棋書感想・定跡書以外

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※ 段位は発売当時のもの。
※ 文庫版に関しては単行本発売時の段位。

自戦記・棋譜解説

タイトル 著者
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米長の将棋 6 奇襲戦法
(MYCOM将棋文庫)
米長 邦雄
(棋王)
 2004年6月27日第1刷発行。2004年6月購入。1981年3月の本で、結局オリジナルの『米長の将棋』刊行中にえばぁは生まれなかった。文庫版後書きは佐藤康光。『米長とつながりが深く、しかも奇襲戦法と言ったら、と言う理由で先崎』と言うめいじんの理屈は妥当だと思ったが。その後書きは先崎のエッセイを読んだあとだと、ムキになって説明している佐藤少年が想像できておかしい。
 内容は『角頭歩』『筋違い角・袖飛車』『矢倉中飛車』『(相掛かり)桂ハネ戦法』『急戦相掛かり』『角頭襲撃その他』となっている。佐藤も言っているように、普通に言う奇襲っぽいのは角頭歩くらいしかない。  個人的には筋違い角の対淡路戦がお気に入り。一度『消えた戦法の謎』で見ていたが解説つきで改めて見て、「こんな将棋は指せないな」と思わせられた。  (Jun.2004)
米長の将棋 5 棒銀・腰掛銀
(MYCOM将棋文庫)
米長 邦雄
(棋王)
 2004年5月27日第1刷発行。2004年5月購入。1981年1月の本。後書きは、第4巻発売前にめいじんが「4巻は丸山、5巻は佐藤、6巻が先崎。米長との繋がりと、本の内容と棋風を合わせ見て。谷川は関西だし。」と予想していたが、それを覆し谷川だった。
 棒銀・腰掛銀とあるが、角換わりだけでなく矢倉棒銀と相掛かり腰掛銀もある。えばぁがよかったと思ったのは、角換わり腰掛銀。もともと本が少ない上に、先手必勝が定説のため解説を省かれる木村定跡の成立が語られているのがうれしかった。角換わり棒銀なんかは今でも同じような展開になりそうで、十分使える本と思う。  (Jun.2004)
米長の将棋 3 矢倉戦法
(MYCOM将棋文庫)
米長 邦雄
(棋王)
 2004年3月27日第1刷発行。2004年3月購入。1980年7月の本。文庫版の後書きは森下。「矢倉だから森下なのだろう」と、おそらく誰もが納得した人選である。
 その矢倉は、半分以上が雀刺しを取り上げている。矢倉が流行っていたようで、中原×米長では連続19局で矢倉だったそうである。そのため3巻での相手側は半分くらい中原。実践していないが、この本の棋譜を並べた後、『消えた戦法の謎』を読むと雀刺しの理解にいいかもしれない。  (Jun.2004)
米長の将棋 2 居飛車対振飛車・下
(MYCOM将棋文庫)
米長 邦雄
(棋王)
 2004年2月27日第1刷発行。2004年3月購入。1980年7月の本で、もちろんまだえばぁは生まれていない。文庫版後書きは森内。
 どちらかと言うと序盤寄りを解説した1巻に比べ、2巻は『勝利への展望』『勝ちを決める』と、中終盤寄りの解説が多い。また、『穴熊のすべて』と題して当時の穴熊(居・振り両方)についても解説されている。  (Jun.2004)
米長の将棋 1 居飛車対振飛車・上
(MYCOM将棋文庫)
米長 邦雄
(棋王)
 2004年1月20日第1刷発行。2004年3月購入。元は1980年5月の本で、えばぁが生まれる前に出た米長の自戦記。文庫版での解説(後書き)は羽生。4巻を除き読んだが、羽生だけ『買った』と言っていない(笑)
 1巻は『位の確保』『戦いの発端』『定跡と実戦』とあるように、序盤での模様の取り方に重点を置いている。そして四間飛車は少なく、中飛車が多く感じる。まだ穴熊が対振り作戦の主流になる前の時代なのだからだと思う。
 『米長の将棋』の棋譜は、『消えた戦法の謎』や『Zの法則』などに引用されている局面をちょくちょく見かける。『消えた〜』のほうでは米長が定跡面でも最前線にいたと言うことを改めて感じさせられ、『Z』のほうでは、現代では既に当たり前の感覚であるが、当時はあまりなかった『ゼ』の感覚を米長は先取りしていたのだなということに、凄味を感じる。  (Jun.2004)
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将棋総合

