中野七頭舞

岩手県下閉伊郡岩泉町小本の中野地区の郷土芸能です。


中野七頭舞の紹介

中野七頭舞とは

地図  中野七頭舞は神楽舞いの一部で、「シットギジシ」を基本とした舞いであり、発端は天保時代にさかのぼるといわれています。
 当時、神楽太夫と呼ばれた工藤喜太郎は、36名の弟子がいて種々の神楽を舞うことができました。神楽太夫は毎年巡業をし、北は久慈から南は山田、大槌と舞い歩き、好評を得たと言われています。この喜太郎が神楽舞いの一部を取り入れてこれを基本とし、中野に七頭舞を創始したといわれています。
 演舞する基本は、2人1組の7組で14人です。即ち、「先打ち」「谷地払い」「薙刀」「太刀」「杵」「小鳥」「ササラスリ」の七種類で、これが七頭舞の語源とも言われています。また、踊りの種類も「道具取り」「横跳ね」「チラシ」「戦い」「ツットウツ」「みあし(鳥居掛かり)」「道具納め」の七つに分かれており、ここからも七頭舞の意味がうかがわれます。当初は神楽で踊られていたのですが、時代とともにうつりかわり、集落の祭典に奉納されるようになりました。五穀豊穣、家内安全、大漁を祈願して踊る元祖的存在の七頭舞は、勇壮活発な舞いです。


七つの道具

先打ち

 荒野をかきわけ測量をし、クイを打ちながら進むことを想定して踊ります


谷地払い

 先打ちの測量に従い、荒地を改良していくことを思い浮かべて踊ります。


薙刀

 太い木を切倒したり、ケモノを追い払うことから力強く踊ります。


太刀

 丹念に作りあげた田畑を、悪い者たちやケモノに荒らされないよう見張りをすることから勇ましく踊ります。


 豊作となり、餅をつきお祝いをする気持ちで、くるくる回しながら踊ります。


小鳥

 豊作の喜びで、いままで働いてきた疲れは消え、弓と扇子でしなやかに踊ります。


ササラスリ

 みんなの労働をなぐさめ、疲れを取り除き、更に次の仕事に対して新たな気持ちを持たせるべく、こっけいに踊ります。


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