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  レストラン “シルビア” でのディナーは満足だった。味もさることながら、ハーレムのレストランで食事をした!という体験が嬉しかった。日本にいたときには想像もしなかったことだ。これでクリントンに会えていたら!と思うのは欲張りすぎか?さぁ、このあとはツアーのメーン、St.Nicks Pub” でライブだ。外に出るとあたりは暗くなってきている。ハレムを走ってて感じるのは、街全体が暗いこと。昼間もそうだったが、夜はもっと薄気味悪い。ツアーだからいいが、個人では怖くて来れないだろう。よく見ると街灯があんまりない、だから街全体が暗いみたいだ。そしてどの街角にも10数人、人が立っててブラブラしている。なかにはチェスをしているのも見かけたが。「これがハーレムで有名な、“スペンディング・タイム・スタンディング・アウト・オブ・ザ・コーナー”ですよ。家の中にいてもすることがないので、ああやって外に出て時間を潰しているんです。」 とトミーさんが説明してくれた。日本でもよく、コンビニの前でヤンキーのオニイチャンたちがたむろしているのに似ている気もする。状況、雰囲気はだいぶ違うが。「ここに昔デューク・エリントンが住んでました。」 「ここが私の家です。」 などトミーさんの説明を聞いてるうちに車は、“St.Nicks Pub” に着いた。ハーレムの、“St.Nicks Pub” と聞いてピンときた人は音楽通だ。そう、去年あのスティービィー・ワンダーがフラリと立ち寄って飛び入りで奏したというクラブ。噂には聞いていたがまさかここだったとは。店内に入っていくと場末のバーという感じでけっこう怪しい雰囲気だ。オレたちに用意されていた席は、ステージ最前列の一角だった。ドリンクが2杯までついているという。オレはアルコールが苦手なので、ソフトドリンクにしようかと思っていると、「是非ここの、“ハーレムパンチ” というカクテルを試してみてください!飲みやすくて美味しいですよ!」 というトミーさんのこの言葉につられ、“ハーレムパンチ” にトライすることにした。ネーミングからしてオシャレだし、カクテルを飲めないオレがおかわりをして、生まれて初めて、「カクテルが美味しい!」 と思うほど飲みやすくて美味しかった。

   

        St.Niks Pub の店内!けっこう怪しい雰囲気でイイ感じ!
               (149thSt.St.Nicholas Ave)


 だんだんとメンバーが集まってきた。今日の出演は シュガーヒル・カルテット、ゲスト出演にミッツィー・ベリー(女性)だ。シュガーヒル・カルテットは、サックス、キーボード、ベース、ドラムスの4人で構成され、サックスのペイシェンス・ヒギンスは、サウスカロライナ出身、デュークエリントンオーケストラのメンバーとしても数回ジャパンツアーに参加している。キーボードのマーカスはシカゴ出身、過去にディジーガレスビー、ウィリーコロン等の大物と共演している若手実力派。ベースのアンディはニュージャージー出身、エルビンジョーンズをはじめ一流ミュージシャンとの共演で、30回以上日本公演に参加している。ドラムスのデーブはフィラデルフィア出身、カウントベーシーオーケストラ等との共演で日本に知られている。ゲストのミッツィーベリーはハーレム出身、元コットンクラブの専属シンガー。ハーレム・ゴスペルシンガースのリードボーカルとしてワールドツアーに参加、ヨーロッパでもかなり知られた存在。どうでもいいけど凄いメンバーなんじゃないの?予想通り、彼らのライブは素晴らしかった。聞いていて感極まり、自然と涙が出そうになるほど素晴らしかった。特にミッツィーベリーの迫力ある歌が印象に残る。ライブはノリにノリ、2時間の予定が3時間を超えるという嬉しいハプニングのオマケ付きだった。ライブ終了後シュガーヒルのサックス、ペイシェンス・ヒギンスのCDを買い、サインをしてもらった。このメンバーは今年の7/17〜7/21まで、トミーさんが引き連れ、横浜ランドマークタワーの10周年記念でハーレムナイトコンサートを行うらしい。オレたちは大満足でクラブをあとにした。帰りの車でもみんな興奮冷めやらずという感じ。本当に夢のような一夜で、ホテルに着いたのは深夜1:00をまわっていた。今夜はいい夢が見られそうだ。

   

シュガーヒル・カルテットのメンバー!    ライブはノリノリだった!

   

ペイシェンスヒギンスとミッツィーベリー! ミッツィーベリーは迫力満点だった!

   

トミー富田氏とミッツィーベリー!右の白いスーツの彼はハーレムに住むオジサン!
歌がうまいのでギャラの代わりに酒をタダで飲ましているとか!今年で70才!




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