最終更新日:平成16年4月16日


第6章 防衛論


前書き
 本論述は私個人の見解である。こんな考えもあるのか位に読んでいただければと思います。また,本件についての著作権は放棄するものではありません。


 1.イージス艦派遣は同盟の証
 2.防衛戦略の補完は近隣諸国との友好
 3.防衛戦略の根幹は教育
  ・戦争の真実を教え総合戦略に強い子を育成せよ
 4.戦略なき亡国企業群
 5.中国の戦争戦略
  .中国原潜による日本領海侵犯の意味
 6.核への対応
  ・北の核に備えよ
  ・核の確率論的脅威の証明
  ・三段階迎撃の安全度証明
  ・核兵器と通常兵器の威力の差
  ・北の現在の脅威
 7.お寒い国会議員の国防意識
 8.外務大臣は国家利益の推進役
 9.死の商人の本質
  ・死の商人の命題
 10.国の安全の本質
  ・絶対平和は圧政への入口
  ・悪との共存の道


1.イージス艦派遣は同盟の証
 日本にとって、アメリカは「最も頼りになる大切な同盟国」だ。だから、アメリカと共にあり、最大限の協力をすることは厳しい国際社会を生きてゆくためには極めて重要なことだ。出せる力を出し惜しみはすべきではない。イージス艦こんごう、この極めて高価な護衛艦はアメリカ製だが、アメリカはイギリスにも与えていない、いや、買っても良かったのだが、高価すぎてイギリスは買えなかったのだ。日本だけに売却したのだ。最近の報道ではスペインも一隻保有しているようだが、後日購入したのであろう。と言っても、アメリカの為に買ってあげた面もあるが、どこにでも売るわけではない。台湾や、イスラエルには売却しなかったのだから。それだけ日本を信頼しているということと私は理解する。この艦は同時に多数の攻撃目標を捉え迎撃できる能力を持った優れた艦だ。従って、空母をミサイルから守るのには最適な艦だ。これを派遣して、米空母は、日本が守るというスタンスを見せるだけでもよい。まさかのときに備えるのだ、どこかの国(どことは言わないが展開によってはあり得る国、分かるかな)からミサイルが飛んでこないとも限らない。そのときは、打ち落とせばよい。日本は、迎撃だけでよいのだ。こんなときこそ、その宝物を使うべきだ。アメリカは日本を心強い同盟国と思うだろう。アメリカ国民に感謝されなければ意味がない。集団的自衛権は権利としてはあるが、『憲法は認めていない』と、変なことを言う議員がいるが、こんなことを言っていれば、アメリカは、『何を世迷言を言っている』と、思うだろう。口に出して言わなくとも。同盟条約を結ぶこと自体が、集団的自衛権を認めて行使することを国際的に認めた証文を取り交わすことだ。アメリカと一体となった軍事作戦をして良いのだ。戦前のことを心配する人がいるが、英米とともに行動する限り何の問題もない。戦前はこれと敵対し、事実上単独(ドイツ・イタリアと同盟しても共に戦ったわけではない)でやったからいろいろと問題になった。国連と言う人もいるが、国連が日本の安全を保障している訳ではない。アメリカとの同盟にわれらの生存をかけた事実を忘れてはならない。同盟国なら助けるのは当たり前。まさかのときに助けてくれないのなら、それは同盟国ではない。紙切れに価値があるのではない。実態としての同盟に価値があるのだ。このイージス艦がいれば米軍との共同作戦は極めてスムースに行われよう。イージス艦を派遣すべきだ。
が、せめてアフガン人やイスラムから恨まれないようにフォローだけはしっかりやって欲しいと思うよ。これはアメリカのためでもある。それがテロに遭わないためには絶対に必要なことだと考えるからだ。このフォローによって感謝されるに至ってこそ、イスラムの怒りを解くことができると考える。
 フォローには難民救済は勿論だが、その後のアフガニスタン政府の下の民生の安定の為に尽力することを当然含む。彼らから等しく感謝される援助の手を差し伸べることこそが極めて重要だ。感謝されない国への援助を大幅に削ってでも大いに援助すべきだ。それが「テロの根絶」のシナリオが一歩も二歩も前進することに繋がろう。世界から貧困の撲滅を目指すことが世界の平和への道と思われる。
 最近,イラクの国際査察に関して,イージス艦を派遣すれば,国民に対する脅しのように,「テロに遭う」と真剣に言う自民党有力者の古参議員,「野中広務ら」もいるようだが。まあ,そういう者はカモフラージュのためには多少いてもいいだろう。が,程ほどに矛を収めたほうが良い。テロをやるのは一部のイスラムで,決して全部ではない。イスラムのほとんどは『テロ』には反対なのだ。誰だって,できれば平和的に解決したいのだ。どこの政権でも,国民を苦しめる政権が生き延びることが正義とは思わないであろう。私は,どちらを取るかと言われたら躊躇せずアメリカを選ぶね。たとえ安保が無くとも。『テロ』に遭うと言うなら,イージス艦を派遣しなくとも『テロ』に遭う。日本は既に自衛隊を派遣しているのであるから。危険はあっても,イスラムのために,戦後復興に尽力すれば,日本の真意は必ず伝わる。感謝されるまで尽くすことだ。されば,『テロ』など起こるはずも無い。アメリカにしても敵対しているのは,「独裁者フセイン大統領」に対してであって,決して,イラク国民に対してでは無いことを留意しよう。何もしなくとも「テロ」は起こるときは起こる。オームだって,その他暴力革命を目指した共産主義者の火炎瓶闘争だって,「テロ」と言えばテロになる。不名誉だから,そう言わなかっただけの話だ。「テロ」を恐れてはならない。暴力に屈してはならない。それでは,国民の命,財産,正義は守れない。
 >索引に戻る

 2.防衛戦略の補完は近隣諸国との友好
 >索引に戻る

防衛戦略の根幹は教育(16.6.20)

