作品名 | グウドル氏の手套 |
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さくひんめい | ぐうどるしのてぶくろ |
初出誌 | 別冊文藝春秋[1] |
初出号数 | 1953年12月37号[1] |
文庫/全集 | 巻 | 文庫本名/副題 |
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新潮文庫 | - | 姨捨 |
旺文社文庫 | - | 猿狐・小盤梯 他八編 |
講談社文芸文庫 | - | 補陀落渡海記 |
井上靖小説全集 | 10 | 伊那の白梅・大洗の月 |
井上靖全集 | 4 | 短篇4 |
時代 | 明治〜昭和 |
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舞台 | 長崎県(長崎市丸山、料亭花月、坂本町の外人墓地)、静岡県(伊豆、天城湯ヶ島)、東京都(麹町の赤十字旧本社) |
あらすじ | “私”は九州を旅行した時に立ち寄った長崎で、明治時代の二人の物故者を偲ばせる遺物を偶然にも見つける。そして、その二人と“私”に多少の関係を持たせた、曾祖父の妾であり、幼い頃に自分を育ててくれた“おかの婆さん”に思いを馳せる。一つは丸山の料亭に飾られていた、おかの婆さんからこの世で最も尊敬すべき人物として吹き込まれた松本順の筆蹟であり、もう一つは坂本町の外国人墓地で見つけた、若い頃のおかの婆さんに手套を与えてくれていたかも知れないグウドル氏の墓だった。 |
作品について | “私”とは井上靖のことであり、作品に登場する曾祖父の潔も、潔の妾のおかの婆さんも実在の人物。実際に潔は松本順(松本良順)の弟子であった。 |
作品名 | 関連 |
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あすなろ物語 | 井上靖が自身をモデルとして、鮎太少年の少年時代から成長して壮年期に終戦を迎えるまでを描いた作品。おかの婆さんはおりょうとして登場する。 |
しろばんば | 自伝的小説三部作の一作目で、洪作少年(=井上靖)の小学校時代までを描いた作品。『しろばんば』で描かれるのは井上靖がおかの婆さんと土蔵で暮らしていた時代であり、おかの婆さんはおぬい婆さんとして登場する。 |
[1] 井上靖ノート