お久しぶりです。
 転勤やら引越しやらあった関係で、このレビューもすっかり間が開いてしまいました。
 並みのうんこなら乾いて白くなってる所です。
 ちょっとカンどころを戻すために、早速逝ってみましょう。

 今回の映画には恐竜が出てきます。
 いや正確には恐竜とは言えないかもしれませんが、ともかくそういうモノが主役の映画です。

 さて、ここで予想です。
 かの超大作、『ジュラシック・パーク』と比べてどの程度のスケールなのでしょうか。
 あるいは『ドラゴンハート』などに代表される冒険ファンタジーでしょうか。
 それとも日本の誇る『ゴジラ』のような怪獣モノでしょうか。

 いやいや。
 否が応にも期待は膨らみます。
 膨らみますが、ここのレビューでは違う方向に期待してもいいでしょう。

 すなわち。



 伝説のクソ映画。




『ダイナソー・ファイター』を超えるかどうか。





 やっぱ恐竜と言ったらこの映画ですよ。
 カンフーVS巨大恐竜ですからね。
 これほどのインパクトは今後100年生きたとしても味わえないミラクルです。
 果たして今回の作品は、この911世界同時テロ並みのインパクトを超えられるでしょうか?

 超えたら超えたでうんこ確定ですけどね。



 そんな感じで、こんばんは。
 今日も東に西にうんこ映画を求め続けるネット社会の汚物処理係、豪腕はりーです。
 子供の頃は恐竜博士と呼ばれていました(本当)。
 映画のお話の前に、ちょっとだけこれをご覧下さい。





さて、これは何でしょう?





 ここで「知らない」「分からない」と答えたあなたは、正常です。
 別に知らなくても生きる上では何のハンディにもなりません。

 そして知ってる方の大半はこれを「プテラノドン」と呼ぶはずです。
 正解です。恐竜、というか翼竜ですね。
 太古の空を滑空していた大きな爬虫類(たぶん)です。

 しかし私はその呼び方に若干の違和感を覚えないでも無いのです。
 確かに原語には近いらしいのですが、ここはやっぱり広まった当時の英語読みで呼称したい。
 強くそう思う次第であります。

 そういうわけで。



 私は断じて「テラノドン」と呼称します。



 Pは発音しないのです。
 日本でも最初のうちはこの呼称だったようですが、次第にPを付けた発音に変化して行きました。
 その証拠に『怪獣王子』や『恐竜戦隊ボーンフリー』ではちゃんと「テラノドン」と発音していたはずです確か。
 どーでもいいと思われるかもしれません。確かにその通りです。
 しかし、この辺は恐竜博士のプライドにかけて守りたい一線なのです。

 本当にどーでも良かった(笑)。
 そろそろご紹介しましょう。






『プテラノドン』





「米国特殊部隊VS翼手竜VSテロリスト」







これは買い。





 いや〜、久しぶりに来ましたね。
 まるで脳天にタラコを乗せられたような衝撃です。
 恐竜と特殊部隊とテロリストが一堂に会してしまうそうですよ。
 ひろみちお兄さんも踊るしかないですね。
 お前らは白木屋で二次会やってる大学生でしょうか。
 これで忍者がいれば完璧にアメリカ好みのレシピです。

 どうしてこんな素敵なカオスになっちゃったんでしょうか?
 製作者の頭の中は今でもジュラ紀なんでしょうか。
 その秘密を探るため、まずは定番のストーリー紹介に参りましょう。



古生物学者である主人公の博士は、生徒たちを引き連れ、

ある山に向かう事に。

そこには地震でジュラ紀からの火山口が開き、

今だ解明されていない古生物の化石が眠っている。

ジープを飛ばし山へ向かう博士と大学生たち6人は、

山中で信じられない光景を目にする。



そこには現代に生存するはずのないプテラノドンが、大空を飛び回っていたのだ。



パニックになり逃げ惑う6人。

だがプテラノドンは容赦なく襲い掛かり、

1人、また1人とプテラノドンの餌食になっていく。



また一方で、山に潜むテロリストを追い、

米国特殊部隊が密かに山中を動いていた。

テロリストのキャンプ地を探し出し、リーダーを捕獲した部隊は、

プテラノドンの大群に襲われている博士たちと遭遇する。



機関銃、ロケットランチャーなどあらゆる武器を使い応戦するが、

プテラノドンはビクともせず襲い掛かる。



最後まで生き残り、プテラノドンに支配されたこの山から、

逃げ切る事は出来るのか。

しかし、この山に生存していたのは、

プテラノドンだけではなかった・・・・。











すごいB級臭。





 生きてるうちに何度この奇跡と出会えるでしょう。
 あまりのスメルに膝が震えてきます。
 たまたま特殊な山の近くにテロリストが潜伏し、たまたま特殊部隊がやって来た時にたまたま蘇ってしまった恐竜くん。
 宝くじでも買いたい気分にさせられます。

