すごいの来たよ。










『女子高生ロボット戦争』




「女子高生」

×

「ロボット」

×

「戦争」



「破壊力」









題名だけでKOされたのは久しぶりです。




 倒れた瞬間にレフェリーが試合を止めるレベルです。
 いやあ皆さん。
 長生きはするもんですな。
 今宵も素晴らしい夜になりそうですよ。
 また皆さんと共に、大変稀有な体験ができる事を私は誇りに思います。

 我らがアルバ様がまたやってくれました。

 某国の人工衛星よりも曲射率の高い、ある意味スターどっきりマル秘報告みたいな素晴らしい配給会社ですね。
 さあ始めましょう。
 果てしなき「うんこ映画」の旅(←片道)を。

 四の五の言わずに観てください。
 まずは定番、ストーリーから行きましょう。



ブリトニーとアリーは小学校からの親友同士。

それは同じ高校に進学してからも変わらなかった。



そして彼女たちは、

それぞれ人並み外れた才能を持ち合わせていた。



ブリトニーは天才的な頭脳、

アリーは運動神経抜群の身体能力。



二人は親友であると同時に、

そんなお互いの才能を尊敬し合っていた。



そんなある日、

キュートなハンサムボーイのクリスが

転校してきた事によって、

2人の関係に亀裂が入ってしまう。



クリスは瞬く間に学校中の女子の憧れの的になった。

ブリトニーとアリーも例外ではなかった。

そして、二人のクリスに対する

猛烈アピール合戦が始まる。



さらにはお互いの才能を駆使し、

恋のライバルのジャマをし始めた。



ブリトニーは巨大ロボットを出動させ、

アリーはカンフーで対抗。



ついに、学校中を巻き込んだ大戦争が勃発した!




        ____
       /::::::::::::::::::::ヽ
   ヾ:⌒(::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
    l::::::::/ヽ:::::::::::::::::::::::::::::|
    ヽ:::ノ    ̄\ヾ:::::::/       / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   l⌒ | i , ...  ...、 iヽ/⌒l     <  …これを観ろと?
   |∂| ' ○ | ○ ヽ |б/.      \_______
    し(   ゙c_っ´   )ノ
      !ヽY,‐-‐、Y / !          ______
     < \ ヽ ^ / ./           │  | \__\___
   / \.\__/_.             |  |   |= |iiiiiiiiiii|
  /⌒ヽ.  \_/\|/\           |  |   | =. | !!!!!!!|
  |   ヽ____| l___ _.    |  |   |三 |_「r.、
  |  //     // ̄.\ //⊃ヾ)   |._.|_/(  ) ̄ ))  .
  ヽ ______//r_/| |.||⌒ヽ〜〔 ̄ ̄! ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄\((







即買い。




 いや〜、どうですかこれ。
 どこの星を目指して飛んでるんですか。
 これほど凄まじい台風に出会ったのは久々です。

 今までカンフーが出てきて無事で済んだためしはありません。

 恐竜に引き続き、今度はロボットで女子高生ですよ。
 カンフーって何でもできるんですね。

 それではディスクを入れてみましょう。…みました。
 ・・・・・・・・。



 向こうの女子高生は熟女です。


 熟女どころかキャバ嬢にしか見えません。

 熟して煮詰めてもう大変です。
 そしてアップになるとその黒々しい毛穴の群れがスクリーンを襲います。
 アメリカで暮らすのも大変なんですね。

 もちろん我々は、様々な映画でアメリカの高校生活を知っています。
 チアリーダーはアメフト部のキャプテンとセックスするためにだけ存在します。
 車はみんなオープンカーで畑はみんなトウモロコシ、警官はみんなガムを噛んで娯楽はみんな野外でキャンプ。
 そんなアメリカのごく普通の学園生活が堪能できますよ。

 全部嘘ですけど。

 さて、まずは主役の二人の女子高生を紹介しましょう。
 まずはスポーツ万能系。


 単なる魚面人なので何も語る所がありません。




 こいつが噂のカンフー使いです。
 アメフト部ではランニングバックをしています。
 背番号は残念ながら21番ではないんですけど、それより残念なのはほぼ前編を通じて親友であるはずのメガネ女の引き立て役に回っている点です。