戦争の真実を教え総合戦略に強い子を育成せよ(16.2.4-10)
 日本の爆撃機である重爆,九六式陸攻,一式陸攻による爆撃とアメリカが本土爆撃に使用した高空の要塞と言われた過給器を備え超高空を飛行し,高い防御力を誇り,戦闘機以上の重火器を装備したB29による日本の主要都市を灰燼に帰した焼夷弾による爆撃とを比べればその性能及び科学技術の差は歴然で,その効果においても雲泥の差があったのである。幼児がちょっと触ったことに腹を立てた大人が幼児を張り倒した以上の差があると考えるが。日本1の攻撃に対してアメリカは百から千の攻撃をしたのではないかな。これはもう三歳位の幼児と巨人モンスターの戦いみたいだ。現在においても,米軍事力は世界の半分を占め正に帝国のコンバットモンスターである。現在の状況はテロの脅威はあるものの,正にパックスアメリカーナであろう。アメリカに対抗できる国・組織などありはしない現実を重く受け止める必要がある。
 空気は上空に行くほど薄くなるので自然吸気では高空に行けば行くほど吸気量が減る。従って上空ほどシリンダーへの充填効率が低下し軸出力低下に伴って機体の運動性能が低下するのである。これに対し過給器は排気タービンを利用し薄い空気を圧縮して吸気に取り入れることができるので吸気量を増やすことができる。つまりシリンダーへの充填効率を上げ軸出力を増大せしめ,機体の運動性能を向上させると供に,更なる上空の飛行を可能にできたのである。
 日本は高温の排気熱に耐えるブレード(流体の運動エネルギーを回転力に変える羽)を開発できなかった。技術力の差であるとともにマネジメント力の差でもある。
 アメリカはこの大戦が総力戦であることをよく理解していた。それ故科学者をあらゆる兵器の開発に総動員して開発のスピードアップを図ったのである。兵器の性能の優劣は勝敗に大きな影響があるからである。日本も国家総動員法などそれなりにした面はあるが,これは主に資源,製造に総結集させたのであって,兵器開発への科学者の総動員は確認が取れていない。無かったように思う。科学者の総動員と言う点ではアメリカの後塵を拝したのである。なぜか。あまりにも日本は精神主義を強調しすぎたからである。過ぎれば弊害が出るのである。即ち科学力を軽んじた。
 もっとも科学力の差は分かっていたので精神力でカバーしようとしたのかも知れぬな。悲しいかな日本は資源が乏しかったので,人より物(兵器)を重んじたのであろう。大切にするためのもっともらしい理由としては,陛下からの預かり物(当然のごとく人より大切と考えられた)として強調したのであろう。この弊害は陛下からの拝領品であるゼロ戦が無傷のまま敵の手に落ちる原因ともなってあらわれる。危機管理意識欠如の所産か。
 かかる状況であったから,アメリカは日本の戦闘機が来れない超高空から思いのままに焼夷弾の雨を降らすことができたのである。
 レーダー(電探)もそうだが,八木アンテナなど原型は日本の方が早かったと聞いているがこれを生かせず,これを軽んじ人間の目に頼った。ために開発に遅れをとり日本は情報戦で敗れた。
 空母艦隊戦では敵よりも早く索敵することが重要であり,敵を見落とすことを考えれば,直掩機(空母の護衛戦闘機)は不可欠。対空兵装(機銃や機関砲などの対空砲。現在は対空ミサイルを含む)も空母を失うわけにはゆかないのだから重要である。日本の兵装の貧弱さは,アウトレンジ戦法等にあったのかも知れないが,これは危険である。レンジ内に未発見の敵が居ればひとたまりも無い。日本にとって都合の良い設定で安全を考えていたわけで,結果としてミッドウェー海戦は日本海軍の欠点がもろに出た格好である。勿論,爆弾と魚雷の兵装変更を繰り返した指令ミスもあるが。このときは悪天候で正に,レンジ内に敵兵力の存在を許す結果となったのである。最悪の事態を想定しておく必要があるのである。
 日米の情報力の差はレーダー技術力の差にあったのである。「敵を知り己を知らば百戦殆うからず(孫子)」の基本を軽んじた。
 この大戦は巨大な消耗戦でもあった。この消耗戦でも指導者達は結果的に対応を誤っていると言わざるを得ない。日本では人命がアメリカに比べれば軽視されたのではないか。これは初期の戦闘機等に防御がほとんど成されていないことで分かる。兵士の代わりは赤紙一枚でいくらでも補充できると考えたのであろうか。事実新兵の値段は臨時召集令状の紙代(1銭5厘だったと思う)の値打ちしかないと言われた。であったから防御に回す資材があったら他に当てられたのであろうか。これには決定的な誤りがあった。一人の兵士を育てるには多大な時間をかけた訓練が必要であるということ。機械は失っても代わりを短時間で補充できるが,ベテランパイロットの補充は簡単ではないということ。これである。
 人を粗末に扱うようでは長期戦には勝てないのである。これは企業戦略でも言えることである。最近の企業は簡単にリストラをするようだが,士気の低下と忠誠心の低下,及び技術開発力の低下は当然であろうね。いつ首になるか分からなければ腰の据わった仕事などできるわけも無い。自分の飯の心配は自分でするしかないとなれば考えることは自分の飯の種となっても致し方ないであろう。倫理観の喪失から企業機密の漏洩も当然だが頻繁に起こることになろう。戦時中の指揮官たちが部下に対してした処遇に似てきていると感じるのが杞憂であれば良いが。
 戦国の英雄,武田信玄は次のように仰せでおられる。「人は石垣,人は城。情けは味方,仇は敵」と。理にかなった人間観である。主従が強い絆で結ばれていればこそ,武田の騎馬軍団は当時随一の強さを誇ったのである。彼が鉄砲の価値を見出し,鉄砲騎馬軍団を効果的に組織していたら,長篠の戦で,織田信長も危なかったろう。中国では良く使われた,野戦での「火攻め」は何故か日本では,使われてはいない。卑怯な戦法と考えられていたのであろうか。日本は燃える物がいっぱいあるので,大規模な「山火事」にでもなれば,手の施しようがなくなる恐れもあるからであろうか。三国志に登場する,智謀に長けた最後の英雄,諸葛亮の兵法にも出てくるくらいだから,中国では良く使われた手だ。
 日本では背水の陣が戦いの戦術としてよくとられた。背水の陣は「敵を誘い出すのには良い方法かもしれないが,これは別働隊の伏兵を置いて初めて生きるものであって,背水の陣だけでは成り立たない戦法である。逃げ道を塞いでおけば必死に戦うであろうと考えたのであろうが。人命軽視の原型がここにある。だが,これは生命体の本質を忘れた戦い方で,余り良い戦い方ではない。生命体の論理は「どんな環境においても,生き延びることを最優先に考える」のである。戦って生きられると思えばこそ頑強に抵抗もし,我慢もするのである。生命を危険にさらされれば,まず「自分の命を助けるために奔走する」のである。これがDNAに組み込まれた命令なのである。こうして生き延びれた者のDNAが受け継がれているのである。ここに補給の重要性がある。通常一般人は補給が無ければ戦えないし戦わない。戦えるのは精神を克服した意志の強い者のみである。初期の特攻が成功であり,後の特攻は失敗が多かったのはこの理由による。この対応を誤った典型として,中国における魏呉蜀三国時代における亥亭の戦いで馬しょくがとった布陣が挙げられる。彼は水源の無い高台に陣を構えた。魏の司令官はこれを囲み火を放ったのである。哀れ,水をたたれ火に囲まれた蜀軍は逃げることしか考えなかった。結果は惨敗である。命の糧を奪われれば人は逃げることしか考えないのである。
 よく人権論者は人命尊重を言う。なるほど「人命は尊いかも知れない」。だが私はこれを無条件には善しとはしない。意味も無く奪う必要は無いくらいでしかないと思うが。あらゆる事態において,「人命尊重」はプラスに働く確率が高いことは事実であるが全ての場合に当てはまるわけではない。情緒的に人命尊重を考えると逆に人命を粗末にする結果となることは良くあることである。「こちらの命とあちらの命とどちらを優先するべきか」と,判断を迫られる場合である。
 ここに助けを求める「@有能な科学者」と,「A単なる労務者」がいたとする。どちらかしか助ける力が無かったら,あなただったらどちらを助けますか。何の関係も無ければ,@を選ぶかな。が,Aがあなたにとって大切な人だったらAを選ぶでしょう。ここで人はどのような基準でこれを決定するのであろうか。判断基準は自分のDNAにとって何が有利かによっていることが分かるであろう。そう自分たちのDNAの存続と進化にとって都合の良い方を選ぶのである。
 人命尊重もそのためであり,継母が再婚した夫の連れ子を虐待し,我が子を大事にするなど,全ての行動原理はここにあるのである。我々はそのことを知った上でどうすべきかを考えねばならないのである。上で虐待が起こらない場合があるのは,余裕があり理性が働いているときである。
 両方助ければ良いと考えるかも知れないね。勿論,そうできれば躊躇せずそうするであろう。が,現実には,大規模火災や震災などの災害現場での救出などでは,救助隊員を生命の危険にさらすこともある。隊長はこの救助に向かうべきか,撤退すべきかの決断を迫られるわけである。山岳救助でもそうである。二次災害の危険と隣りあわせで救出するわけだから,常にこの命の軽重を問う判断も求められる場面がありうるのである。
 話を戻すが日本がアメリカに敗れたのは日本が不正義であったからではない。物量の差もあるが,初期の戦闘機は日本の方が優れていた面もあったが,不時着して放置された日本機(ゼロ戦)を徹底的に研究されたから破れた面もある。ゼロ戦を徹底的に分析した彼らは,運動性能抜群の機体ではあるが超軽量で防御が極めて脆弱であることを白日の下にさらさした。して,対ゼロ戦格闘戦の禁止を命じ,機体の脆弱を突くVT信管装着砲弾を総力を挙げて開発するのである。このVT信管は機関砲の砲弾が日本機の近くに来ると爆発し,爆弾から無数の金属片が航空機を襲う構造になっていた。ゼロ戦は防御が弱いのでこれで十分であったのだ。この後ゼロ戦はばたばたと撃墜されることになる。がこの開発はこちらの軍事工業機密を漏らした事が誘因である。これなどは遺棄する兵器は完全爆破する必要があるがこれを怠ったためである。よって,戦略の誤りと科学技術開発力の差,マネジメント力の差,情報戦力の差,兵士の投入効率の差(結果としての人命尊重の軽重の差)によって敗れたのである。我々は事実をごまかすのではなく正確に事実と向き合う必要がある。
 「アメリカは植民地であるフィリピンに独立を与えたではないか。植民地政策を続ける日本とは比べるべくも無いわ」と,言う人が出るのは分かっている。だが私に言わせてもらうなら,米本国の州に比べフィリピンは人口が多く,州とするには連邦議会の上院・下院の代議員を人口数に応じて配分すれば,かなり多数の代議員を割り当てねばならず,白人の決定権が大きく削がれることを嫌ったからに他ならないと考えるね。日本に対抗させるためでもあるが。これは表の理由である。バナナくらいしかものにならず人口の多いフィリピンはメリットが無かったのである。比べて人口の少ないハワイは州に編入しても,さほどに政局に影響するほどの上下院連邦代議員をおかずに済み,太平洋中央という戦略的に重要な位置を確保できるので,独立などさせる気が無いのである。もともとここは独立国であったのだ。要するにアメリカにとって,フィリピンはメリットがなく,ハワイはメリットがあったということである。現在の日本人みたいにお人よしに考えるめでたい民族は他にはいない。簡単に言えば「阿呆」ということであろう。彼らは国家利益に基づいて全ての政策は実行しているのである。モンロー宣言(ヨーロッパの列強をアメリカ大陸から締め出しアメリカが独占的に支配するぞという宣言)もそうだし,中国に対する門戸開放宣言(既にヨーロッパ・日本が利権を持っていた所にアメリカが割り込むための宣言)もそうである。私は別にアメリカの政策を悪いと言うつもりは無い。アメリカの立場なら自分たちが有利になるような政策をするのは当たり前であるからである。現在でもそうだが各国の利害に視点を置けばその主張が良く理解できる場合が実に多い。
 もう日本を悪者扱いはやめようではないか。道義的な問題に逃げるのではなく,総合戦略の優劣においてアメリカに敗れたのである。今日本に最も足りないと思われるのはこれである。中でもマネジメントの考えである。勝つためにどのようにあらゆる要因をどのような割合で組み合わせれば最も効果があるかである。アメリカから学ぶ点が正にこれなのである。そうゼネナリストとしての考え方,これである。日本はこの考えを身に付けて初めて一人前になると思われる。
 これは経済戦においても言えることである。線形計画法なども教えたらよい。所謂知の戦いにおいて武器(手段)となるものを,ものの見方を,勝てる智恵と知識,戦略的発想を訓練する場が教育にもっと必要と思われる。
 >索引に戻る