 そんな可哀想な恐竜ってか翼竜くんですが、まずパッケージの造形がすごいです。



 テラノドンではありません。



 映画を観る前から詐欺の事実が公にされますけど、はっきり言ってこの翼竜はテロダクティルスという別の翼竜です。
 一般にはプテロダクティルスとして知られています(Pは発音しません)。
 どうしてこんな事が起きたのか。
 それは、タイトルと一緒に表記されている原題を見ると分かります。



邦題:『テラノドン』






原題:

『PTERODACTYL』





また配給側の詐称。





 売れるためなら名前も変える配給会社の魔の手。
 とどまる事を知りません。
 まあ昔から分かってた事ですけど、今回の『PTERODACTYL』→『プテラノドン』改称については、一応の理由があるようです。
 アメリカでは断然、前者の方が有名なんですって。
 日本とは逆らしいのです。

 それを端的に表す例が、日本ではおなじみの怪獣ラドン。
 あれのモチーフは当然のようにテラノドンです。
 テドン、でラドンなわけですが。

 アメリカでは『ロダン』と改称されました。

 本当の話です。
 PTERODACTYL、という由来なのです。
 知名度を利用して少しでも集客したいという、スナック菓子の「鈴木くん」「佐藤さん」を思わせるエピソードですね。
 こういう事例は大作・B級・うんこを問わず、昔から行われています。
 未だに私は『CHAPLIN』を『チャーリー』に変えた理由がさっぱり分からないんですけど、配給側の思索がきっとあったのでしょう。
 そんなわけで。






絶望しました。








あのカッコいい外見が、
歯の生えた鶴モドキに。







トサカの無い翼竜など炭酸抜いたソーダ水です。





 この辺、多分に私情が入っていますのでご注意願います(私情以外でレビュー書いた事無いけど)。
 テラノドンと言えばあのシャープなデザインでしょう。
 あのくちばしからトサカに至る、まるで死神の鎌のような鋭利なフォルム。
 大空を滑空する姿はまさにマントをひるがえす怪盗のよう。
 翼を畳めばアポロ着陸船を思わせる円錐形のドームになり、その奥でギラリと輝く爬虫類の瞳など。

 …ああカッコいいなあテラノドン。

 現在の学説では、羽毛があったんじゃないかとも言われてますね。それも魚から見えにくいような白い羽毛が。
 いや素晴らしい。
 純白に輝く空の悪魔ですよ。

 ことデザインという点において。
 テラノドンは、現代に生きる我々の想像力など及びもしない「太古の造形美」に溢れていると思います。



 それが何故こんな珍妙な生き物に。



 不肖わたくし豪腕はりー、すべての恐竜を愛してやまないこの私でもあのデザインはねぇ。
 テロダクティルスなんかよりも断然テラノドン派ですから。
 ぶっちゃけ口だけ見るとテラノドンなんかペリカンですけど(歯無いし)、逆にそこが自然界らしからぬ「直線」を強調していて好きなのです。
 それなのに。



顔は鶴、体はコウモリの珍妙な生物ですよ。






ツルモドキと呼びます。





 こんな縁起の悪そうな生物もそうそういません。
 日本航空は製作者に文句を言った方がいいと思います。

 そんな不幸なツルモドキ。
 実際の化石データでも、テラノドンに比べて大幅スケールダウンです。
 テラノドンの翼長約7メートルに対して、元になったテロダクティルスは翼長約2メートル半。
 わずか3分の1程度の大きさしかありません。
 そしてテラノドンの体重が(大きさの割には軽く)25キロからせいぜい50キロと考えられていますから、単純計算では10キロ前後。


 嫁の実家で飼ってる犬の方がぜんぜん上です。


 人間を襲うどころか逆に野犬に襲われそうな体格です。
 こんな小物が何羽出てきたって和田アキ子なら片手で全滅させられるでしょう。
 人類にアッコがいる限り、ツルモドキの栄えたためしは無いのです。