 大部分の恋愛ゲームでは、スポーツ万能系美少女は2番手3番手が定位置です。
 その意味で非常にオーソドックスな作りと言えましょう。



 そして天才ダサ女。


 メガネを外すと美人になります。


 そのメガネは明らかに伊達メガネなんですけど、まさかアメリカで王道が見られるとは思いませんでした。

 この映画で唯一可愛いと言えなくも無い素材ですが、メガネ一つでダサ認定されてる所が30年前の少女漫画みたいで泣かせます。
 その上に超・天才少女。
 なおかつ自宅がベルゼブルのディクスン邸なみに巨大です。
 そして自宅にDNA解析装置からナノマシン工場から巨大ロボット組み立て工場まで揃ってます。






そんなごく普通の女子高生です。










アメリカ万歳。




 うちの爺さんが戦争に負けるわけだわ。
 気が遠くなるのを踏み止まって観てみれば、この先さらに腰が砕けるような展開が待っています。

 これほどの恐ろしい設定を持つ二人がやる事は、キュートなハンサムボーイの奪い合いです。


 その気になれば国家権力さえ奪えそうな気がします。


 まるでプリン一つ食うのにフランスからシェフを呼びつけるような行為です。
 私がシェフならプリンで頭カチ割りそうで怖い。

 さて、常軌を逸した設定に程よく吐いた所で続けましょう。
 問題の転校生がやってくるシーン行きますか。
 キュートではなく、そしてハンサムではなくボーイでもない男が教室に忽然と姿を現します。
 ややプレスリー顔という点だけが抗議の電話を止めました。
 まあ角度的にワンダーウーマンの顔を移植した引退間際の30代キャバ嬢みたいな女が美人とされている世界観ですから、彼らの目ならきっとピカソが分かるのでしょう。

 ヒゲは無いのでチャックの出番はありません。


 仕方が無いのでチャックと呼びます。






 見た瞬間にクラスの女子全員が恋に堕ちるというメデューサなみの邪気眼を発揮し、その後も終盤までひたすら良い男として描かれ続けてしまうのです。
 チャックにあるまじき行為ですね。
 しかし寄って来る女どもがみんな油で揚げたニシキゴイみたいな女ばっかりですから、これはこれで良いのかもしれませんね。

 もちろんガリ勉のはずのメガネも例外ではありません。
 キカイダー的な電流が脳みそを走り(ほんとに走ってる)、一発で初恋という名のバトルフィールドに堕ちていってしまうのでした。

 それを見逃せないのが大親友のスポ根女。
 「私が取り持ってあげるわ」などというどの角度から見ても松ヤニでベタベタの罠を持ちかけ、見事にメガネを騙くらかして自分がちゃっかりチャックと仲良くなってしまいます。



 これ30年前に読んだよ。



 これが吉田秋生なら手違いで3人くらい死んでる所ですけど、この作品は『女子高生ロボット戦争』です。
 そのタイトルだけに支えられて今日まで生きてきたのです。
 目を背けてはなりません。
 真理をみる必要のない人々にとっては、人生はなんと気楽だろう。
 ロマン・ロランの言葉です。

 真理はもちろん「うんこ」とルビを振ってください。

 未だロボットどころかファービーすらも出ないこの映画ですが、もう少しだけ少女漫画の焼き直しに付き合ってください。
 さて、上記のごとくメガネ大激怒。
 今までの友情をかなぐり捨て、恐怖の「プランA」を実行に移します。

 ついに本気になったメガネ。
 「プランA」の正体とは。






「通販で服を買う」










オタクかお前は。




 ロボットを期待していたすべての人間を軽やかに裏切った天才メガネ。
 アメリカで言う天才とはバカの意味なのでしょうか。
 ともかく、要するにシンデレラがカボチャの馬車です。
 あくまで素材の良さで勝負しようという心意気は買いますが、それだとDVDを買う気にはなれません。

 しかしこのメガネ。



 化けっぷりが半端無いです。



 お前の家の鏡はうるし塗りかと言いたくなる変貌度です。
 自分の顔を見た事が無いのでしょうか。
 これこそ未来永劫の少女漫画パターン、必殺の単なるメガネ外しです。

 こうなるとメガネと呼ぶのがはばかれますが、面倒なのでこのまま行きます。



 もちろんスポ根女も黙ってはいません。
 頭の中身も財力もはるかに劣る彼女の場合、素材以外で勝負できるのは自分の腕っ節ひとつです(寿司屋みたいだ)。
 だから彼女も始めました。