4 戦略なき亡国企業群(14.12.17-16.3.2)
 日本のODA予算の半分以上は中国に行っている。国民はこの事実を知っているのであろうか。特にオリンピック開催を大阪と闘った北京市の予算の半分以上は日本のODA予算だそうだ。日本は、予算を付けて北京を応援していたわけだ。日本には国益という考えが無いのであろう。中国のODAを巨額にしているのは,外務省中国大使阿波を頂点とするチャイナスクールの面々とそれにつながる日中議連の者達だ。外務省に巣くう癌だと思うがの。中国につながる者達を総入れ替えして,対等な外交ができるようにする必要があると思われる。相手国の利益しか考えない連中は即刻首でも良いくらいだ。にもかかわらず,中国要人のあの態度,憤慨しているのは私だけであろうか。中国の高速道路建設に手を貸し,軍の機動力向上に貢献した。湾岸戦争ではアメリカの放ったミサイルには目がついていた。劇場化したあの戦争を茶の間で見ていた人たちの中で最も驚愕したのは中国人民軍の指導者たちであったろう。軍の近代化の遅れは深刻だった。前の中越国境紛争では,中国人民軍はベトナム戦争を戦い抜き米国を追い出したベトナムに手痛い敗北を喫した。自国軍の兵士はまるで人形のようにばたばたとやられていった。彼らは旧来の人海戦術を取っていた。これが完膚なきまでも殲滅されたわけだ。朝鮮戦争のときは多大な犠牲を払ったが,これで米軍を押し返したから,これで戦えると考えていたのだろう。大軍で押し寄せる戦い方は,中国の伝統的な戦い方なのだ。以来,軍の近代化はそれなりにしてきたはずだが,世界の軍の電子化は想像以上だったのだ。従って,ここ十数年というもの軍の近代化電子化を強力に推し進めたわけだ。これに多大な貢献をした国はどこか。勿論,日本だ。広東の実力者「ケ小平」が進めた「改革開放政策」継承した「江沢民」。この時代,「バスに遅れるな」とばかりに,多くの日本企業が生産拠点を中国へ移していった。電子機器の生産も移した。これらは中国軍の近代化,電子化に大いに貢献しただろう。つまりは彼らの攻撃力アップに貢献したわけだ。更に最近は最先端の電子部品の工場を「NEC」は中国に建設すると言う。これらは中国のミサイルの攻撃精度を更にあげるだろう。熱線誘導ミサイルは既に旧世代と思われるが,スカッド程度のミサイルもこれは搭載している。対空ミサイルとして最も標準とされているものだ。が、これはもう時代遅れのようだ。つい最近イスラエルの旅客機がミサイル攻撃を受けたが,これをかわしたようだから,イスラエルは熱線追尾ミサイルかく乱装置を開発して,旅客機にすら設置しているということだ。これからのミサイルは電子の目がついた誘導ミサイルが中心となっていくだろう。目標を確実に補足し,飛行を制御し,確実に破壊する。この開発に力を発揮する工場を中国に作ることがどんな意味を持つかを考えているのであろうか。中国が日本を攻撃することなど無いとでも思っているのであろうか。国境を接する国は常に大なり小なりの軋轢はあるものなのだ。国防に関する戦略が欠落しているのではなかろうか。中国の攻撃力を向上させることにまったく関係ない企業が進出することは,日本の失業が増えない限りとやかく言うつもりは無いが,中国の攻撃力アップにつながる企業群の中国進出には歯止めをかける必要があると考えるのだが。
16.3.2加筆
 以前,韓国が経済不振のとき泣きつかれた日本は彼らにDRAM技術を教えた。その結果は言わずもがなである。先端分野であった半導体業界は,所謂,ひさしを貸して母屋を乗っ取られた格好ではないか。実にお人よしである。最近の報道によると,その歴史を忘れ,ソニーは韓国のサムソンと次世代半導体か液晶技術の開発だったと思うが,国内グループと袂を分かち,組むようだ。このソニー,国内に巣くう「トロイの木馬」だな。現在週末になると韓国企業でアルバイトをする日本企業の技術者が居るそうだ。要するにこの者達は産業スパイと言うわけだ。技術を守るためにはこの種のアルバイトを規制する必要があるのではなかろうか。韓国放逐では技術の漏洩となるから止めた方がいい。外務省は出入国管理をしっかりとする必要があると思われる。日本の領土である竹島を侵略している自分はさておいて,靖国などの信教の自由に関し日本にあれこれ注文を付ける韓国と先端技術の分野で組むとは何ということか。現経営陣になってから,ソニーはメーカーとしての本分を忘れ「邪道」へ走った。今また,国益に反する道を率先して歩もうとしている。我々は,国益を害する企業指導者は誰かをその行動から見てゆく必要があると思われよう。国益を害する企業の製品は買わないようにすることが、結局のところ国益を守ることに通ずると考えられよう。もっとも,このソニー,目前のコストばかりに目が行き,自前の技術を育てず,外注に走ったのでまともな技術が無いのかも知れないな。自前で作らねば,技術など残るわけも無い。サムソンから教わろうと考えているのかも知れぬな。哲学の無い企業は淘汰される運命にある。「シャープを見よ」彼らの戦略は正しい。彼らの戦略こそ「日本の製造業を蘇らす」戦略と思われる。シャープが三重県に建設した最先端工場はそれを支える企業群を回りに生じせしめ,問題の解決も迅速に成されるとか。
 長期戦略にたって考えないと自滅しよう。正に,「狭き門」こそ命の道である格言は今も健在である。ソニーよ,メーカーとしての本業を忘れるな。「末子末葉の産業は時代と供に変遷し業態は変われども製造業は永遠なり。と考えるが。(/16.3.2)
 >索引に戻る