 これは余談ですが。
 元来翼竜ってのは、鳥のように羽ばたく力は持っていなかったと考えられています。
 だからそんなに軽いんですね。
 気流に乗ってふわふわと漂い、海面近くの魚を獲っていたそうです。

 こんな感じでしょうかね。







 昔なつかしゲイラカイトです。軽くて当然ですね。
 もちろん何かを捕らえて高く飛び上がるなんて中村勘三郎でも二の足を踏む行為です。
 普通に無理です。
 翼長が7メートルあっても体重25キロですから、人間並みのサイズの獲物に襲い掛かる事はおそらく無かったのでしょう。


 そんな真面目な話はどーでもよくて。


 こと映画界の歴史において、テラノドンを始めとする翼竜の類はその爪に犠牲者を捕らえてバンバン空に羽ばたいていました。
 力学的にどうであろうと関係ありません。
 そういうイメージが無ければラドンもギャオスも生まれなかったでしょうし、果ては『バビル2世』のロプロスだって生まれなかったかもしれません。
 例えば古くは『恐竜100万年』など、この映画について憶えているのはラクエル・ウェルチの巨乳だけですけど翼竜もきっと活躍していたはずです。

 そう。この映画の白眉は。



 あの怖かった翼竜が蘇る。



 これだけでいい。
 これだけで満足だ。
 そう思わないとB級映画は楽しめないのです。

 ちなみに、うんこ映画は何をやっても楽しめません。
 この辺テストに出ますから。



 そういうわけで、ようやくディスクを入れてみます。

 まずは突然来ました。
 コロコロ転がるタマゴのシーンです。
 一発でセットの中の作り物と分かる親切さに感動できます。
 もちろん、これがツルモドキのタマゴなのでしょう。

 5個も6個も転がって来るので「ありがたみ」こそ感じませんが、美人の双子姉妹が歌わないだけマシですね。
 やがてタマゴにひびが入り、ついに誕生の瞬間です。


 怖くも無く、可愛くも無い作り物です。

 まったく期待していなかった分、なぜか安心してしまうスタートですね。
 「ああ、B級映画を観るんだなぁ」という認識を新たにできます。
 ひどい事書いてますけど、そういうのが結構重要だと思うんですよB級うんこ映画って。

 そして画面は風光明媚な山や町並みに変わります。
 どうやらトルコの田舎町のようですね。
 こんな素敵な町が翼竜のおかげで火の海になるかと思うと、子供以外の脇役は全員死ぬんだなぁなどと妙な感慨に浸れます。

 ほどなくして主人公も現れます。
 アメリカ映画お得意の考古学者の先生で、アメリカ映画お得意の学者のくせになぜか肉体派という期待を裏切らない人物に仕上がっています。
 とりあえずこのパターンをインディー・ジョーンズ遺伝子と名付けます。
 本家インディーは女運の悪い巻き込まれ型でしたが、学者らしい知識と機転が(一応)ありました。
 『ジュラシック・パーク』に出ていたゴールドブラムも然り。

 この主人公も同様ですけど、一つだけこの主人公だけの特徴があります。
 それは。






馬鹿なんです。






 馬鹿度で言うと、この映画を見た子供たちの多くが将来学者になる夢をガムのように捨てて靴底で踏むレベルです。
 学者にしては馬鹿、という些細なレベルじゃありません。
 人として馬鹿です。
 その理由は次第に明らかにされますが、とりあえずこいつの事は馬鹿学者と呼びます。

 しかしこの程度で驚いてはいけません。
 馬鹿学者が教えてるんだから当然の結果かもしれませんが、世の中には脳みその成分が溶け出して胸に行ってしまったような残念な女性がいます。

 さあ皆さんお待ちかね。



 おっぱい出して殺されるだけの巨乳の登場です。



 ホラー映画の定番中の定番。
 オリジナリティーと縞柄パンティーの違いも分からない正真正銘の馬鹿女です。
 しかもこの女はただの馬鹿ではなくすっげぇ嫌な女です。
 他の女には当てこすりをして自分の外見的地位を確かめ、ブサイク野郎には言い返せないのをいい事に言葉と態度による辛らつなイジメに精を出す、そんな素晴らしい女性なのです。