 スポ根女の取った作戦。
 それは。






「服を替える」










お前もか。




 さすがはスポ根女です。
 直球以外は投げる気が無いみたいです。
 当然皆さんも分かっている事と思いますが、その変貌っぷりはメガネと比べてサランラップの厚みほどにも変わっていません。

 バカさ加減はいい勝負です。

 これでハンサムボーイをゲットできたらニッセンは大繁盛ですよ。
 いっそ素っ裸で行けば良かったんじゃねぇの。



 そんな香ばしい女同士の戦いは、週末のアメフトの試合になだれ込みます。
 スポ根女はカッコいい所を見せ、メガネはその後のデートを確約。
 そんなにうまく行ったら私だって通販しますわ。
 この映画における女の戦いは自己を高めると同時に、いかに相手の足を引っ張って轟沈させるかというのが醍醐味なのですな。

 そういうわけで、またも来ました。
 メガネ女の「プランB」です。

 今度のプランは凄いですよ。
 いよいよ化学式とか出てきますから。

 「プランB」の正体は。






アメフトの相手チーム全員を薬物強化させてスポ根女をボコボコにする









テロ行為です。




 犯罪どころの騒ぎではありません。

 かのステロイドでさえ効いてくるのに数週間はかかるのに、こいつの作った劇薬はハーフタイムのお茶に混ぜただけで即効効きます。



 理由:天才だから。



 世界中の医師や科学者が夢見た薬品を、親友に恥をかかせるためだけにサクッと発明してしまうこのメガネ。
 うんこ映画を観てて自分の矮小さに愕然となったのは初めてです。

 しかし、冷静に考えると。

 恥をかかせるだけなら、スポ根女に下剤でも飲ませりゃ済む話じゃね?

 天才の考える事は分かりません。



 しかし、さらに私が言いたいのは。



 この作品のタイトルは『女子高生ロボット戦争』。




ロボットどころか中華キャノンすら出てきません。





 パッケージにそびえるあの巨大目覚ましロボみたいなアレは何なのでしょう。
 いつになったら出てくるのでしょうか。
 実にうんこ映画感たっぷりの展開であります。

 諦めずに山を登り続けましょう。

 孤高の天才メガネの術中にはまってしまったスポ根女。
 正直相手が悪すぎた。
 案の定ボコボコにされて試合は負け、大事なチャックはメガネとデートに行ってしまいます。

 デートの先はディスコ(笑)です。
 アメリカの高校生っぽくなって参りました。
 ディスコというより大学の学際レベルなんですけど、LA生まれのチャックによる華麗なステップが女たちを魅了します。

 それはいいんですが、驚いたのはメガネですよ。

 チャックに負けない華麗なステップで踊りまくってます。

 ガリ勉設定がわずか10分で反故にされるという非常に稀有な場面です。
 きっと通信教育で憶えたのでしょう。





今は亡き岡八朗さんに捧ぐ。




 しかし、こんな事で諦めるスポ根女ではありません(バカだから)。

 仲良く踊る二人をしっかりとストーキングしてきたスポ根女。
 どっちがガリ勉だか分かりません。
 もちろんアメリカ映画の定番として、チャックとメガネは体のでかい悪漢に絡まれる運命が待っています。

 そこに現れるスポ根女。
 華麗なカンフーで悪漢をKOしちゃいます。

 これがカンフーならフラワーロックは酔拳です。

 ジョン・ウーが見たら無言で杖を落とすでしょう。
 何と言うか、全編に渡って力の抜けるアクションシーンがこの映画の特徴と言えるでしょうか。
 うんこ映画の醍醐味ですね。
 「ああ、うんこを観ているんだな」と誰もが実感できるシーンです。

 こうして自分の売込みに成功したスポ根女。
 手法としてはリングに乱入する他団体のレスラーみたいです。
 マイクアピールに相当するシーンでは、チャックに向かって無理やり「私とデートしなさい」と要求。
 マジにプロレスと一緒です。

 ここだけほんのりと姉キャラで良かったです。全編を通じてこのくらいしか無いんですけど。



 しかししかし。

 黙って無いのがメガネです(キターーッ)。

 掟破りの逆ストーキングです。
 さすが全校生徒をメガネ一つで騙し続けた隠密行動のエキスパート。
 チャックとスポ根女の背後に忍び寄り、謎の物体を吹きかけた・・・っ!