5.中国の戦争戦略(14.12.17)
 この時代に戦争なんて,と考えるかも知れない。私も無いことを望んでいる。しかし,望んだところで起こそうとする者がいる限り,絶えずその危険はある。従って,その備えは必要なのである。
 中国にとって,1950年以来の懸案は「台湾問題」なのだ。台湾は長らく「大陸の出身者」が支配して,「大陸反攻」を掲げていたから,これが独立するとはお互いに考えていなかった。しかし,時の流れは人の考えも構造も変えるのだ。台湾の立法院(日本の国会にあたる)の「大陸系永世議員(いわば亡命であるから改選されようが無いので永世なのだ)」の多くが死に絶えれば立法院の性格も変わらざるを得ない。新たに選出された議員が多数を占める状況となれば,台湾中心の考えになることは自然の成り行きというものであろう。従って,台湾独立の動きは時代の潮流というべきもので,時が下るとともに増えてゆく運命にある。人民中国はこれに対して,警告を発するのだ。「独立は許さない」と。まったく支配権力が及んでいないのに,「許さない」も無いものだ。この感覚は,「自分たちが全て決める権利でもある」と言わんばかりだ。日本に対しても同様に,「俺たちの言うことを聞かないことは許さない」とでも考えているのであろうか。であるからいつでも中国は,常にすきあらば「台湾併合を」と考えているのだ。このことは,常に戦争の危険があるということだ。
 内戦終結,以来両軍の対峙する台湾側最前線は「金門島」である。これは台湾海峡にある大陸福建省厦門に極めて近い小島である。ここは島全体がトーチカに守られた要塞になっている。 過去は定例行事ようにここで砲火を交えていたわけだ。
 1996年に行われた台湾の総統選のとき,台湾近海でわざとミサイル発射の演習をして威嚇した。「独立は許さないぞ」というシグナルだ。同時にアメリカの出方を見たのであろう。即座にアメリカは,空母艦隊を付近に展開し,侵攻を許さない姿勢とプレゼンスを示した。そのときはそのまま終結したが,誤ったシグナルを送ればどうなったか。
 一国二制度などと言ってもどこまで保障されるものやら。これは当事者がどこまで信用できるかにかかっているが,なぜそんなに統一にこだわるのだろうか。半世紀も経てば,もう他人も同然であろう。
 それより,中国こそ変わったらどうだ。共産主義を捨て,自由と市場経済に委ねる。行き過ぎは是正する必要はあるが。アメリカのように,連邦制にして,各民族が独立するも自由とね。各民族の自由意志で,連邦に参加するかしないかを決める。そうなれば信用もされよう。今の共産主義体制そのものが矛盾に満ちているのだ。人民の身分は,共産党員都市労働者農民と階級が分かれていて,その貧富の差は甚だしく,農民が都市労働者になることも許されない。農民は戸籍が農民である以上,出稼ぎで都市で働いても,三年で農村に戻らねばならないのだ。人民中国には,こうしなければ,農民の「盲流」(現在は「民工」と言う)が生じ,農村の崩壊,都市の混乱が起こる懸念があるという事情はわかるが。しかし,それでも段階的に計画的に解消する方法があるはずである。3年を4年,5年と段階的に変える。最終的には住居移動は全て自由にするなどとね。従って,現況では安価な労賃の労働者が常に雲霞のごとく供給されるようになっている。だから,労賃は簡単には上がらない,諸国にとって正に「ブラックホール」なのだ。それゆえさまざまな軋轢を各国で起こしている。
 中国共産党は現有体制を必死に守ろうとしている。なりふりかまわず,反日教育もそのためだ。だが,われらにとっては迷惑そのものだ。
 この中国,対外戦略としては,膨張主義をとっている。東南アジアにアジアハイウェイの建設。この整備を進めることは,中国製品の大量移動に貢献することは勿論だが,いざという時には,人民軍の侵攻にも貢献しよう。ミャンマー軍事政権への接近ないし梃入れ。アジアにおける覇権拡大の一環だ。東南アジア自由貿易圏の主導。共産主義を放棄もせずに自由貿易とはケセラセラだよ。更には,南シナ海,遥か南の南沙諸島の領有権を主張して軍艦を貼り付け,軍事基地を作る。アセアン諸国への恫喝だ。中華帝国として世界に君臨する遠大な計画の一環であろう。海底資源確保と,シーレーン確保の意味もあるが。中東からのシーレーンなど一国でどうなる訳でもあるまい。近隣諸国が協力してことにあたる必要があるが。主導権を握る狙いがあるのだろう。日本にあれこれ言って手を引かせ,自分が出てゆく。私としては,手前が出で来るのも周りは脅威なんだよ。と言いたいところだが。この中国,東南アジアの全ての国が束になっても中国一国の人口に遥かに及ばないのだから,話の他に巨大だ。正に,巨大な暴れ龍と言った感じだ。この中国,アメリカを唯一の超大国とは認めない。自分がいずれその地位を奪ってやると考えているのだ。アセアンを従えたら,人口は18億になるようだ。して,経済発展した暁には,アメリカは輝きを失うと思えるのだが。もっとも,順調に経済発展などできはしないだろうが。現在の発展を支えているのは,65%は外資という話も聞いている。所詮外資はメリットがなくなれば出てゆく運命にある。その時は,軍が外資を押さえ込むかも知れないな。資産凍結として。ころあいを見て,没収とね。これは選択肢のひとつだ。かつてはアメリカが打った手だから,関係が悪化すればいつでも起こることだ。その時,進出した企業家たちはどんな顔をするかな。中国が「凶暴な超大国になった」ときは,こうなっても,もはや誰も止められないであろう。現在の日本の延長には,憲法の縛りがあるから,勿論,止めることなどできる訳はない。アメリカはどうかな。ライオンだって大人の象には手を出さないものだ。これが動物的本能というものだろう。
 中国が台湾に「手を出す」ときはどんなときであろうか。それは,アメリカが手を出してもやれると判断したときだ。今,中国は戦略を考えない馬鹿な日本の企業家に美味しそうに見える餌を見せびらかし,釣り上げようとしている。釣った魚には勿論餌などくれる訳は無い。しばらく操業させて,技術を取り込んだ頃を見計らっていびり出す,法律を変えて居づらくすれば,放っておいても日本の企業は出てゆく。技術は残るわけだ。しかし,これはもっとも穏やかな方法だ。後は,模造品を雲霞のごとく作れるのだ。こんな商売笑いが止まらない。馬鹿なのは日本の企業だ。こうして技術を取り込み軍の近代化をなし,ミサイルの近代化をなし最先端の電子機器で武装が終わった時,それが彼らにとってチャンスなのだ。だからもはや時間の問題である。中国の火力は北の比ではないと思うが。中国は国土が広いからかかる武器はどこにでも隠せる。中国は核兵器を保有している。核兵器を使うなら核戦争の危険を覚悟する必要がある。だから,核を使わない通常兵器でのミサイル攻撃で始まるであろう。中国が海軍増強に努めたのも上陸作戦のためであり,米軍介入阻止のためである。中国は体制の矛盾を抱えながらも忍耐強く,GDPの拡大をひたすら待つ。待てば待つほど国力は充実し米国の介入は難しくなろう。そして,米国がもはや阻止できないと感じたときが実行のときだ。これは「国内問題だ」と,強弁してね。『軟弱外交をする』アメリカ大統領が選出されたときがチャンスだろう。してそのときは,台湾はあっという間に占領されるだろう。そのときは既に,国力の差は圧倒的になっていようから,もはや敵ではないのだ。だから,台湾が独立したいのなら,今なのだ。中国が力を持ってからではより難しくなるのではないかと考えるのだが。
 >索引に戻る

