『ターミネーターV』






いつの間に5作目が
公開してたんでしょう。





 誰かご存知でした?
 だって主役はカリフォルニア州知事さんでしょ?
 そんな事やってる場合じゃ無いですよね?

 しかし皆さん、ご安心ください。
 ぼくらのシュワちゃんは公務を放っといてテレビに出たり賭けゴルフをしたりしてる暴言男とは違います。
 その理由は簡単。



シュワちゃん出てないし。





 そうなのです。
 この作品においてターミネーターとは名ばかりの客寄せです。
 出る奴・撮る奴・配給する奴すべてが無名まっしぐらという久方ぶりの三球三振。
 何しろ原題が『Guardian of the Realm』です。


 「ターミネーター」なんて一言も書いてません。



 詐欺というレベルではありません。




 渾身の駄作です。



 どれだけびっくりドンキーなのか、以下の記述を見れば分かるでしょう。
 まずはこれ。

 監督:テッド・スミス

 過去の作品:『ドライブ 破壊王(出演)』



 出演ってお前(しかも端役)。



 主役から数えて8番目にこの人の名前がありました。
 誰も知らない映画の端役から、誰も知らない映画の監督へ。
 まるでその人生は魔法使いに出会えなかったシンデレラの如しですね。

 どうでもいいけどタイトルが橋本真也ですね。
 相当に爆殺シューターな映画なんでしょう。

 ※一部プロレスファン以外には分かりにくいネタがあった事をお詫び申し上げます。



 そしてこの人。

 撮影:ヤロン・レヴィ

 過去の作品:『ソウ(照明)』



 わざわざ記載しなくても。



 まるで友達の友達理論ですね。
 あの超・有名作品に関係できた事が、このヤロンさんにとっては誇りなんでしょう。たとえ照明係でも。

 それではストーリーをご紹介しましょう。






地獄の底から甦ったターミネーターが
人間界を脅かす!!



近未来、魔界の使者から人間界を守るため秘密裏に活動を続けて
いたガーディアン。

彼らの任務は、魔界からの使者を誰にも気づかれないように
始末することだった。

怪しい活動を続ける地下組織を追跡し、ようやくアジトを突き止める。
そこで彼らは信じられない光景を目にした。


なんと秘密組織の真の目的は、


最強のターミネーターを
人間界に放ち、
人類を滅亡させることだったのだ。



人間界に足を踏み入れた怪物を相手に
壮絶なバトルを繰り広げる!!




        __
       /ヽ /\  キリッ 
     / (ー −)\   
     (   (_人_)  ) 人類を滅亡させる事だったのだ 
     ノ   `-'  ヽ 
    (_つ    _つ

        __
       /ノ ヽ\
     / (● ●)\ だっておwwwwwwwwwwwwwwwww
     (  o゚(_人_)゚o )
     ノ/) )) lr-l  /) )) バン!!
    (_つ ))`-' _ つ ))  バン!!





「 注 意 !!」






この作品にターミネーター
は含まれておりません。

               ____
            /::::::─三三─\
          /:::::::: ( ○)三(○)\ 
          |::::::::::::::::::::(__人__)::::  | 
           \:::::::::   |r┬-|   ,/ 
          ノ::::::::::::  `ー'´   \  




 地獄の底なんて出ませんし蘇ってもいません。
 ガーディアンたちが秘密裏に行動する理由が一切説明されません。
 そのガーディアンも警察より確実に弱い上、魔界の使者という連中も銃で撃たれてすぐ死にます。

 魔界の使者が防弾チョッキ着てるんです。

 何か映画として大切なものを忘れているような気がします。
 しかしともかく。
 いよいよ「うんこ」が確定しました。
 このワクワク感が、後になって確実に怒りと後悔に変わる点こそ「うんこ映画」の醍醐味ですね。



 それではDVDを挿入してみましょう。

 「ロサンゼルス 近未来」とかテロップ出ました。
 されど近未来的なアイテムは『耳かけ式ケータイ』と、なぜか車のナンバーが無駄にバーコードくらいです。
 まあこの時点で突っ込んでいたら体が持ちません。