 またも来ました。
 目の前で油揚げをかっさらわれた川谷拓三みたいな形相で、開発したのは謎の霧状物体です。
 そう。
 これぞ「プランC」です。

 究極のその内容は。






ナノマシンが
屁をこく。



                     (⌒⌒)
                 ∧_∧ ( ブッ )
                (・ω・`) ノノ〜′
                  (⊃⌒*⌒⊂)
                  /_ノωヽ_)






自宅で手軽にナノマシン。





 こいつ一人で北朝鮮相手に戦争できます。


 しかも効果がです。
 ナノマシンとは【微生物や細菌サイズの極小機械、およびそれらの集まり】です。
 それが無数に集まって、何をするかと思えば屁。

 スポ根女の頭皮にシュシュッとスプレーしただけで、そのフェロモンを正確に分析。
 すると微小ゾロメカたちがくっさい屁をプープーこきまくるという悪魔の発明です。


 誰か私に分かるように説明してください。


 かくしてスポ根女の目論見は崩れ…ってオイ。
 明らかにこれはおかしいだろ。

 上の説明、「フェロモンを正確に分析」って必要無いだろ。

 ただ屁をこいただけだろ。

 というか、ナノマシンにする意味が無いだろ。



牛の糞かけりゃ済む話だろ。









…天才の考える事は分かりません。




 このメガネは、わずか数日のうちに瞬間筋肉増強剤とナノマシンを自宅で開発してしまった事になります。
 その目的は?
 もちろん親友の足を引っ張るためです。
 世界征服とかそういう理由ではありません。
 この辺になるともう、キュートなセクシーボーイなどどうでも良くなります。



 もちろんロボッ子一人出てきません。



 どーでも良くなります。



 そういう感じで、さっきから良い所のないスポ根女。
 このままでは終われません。
 魔太郎なみのテンションの入りっぷりで気合いを入れると、なんと。
 そこに急転直下のストーリー展開が・・・っ!

 いや、学校のトイレなんですけど。





背後からすすり泣く声が。





…ホラーですか!?




 そんな展開になるわけもなく(笑)。
 泣いていたのは、クラスメイトのビッチ友でした。
 どうして便所の個室なんかで泣いていたのかと言うと、答は簡単。






チャックに犯された
からです(マジ)。










犯っちまったなぁ。




 キュートでハンサムな転校生は、実はチャックの風上にも置けない金髪ブタ野郎だったのでした。

 「でした」ってお前(笑)。
 泣いてるビッチもビッチにしか見えないんですけど、実は純情パインだったなんて。
 総理大臣が許しても、このポワトリンが許しません。

 かくしてチャックの本性を知ってしまったスポ根女。
 ビッチを家に送り、アイルビーバックな感じで学校に戻ってきます。
 金属バット持ってます。
 完全に殺る気です。
 乙女の純情を踏みにじったチャラ男に制裁を加えるために、我らが4番バッターがいよいよ立ち上がった瞬間でした(アメフトだっつーの)。



 …などと無理やり燃える展開で来ましたが。
 ちょっと待ってください。



 肌とかバンバン晒しまくって色目使いまくって誘惑してたのはどこのどいつだよと。


 んで君、夜の車で二人っきりだったわけね?
 密室で。
 誘われるままホイホイ着いてった結果がこれですか。
 それで君、スポーツ万能少女に聞かせるように泣いていたわけでしょう?
 わざわざ学校のトイレで。
 って事は、あんた普通に登校したわけ?
 その彼氏と同じクラスなのに。
 どう考えてもおかしくない?

 スポ根少女は盛り上がってますが、その影でビッチは笑う。
 そう思えてなりません。
 たぶん半年後くらいに大金持ちになってそうです。






 しかしされど。

 ここで待ったをかける「最終プラン」。



 ついに天才メガネの奥義が。



 皆さん、大変お待たせいたしました。
 この作品のタイトルは『女子高生ロボット戦争』です。
 今まで「女子高生」に見えない連中が「ロボット」も出ず「戦争」も出ず「カンフー」も無いまま「キュート」でなく「ハンサム」でなく「ボーイ」でもない「チャック」を取り合う意味の分からない映画でした。
 そのくせ世界中の医者と学者が頭を抱えて寝込みそうな究極の発明を使って屁の匂いを漂わせるなど素晴らしい飛距離を稼ぎました。