 .中国原潜による日本領海侵犯の意味(16.12. 2)
16.12.2追記
中台軍事バランスの政府分析中台軍事バランスの政府分析
   >索引に戻る

 3.核への対応(15.1.21-15.2.28)
・北の核に備えよ
 最近の動向を考えると,米国に誤った意思表示はしないことだ。テロ国家独裁者金正日将軍率いる至近距離にある北朝鮮が,たとえ1個でも核を持つと言うなら,残念だが,我々も自衛のために,核兵器を持つための必要なあらゆる処置を取ると言わねばならない。そうでなければ,我々は,周りを核保有国に囲まれ,著しく不利な状況に置かれるのは明らかだ。おまけに,金正日は,国家犯罪を平気でする,何をするか分からない人物だ。事ここに至っては,非核政策は無意味だ。残念だが,今となっては核のバランスの上に立つ共存の道を選ぶしかない。そうでなければ我々だけが,核の脅威の下に置かれ。恫喝されいいようにあしらわれることになる。子孫にまで,その不利な状況を押し付ける訳にはいかない。北は,東京まで十数分で核ミサイルが届く距離にあるのだから。平穏ではいられない。15.2.3「テレビ朝日TVタックル」では7分で着弾と言っていた。なら,なおさらである。
 設計図と,必要な製造設備までは作っておき,いつでも製造できる状況にしておき,北の進展によっては,配備に動くことだ。して,核による恫喝を受けたら,直ちに製造・配備だ。遅滞は許されない。北をつけあがらせ,危険が増すだけだからだ。挑戦を受けたからには,対応をしておかないと何が起こるか分からない。怠れば,日本を核攻撃して,武力南北統一に動く恐れが強くなる。ロケットは,取り敢えずH2Aを使うしかない。今でさえ,日本人の人権は北の無法によって踏みにじられ続けているのだから。
 また,配備しても核を保有したなどと公言する必要はない。否定も肯定もしない。状況から99%保有していると見られる状況が良いと言われる。すぐには憲法改正が難しいかも知れないからだ。しかし,与野党よく相談して早急に国としての対応を決めたほうが良いと思われる。過去の経緯はいろいろあっても,与野党いずれの党も国民の安全を考えていることには違いはないと,私は信じたい。国家の一大事だ,しかるべきチャンネルで与野党直ちに正直に話し合うことだ。できればこの件は政争にしないということで一致協力して国難に当たれればそれが一番良い。国論が割れているとつけこまれるからだ。国民の命は議員が握っていることを忘れないでもらいたい。全ての議員で危機感を共有することが重要だ。攻撃を受けたら与野党の議員の別なくやられるのだから。
 現在の状況が既にこれを見透かした北の恫喝なのだから,スタートしても良い状況だ。また,こんなものは国家機密だから,極秘裏にそれ相応の要領でやることだ。取り敢えず機密費で研究スタートだ。東京が火の海になってからでは遅い。実験研究所は,分かっておろうが厚い岩盤地下50メートル以下に作っておく必要があろう。できれば岩盤は花崗岩がよい。核攻撃にも耐えるためだ。我が国はプトニュウムが余っている筈だ。いつでも作れる。場所は勿論機密だ。プルトニウムは安全な場所に確保しておく必要がある。地上は安全ではない。破壊されたら終わりだ。極秘に,核ミサイル開発国家プロジェクトを立ち上げる必要があるのではあるまいか。ただし,できればアメリカに同意を求めておくのがベストである。また,できたら技術導入をすることが良い。さればアメリカも安心しよう。
 アメリカが断るならロシアと取引すると言うのは一つのカードである。ロシアは地政学的関係から日本と経済的にも政治的にも軍事的にも結びつきを深めることは歓迎すると考えられよう。その際,北方領土は取り敢えず,後回しだ。国の安全の方が優先順位が高いからだ。その場合はロシアとの関係を深め,一衣帯水の関係を作ることだ。されば北方領土は清算されよう。いずれからも断られたら,独自開発をするしかない。それならそれで,これからの外交対応を見直すしかないだろう。日本に対してあれこれと内政干渉をする中国は止めた方がいい。属国にされかねない。いや,既に属国扱いである。はっきり言って,日中友好議連の議員らは中国の走狗となっているところがある。トップの橋本元首相は,一民間人となった台湾の前総統が来日のビザ申請をした時,人民中国の言いなりになるように外務省に圧力をかけたりした。アメリカは数次ビザを発給しているのにだ。犯罪者や日本に害する目的でもなければ本来自由に渡航できるはずである。日本は自由と民主主義の国なのだ。だが,彼らのやっていることは,中国に隷属することを買ってでていることになる。余りにも卑屈ではないか。日本の考えで「ノー」と言うべきを言わないなら軽蔑されるだけと考えるが。
15.6.4加筆  最近の日中議連の長となった高村氏は中国に言うべきことは言うと語っていたから、今後の動きに期待をかけよう。言いなりにだけはなって欲しくない。それでは独立国とは言えまい。理不尽な要求に屈するなら国民は失望する、それは政権党である自民党に期待すればの言である。(/16.6.4)
 この核問題について,北が武装解除し,金が退陣し,平和国家になり,国際査察を完全に受け入れかつ実行するのなら,我々も核武装は止めても良いと思われもしよう。が,約束を反故にする恐れがあるから油断はできない。いや,約束した直後から破っていると考えておいた方がまず間違いない。過去の実績から考えると彼らが約束を守るとは到底考えられない。準備は進めておく必要があると考えられる。
 だが,付け加えて言うならば,力のない国は,結局なめられるのだ。北が核のことで交渉する資格が日本にはないと言っている。このことの言わんとするところは,日本は核兵器を持っていないから取引する資格が無いと言っているのだ。中国が日本をなめるのも,日本が核を持っていないためである。これが国際政治の現実であることはよくよく考えておく必要があろう。力の無い国に,弱小国はついてこないよ。いざというとき守ってもらえ無いのだからあたりまえである。なめられたくなかったら,H2Aを使った核ミサイルを開発して配備しにらみをきかす必要があるのではなかろうか。こうして初めて,中国と対等に渡り合えると思えるのだが。聖徳太子は隋の「煬帝」に対して対等の付き合いをしたのだ。今の日本の姿は,この時代にも及ばない。政治家達はそろいもそろって自分の確固とした信念がないと思われる。小泉さんも靖国で相手に譲歩を続けている。以前よりはましなのかも知れないが。「信念のある男は少ない」と感じる。情けないことだが、それでも少しずつ信念のある政治家が育ってきているようにも思える部分がある。日本の国際的地位向上のためには良いことである。
 アメリカには常に頭を下げておいた方が良い。この国は並ぶ国の存在を絶対に認めない。身勝手な国だということを片時も忘れない必要がある。もっとも,大なり小なりどこの国も身勝手ではある。アメリカだけが例外なのではない。日本がアメリカから自立できる時は,核を持った時であるが,そんな事は口が避けても言ってはいけない。怖い怖いと言っているのが賢明だ。そうしていれば,アメリカは安心している。疑われることが無いようにするためには演技も必要と思われる。秀吉が恭順の意を信長に示した示し方は実に賢い。我々はアメリカに対抗する必要は無いが,身の安全のための主張はしなければならない。誤解を避けるために言うならば,アメリカとは永遠の同盟関係を維持するのはお互いのためだと考えている。まもなく強大な人民中国が登場しようからである。華僑を含め衛星国になるであろう国を含めたら18億人だ。これだけで豊かなマーケットになる。これを隣に抱える日本としては,アメリカは欠くべからざるカードである。
 が,「MDを配備すれば,核ミサイルも撃墜できるから,核武装の必要は無い」と,アメリカが言ってきても,絶対に信じてはいけない。不幸なことを引き合いに出しては悪いが,15.2.2起こった,シャトル「コロンビア」の空中分解爆発事故でも分かるであろう。百%の信頼性など機械にはないのである。「パトリオットの次世代機」でも,ほぼ百%と言ったところで。迎撃率がアップしていると言うこと。迎撃率百%は国民にいらぬ不安をさせないための方便と心得よ。百%安全とか,必ず撃墜できるなどとは考えないことだ。日本上空で核が炸裂しても,アメリカの被害は少ない。在日米軍がやられるだけなのだ。核不拡散というアメリカにとって有利な戦略から言っているに過ぎない。こんなことを飲んだら,日本の安全は守れない。対抗手段をとることだ。たとい一個でも北に核を許すのなら,日本は核武装以外の道は無い。
 「日本が核武装をするなら極東アジアが不安定になる」と,アメリカの高官が言ったようだが,既に北の核所有で不安定になっている。日本にだけ核の脅威を押し付けるのなら,もはやアメリカの考えははっきりしている。所詮,日本はどうなってもいいと考えているのだ。アメリカは当てにはできないということだ。そもそも,今の技術では,大陸間弾道弾核ミサイルを100%迎撃などできはしないのだ。残念だが核による恐怖の共存以外の道は無い。
 北が核ミサイルを増やすことの意味をここで考えることは迎撃の確率を考えると,意味のあることだ。新型の「ペット」を完全配備したところで,迎撃率の数字が発表されていないからなんとも言えないが,旧型に対して迎撃率が仮に倍にアップしたと考えても60%である。5発発射されたなら,2発は迎撃できずに着弾することになるのだ。今回のイラク戦争でイラクが放ったミサイルに対し,改良型パトリオット(PAC3)は12発のうち8発を迎撃したようだから,迎撃率は実戦では66%となる。しかし,これは射程が200km程度であるから,射程1300kmのノドンはスピードはかなり速いと考えられるから,迎撃率はこれより低下するのは否めないと考えられよう。従って,北がやるなら10倍以上お返ししてやると脅しておく必要がある。攻撃を思い止まらせるためだ。そのためにはもはや,核武装を躊躇っている余裕は無いと思われる。
 >索引に戻る