 あゝ早く死ぬのが見たい。


 そう思わずに入られません。
 もちろんその願いはすぐに叶えられますので、皆さんチャンネルはそのままでお願いします。

 他にはヒロインもいますね。
 あんまりに特徴が無さすぎてレビュワー泣かせの女性ですから、こいつの事は辛子と呼びます。
 ぜんぜん意味はありません。

 他にも眼鏡ガリ勉くんとか濃ゆいオタクとか出ますけど、基本的には人数合わせだと思って間違いありません。
 彼らが向かう先は「山」。
 ジープ1台に乗り込んで、何やら化石を掘りに行くみたいですね。
 特殊部隊にもテロリストにも見えない彼らですけど、実は特殊部隊でもテロリストでもありません。


 単なる一般人です。


 学生たちに単位を取らせるため、馬鹿学者によるハタ迷惑な趣味の旅が始まります。
 早くもパッケージ文句の誇大広告が見え隠れしてきました。
 そのうち出て来る事を期待しながら見続けましょう。




■ここで本日の馬鹿ポイント■



化石のある場所までは丸2日かかります。

ジープで深い森を行く馬鹿学者と学生一行。

そこで巨乳が言いました。







「仮設トイレは?」









さっさと乳出して死ね。





 なんかもう、こいつらの珍道中って全編こんな感じですよ。
 私が引率だったら巨乳の脚をロープで縛って楽しいジョン・ウェイン式オフロードに興じる所ですよ。
 化石の代わりに埋めて戻って来るでしょう。

 その後もね。
 なんか馬鹿学者と辛子がいい雰囲気になるんですけど、そういう添え物がどうも台風襲来時のテレビ東京みたいに浮いてるんですよ。
 あからさまに邪魔なシーンです。
 私が見たいのは翼竜であって馬鹿と辛子のメロドラマではありません。



 しかしご安心下さい。そうこうするうちに動きがあります。
 一行の一人が用足しに行った所、大量の怪物質を発見するのです。
 黄色いドロドロの物質。
 そう、これこそ怪獣映画の傑作『ガメラ 大怪獣空中決戦』におけるギャオスの吐いたペリットと同様、巨大な鳥っぽい何かが存在する証拠なのです。

 上記『ガメラ』では同じような物質を使い、見た目以上のインパクトを与える事に成功しています。
 それはこんなシーンでした。
 その不気味な塊を見つめる主人公。
 まさにその目の前で。

 恩師の愛用していた万年筆がその塊からドロドロと流れ出るんです。

 ええ。そういう事ですよ。
 この演出で主人公の恩師が「未知の何か」に喰われた事を強烈に暗示しているのです。

 こうした直接的でない変化球の演出は、不気味さをアオる上で重要です。
 これが上手に処理される事で深みが出ると思います。
 画面上の奥行きではなく物語の奥行きという意味ですね。
 B級でもカルトな人気の作品には、その辺をよ〜く分かっている作品が多いと思うのですよ。

 余談ですが、最近の邦画はこの変化球が実に巧みになりました。
 巧みになりすぎて変化球ばっかりで直球がぜんぜん飛んで来ないという奇妙な状況になってるような気がします。
 どうも、深く潜るばっかりで間口が狭そうなんですよね。
 観客を突き放しすぎというか何というか。
 分かる奴だけ分かれ、のようなね。

 これは私が馬鹿なのも大きな要因です。

 だけど、それだけじゃ無いような気がするんですよね。
 もちろん別にそれが悪いという事ではなく、昨今の邦画の隆盛を考えると良い事なのでしょう。
 映画に限らず、あらゆる作品にはそういう側面がありますからね。
 ピカソが流行る時代もあるわけです。

 されども。
 分かったふりして講釈を押し付ける馬鹿も増えました。
 勝手に垂れ流す程度ならチャンネル変えるなりブラウザ閉じれば良いのですが、面と向かって「俺は分かる→頭が良い」「分からない奴→馬鹿」認定をしたがる人が多くなったように思えます。
 こういう人は孤高を気取るくせに他者の同意が無いと怖くて仕方が無い可哀想な方々ですので、基本的に聞き流す事を推奨いたします。
 ただし聞いてるフリをしてあげないと簡単にキレたりします。ご注意あれ。



 何の話でしたっけ。



 そうそう、怪物質を発見した所でしたね。
 私の描く蛇はムカデにしか見えませんね。足が多すぎて。

 はい、この物質こそはお待ちかね。
 人喰い怪獣ギャオスもとい人喰い翼竜ツルモドキのうんこです。
 うんこ映画らしくクソまでビッグサイズです。
 ここで恩師の万年筆など流れ出したらライオンキングなんですが、別段そうなる事もなく。
 物質の元に一行が駆け寄って来ます。

