まどかの自己満足的思い出話
第1弾 「私とMSX」
第3回 「パソコン欲しい!!」
時は流れて、私は中学生になりました。 この頃になると、パソコン市場にはNECの98の他、エプソンの98互換機(今思ったらDos/Vだったかも?)、シャープのX68000、富士通のFM-TOWNS、アミーガなどバラエティに富んで、私はますますパソコンに興味を持つようになりました。 この中でもパソコンの王様はやはり98でしたが、X68000はその表現力の多さでゲーム制作関係者におおいに評価されてましたし、FM−TOWNSはCD-ROMドライブ標準装備で298000円という低価格で勝負していました。 (当時のパソコンの平均価格は確か40〜50万円程度) そんな中私は無性にパソコンが欲しくなってきました。 ファミコンより綺麗な画面、綺麗な音(FM音源+ADPCM)、そしてゲームが創れる。このゲームが創れるということは当時からゲーム好きだった私にとって大変大きなメリットでした。 ファミコンでもファミリーベーシックという周辺機器があり(私は親に頼んで購入、キー配列が50音順(^^;)、ファミコンのちょっとしたゲームをBASICでつくることは出来ましたが、小学生の私にはBASICが理解できず、説明書のリストをそのまま打ってマリオを表示させただけで終わりました。 今思うと親にはすごい負担をかけさせていました(今もそうですけど)。だからいつか有名になってお金も入るようになったら、親に家を買ってあげるとが、出来る限りの親孝行をしてあげたいと思っています。 と、話がそれてしまいましたが、とにかく私はパソコンが欲しかったのです。 その当時はプログラムにあまり興味がなかったので、ゲームを創るというよりもパソコンのゲームがしたいという願望の方が強かったと思います。できればゲームも創るという考えでしたね。 しかし、やはりパソコンは高い。とてもじゃないが中学生が持つには納得できない値段です。親はパソコンにあんまり興味がなかったので、親のパソコンを使うという裏技も使えません。 そこで思い出したのが、MSXです。10万円を切るパソコン。 「これならなんとか」と私は思いました。S君家にもあることだし、「S君も持ってるから」という卑怯な手も可能になります。ずる賢いですねぇ。 でも、結局は「安いから」ということですんなり買ってもらえました。ありがたや。 私が手に入れたのはパナソニックの「MSX TurboR A1ST」という機種でした。 MSXは、昔はパナソニックの他、SONY、日立、SANYO、YAMAHA、パイオニアなどかなりのメーカーから出ていたのですが、購入当時はパナソニックのみで、翌月に発売された「MSX TurboR A1GT」を最後にMSXは製造中止となりました。 何はともあれ、私はMSXを手に入れました。さっそくテレビにつないで(なんとMSXはビデオ出力端子があり、標準のモニターは家庭のTVというなんとも家庭にやさしい設計になっています(^^;)、電源ON!! 青い画面に「MSX」の文字。 おおー! MSX!! そして黒い画面に。で、沈黙。私は為す術無し。だってソフト何も持ってないもん(j−j ちなみにMSXはBASIC(MSX−BASIC)を標準で内蔵しており、起動すると自動的にBASICが立ち上がります。これが黒い画面。もちろんMSX−DOS(内蔵)もあります。 というわけで、為す術のない私はMSXのソフトを購入することにしました。 しかし、当時のファミコンソフトと同様、平均で5000円程度の値段です。すぐには買えません。どうしよう。 そんなある日、私は本屋さんで運命の出会いとも言うべき雑誌に出会います。 その名も「MSX・FAN」。今は無き「メガドライブFAN」「サターンFAN」を生み出した徳間インターメディア発行の雑誌です。 私はMSXという文字にひかれ、その雑誌を手に取りぱらぱらぱら。すると最後にはフロッピーディスクが…… これだ!! ゲームが入ってる!! 購入決定!!(当時980円) そう、MSX・FANには毎月(月刊誌だった)付録として、投稿作品や体験版の入ったFDが付いていたのです。 急いで家に帰り、MSXを起動。フロッピーを入れてみる。ん? 何も起こらない(←当たり前(^^;)。 本を読んでみる。フロッピーを入れてからリセットボタンを押せとのこと(実際はフロッピーを入れたまま起動でも良かった。細かいことを言うと、起動してピコって音が鳴った直後にフロッピーを入れるのが望ましかった)。リセットボタンを押してみた。 画面が消え、再び青い画面にMSXの文字。で、黒い画面になったかと思うと、いきなりガガガ(FDDの音)、MSX・FANのタイトル画面が表示された。 感動である(T^T) 私が購入したのは1991年11月号。私はこれ以降全てのMSX・FANを購入することになる。MSX・FANはMSXの製造中止同様、休刊の道を歩む事になるのだが、それまでに数多くのドラマがあったことを先に言っておこう。 こうしてMSXに出会い、MSX・FANにも出会った私。 そんな私が「プログラムすることの喜び」に出会うのは時間の問題だった…… |