 いよいよ苦労の報われる時がやって参りました。

 天才メガネの「最終プラン」。
 それこそ、パッケージを飾る巨大ロボットだったのです。

 やっぱり一人で自宅で自作なんですけど、もうこいつの天才っぷりには驚きません。
 服を脱いだら『THE ガッツ』なみの筋肉に覆われているのかもしれません。
 ともかくそれだけのシロモノをわずか一晩で組み上げてしまう恐ろしいエンジニアの才能に、ホンダ技研が思わずアップを始めたようです。

 そしてその天才が生み出した作戦は。





学校をブチ壊して
スポ根女を迎え撃つ。



    ::::::::::::::::::::::::......   ........::::::::::::::::::::::::::: ;;;;;;;::::::::::::::::::
               γ ⌒ ⌒ `ヘ
              イ ""  ⌒  ヾ ヾ    ドガァァァァァァァァン.....
            / (   ⌒    ヽ  )ヽ
            (      、 ,     ヾ )
     ................... .......ゞ (.    .  ノ. .ノ .ノ........... ........
     :::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ、、ゝ.....|  |..., , ノソ::::::::::::::.......::::::
      _ _i=n_ ._ [l_ .._....,,. .-ー;''!  i;;;〜−ヽ_ii_i=n_ [l h__
      /==H=ロロ-.γ ,〜ー'''l ! |'''ーヾ  ヾ 「!=FH=ロロ
      ¶:::-幵-冂::( (    |l  |    )  )=HロΠ=_Π
      Π=_Π「Uヾ、 ⌒〜"""''''''⌒〜'"´ ノ;;'':::日lTΠl:::....
     Д日lTl,,..:''''"   ""'''ー-┬ーr--〜''""   :::Д日lT::::
     FH=n.:::::'            |   |         :::FL日l」:::::
     ロΠ=:::::.:.        ノ 从 ゝ←学校   .::田:/==Д::
     口=Π田:::.                   .::::Γ| ‡∩:::::
     Γ| ‡∩Π::....                ...:::Eヨ::日lTlロ::::
     Д日lTlロ_Π::::.......            ...::::::::田:凵Π_=H:::






もう逮捕しろよ。




 100%マジです。
 馬鹿に刃物を渡すと危険ですが、こいつは天才なので刃物を自作できちゃうんですよ。
 しかも財力はおそらく途上国の国家予算に匹敵します。
 ダイナマイトを発明したノーベルは、その遺産で平和のための基金を作りました。
 一方メガネは親友の足を引っ張りました。

 そう。このメガネは、チャックがクソ野郎だったという事実をまだ知らないのですよ。
 目に映るスポ根女はみんな排除の対象です。
 だから堂々とロボットを学校に持ち込み(堂々すぎるけど)、虎視眈々とスポ根女を待ち受けてしまう天才メガネでありました。

 一方その頃。
 まさかロボが待つとは思いもよらない(当たり前)スポ根女が、約束通り学校へと帰ってきました。
 手に持つ武器は金属バットだけ。
 皆さんご存知の通り、金属バットとカンフーは何の関係もありません。

 どうでもいいけどこのロボット。

 パッケージ写真よりだいぶ小柄です。

 せいぜい3〜4メートルしかありません。
 ロボに変形する日産車のCMと似たり寄ったりです。
 あの伝説のクソ映画、『ザ・キャット』を思い出します。

 そしてその上。

 3チャンネルのプロポみたいな奴で動かします。





決めポーズまでプロポ操作です。





たぶん動力はニッカドバッテリーでしょう。




 そんな情けないロボットですけど、さすがに21世紀のCG技術ですね。
 『キラーツリー』とは比べ物にならない滑らかな動きで頑張ってます(さすがにCG丸分かりですが)。

 スポ根女がやって来ると、校舎の前に天才メガネが立ちはだかります。
 生徒たちがごく普通に歩いているのがシュールです。
 不適に笑う天才メガネ。「急いでるのよ」とスポ根女。
 そこで天才メガネがカチャカチャやると、ついに出ました。

 校舎の屋上からヒラリと飛び降りた巨大ロボ。


 わざわざ登らせたようです。


 その時点で通報しない生徒たちも素敵ですが、不適に笑うスポ根女はもっと素敵です。
 おもむろにバットを構え――。

 まずロボの膝に一発!






ロボ轟沈!!!!