 舞台は怪しい地下の祭壇です。
 近未来どころか16世紀くらいに見えますが、この程度で突っ込むと先が大変です。
 司祭様なんて甲冑姿です。
 ジュリア・ロバーツ顔のババアとかがいます。
 やってる事は魔物の召還でしょうか。
 マントの集団が何やらブツブツと呪文を唱えています。

 この呪文も泣かせますよ。



「私の血はあなたのもの」
「私の魂もあなたのもの」









どうやらこいつを
召還するようです。





 …そんなこたぁない(笑)。
 要するに、ここでラスボスたる劣化ドロンジョみたいなブスを登場させるシーンですね。
 ジュリア・ロバーツの面影もさざ波のように消えました。

 しかしアレですよ。
 自分の生き血を捧げる司祭様ですけど、明らかに甲冑の上から手首を切ってるんです。
 そしてまた、呪具にその血が吸い込まれる所なんか単にカメラ逆回しですからね。
 突っ込むと先へ進めませんが、大変素敵なうんこ臭だと感じました。



 ここで場面は変わり、ごく普通の街中になります。
 しかし看板に書かれた日本語が異常に頑張ってます。
 ちょっと見ただけでもこんなに。






「ビデオ」

「おみやげビデオ」

「らうめんこう楽」




ピン子か!?





 わたくし豪腕、こういう何ひとつ伏線でない所にすぐ反応という悪いクセを何とかしたいです。
 この作品にはピン子もえなりも含まれておりません。
 ちなみに外人から見た東洋人顔の女、いわゆる暗殺者みたいに目つきの悪い女とかがカメラの前を通りますけど、もちろん何の伏線でもありません。
 そして出てきたラーメンが思わず声を上げてしまうほどマズそう。
 もちろん意味はありません。

 重要なのはこの後です。
 パット・ベネター顔の娼婦が超常現象に遭遇するのです。
 画面が赤くなり、空間が割れ(明らかに絵です)、邪悪なものが現れる・・・っ!(カイジ風)

 それをキャッチした秘密基地のオペレーター少女。
 すごいB級っぽい機材が泣かせます。
 ハイテク機材で異常を監視、ガーディアンに指令を飛ばします。



 ピピピッ。






「悪魔の反応よ」







どんな反応よ。





 悪魔の反応っつーたら首が180度回るとか口から毒霧吐くとかそういうのを予想しますが(私だけ?)、これはこれで良いですね。
 適度に地味で。
 お金をかけられない財布の事情がモザイク越しの陰毛みたいに見え隠れしています。

 そしていよいよ主役の登場。
 指令を受け、バイクで現地に急行するヒーローです。

 顔がチャックではないのが唯一の不満点ですが、どことなくチャーリー・セクストンに似ていなくもない普通の二枚目です。
 以後「チャリ坊」と呼びます。
 特徴の無い二枚目というのは、白米の味を外人に説明するような難しさがありますね。

 しかしこのチャリ坊。



 へたれっぷりが徹底しています。



 エヴァの主役が100へたれなら、チャリ坊は130へたれ程あると思います。
 この作品中で最弱クラスなのが致命的です。
 この作品はチャリ坊の成長物語であり、電車の中で会った程度の無関係なガキの成長をずっと見せられるような苦行があなたを待っています。

 だからこそ「うんこ映画」は素晴らしい。

 いや、それほどつまらん訳では無いですよ。
 むしろそこらの排泄物より多少はマシなレベルです。
 現代悪魔退治モノという100万回ほど使い古された設定でも、見せ方一つで突っ込みどころ満載になるという好例ですね。