タイトル 著者
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上達するヒント 羽生 善治
(王位・王座)
 2005年1月25日初版発行。2005年2月購入。外国向けに書かれた『Habu's Words』の日本語版『羽生の奥義12』の改訂版。本書は13章からなるので1つ追加されているのだがどれかはわからない。
 『将棋の公式』と同系統に位置づけられる本だが、こちらのほうが初心者には明らかに読みやすい。文章に癖がないのと大して厚い本ではないこともあるが、「アマチュアの棋譜を投了まで解説している」のが一番大きいと思う。やたら細かい手順が出てくるわけでもないし、形勢判断の部分に大きく触れている。
役に立つ将棋の格言99 週刊将棋 編
 2004年7月21日第1刷発行。2004年7月購入。
 上の『金言玉言新角言』と同系統の本。『金言玉言新角言2』と思っていい。てか、そのほうがとてもわかりやすいと思う。このタイトルだと普通の格言本みたいだ。
 前作から9年が経過し、藤井システムやミレニアム、8五飛など新しい形が主流になったのと同時に中盤・終盤戦術にも変化が現れたために、それに対応した21世紀の実戦的格言を集めた本になっている。
 前作では『振り飛車党に捧げる・・・』『対振り飛車に役立つ・・・』などと戦型によってある程度の分類がなされていたのだが、本書ではどういう順番で並べたのかよくわからないくらいめちゃくちゃに並んでいる。しかし文句はそこだけで、読んで損はないと思う。  (28.Jul.2004)
読みの技法 島 朗 (八段)

羽生善治
佐藤康光
森内俊之
(以上、講師)

 1999年3月25日初版発行。2003年11月購入。
 島がインタビュアーとなって、様々な局面(25題)に関して羽生、森内、佐藤の「元・島研」に読みを聞いていく・・・と言う本。羽生、森内、佐藤と書いたが今は森内、羽生、佐藤と書くべきだろうか、まぁそれはどうでもいい。
 3人それぞれの読みの入り方、読みの進め方、読みを入れる際に注意すること・・・などなど役立つことが書いてあるのだが、まだ頭の中でまとめきれていない。ちなみに、だいたい入りは誰かと一致するがその後は全くである。  (Apr.2004)
金言玉言新角言
(MYCOM将棋文庫)
毎日コミュニケーションズ 編
 2003年9月14日第1刷発行。2003年10月ごろ購入。
 1995年出版の本の文庫化。将棋には「5五の位は天王山」などの格言が多々あるのだが、今でも本当に5五の位が天王山なのかというと疑問符がつく。戦法の変遷と共に実戦的な感覚も変わっていくからだ。ちなみに今「天王山」の意味を知っている人がどれだけいるだろう。
 これは「その時代の変化に対して新しい格言を」と言う意図で作られた本である。実戦的に役に立つ格言がいろいろあり、振り飛車の「わからないときは5五歩」などはよく使わせてもらっている。どんな格言でも例を挙げられると「こんなうまいこと行くかね」と思うが、読みを入れる際に指針となるものは一つでも多いほうがいい。ただ眺めているだけでも十分だと思う。  (Apr.2004)
将棋の公式
(復刻版)
加藤 治郎
(名誉九段)
 2002年4月25日発行。2003年8月購入。元はえばぁが生まれた年(1981年)の本らしい。そのときの本が復刻版となって売られている時点で名書である。
 「将棋には公式があり、プロ棋士はその公式を組み合わせて使っているから強いのだ」と言う考えの下、それらの公式が紹介されている。題材は当時(80年代)のままなので古さを感じたりするが、公式を説明するためなので問題ないと思う。
 読んだあとの将棋には、自分の読みに「〜の公式を使って・・・」と言う裏づけが出来た。それが出来るようになっただけでも少し強くなったような気がした。実際はわからないが(笑)  (Apr.2004)
現代将棋の急所
(復刊版)
山田 道美
(八段)
 1990年6月18日第1刷。2004年5月購入。元は1969年5月に出版された本で、平成になって復刊された。復刊時の前書き(推薦文)は中原・現会長で、山田主催の研究会に参加していたこともあるそうだ。
 山田と言えば対四間飛車の山田定跡に代表されるように、現代将棋の基本である「序盤研究」の先駆けを行った人物である。だがこの本は序盤に留まらず、囲いの崩し方(中盤)、寄せ方(終盤)と、将棋全体についての考え方が書かれている。そのため、オリジナルから30年以上経った現在でも、読んでうなずかせられるものは多い。いろいろなところに「紙数の問題で割愛」とあるのだが、この割愛された部分も読みたくなる、そんな本だ。
 この本の中ではツノ銀中飛車に対して右四間飛車で対抗する順が研究されている。ツノ銀中飛車には玉頭位取り・3八飛戦法・4六金戦法の3つがプロで使われている対策だと前置きしているのにである。なんと山田は、右四間飛車の「わかりやすさ」に着目した。この「わかりやすい」右四間飛車が今、アマチュア間では対振り戦術としてよく使われている。なんか凄い。
 ちなみに「山田の本(この本)を読んで、C級棋士がタイトル保持者をこてんぱんにやっつけた」と言う話がある。復刊の際追加された部分にそのエピソードが書かれており、そのC級棋士とは連敗記録で2chを湧かせた野本虎次(七段。当時は四段。2003年引退。)で、こてんぱんにやっつけられたタイトル保持者とはなんとこれまた2chで人気の加藤一二三(九段。当時十段のタイトルを保持。)らしいのだ。思わず ( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェーと押したくなった。  (22.Jun.2004)
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終盤