 クソに駆け寄る男女6人という事で、この映画の失敗は約束されたようなものです。

 とにかく。
 この後、なかなかに凶悪な展開が訪れます。
 うんこ映画の真骨頂、常識ってのは濡れたティッシュより薄いというのを思い知らされます。

 その怪物質を前に、我らが馬鹿学者は。





何もしません。







「鳥の糞に似ている」


「こんなバカでかい鳥がいるか!」








「じゃ行こう」







行っちゃいました。







その辺の鳥の糞とはスケールが違います。







実はお前が糞だろ。





 写真は撮らないわサンプルは採らないわ、地図への記入もせず疑問にも思わない。
 頭の中身はコロッケか何かでしょうか。
 まあ、ここで引き返してたら映画にならないわけですから、ここはこれで良いのでしょう。
 そういう所を突っ込みつつ、笑って許すというスタンスで行きたいと思います。それがB級ですからね。



 ではいい加減にツルモドキにご登場願いましょうか。
 B級だうんこだ連呼しながら書いている今回のレビューですが、真のB級っぷりを発揮するのはここからです。
 皆さんもきっとご存知だと思います。

 巨乳が別行動で脱ぎ始めると死にます。

 これはもう電信柱が高いのと同じくらいに普遍的なB級映画の、特にホラーの法則ですね。
 歌舞伎における様式美、プロレスだったら馬場対ブッチャーみたいな「お約束」があるわけです。
 これを守ってこそB級。
 私はそう思っておりました。

 さて今回の『プテラノドン』ですが。



巨乳が別行動で脱ぎ始めました。



     ┏┓  ┏━━┓         ___         ┏━┓
   ┏┛┗┓┃┏┓┃        /⌒  ⌒\.         ┃  ┃
   ┗┓┏┛┃┗┛┃┏━━ /( ☆)  (☆)\━━━┓┃  ┃
   ┏┛┗┓┃┏┓┃┃   /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   ┃┃  ┃
   ┗┓┏┛┗┛┃┃┗━ |     |r┬-|       | ━┛┗━┛
     ┃┃      ┃┃     \      `ー'´     /      ┏━┓
     ┗┛      ┗┛                       ┗━┛




約束って大切ですね。





 ちなみにブラはピンクでした(どーでもいい)。
 下着までしか脱いでくれないという寸止めルールでもあるのでしょうか、思えば『まじかる☆おんな捜査官スカリーちゃん』もそうでした。
 それでも約束は約束です。
 みんなと離れ、川べりでおもむろに服を脱ぎ出す巨乳。
 今ここで泳がねばならない必然性をまったく感じられないのが素敵です。

 どうでもいいけど汚ねぇ川です。
 この巨乳はヒンドゥー教徒でしょうか。
 こんな川で泳ぐくらいのギャラもらうなら全部脱げと言いたいです。

 さて。
 そうこうしていると、ついに登場ですよ。
 お待ちかね、大空の主役。
 太古に生きた翼竜たちの生き残り。



 サーッと行き過ぎる影。上空からの異様な視界。



 お約束の第2弾、ご存知化け物視点であります。

 実際にこんな風に見えているかどうかなんて関係ありません。
 化け物から捕らえた獲物の姿、これこそサスペンスを演出する昔からの定番です。
 もちろん今回の獲物はピンクの巨乳。
 馬鹿には馬鹿らしい最後を飾ってもらいましょう。






特撮ひでぇ。









川のはずなのに水中シーンは
プールで別撮りバレバレで。








CGはプレステ1。







爪はゴム製。







そして巨乳は生き残り、
居合わせたオタクが死亡。








最悪の展開です。





 これは本当に2005年の映画なんでしょうか。

 この振り上げたこぶしを一体どこに下ろせば良いのでしょう。
 想像力の下の方の限界をさらに下回る驚愕の新展開。

 私のおなかに赤ちゃんがいたら確実に医者を呼んでいました。



 ツルモドキパネェ。



 今後2,3日は夢でうなされそうです。
 別の意味で恐ろしい破壊力の映画です。
 私はいつの間にコメディー映画を見せられていたのでしょう。
 恐怖シーンで笑いを取るとはタダ者ではありません。