 いい加減先に進みましょうか(笑)。
 チャリ坊はへたれですが、ご安心ください。

 反則のように強い姉が出てきますので。








これくらい強いです。





 比べる相手がチャリ坊だから仕方ありませんが、その強さはおそらくネイルと融合した直後のピッコロくらいはありました。

 チャリ坊の居る意味が分かりません。

 周りが弱すぎるだけかもしれませんけどね。
 何しろこの世界、悪魔が空き巣を働いたりするんですよ。

 悪魔のくせに空き巣ですから。

 ピンポンダッシュした幼い日々を思い出します。
 このように悪魔たちは、その非常に限定的な力を非常に限定して使うという単に迷惑な連中として描かれています。

 アッコに勝てるはずがありません。

 この姉、一応ブロンドで巨乳なんですけど、以後当然のようにアッコと呼びます。
 チャリ坊がますますせんだみつおに見えてきました。



 ちなみに悪魔の外観描写ですが。
 なんか角生えた類人猿みたいな顔になるんですよね。変身すると。
 81年公開の『狼男アメリカン』の毛を剃って角付けた感じですか。

 30年近く何も変わっていないという点が深いですね。
 もしかして、この形が外人さんのスタンダード悪魔なんでしょうか。
 日本との文化の違いを感じさせます。

 また悪魔の特徴として、人間の姿に化ける事ができるようです。
 人の姿をしている時は人間並みの知能があり、会話もできるようですけど、悪魔の姿に戻ると外見そのままの激烈バカに変身します。

 空き巣ができる程度で驚かれてますからね。

 ・・・あの。

 ガーディアンって本当に必要ですか?

 毒入りまんじゅうで一掃できると思うんですけどね。
 アッコの力を借りずとも。



 それでも一応人殺しとか行いますよ悪魔。
 例えば、娼婦に化けた悪魔が出て来るんですが。

 さあ皆さん、娼婦ですよ。



お待ちかね、ヘビに対するゲタのように
余計なえっちシーンのご登場ですよ。




客に呼ばれた娼婦がもう脱ぐ脱ぐ。







しかしこの娼婦、
ノリノリである。



            ,. -‐―――‐-、         
         γ:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
         /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
    ヾ\ γ:::::::::::_∧_∧_::::::ヽ  /ノ
    〃 ||(:::::::::/ )))    )))\::::::)||  ヽ
    彡/ \:/ <●>  <●> \ノ \ヾ  視線が熱いわ♪
         |     (__人__)     | _    わたしって罪な女・・・
         \    ` ⌒´    /    
           /   _ ヽ. 〃,  く
        . i!   ゙ヽ、 Y"  r‐!、 ヽ.
          ヽ. 、 ''´⌒ゝ-‐'" _ィ》 Y!
           \_|!_二|一"f ,  !゙\ 
             〈, l|゙》-i|┴ーi´ / イ ´ i!))
          ♪   ゙ー-ニ二__,/  / / 
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              / ,,.ノ \'' ヽ \
                〈 ーぐ     \   ヽ
              ゙ー″      〉ー- 〉
                       〈___ノ




音楽鳴らして回るし踊るしブラは投げるわヒモパン

だわ腰を振ったらアーとかヤーとかオーとかマジ


うるさいっちゅうねん。








客もブラの匂いスーハーしてるしね。







これぞ地獄絵図。





 さあ、いよいよエンジンかかってきましたよ。
 この後もちろん犯るわけですが、バックで攻めてる時のペチペチ音が非常に情けなくて最高です。
 そしてもちろん客はこの後に食われます。

 チンコが悪魔反応しないHシーンでした。

 姉ちゃん脱がせて血を流せば誰でも今日から映画監督。
 駄作バブルの真髄を見たような気がします。



 ここでひとつ、悪魔とガーディアンの関係について勉強しましょう。
 この映画における悪魔ってのは劣化ジュリア・ロバーツ→劣化ドロンジョのおばさんが首魁です。
 遠い昔から岩に閉じ込められていたというお前は孫悟空かのノリですね。
 配下もウジャウジャいるんですけど、どうやって増えてるのかは分かりません。
 口からタマゴを吐くくらいの芸が欲しい所です。

 んで、悪魔が何をやってるかと言うと分かりません。
 何がやりたいんでしょう。
 単なる犯罪者の集まりにしか見えません。



 対するガーディアン。

 所長は中間管理職風のおっさんです。

 駄目な少年野球チームのオーナーみたいな人です。
 その駄目っぷりは主役のチャリ坊に対し「目立つな」と命じる辺り。
 「目立つな」ですよ?