・核の確率論的脅威の証明15.6.12
 上の話は大雑把な話で,数学的確率論から着弾の確率を計算する方法と,計算例を次に書き,その脅威の実態を明らかにする。
N:発射されたミサイルの数,x:迎撃率,p:命中率,q:目標着弾率
N個発射されたミサイルのうちr個が迎撃されず通過し,その内のs個がに目標に着弾する確率を求めてみる。
 ここでは,迎撃されなかったミサイルが命中率pで目標に着弾すると想定することにする。


 q(n,r,x,s,p)=nr(1−x)r・xn-r・rs・ps・(1−p)r-s


で表されると考えられよう。
 そこで,いくつかの場合に分けて計算例を示し脅威の実態を明らかにすることを試みる。
ただし,大量破壊兵器の場合は,目標がずれたところで目標に被害が及ぶことを考えて,命中率は百%と考えることにする。

ミサイル目標着弾の研究
 この表は,PAC3で改装した後での話である。特定パラメータの場合の例である。この表の結果から見ると,現在の日本のミサイル防御は無いに等しい。一体この責任はどなたにあるのでしょうか。北の気まぐれで現在,ミサイル攻撃されたら防ぐ手は無いのではないか。一刻も早く防空能力をアップすることだと考えます。
 東京を火の海にしてやるなどと言っている将軍がいるのだから,これを単なる戯言とは考えない方が良い。ヒトラーだって,ズテーテン地方に侵攻する際に,前もって,自分たちの領土だと宣言して正当性を主張してから実際に侵攻したのだ。従って,北が攻撃する理由を言ったときは要注意だ。いつでも攻撃できる根拠を言ったことになる。攻撃があるとすれば、正当性の主張の後が攻撃となる確率が最も高いとはいえるのではなかろうか。もっとも、こうならない様に最善の外交努力をする必要は勿論あるが。チキンゲームが好きな将軍様だから相手にするには大変だとは思うが。こういう相手には、動じないだけの備えを持って臨むしかないのではなかろうか。
 >索引に戻る

・三段階迎撃の安全度証明(15.6.28)
 現在の防衛設備で迎撃の確率を上げる方法は,二段階ないし三段階に迎撃体制を整えておくことだ。発射直後,最高高度時,着弾直前の三段階だ。こうすることで少なくとも迎撃の確率を上げることはできる。
 発射直後は勿論,潜水艦から迎撃する(できればの話だが)。最高高度はイージス艦か。直前はパトリオットということになる。潜水艦は至近距離に展開しておき,海中から熱線追尾ミサイルを発射することだ。勿論,スピードも速く破壊能力が必要である。弾頭重量を最小にし,スピード増と射程増を図ることだ。GPSで追尾を補正できればさらに精度が上がろう。
 後者の計算式は次のとおりである。


 nu(1−x)u・xn-uuv(1−y)v・yu-vvw(1−z)w・zv-w・wr・pr・(1−p)w-r


n:発射ミサイル数,u:第一迎撃通過ミサイル数,v:第二次迎撃通過ミサイル数,w:第三次迎撃通過ミサイル数,r:目標着弾数,x:第一次迎撃率,y:第二次迎撃率,z:第三次迎撃率,p:目標命中確率とする。
ここで,n≧u≧v≧w≧r の関係がある。
 n個発射されたミサイルのうちr個のミサイルが目標に着弾する確率はnとrを固定して,条件を満たす全ての場合の確率の総和が求める確率となる。表ではx,y,z,pを一定の条件として,u,v,wの全ての場合の確率を計算し,その総和を求めている。(/15.6.28)
 次の計算シートは任意の条件による確率を瞬時に求める物である。確認したければミサイルの着弾確率の計算シートを見てください。
 更に,中間地点での迎撃を考えるならば,迎撃ミサイルを多く使えば,中間地点の前後二箇所で迎撃することを考えると,計5回に渡る迎撃を考えることができる。この場合は,更に安全度は増すことになる。その際はイージス艦をかなり増やす必要があることになる。中間迎撃だけで八隻必要という事だから,24隻必要になる。巨額な予算が必要ということになる。が,安全は何よりも重たい。最も良いことは彼らが攻撃の意図を無くすことである。それには,ある程度の対抗措置をとっておき,無謀であることを自覚させること以外にかの人には有効とは思えない。
 ここに5次に渡る迎撃体制をとったときの核ミサイル同時攻撃に対する安全度を確認する計算シートを用意した。参照されたい。
 触れなかったが,多弾頭型攻撃ミサイルは,まだ北は開発してはいないと考えられるが,これが現れると大変な脅威になる。一つのミサイルに例えば10個の子弾頭をのせその内の一つを本物にすることもできるわけだ。見分けがつけばさほどに問題はないが,区別ができないと,この場合だと迎撃率は十分の一になるのだから深刻である。ダミーも含めて全てを破壊できなければ安心できないことになる。多弾頭型迎撃ミサイルを開発して迎え撃つ必要性に迫られるかも知れないね。こういう事態を考えるなら,北とは平和裏に友好関係を作り上げることが最も安全になる。但し,北自身が平和国家になる事が前提だ。これには拉致問題の全面解決が第一歩となるだろう。他国民を人質に取るなどギャングのやることである。我々としては,当面,両面作戦を展開するしかないことになる。
 >索引に戻る

・核兵器と通常兵器の威力の差(15.4.16)
 ここで,核兵器と通常爆弾の威力の差を明らかにしておいた方がイメージが湧くであろう。次に書くのは通常爆弾との比較ができるようにするためである。  まず,通常爆弾,これはいろいろあるが,TNT(トリニトロトルエンの略)火薬1トン爆弾の威力は直径100m位の範囲を火の海にし,構造物を破壊する能力がある。米軍が所有する,アフガンで使用された実績のある,「燃料気化爆弾」なら直径400mの範囲を火の海にし,酸素を奪い,兵士をなぎ倒すことができるという。報道では400m四方と言っていたが,爆風が四角に展開することは無いので,直径400mの間違いと思われる。最近の報道では500mと言っていた。米軍が今回開発して,このたびのイラク戦争でも使用された通常兵器としては最大の威力を有する,重量12トン位有る,輸送機から投下する燃料気化爆弾「MOAB」は確か,直径10kmの範囲にいる人々を殺傷する能力があると言っていた。真偽の程はどうか。かなり効率よく広範囲に燃料を散布し一瞬に爆発炎上させ,周囲の酸素を奪うのであろう。
 原爆は広島型程度で12Kトンと言われているから,1トン爆弾の一万二千倍の威力なのだ。少し古いが引用データ当時の標準型原爆は20Kトンだそうである。また,ミサイル搭載の通常の核ミサイルはこの75%の威力ということのようだから,15Kトンということになる。小型の通常ミサイルなら,通常300kg程度だから,1個の核ミサイル15Kトンは,小型ミサイル約5万発分の威力ということになる。その威力は桁が5桁違うのである。この他には,威力が25%の戦術核,スーツケース核爆弾とも言われるようだが,これもある。これでさえその威力は破壊的である。現在核ミサイルは広島型プルトニュウム原爆より強力なのだ。水爆はこの20倍で400Kトン,通常は40倍の800Kトン,更に大型になると,20万倍ずつ増える構造のようだ。いずれにしても破滅的な能力があることには変わりが無い。(平凡社,百科事典より)(/15.4.16)

15.12.12加筆
 現在の核ミサイルの威力は150キロトンとのNHK報道があった。この数字だと更に十倍の威力だから核ミサイル一個の威力は通常ミサイル五十万発の威力ということになる。従って,通常ミサイルは核ミサイルに比べゴミみたいな代物になる。我々はこの現実をよく考えて判断してゆく必要があろう。(/15.12.12)
 