 オタク君に黙祷。



 さて、いつまでも失笑していたらオタク君も浮かばれません。
 もう一方の主役である特殊部隊とテロリストを見てみましょう。
 状況はこうです。
 山の中にテロリストたちのアジトがある→切れ者のボスがそれを率いている→軍部の特殊部隊がそのボスを捕らえに来る。そういう感じですね。

 ここはトルコのはずなのになぜかアメリカ軍の特殊部隊が来るなど、B級っぷりを遺憾なく発揮しております。
 これが事実なら国際法に違反しそうな勢いです。
 またその特殊部隊も河川敷でBB弾撃ってるサバゲーマニアにしか見えない安っぽさ。
 期待感がまるでエクトプラズムのように口から抜けて行きます。
 大体、指揮官がよろしくないんですよ。
 エコノミーサイズの黒人さんで。
 特殊部隊の指揮官と言ったらシュワちゃんクラスが当たり前だと思ってる我々日本の映画ファンにとって、エディ・マーフィーにシワ増やしたような指揮官では迫力に欠けるんですよね。
 思いっきり偏見ですが。

 まあエサとしては丁度良い感じですね。

 後半では、もうポテチの袋に残った粉みたいにツルモドキに喰いまくられていただきましょう。
 たぶんこの映画で最も役に立たなそうな人々ですから。



 なんて砂糖よりも甘い考えでした。

 まだまだテロリストの皆さんがいました。
 彼らの駄目っぷりはジャミラを下回ります。
 革マル派とかがこの映画を観たらソ連国旗の上に白いペンキで「コカコーラ」と書きそうなくらい駄目駄目です。
 おそらくボーイスカウト団体の方が100倍くらい強いでしょう。
 山中のアジトで何をやっていたかと思えば、女の子をさらって来てエッチな事をしている、だけ。





単なる野外プレイ好きです。







空前のテロリズムです。





 これをテロリストと言い張るこの映画にテロを仕掛けたくなります。
 これでテロが成功したらインリン様は今ごろ法王になってるでしょう。
 さっきから一度もほめていませんが、私はすっかりこの映画のB級っぷりにほろ酔い加減ですよ。
 これぞB級クオリティ。
 お金を出してDVDを買うよりも、ニコニコ動画とかで暇つぶしに観るのがもっとも適した鑑賞法だと存じます。

 まだまだ驚愕の旅は続きますよ。
 特殊部隊が捕まえに来た、テロリストたちのボスですけど。

 秒で生け捕りにされます。

 まるでカルガモのようです。
 「大造じいさんとガン」に出てきた残雪の方がよっぽど賢いです。
 しかも女の子のおっぱいに見とれている所を後ろから一発です。
 わざわざアメリカから特殊部隊を呼んだ結果がこれですよ。
 トルコの人は怒っていいと思います。

 ただまあ、結果は分かってました。
 だってこのボス。





チャックだし。





 別にうちのレビューはヒゲ面の白人に恨みがあるわけではありません。

 とはいえ、毎回毎回チャック顔の奴はどうしてここまでヘタレなのでしょう。
 ベトコン相手に空手一本で立ち向かっていたあの精悍さはどこに消えたのでしょう。
 赤の他人ですけど。

 そんなわけで、チャックを生け捕ったミニ黒人とゆかいな特殊部隊ですが。
 いよいよ馬鹿学者たちと遭遇します。
 そんな馬鹿はどーでもいいから早くツルモドキと遭遇しろとは思いますけど、ご安心ください。
 すぐに溜飲が下げられます。

 さっきから「ご安心ください」の後には駄目な事ばっかり続いていますが大丈夫です。
 ここで投げ出してはB級うんこ映画を心行くまで楽しめません(気持ちは分かりますけど)。
 パッケージのあの文句、『米国特殊部隊VS翼手竜VSテロリスト』というのが今度こそマジになります。
 本当なんです。信じてください。

 さすがに逃げ出す馬鹿学者とその一行。
 「俺は残る」と馬鹿を言い出す馬鹿学者、それを止める辛子のいざこざがあって。
 ついにお約束の第3弾。
 ジープがオーバーヒートしてしまいます。

 「してしまいます」じゃねぇよ。
 もちろんまったく説明はありません。

 そして。
 そして。

 そこに通りかかる救いの手。
 しかし奴らはテロリストだった。
 ボスを奪われ、アジトを襲撃された彼らは今や、復讐に燃える非常に危険な存在だったのです。
 そんな事は知る由も無い馬鹿学者。
 のんきに彼らをヒッチハイクします。
 するとその時・・・!