言ってるお前の服はカラシ色。








部下は目パッチ。









本宮ひろ志なみのドサンピンですね。





 カラシ色の目立たない状況が砂漠以外に思いつきません。
 確かにチャリ坊は似合わない黒系ファッションですが、私は正直松本零士に「汝の隣人を愛しなさい」と言われた気分です。

 でも目パッチの親父はかっこいいです。
 ビッグ・バン・ベイダーを小さくした感じです。
 小さいと言ってもガーディアンの中では無差別級です。元ネタが大きすぎるだけです。
 後輩のチャリ坊に対し、まるで本当の親父のように接します。
 いわゆる「頼れる先輩」ですね。



 これだけでもう死亡フラグですね。





  ・・・しかし。






 まさか本当に死ぬとは。

                 ____
             .  ./     \
              :/:u::─ニjj三ニ‐ヾ ;
             ;ツ:::li|.:( ○)三 (○)ヾ;
            ・(::||!.:u:::::((__人__)))::: i| :.
             ;)::::::::: /r┬-/ lii:::/ :.
           ;/::::::::  `ー u :::::: ヽ .:.




 ヒーローものの黎明期から語り継げられる典型ですが、これぞまさしく期待は裏切り予想は裏切らないパターンです。
 劣化ドロンジョの姦計にはまり、あえなく撃沈されてしまった目パッチの先輩。
 さよならベイダー。
 蔵前国技館での暴動を僕は忘れない。

 ※一部プロレスファン以外には分かりにくいネタがあった事をお詫び申し上げます。



 ぶっちゃけ、この辺から物語も夏場のキンタマ袋のようにダレダレです。
 チャリ坊とアッコの事件調査シーンとかも一応ありますけど、あんまりに普通すぎて書く事がありません。

 困るんですよね。普通って。
 うんこのくせに。

 でもチャリ坊の家のシーンは凄かったです。
 アッコが家に招かれ、チャリ坊自慢の「武器コレクション」なるモノが出てくるんですけど。
 日本なら明らかに銃刀法違反の巨大な両手剣とかが出てくるんですよ。

 明らかに模造なんですけどね。

 何でも昔のガーディアンが実際に悪魔退治に使っていた逸品だそうで、胡散くさい講釈も披露してくれます。
 絶対騙されてると思います。
 こういう奴がネットオークションで「絶対儲かる方法」とか買っちゃうんですよね。

 さすがにアッコも聞きます。

 「どこで手に入れたの?」






「ネットオークションで」







お前バカだろ。





 世の中には悪徳商法がたくさん存在しますが、きっとこういう奴が支えているんでしょう。
 こんな奴に世界の平和を頼んだ憶えはありません。
 まずお前の頭の平和さをどうにかした方が良いと思います。

 この作品のように、正義の味方が世界の平和を影から守る話ってのは、洋の東西を問わず昔からありました。
 『デビルマン』とか『スパイダーマン』などが挙げられますね。
 前者は例としてどうかと思ったんですけど、私は原作ファンなので許してください。
 まあこの辺はスーパーヒーローものなので別格として、主役側が組織になると『特攻野郎Aチーム』とか『ナイトライダー』などが有名でしょう。
 この手の作品におおむね共通するファクターに、以下のようなものがあると思います。
 当たり前の事しか書いてませんけど。