                  ☆   ☆  
               ☆ \  o  / ☆    
              ☆   o   l   o   ☆  
           ドー   o-    ○  -o    ーン 
              ☆   o   l   o   ☆  
               ☆   / o    ☆     
                / ☆   ☆ \
                    (
                     )
            た〜まや〜 (
             ∧∧     )
             (,,  ) /
             i⌒  / ←スポ根女(2ラン)



何イイィィィッッ!!?







出番:終了。

(マジに)






・・・モロすぎるだろロボ。






こんだけ引っ張っといて出番30秒しかねーよ。







この映画のタイトルは
『女子高生ロボット戦争』です。




 これほどポカ〜ンとした記憶は近年ありません。

 まったく恐ろしい展開ですよ『女子高生ロボット戦争』。
 またどうせ適当な営業がノリで決めた邦題なんでしょうよ。
 何しろ原題が『Xtracurricular』とかいう意味のさっぱり分からない言葉ですからね。
 そのまま音訳するよりマシとでも思ったのか、実に香ばしい方向でタイトルつけてくれました。

 出てくるキャラも天才メガネの陰に隠れてイマイチ光れないというか、主にこいつだけがおかしいというレベルの一人勝ち状態。
 例の3大発明に加え、大富豪の上になぜかディスコで踊れるオールマイティーさは『Dr.スランプ』のターボくんに匹敵する存在感です。
 辛うじて先ほどの金属バットでスポ根女が得点しましたけど、その行為はこの映画のアイデンティティーをも破壊したので始末に負えません。



 「もしもし、母さん? …おれ今、うんこ映画を観てるんだ」


 そんな充実感があなたを包みます。


 そんな充実感はいらねぇよ。




        /\___/\
      / /    ヽ ::: \
      | (●), 、(●)、 |
      |  ,,ノ(、_, )ヽ、,,   |
      |   ,;‐=‐ヽ   .:::::|
      \  `ニニ´  .:::/      NO THANK YOU
      /`ー‐--‐‐―´´\
             .n:n    nn
            nf|||    | | |^!n
            f|.| | ∩  ∩|..| |.|
            |: ::  ! }  {! ::: :|
            ヽ  ,イ   ヽ  :イ  



 思わず意識がカリフォルニアの風になる所でしたが、ともかく続けましょう。
 この後もすごい展開が待っています。

 自慢のロボットを破壊され、呆然とする天才メガネ(と観客)の横を、スポ根女は涼しい笑顔で通り過ぎます。
 当然これでは終われない天才メガネ。
 誰一人としてこの事態に突っ込む者もいないまま、戦いは最終ラウンドに突入します。

 次なる天才メガネの得物はグローブから飛び出すフィンガーミサイル。


 殺傷能力抜群の兵器です。


 『カリオストロの城』で伯爵が使ったアレみたいな。


 もはやキュートなハンサムボーイはどうでもいいようです。



 飛び交うミサイルを避けつつ学校内を駆け回るスポ根女。
 ここで富野アニメばりのセリフを叫んでくれると思ったら大間違いの学芸会ノリに脱力です。
 この程度で奴は倒せない、そう思った我らが天才メガネ。





バズーカ構えたし。






逃げてええぇぇっっ!!!!






ここが学校である事を忘れさせる素晴らしいシーンです。



周囲はもう大騒ぎ(当たり前)。







バズーカ発射ーっっ!!!!













校長に当たったーっ!!!!

(マジで)







このドジッ子♪





 にわかには信じられないでしょうけど事実です。

 我々は今、全世界が震撼するクラスの馬鹿が誕生した瞬間に立ち会っています。
 されどご安心あれ。
 校長の頭を直撃した弾頭は、校長自慢のハゲ頭でトゥルンッと滑って未来の方角へ消えて行きました。





それ必要か?





 少なくとも二人の戦いにはまったく必要のないシーンです。

 ていうか戦いそのものが必要とは思えません。

 実に簡単にこの映画の存在を全否定してしまいましたが、そう思うのも無理からぬ話です。
 一番必要ないのはおそらく「ロボット」と「戦争」だと思います。



 …いい加減にシメましょうか。

 やっとの事で相対する二人。
 天才メガネにはもう武器は残っていません。
 場所は体育館で、あれほどの騒ぎが起きたのに誰もいない非常に静かな空間です。
 ご丁寧にスポットライトまで当たっています。

 スポ根女は言います。
 「私に勝てると思ってんの?」(ヤンキー風に)

 天才メガネは返します。
 「どうかしら?」(ヤンキー風に)


 いつの間にやら二人とも単なるヤンキーになっていたんですけど、やはり肉弾戦ならスポ根女でしょう。
 天才メガネに秘策はあるのか。
 すげーありそう(笑)。

 そう思って観ていると。





正面からの殴り合い。








アチョー!!!!