>索引に戻る

・北の現在の脅威(15.1.21-2.28)
 現在の,ノドンやテポドンには,核は搭載できないかも知れないが,まもなく完成するテポドン2型はそのサイズから確実に核を搭載可能と考えられよう。また,高性能ミルも日本の東京にある会社から手に入れたから,固体燃料のブースターロケットを第一段目の液体燃料ロケットに付けさえすれば,搭載能力も飛距離も当然のことだが,大幅に伸びることになる。北朝鮮のミサイルを侮ることはできない。ただし,米科学連盟はノドンの射程は1350km,積載能力1158kgと分析。既に,高性能爆薬による起爆テストに成功しているので,重量1000kg以下に軽量化された核を開発済みで搭載可と分析している。ノドンは既に百基配備済みだから,これが正しければ,既に大変な脅威である。
15.4.19追記
 15.4.17の報道によると,この三年間に配備数は倍になり170-200基のミサイルを配備したと韓国の国防当局は伝えている。事実なら脅威は倍増したことになる。(/15/4.19)
16.6.4追記  16.6.1日経報道によると改良型ノドンの射程は1500kmとなったもようで、北海道から沖縄まで全日本列島をその射程に収めた模様である。また、1000kgの核ミサイルを開発済みであることもパキスタンの原爆の父と言われるカーン博士の証言で今や明らかとなった。既に大変な脅威の下にあることが明らかとなっている。(/16.6.4)
 北のミサイルの脅威に対し,イラク攻撃では400基以上のミサイルが打ち込まれたが,たいした被害は無いのだから,そんなに恐れる必要はないと誰かが言ったが,実に無責任な言葉である。
 アメリカはできるだけ民間に被害が出ないように正確に精密誘導通常ミサイルで攻撃したから,被害が最小限になったのである。北の場合は,市民を標的にすることも十分考えられよう。しかも,核ミサイルとなる場合も考えられよう。良心的な攻撃をしたアメリカと,拉致をするような冷酷な独裁者金正日将軍の攻撃を同列には比較できない。核ミサイルなら一発でも通常ミサイル五万発の威力(最近のNHK報道では,現在の核ミサイルの性能では50万発の威力となるようだ。15.12.16追記)なのだから比較にならない。国民には正確な情報を提供しなければ,被害の正確な予測などできないのである。
 中国がばら撒きに貢献した新型肺炎コロナウイルスでさえ,世界に広がり,既に160人(15.5.12現在で502人)以上の犠牲者が出ているのである。人間に抗体の無いウイルスをミサイルで日本上空にばら撒かれたら悲惨な結果となるのではないかな。とても,たいしたこと無いなんて言っていられないと考えるね。北に冒険をさせないためにも、「核兵器・細菌兵器・化学兵器等の大量破壊兵器を使ったら,北を消滅させる」と,いうくらいに,アメリカに警告を発して脅してもらっておく必要があるのではないかな。(/15.4.19)
 核ミサイルでなくとも,化学兵器ミサイルはイラクが持っていてイラン・イラク戦争で既に使われている。当然,北朝鮮も化学ミサイルを持っていよう。今年始めに報道されたイギリスでテロリストが所持していた,猛毒「リシン」なら1gで30万人殺害が可能というから,核でなくとも極めて脅威である。
 2003年初めにこんな事を考える羽目になろうとは,予断を許さない熱い一年となろう。
 
>索引に戻る

・お寒い国会議員の国防意識(15.4.16-17)
 各党の主張を聞いていると,それぞれの考えがあるのであろうが,同じ党でも人により考えも異なるようだ。いろんな意見があっても良いが,私としては,最悪の事態も考えて対応はしておく必要があるのではないかと思います。自分の都合の良いように推論するのは,戦前の「希望的観測のまま戦争に突入した,あの考えから抜け出ていない」と,一抹の不安を感じない訳にはいかない。全て,自分たちが描いたシナリオどおりには展開しないのが世の中と思われる。
 15.4.13のテレビ対談で,かつては普通の国になろうと呼びかけたはずだが,自由党の小澤氏(現民主党)は,対地攻撃能力は持つ必要が無いと言っていた。これが同じ人の言葉とも思えない。野党暮らしを長くすると,人は変わるということか。ミサイル攻撃をされたら,日米安保があるから大丈夫と。国連の決議に基づいて,アメリカがミサイル発射基地を攻撃すればよいと。ここで,安保条約によると,国連の決議がなければアメリカは対地攻撃はできないそうだ。このとき,日本が攻撃されれば,国連は決議をするから云々と言っていた。私は何と呑気なことを言っているのだろうと思いましたよ。発射から7分で着弾するのだ。発射されたミサイルが核ミサイルだったら,同時に何発も発射されたら,どう対応するつもりだ。日本が破壊され,広範囲の被害が広がってから,国連でいろいろ協議して,北に攻撃を開始するということのようだ。イラクがクウェートに侵攻したとき,直ちに迎撃戦が始まったであろうか。対イラク攻撃開始は攻撃を受けてから一ヶ月以上かかったのではないか。反撃はしてくれることになったとしても,その間攻撃にさらされるままでよいのか。国民の生命・財産を守る立場の国会議員の言葉とも思えない。彼が首相になったとしても同じ言を吐くのだろうね。国民など何人死のうがかまわないということであろうか。とても国政を任せられる器ではないと考えてしまいます。
 対地攻撃能力を所有することについて,「考えることを排除しなくても良いではないか」という石破防衛庁長官の発言は,とても控えめな表現だったが,それは防衛を預かる者として当然の言葉であろう。のちに,「座して死を待つ考えはない」とも言っていた。当然であろう。自民党の国会議員の中でも,この「対地攻撃能力に関する長官の言及について」総務会長は「不謹慎だ」と否定的な言動を弄した。小泉首相も「考えていない」と,言っていた。北を刺激したくないとの思いから出た言葉なのであろうか。先の余り無い人間にとっては,日本が核攻撃を受けて焼け野原になったところで,知ったことではないのだろうか。それより,好戦的だなどと批判されるのを恐れているのだろうか。概ね老人は,事なかれを好む傾向があるのはやむを得ない面があるにしても,国政を預かり,国民の生命・財産に責任がある者の言葉とも思えない,「検討する」ないしは「考える」ことは,全ての問題に対して開かれている必要があると考えますよ。最初から否定は建設的でない。検討して必要なければ止めればよい。私自身は必要な戦力で,自衛の範疇に入ると考えますがね。民主党の菅氏は「検討することは良いのではないか」と,言っていたから,政権交代を考えるのなら,こういう結論になると考えてのことであろう。私は,これでよいと考えますね。国防に関しては,与野党とも基本的にそんなに異なるのは良くないからだ。余りにも考えが違いすぎると,国民は「政権交代」に不安を感じよう。賢明な判断と思われる。(/15.4.17)
15.5.13加筆
 五月十三日の新聞報道によると,安倍官房副長官は「専守防衛の中身も時代の変化に合わせて見直して行く必要がある」と講演会で語っていたと。また,新型パトリオット,PAC3を配備する必要も言及し,対地攻撃能力も検討に値するとも言及されたと。これでよい。これが国民の生命・財産・安全に対し責任ある立場の国会議員の発言だと思います。どこかに遠慮など必要ない。現在の脅威に直ちに対応するには必要な案件だ。日本にとって必要なことは必要と言う勇気が必要だ。次の代を担うであろう議員たちは必要な議論から逃げないで貰いたいと考えるのだが。(/15.5.13)
 
>索引に戻る

・外務大臣は国家利益の推進役(-15.2.28)
 次に,外交交渉は,実に動物的な交渉でもある,「腹を空かした狼」と交渉しようとするとき,兎で交渉できると考えるか。蛇と蛙でもよいがな。私は,これではまともに交渉などできはしない考えるね。交渉する前に,怯えてしまう。先の韓国と北朝鮮の交渉風景をテレビで見ていて感じたよ。あれでは交渉にならないよ。2m位の巨漢で,精悍なライオンならどうだ。存在するだけで威圧感を与える。交渉する前から勝ったも同然。それが交渉上手というものよ。外務大臣に女子も平和な時代に,穏やかな国ばかりが相手なら良かろうよ。が,今は怒涛の時代である。その時代には時代に相応しい人選があるのではないかな。小泉さん。まあ,外務省改革を期待してのことであったのであろうが。事情があって女を起用したのであろう。が,外国との交渉は,存在するだけで威圧感を与えるタフマンである必要があると思うよ。勿論,信念があり,度胸も据わって,頭も切れる必要がある。これだと,特に金正日は小男(にみえる)だから効き目は抜群と考えるね。噛み付きそうな形相なら尚効き目が有ろう。いるかどうかは分からないが。外務大臣ではないが,アーミテージ国務副長官みたいな巨漢がいいね。存在感が抜群だ。もっとも,この人は温厚な印象は受けるが。第一印象は大切と思いますね。ブッシュ大統領の周りには人材が豊富だなと感じるよ。もっとも,安倍官房副長官は対北交渉はよくやったとは思うが。あの時は川口外相は行かなかったと思うので。そのへんの事は分かってはいると思いはするが。もっとも,そっちが核開発を止めないなら,こっちもそれなりの対応をすることになると,核ミサイル所有への動きを匂わす位の芸当ができなければ,交渉にはならないとは思うがね。ぎりぎりの駆け引きは必要だよ。日本の報道機関の中には国益など考えず他国の利益を考えて行動するスパイ新聞のような新聞(朝日はその筆頭)もあるから用心する必要はあるが,どうとも取れるように頭を使って答弁しておけばよい。あの時は,あのように国益からいって,応酬する必要があったと。これ以上でも,以下でもないと。これで十分すぎよう。後は何を言われても,これで察してもらいたいと突っぱねることだ。理由は,余り国防に関する方針を明らかにすることは,手足を縛ることになり得策ではないからだ。柔軟に対応してもおかしくない状況を作っておくことは大切。後で,方針が変わったとしても,変わったように整合性が合うように人は勝手に解釈するからだ。
 