 いや、まだ出ません。

 テロリストたちは突然、馬鹿学者を殴り倒します。
 そう。
 彼らはまさに、馬鹿学者たちがアジトを襲った犯人だと考えたのでした。



 考えねぇよ。

 テロリストたちも、馬鹿学者に負けないほどの立派な馬鹿でありました。
 そしてその時。
 その様子を遠くから見つめる複数の目・・・!

 いえ、まだ出ません。

 ミニ黒人率いる特殊部隊が、偶然その場を目撃したのです。
 奇跡のような偶然です。
 テロリストの暴力に、成す術なく倒される馬鹿学者たち。その一部始終をカメラは冷たく捕らえていた・・・!(助けろよ)

 だって辛子なんか犯されかかってますよ。
 大平原でパンツ一丁になるテロリスト。
 ものすごいシュールな絵です。
 お前の尻は別にいい。
 これは危険だ。
 大変だ。
 そら行け頑張れテロリストもといミニ黒人。

 そこでついに、正義の味方・ミニ黒人は言い放った!



 「今撃ったら女に当たっちゃうなァ」



傍 観 。





              |\_/ ̄ ̄\_/|
              \_| ▼ ▼ |_/
                 \ 皿 /   華麗にスルー
                 ⊂    )つ
                  (_⌒ヽ
              ○〜   ,)ノ `J





 彼らが軍隊で学んだのはどうやら覗きのテクニックだけだったようです。

 スコープに大写しの距離で射撃をためらうスナイパー。
 威嚇射撃も散開も無し。
 もしかして、特殊部隊というのは特殊学級みたいなもんでしょうか。

 するとその時・・・!(今度こそ本当)



 大地を横切る影。
 そして不気味な鳴き声…。

 大変長らくお待たせいたしました。


 ついに登場ツルモドキ。


 空を埋め尽くすかのようなその大群は、あたかも『ガメラ3』のラストシーンを彷彿とさせます。
 アスカでなくとも「完成していたの・・・?」と聞きたくなります。
 要するに数がウジャウジャいる。
 ここまで来ると害虫です。
 古いゲーマーはあの異色シューティング、『ダーウィン4078』を思い出すかもしれません。ちなみに私が一番好きなシューティングです(どーでもいい)。

 いやこのツルモドキが強い強い。

 飛びながら簡単に人間の胴体を両断し。
 その翼はカミソリのような切れ味で。
 人間一人を抱えて楽々と空を飛び。
 そして銃器が効きません。



やりすぎ感たっぷりです。



 それはすでに翼竜ではなく生物ですらありません。



 特に最後の項目は宇宙怪獣なみの破壊力がありますから、相手がテロリストだろうが軍人だろうがバカスカ喰われるわけですよ。馬鹿だし。
 そんなこんなで高原は阿鼻叫喚の地獄です。
 相変わらずトイザらスで売ってるソフビ人形みたいな造形なんですけど、ツルモドキたちの大活躍パートは徹底して続きます。

 まあ…何ですか。
 恐竜博士と呼ばれた私の目から見るとですね。
 翼竜は体が小さいので、鉄砲の弾が当たり難いというなら納得できます。
 翼もゲイラカイトみたいな感じでしょうし、多少穴が開いても死ぬような事は無いでしょう。
 ただし頭は別で。



 「…あの硬い頭が弾を跳ね返しちまう」








お前の銃は豆鉄砲か。







てか、

どんだけ硬い頭よ。





こんだけ?






大木金太郎でも無理だっつーの。





 ビバ科学考証無視。
 古代の翼竜がどーのこうのは単なる蛇足であり、こういう映画は凶悪な生物がバンバン人を食い荒らせば良いのですな。
 いやあB級すばらごい。
 久々に、清々しいほどの開き直ったB級テイストを満喫できる映画です。

 脚本が駄目駄目なのは今に始まった話じゃありません。
 例えばね。
 特殊部隊の秘密兵器、いわゆる対空小型ミサイルがあるんですが。


 生物であり爬虫類であるツルモドキになぜかロックオンできるという超未来兵器だったりします。



 ケツから高熱ガスでも噴いてるんでしょうか。




 なのに当たりません。



 ロックオンの意味はあるんでしょうか。
 第一、テロリストのボスを捕獲する作戦になぜ対空ミサイルが必要かというのも謎です。
 実は殺す気マンマンかよみたいな。
 なおかつ弾数が1ダースくらいあるのも謎です。
 しかもホーミングは気分みたいです。
 人が馬鹿なら装備も馬鹿でした。

 さらには、ツルモドキの蘇った理由がね。



 「山がジュラ紀から噴火しなかったから」




 それ死火山じゃね?