かたくなにカンフーです。



秘策も何もありませんでした。



少しはヒネれ。







・・・しかしこの天才メガネ。







なぜか強いです。







スポ根女を追い詰めるまで行きます。



これにはスポ根女もビックリだ!!







「一体どうやって覚えたの!?」








「本で」










通信教育かよ。





 こんなコント久しぶりですわ。
 まさかアメリカにまで岡八朗のギャグが伝わっているとは。
 まさしく「スキがあったらどっからでもかかって来んかーい!」状態。
 本家と同じくらいスキだらけの攻防です。

 えーと、オチは…。
 何ですか。え〜と、当然のように二人は逮捕されるんですけど金の力で買収、誤解が解けた二人は再び親友に戻る、という…。

 んで、キュートなハンサムボーイのチャックは婦女暴行で投獄、めでたしめでたし…。









相当なうんこですわ。




 え〜、こんな感じでこの映画。
 大体どんな作品か分かっていただけたでしょうか(分かんねぇ)。
 私としてもなるべく事実のみを伝えるように頑張ったんですけど、本当に事実のみを書いてったらこんな事になってしまいました。



 私は大好きです(笑)。



 この手のB級うんこ映画に整合性やリアリティを求めても裏切られるだけなんです。
 誰もウォシュレットから鶏ガラスープが出てくるなんて思ってません。
 思ってないけど、そういう映画があってもいいじゃないですか。
 有り得ないほど金持ちで、ノーベル賞級の発明をものすごい個人的な理由から週に3個も4個も発明し、外見ブサイクだったはずなのにメガネを外しただけで誰もが振り返る。

 そんなごく普通の女子高生。

 あなたの街にもきっといません。
 私のように突っ込みながら観ると手刀で岩をも割れるようになりますので、普通の方は何も考えずに観る事をお奨めします。



 最後にスタッフについて色々書きたかったんですが、あまりにマイナーすぎて誰も知らないという我がサイトらしい結果となりました。
 いや知ってても何一つ自慢できませんけどね。
 ただこの監督、ジャパニメーションとかゲームとか好きそうですね。
 天才メガネをオタクに対するカリカチュアと考えれば、この映画のぶっ飛びっぷりが説明できるかもしれません。

 基本構造はやっぱり少女漫画なんですけど、そこに無理やりアクションの要素を持ってきたからこの作品は独特なんです。
 例えば、格闘漫画では主役であるはずのスポ根女の扱いは小さく、代わりに悪役であるはずの天才メガネにスポットを当てた点で、バトル物のエッセンスを加えた少女漫画の世界を構築しています。
 次から次へと新兵器を開発して主役の前に立ちはだかる。
 これが悪役でなくて何でしょう。



そう、これではマッドサイエンティストですね。





それこそがオタクの究極の姿なのです。




 天才メガネはシンデレラへの道を歩み出しますが、いつの間にやら目指すゴールが恋愛から格闘にすりかわってしまいます。
 この荒唐無稽さを楽しむ事。
 それがもっとも正しいこの作品の鑑賞法でしょう。





なんで褒めてんだ私。





 そういう事で、長々と語って参りましたこの『女子高生ロボット戦争』。
 本気で心から本当に馬鹿なうんこ映画ですけど、適当に楽しかったです。

 あとビッチは乙女でロボの急所は膝でした。
 これテストに出すから。









『Xtracurricular』2001:アメリカ

監督・脚本・編集(同人かよ):ティム・T・カニンガム
製作:ジョン・R・ローランド
製作総指揮:ダッチ・ケラーマン
        ジェームズ・カービー
        ナイル・マックスウェル
        ラッセル・パーカー(多すぎだろ)
撮影:J・P・リパ
音楽:ジェイソン・グレイス

出演:ミシェル・フェアバンクス(天才メガネ)
    マリア・ジョーンズ(スポ根女)
    マシュー・ジョーンズ(チャック)



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