>索引に戻る

4.死の商人の本質(16.2.13)
 これまで私は国防の大切さを説き,国のアイデンティテーの確立の必要性をそれとはなしに強調してきた。この気持ちは変わらない。が,この世にはこの純粋な気持ちを利用しようとする者も勿論のこと存在する。そのことに触れておかないと,舵取りを大きく誤る恐れがある。ここにその本質を明らかにしておきたい。(/16.2.16)
 
>索引に戻る

 ・死の商人の命題(16.2.16)
 この世に戦いがあり,戦争がある限り,武器を必要とする国及び組織は存在する。死の商人と言われる「人を殺すことを目的とする武器を売買する人々」は,武器を売って儲けるのが仕事であるから,戦争が多いほど,争いが多いほど武器の需要は多くなるわけで,いわば戦争は味方で平和は敵の関係にある。
 その頂点に立つのが米兵器産業である。冷戦が終わり,世界が平和になると思ったがそうならないように願っている,或いは平和になんかなってたまるかと考えている人達がいたとて不思議ではない。平和は彼らにとって武器は不必要の理由になりかねない,少なくとも需要は減退するから,これを飯の種とする彼らにはこれを阻止するためには緊張を作り出す誘惑に駆られる動機がある。要するに紛争の背後には武器商人の臭いが常に考えられると言うことである。そう我々としては「仕組まれた紛争」か「本物の紛争」かを区別できる冷静な目が必要であると思われる。
 しかしながら,大なり小なり「紛争の種は尽きない」のは過去の歴史からは言えるから,この先も国防についてはそれなりに備える必要がある。こちらとしても彼らを必要ともしている訳だ。いわば付かず離れずの関係と言えばよかろうか。
 彼らは平和はそのものは嫌うが,紛争が過ぎるのも困ると考えたい(戦争による被害が彼らに及ぶことは避けたい)。彼らにとってベストのシナリオは,適当な脅威が存在し,適度に軍拡競争しより高度で高価な武器が売れて利潤が上がればベストなのであろう。このシナリオから大きく外れることは歓迎しない。従って,平和に振れれば,紛争の種を蒔き,紛争が激しくなれば,火消しに回る。これが良きに付け悪しきに付け彼らの役回りなのだと考える。これはものは考えようだが以下の理由により合理性がある。(/16.2.16)
 
>索引に戻る

 ・絶対平和は圧政への入口(16.2.16)
 この世界から争いが消え,平和そのものになり,武器も消えたらすばらしいと考えるであろうか。多くの人はこれを最高の善と考えるかも知れない。が,私はこれを危険と考えます。
 これを考えるために,地球が無菌状態になったと仮定しよう。するとしばらくすると,これまであった,あらゆる抗体は,その存在の必要性がなくなり他のものに,新しい環境に相応しいものに変化しよう。この状態は,いかなる菌に対しても無防備となることを意味する。
 この状態に強力な毒性を持った菌が突然変異によって出現したとしたらどうなるか。地球上の生命体は抗体が無くなってから久しいので,抗する事を得ず甚大な惨禍を被らずにはおかないであろう。
 上の「突然変異によって出現した強力な毒性を持った菌」を「強力な武器を密かに開発した非情な独裁者」と置き換えたらどうなるか,ということです。世界はこの独裁者に抗する術は無いから非情な独裁者の席巻するところとなろう。ここに諸国民は独裁者の圧政下に入ることになるのである。我々にはこうならないための智恵が必要であろう。
 つまり,抗体を維持するためには,適当な量の菌が必要なのである。即ち,適度のばい菌と共存するを以って最上とするのである。これはいかなる事態にもある程度の対応が常に取れるために必要な悪である。もしこれが無ければ慢心を生み,以って油断となるであろう。
 世の中は,完全なる善なる状態を以って最良とは言えない訳が分かろう。過ぎては害がひどくなるからこれを放置はできないが,さりとて悪が完全になくなっても弊害が出るのである。世の中には,適度の悪の存在が,悪に対する備えを常に準備させる動機となるから,より巨大な悪を防ぐことになるのである。
 我々は賢くもこの善悪の絶妙なる機微を見出す必要がある。多少の悪は我々の悪に対する免疫抗体維持のための対価と考えよう。これがとりあえずの結論である。ただし,大きくならないよう常に監視は必要である。悪との程よい共存は必要悪と思えるのである。(/16.2.16)
 
>索引に戻る

 ・悪との共存の道(16.2.16)
 上の考察から,多少の悪の存在はその必要性がお分かりいただけたと思う。
 では,そもそも悪とは何を以って悪と認識するのであろうか。現在では人間にとっての悪はその大部分が「法律」によって定められている。しかしながら法律に定められていない悪もあるから,これが分水嶺となるわけではない。そもそも人間にとって,対人関係における悪は,自分にとって都合の悪いことは悪と認識するのである。所謂「法」はこの個人間(集団間・国家間)の利害の調整として働いているのにすぎないのである。この法も万民にとって公平かといえばそうとも言えないのはお分かりいただけるとは思われる。つまり,結局のところ現在の法に収まったのは,それぞれの階層の力関係による分捕り合戦の結果である。量刑についての定めも各国で異なるし,税の決め方も各国で異なる上,税率に至っては年代によっても異なる。このことの意味することは何であろうか。要するにどんなに決めても万民が満足する線引きは不可能であるということである。従って,定めに不満を持つ者は必ずいるのであって,これが法を破る動機として存在するのである。従って,悪の種は常に存在すると言わねばならない状況がある。だから,多少の悪事を働く者が大悪党とは言えない事情がここにある。このことを踏まえて治世は行われる必要がある。
 それにしても,明治の先人たちには先見の明がある。「万機公論に決すべし」とは治世の本質をついている。しかしながら,多数は横暴に走るのではなく,弱者には暖かい治世であることを以って善としよう。理由は敢えて言わない事にする。(/16.2.16)
 
>索引に戻る

イージス艦こんごうの性能(16.1.13一部訂正)
こんごう(H5)はイ−ジス艦第一番艦。他に姉妹艦、きりしま(H6)、みょうこう(H8)、鳥海(H10)がある。( )内は整備年度(出典はJ、平成7年7月20日現在と最近の報道)。いずれも艦名は山の名である。このクラスは艦の中で最大級なので海に浮かぶ山になぞらえたのだろう。こんごうの名は朝鮮(北)の金剛山(1638m、朝鮮名クムカン山)から取られた戦前の戦艦『金剛』に由来する。海自最大の強力な護衛艦である。米海軍が開発した艦である。その概要は、イージスシステム(目標の捜索・探知、情報処理、撃破までコンピュータで自動処理する対空ミサイルシステム)を搭載。NHK報道では500km以上をカバーすると。NHKは軍事機密などという考えが無いのであろう,性能を明らかにしすぎると身を危険にするのだという考えが無い。『馬鹿か』と言いたいね(H14.12)。対空ミサイルSM-2MR(慣性誘導+アクティブホーミング、射程160km以上)、を74発搭載。同時に12目標(16.1.13確認の海自HPでは15目標)に対処できる。主要兵装:イージス装置(VLS=90セル)一式、CIWS20mm機関砲×2、対艦ミサイルハープーン発射機×2基、対潜ロケット、アスロック発射装置一式(16発)。3連装魚雷発射管×2、搭載砲:OTOメララ127mm単装速射砲(45発/分,最大射程2万3千m以上、砲弾の装填から発射まで自動、砲塔内無人の優れ物)、電波探知妨害装置一式、対潜情報処理装置一式。イージスとはギリシャ神話の最高神ゼウスが娘アテナに与えた、一切の邪悪を追い払う楯の名に由来する。
基準排水量・7250t、長さ・161m、幅・21.0m、深さ・12.0m、船型・平甲板型、動力・ガスタービン4基2軸10万馬力、速力・30Kt、乗員・310名
 >引用に戻る