1.  原子力発電については、「クリーンなエネルギー」だというように、我が国では一般的に説明されてるようです。確かに「火力発電」に比べれば、煙を排出しないし、窒素化合物や一酸化炭素、炭酸ガスなんぞによる大気汚染の心配はほとんどないと言えるかも知れませんネ。

  2.  それじぁア、原子力発電所の運転そのものの危険性はどうなンでしょうか。ソ連のチェルノブイリ原発事故・米国スリーマイル島の大事故、また、私達の国でも”もんじゅ”で発生したナトリウム火災事故など、けっこう頻繁に事故が起きていることも事実。しかし、事故については、センサーやモニター、緊急自動停止装置の充実・構成部品等の材質や性能の向上・定期検査方法の改良・運転技術のレベルアップなんぞが十分に出来るンなら、防止することや被害を最小限に食い止めることが可能とも言えるでしょう。しかし、「人間はミスを犯す生き物である」とも言いますネ。先頃の「JCO」の事故は典型的な例でしょう。

  3.  しかし、原子力発電の最大の問題は、《高レベル放射性廃棄物》を出す事が避けられない点です。半永久的に地球上に残ってしまうンですから。これを「安全」に処分するのは、現段階の技術では困難を極めるみたいです。それじゃア、何故困難なのか、その訳を以下に述べさせてもらおうと思います。
    《高レベル放射性廃棄物》については、下記HPをご覧ください。
    原子力発電環境整備機構のHP
    東京電力のHP

    • 《高レベル放射性廃棄物》は、現在、ガラス固化体としてステンレス容器に封入され、大きさは、ほぼ1メートル、ガスボンベぐらいです。けれども、この「危険性」が問題なンですネ。動燃副理事長が '84年の衆議院科学技術委員会で参考人として次の発言をしてるンですヨ。
      「高レベル放射性廃棄物のガラス固化体一体に相当するキュリー数(放射能)は、低レベル放射性廃棄物のドラム缶の《数百万本くらい》に相当するかと存じます」
       具体的にいうと、高レベル放射性廃棄物のガラス固化体のそばに30秒間立っていると、確実に命を落とすレベルなのです。これほど危険なものを数千本から数万本(2030年には7万本になるとも言われます)、40年〜50年間、冷却のために六ヶ所村で保管し、その後地下に埋設(これは、まだ技術的には確立されていない。場所も未定)するという手順になっています。まさに、後世代への『危険なツケ』の先送りと言わざるを得ないでしよう。

    • 金属容器は必ず腐食するから、この《高レベル放射性物質》が漏れだすとすると、かなり地中深く埋設したって、地下水を経由して地表に滲み出しちまうンです。付近の人達は、放射能に汚染された水を飲み、風呂に入り、農作物にも使用することになるンです。

    • だから、《高レベル放射性物質》の最終処分場の決定には、充分な安全性を確認する必要があると言えるンです。特にこの国は地震国だし、活断層の問題をクリアーしなけりゃアならないなんぞ、技術的にもの凄く困難を極める問題なンだという認識を持たなきゃアなりません。

    • こんな「危険性」や、「埋設後の問題点」について、私達は、どれだけ知っているンだろう。《高レベル放射性廃棄物のガラス固化体》に換算した、我が国原発による放射性廃棄物の現在までの発生量は、実に17,000本に達するものと推定されるンです。低レベルのドラム缶に換算すりゃア、なんと17,000×数百万本という天文学的な量なンです。これにゃア驚きますネ。

  4. 《高レベル放射性物質》の最終処分に目途がついていない現状を真剣に考えりゃア、もはやこれ以上《高レベル放射性物質》を増加させられない、いや、もう手遅れとも言える段階まで来ちまっているのがこの国の実状なンです。《原発》の新設をする余裕は皆無と言えるンじゃアないでしょうか?。代替エネルギー の早期実用化やエネルギー効率を高める研究を国を挙げて推進し、既設の《原発》を一日でも早く停止させる手段を講じなきゃアならないでしょう。

    と、まァ、こんな訳なんですが、現状をご理解いただけたでしょうか?
 

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