タイトル 著者
 COMMENT
羽生善治の終盤術
3 堅さをくずす本
羽生 善治
(三冠)
 2006年6月10日初版発行。2006年6月購入。
羽生善治の終盤術
2 基本だけでここまで出来る
羽生 善治
(三冠)
 2006年4月25日初版発行。2006年4月購入。
羽生善治の終盤術
1 攻めをつなぐ本
羽生 善治
(四冠)
 2005年12月25日初版発行。2006年1月購入。
寄せが見える本
応用編
森 ケイ二
(九段)
 2004年6月10日初版発行。2005年2月購入。
寄せが見える本
基礎編
森 ケイ二
(九段)
 2004年5月7日初版発行。2005年2月購入。
Zの法則
(MYCOM将棋文庫)
日浦 市郎
(六段)
 2003年11月14日第1刷発行。2003年11月購入。1996年10月に出版された本の文庫版。
 「ゼット」と言うのは現代将棋において重要なファクターらしい。「ゼット(Z)」とは「絶対に詰まない」の「ぜ(ZE)」の「Z」なのだが、要は「自陣がZ(絶対に詰まない)の状態のときに相手に必死をかけてしまえば勝ちだろ?」と言うことを解説した本である。この「ゼット」が簡単に作れるのが現在流行している穴熊なのだ。
 と言うように、現代将棋に重要な感覚を解説しているのだが、実はまだ全部読めていない(笑)。ただ、時々将棋を観戦しながらディスプレイの前で「今ゼットだよな・・・」と呟きながら必死をかける順を探すようになったのはこの本のせいだろう。とにかく感覚を掴むのが大切なので、何度も読み返すような本だ。  (Apr.2004)
光速の寄せ
2 振り飛車で勝て!
谷川 浩司
(竜王)
 1巻を運良く100円で買ってから、定価では買いたくなくなってしまったため古本屋で手に入れるまで時間がかかった。初めに居飛車の囲い(舟囲い・左美濃・玉頭位取り・穴熊)の急所を説明し、その後具体的な崩し方を勉強する。  (Jun.2004)
光速の寄せ
1 振り飛車破りの巻
谷川 浩司
(竜王)
 1995年6月1日第1刷発行。2003年12月購入。
 古本屋で100円の棚をボーっと眺めていたときに発見した。欲しくて探していたわけではないが100円は安かったので即買った。内容は振り飛車破りなので、えばぁは崩されるほうであるが・・・。
 この後普通に売っているのを見ると「得したなぁ〜」と思うようになった。しかし2巻の「振り飛車で勝つ」が見当たらないのは悔しい。  (Apr.2004)
ザ・必死
(MYCOM将棋文庫)
金子 タカシ
(アマ)
 2003年1月14日第1刷発行。2003年1月購入。
 1994年出版の本を文庫化したもの。めいじんに薦められて買った本。めいじんの終盤は、この本で最も鍛えられたらしい。内容は1手・3手の必死から、5手・7手の必死、7手以上の必死と分かれる。
 読む前までは「必死をかける」と言う感覚は意識して持ってはいなかった。だが読んだあとは、詰みより必死を先に読むようになった気がする。導入部分の「必死のパターン分類」を見ただけでもちょっと賢くなった気がした。  (Apr.2004)
終盤の定跡 基本編
(MYCOM将棋文庫)
小川 明久
(元週刊将棋編集長)
 2003年3月12日第1刷発行。2003年7月ごろ購入。
 1989年出版の本の文庫版。このほか応用編・実践編と言うのがあるのだが、この2冊は「週刊将棋」で出された段級認定問題がそのまま載っているだけらしく、巷での評価は高くないので買わなかった。
 内容は詰み・即詰み逃れ・必死・詰めろ逃れで、頭金から始まり最後は詰めろ逃れの詰めろまで出てくる。下の「ザ・必死」に比べて簡単で、初心者向き。  (Apr.2004)
寄せの手筋168 著者:金子 タカシ (アマ)
監修:塚田 泰明 (八段)
 1988年11月30日第1刷発行。2004年10月古本で購入。
 状態悪い。初手にペンで印がついている。自分が売ったやつだと言う人はお名乗りください。
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手筋