 こんなんで蘇るんなら何も絶滅しねーよバーカ。
 ビバ科学考証無視。
 ケレン味あふれる作品とは良く聞きますけど、ケレン味しか無い作品というのもB級にしか許されない領域ですね。

 馬鹿学者なんかただの一度も学者らしい事をしてませんしね。
 しかも自分のラブシーンに夢中で、小屋に残してきた瀕死の仲間をエンディングまでガン無視ですからね。
 軸のブレまくった素晴らしい主人公です。

 辛子もね。
 父親が昔、たまたまミニ黒人と同じ部隊にいたんですって。たまたま偶然ね。
 しかもその設定がほとんど何の役にも立っていないというのは特筆に価すると思います。
 ラストはこいつがツルモドキの巣にさらわれちゃったから皆で助けに行く、という大変に残念な女に成り下がっています。
 断崖絶壁を登る馬鹿学者なんてリポビタンDのCMにしか見えません。
 こいつのおかげで皆死ぬわけです。
 重ね重ね残念なヒロイン役でした。





チャックは論外です。






 ちょっと役所広司顔のくせに何にもやってません。
 ほぼ全編に渡って縛られています。
 こんなのでもボスが務まるテロリストに未来はありません。
 最後に何かあるかと思ってどきどきしながら観てましたが、最後まで何にも無いまま喰われて終わっちゃいました。
 酢豚におけるパイナップルみたいな奴です。
 だからお前はチャックなんだよ。

 ただ、ミニ黒人の部下の女兵士と青年兵は少しだけカッコ良かった。
 この映画最大の収穫と言えるでしょう。
 特に女兵士の隠れ巨乳っぷりと、血みどろの瀕死のくせに眼鏡ガリ勉を献身的に看護するシーンは良いですよ。
 最後まで頼れるお姉さんのプライドを守りきってました。
 基本的に私は、姉さえ出れば何でもおいしく食べられます。



 では姉が出た所でそろそろまとめましょう。
 監督はマーク・L・レスターさん。
 実はけっこう色々撮っていて、日本でもそこそこに有名な監督さんです。
 代表作は『コマンドー』とか『炎の少女チャーリー』でしょうか。
 何のヒネリも無い直球にこそ真価を発揮する人ですね。
 そこが良いのですよ。こういう作品に関しては。

 まあ出演者は地味すぎてアレですけどね。
 例えばミニ黒人役は、ヒップホッパーのクーリオという人。
 正直誰だか知りません。向こうではきっと有名な方なんでしょう。
 しかし有名な出演者はその程度で、後は聞いた事も無い名前が並びます。
 それこそがB級のB級たる所以であり、そこを楽しむのが正しいフリークの姿勢なのだと感じます。

 ラストもまあ悪くなかったですよ。
 ありがちなラストと見せかけて若干のヒネリがありましたし。
 何かの間違いで、続編ができちゃうかも知れませんよこれは。



 そんなわけで。
 今まで私は、意図的に「うんこ映画」という表現をあまり使わずに書いてきました。
 なぜならこの作品は決してうんこでは無いからです。
 B級と言うならストレートすぎるほどB級なんですけど、そうやって割り切って観れば適当に楽しめる映画であると思います。



 そもそも『ダイナソー・ファイター』と比べるのが間違ってましたね。



 あれは私の中ではですから。
 まあ今回の作品について、暇つぶしには十分の逸品でしょう。
 若干グロいシーンもありますけど、馬鹿な生物パニックを見たいのでしたら選択肢に入ると思います。

 では最後に、テラノドンがモチーフのキャラたちにご登場いただきましょう。
 こいつらが出てたら評価も超上がってましたけど、それはもはや全然違う映画だね。
 どっとはらい。













なんぞこれ。









『PTERODACTYL』2005:アメリカ

監督:マーク・L・レスター
脚本:マーク・セヴィ
音楽:ジョン・ディクソン

出演:キャメロン・ダッド(馬鹿学者)
    エイミー・スローン(辛子)
    クーリオ(ミニ黒人)


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