 ■悪役の目的は、(悪役の属している)世界征服ほぼ1本。TVシリーズの場合は金と復讐も加わる。
 ■悪役が人間の場合はほぼ確実にビル・ゲイツ並みの資産を持ち、ほぼ確実に悪の首領ただ一代でそれを稼ぎ出している。
 ■にも関わらず器が小さい。
 ■悪役の最終奥義は絶対に失敗し、主役の最終奥義は絶対に間に合う。
 ■主人公は、一般人との差異に苦悩する(名乗れない悲しみ)。そうでない場合、主役組織の設立の歴史や立ち位置が語られる。
 ■主人公が最初にカミングアウトするのは絶対にヒロインであり、ヒロインは絶対にそれを受け入れる。
 ■もちろん主役級は常人をはるかに超えた能力を発揮する(絶対に相手の弾に当たらない、または当たっても痛くない等)。
 ■主人公の多くは奇跡的なタイミングで失なった記憶を思い出す。
 ■主人公は最終的に、不可視の何やら不思議な力でもって勝利する(つまり物理的には主人公の力ではぜんぜん無い)。
 ■チームの場合は「頭脳係」「お色気係」「ギャグ係」などと分業する。
 ■良い脇役はいずれ死ぬ→主役の怒りゲージに点火。
 ■主人公の先輩役は、主人公が成長するための踏み台である(主人公が成長しても先輩はそこから成長しない)。
 ■アメリカの軍需産業でも開発できないような未来装備を持っている。
 ■たとえKGBも真っ青の情報網を持っていようと、絶対に悪役には先手を打たれる。
 ■アインシュタインを超えるような天才の悪役でも、分かりやすい親切なヒントを残してくれる。
 ■TVシリーズの場合、主役悪役問わず、なぜか同じ服を大量に持っている(または一度も洗濯をしない)。
 ■動物と子供は死なない。
 ■主役の殺人は罪にならない。
 ■最初に使う武器は後半では役に立たない。
 ■ファッションが恥ずかしい。
 ■いじめっ子もいじめられっ子も不思議なほど聞き分けが良い。
 ■玄田哲章が声を当てると絶対に勝つ。




 これだけで1つのコーナーになりそうですね。

 こんな映画のレビューに大変もったいない事をやっております。
 映画もテレビも和も洋も関係なしにまとめてしまったのですが、もちろん例外もあるし海外と日本では差異もあるでしょう。
 例えば二人のヒロインが主役を取り合う場合、アメリカでは陽気が勝って日本では内気が勝ちます。
 それが文化というものです。

 果たして今回の作品、『ターミネーターV』。
 上記の項目にどれだけ当てはまるでしょう?

 悪役が何をしたいのか分からないという致命的な欠陥があります。
 主役の組織は世間に対してアンダーカヴァーですが、その理由が分かりません。

 何より主役が弱すぎです。

 単なる一般人です。
 いやネットで怪しい剣を買ったりなど一般人より駄目かも分からんね。
 その分アッコが頑張ってるので良しとしましょう。

 目パッチのベイダー先輩は普通に踏み台でした。
 また、すごい装備も持ってますし、後半役に立たなくなるのも踏襲してます。

 総じてこの作品は。

 適度にお約束を守りつつ、そうでない所はより一層スケールダウンという趣でしょうか。

 とても素敵な近未来うんこですね。はい。






…でターミネーターは?


                  ___    ━┓
                / ―\   ┏┛
              /ノ  (●)\  ・
            . | (●)   ⌒)\
            . |   (__ノ ̄  |
              \        /
                \     _ノ
                /´     `\
                 |       |
                 |       |



 もしかして我々はツチノコでも追ってるんでしょうか。
 あんなデカイのに何で私の目には見えないんでしょう。
 まあ世の中、パッケージの魅力的な女性が一瞬たりとも出なかったりとか、魚一匹出なかったりとかする映画もありますからね。
 平和に待つしか道は無いのでしょう。

 しかし。
 しかしですよ。



 何やら妙な甲冑が出てきました。



  





まさかこれ!?