タイトル 著者
 COMMENT
歩の玉手箱 桐谷 広人
(六段)
 1995年5月24日第1刷発行。2003年7月購入。
 本屋になんと初版本が置いてあった。「将棋は歩から」と悩んだのだが、まずは簡単なほうからと思い買った。まさかこの4ヵ月後、文庫で出るとは思わなかった・・・。
 歩の手筋が30個ほどに分類され、どういうときに使うかなどの簡単な解説がされている。将棋を指していると一番よく手に入る駒が歩であり、歩の使い方がうまくなれば将棋が強くなるのは極々わかりやすい話である。中盤歩を叩いておくだけで局面が全然違ってくる場合もある。えばぁもそのうち余裕があれば「将棋は歩から」を買おうと思っているが、簡単に済ませたい人は文庫本も出たことだしこちらを買うのがいいと思う。  (Apr.2004)
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駒落ち

タイトル 著者
 COMMENT
最強の駒落ち 先崎 学
(八段)
 2004年11月20日第1刷発行。2004年12月購入。
定跡なんてフッとばせ
(MYCOM将棋文庫)
湯川 博士
(アマ)
 2003年6月14日第1刷発行。2004年12月購入。1985年出版の本の文庫版。
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その他

タイトル 著者
 COMMENT
先崎学の実況!盤外戦 先崎 学
(八段)
 2006年5月購入。原稿が相当溜まっているはずの「浮いたり沈んだり」が単行本で出ず、その代わりなのか8割がた書き下ろしで文庫が出た。
将棋界の真相 田中 寅彦
(九段)
 2004年11月30日初版発行。2005年1月購入。
 『囲碁界の真相』と言う本が先にあり、その流れで話が来たらしい。タナトラの本は図書館で『羽生必敗の法則』とか言うトンデモ本を読んでから信用しないことにしていたが、さすがにそんな内容になるような題ではないので買ってみた。
 個人的には、別に真相に触れてる感じもせず、「ふーん」と読み進んだ。あまり知らない人でも読めるようにしたからだと思う。上の2冊(先崎のエッセイ)を読んでいるえばぁには、時期的なもの(羽生七冠のころの裏話とか)以外は、あまり真新しいと思うようなことはなかった。 (Feb. 2005)
まわり将棋は技術だ
先崎学の浮いたり沈んだり2
先崎 学
(八段)
 2003年11月30日第1刷発行。2003年12月購入。  定跡書ではなく、先崎のエッセイである。先崎の交友関係や棋士の裏話、去年(2003年)のA級順位戦最終局のことなどがいろいろ書いてあるのだが、とにかく面白い。棋士のことをある程度知っていれば尚更。「こんな棋士が・・・」と言うような話がたくさんある。余談だが、この本の中で先崎が森ケイ二のNHK講座(終盤の講座)を絶賛したことがきっかけで、「寄せが見える本」が出版されたような気がする。  (Apr.2004)
先崎学の浮いたり沈んだり
(文春文庫)
先崎 学
(八段)
 2004年10月10日第1刷発行。2004年10月購入。
 『週刊文春』に連載しているエッセイをまとめたもの。2002年6月に単行本で発売されたものの文庫版である。  この本の文章は、先崎がA級にいた時期と丸かぶり。連載を打診されたときにA級(1期目)の1回戦を負けていて、この本の最後にちょうど(?)A級(2期目)から降級する。
 好きなのは2回に続く『兵法に背く』。2001年7月JT杯・対佐藤戦の話で、よくネットでやってる人がいる将棋が見られるのだが、それより何より、この形を指すに至るまでの流れが笑える。 (Feb. 2005)
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