思うのです。

 仕事に行き詰まった時、仕事を終えた時、ひとりで自転車に乗っているとき・・・皆さんも讃美歌を生活の歌として、生きるための歌として愛唱してみたらいかがでしょうか。

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