 何この劣化ロビンと劣化ガイバーの不義の子。

 所々、石仮面みたいなのも入ってます。

 まさかとは思いますが、配給側はこれをターミネーターと言い張るつもりなのでしょうか。
 これがターミネーターなら豪腕はりーは速水もこみちです。
 だってカッチューですよ?



 まさかのカッチュー!

 ネズミのピカチュー!


 お前をゲッチュー!



 たけしはボンチュー!






 正直、壊れるしか無い。



 花山に本気で殴られたような衝撃です。
 いやパッケージにもう堂々と登場しているのですが、私はてっきり主役が着る鎧かと思ってました。


 これがターミネーターのようです。


 どこをどう解釈すれば爪楊枝が電信柱になるのでしょう。
 あきれ果てて屁も出ません。
 挙句の果てにこの劣化ターミネーターが弱い弱い。


 銃で撃たれて倒れちゃう。


 明らかに中の人がいます。
 あろう事かチャリ坊よりも弱いです。
 そして何より衝撃の。


 この甲冑、カンフー使いでした。






カンフー使うターミネーターなんて聞いた事ねぇよ。







アチョー!!!!





 なおかつ。なおかつ。

 こいつの動力は「すじこ」です。

 マジですよ。
 劣化ドロンジョが口移しで「すじこ」を食わせて動くんです。

 ・・・素晴らしい。

 素晴らしいほど駄目だこれは!

 夜の9時から放送したらプロデューサーの首が飛ぶくらいのレベルの映画ですぞこれは。
 実に評価が難しい。
 うんこ映画中級くらいでしょうか。

 まあでも、うちのレビューにあるようなスーパーうんこに比べたら、若干うんこ度が足りない気もしますね。
 テレビ放映できないしね。連中は。

 『ダイナソー・ファイター』とかと比べるほどにはつまらない事も無く、そして『エイリアンVSプレデター』とかに比べるとぜんぜんつまらない。
 確かに駄目でうんこな映画ですけど、なんか地味というか普通すぎてレビュワー泣かせの映画かも知れませんね。

 これを普通と思ってしまうのは相当に病状が進行している証拠ですが。



 されども、見事に全員が劣化と付くのは特筆に値するでしょう。
 アッコだけは特殊ですが、こいつは顔と乳だけ強化されててあと全部劣化です。
 特に頭の劣化が激しい子です。
 例えばチャリ坊の体に鉄棒が刺さったシーン。
 「1、2の3で抜くわよ」とか言っていきなり「1」で抜いちゃう。
 そっちの方が力まずに済むのかもしれませんけど、死にかけてる相手に不意打ちはやめてあげてください。

 そして劣化と言えばこいつ。

 劣化ドロンジョですが。

 最終的に変身するんですよ。
 変身ですよ?

 すじこプレイの変態のくせに今度は変身ですから。

 そして変身後の姿はこんなの。








廃墟の中から立ち上がりよった。





 何度も言いますが劣化です。
 中の人はたぶん売れない芸人です。
 何やら奇妙な踊りを踊ると空から花火が降ってくるという、まるで最近のハッスルみたいな演出が出ました。


 悪魔は本当に何をやりたいのか。


 はっきり言います。
 観る価値は人それぞれです。
 例えばジュースを買う時、定番でおいしいジュースと明らかに怪しい新製品があるとしましょう。

 迷わず後者を取る人ならこれを観れ。観ろ。

 つい呂律が回らなくなってしまいました。
 うんこ映画はまったく身にならず、その上健康に悪い影響を及ぼす可能性もあるのです。
 それでもジャンクを手離せないという一部の奇特な方だけに、今回の『ターミネーターV』をお薦めしましょう。



 だけど苦情は勘弁な。警告したぜ兄弟。










『Guardian of the Realm』2004:アメリカ

監督:テッド・スミス
製作:スコット・M・ベイカー
脚本:ワイアット・ウィード
撮影:ヤロン・レヴィ

出演:グレン・レヴィ(チャリ坊)
    タニヤ・デンプシー(アッコ)
    ラナ・ピリアン(劣化ドロンジョ)




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