作品名 | 貧血と花と爆弾 |
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さくひんめい | ひんけつとはなとばくだん |
初出誌 | 文藝春秋[1] |
初出号数 | 1952年2月号[1] |
文庫/全集 | 巻 | 文庫本名/副題 |
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文春文庫 | - | 貧血と花と爆弾 |
角川文庫 | - | 貧血と花と爆弾 |
井上靖小説全集 | 4 | ある偽作家の生涯・暗い平原 |
井上靖全集 | 3 | 短篇3 |
時代 | 昭和25年12月〜昭和26年9月 |
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舞台 | 大阪府(梅田、西宮)、東京都(銀座、築地)、滋賀県(伊吹山、米原) |
あらすじ | 新聞社で事業部長をしている木谷竜太は、新聞社が新たな事業として始める日本最初の民間放送会社を任されることになる。放送会社の設立に奔走する木谷だが、新聞社にいた頃に話があった秋に来日する世界的なヴァイオリニストの演奏権を、ライバルである新聞社が獲得したこと知る。木谷は、ヴァイオリニストが来日した際の、日本でのただ一回の独占放送権を獲得しようとす画策する。 |
作品について | 主人公の木谷は、井上靖の毎日新聞社記者時代の同僚である小谷正一をモデルとしている。作品中では、木谷が「A日本放送」設立とヴァイオリニスト「ラーネッド」の放送権獲得に奔走する姿が描かれているが、実際に小谷は1951年の「新日本放送」(現在の毎日放送)設立に関わっており、新日本放送は小谷によって、朝日新聞が招聘したアメリカの世界的ヴァイオリニスト「ユーディ・メニューイン」の独占放送権を獲得している。小説の内容は、ほとんどの部分が事実に基づいて描かれている(らしい)。[5] |
作品名 | 関連 |
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闘牛 | 『闘牛』の主人公・津上は、『貧血と花と爆弾』の主人公・木谷と同じく小谷正一をモデルとしている。津山は「大阪新夕刊」の編集局長となっているが、これは「夕刊新大阪」時代の小谷であり、実際に小谷が行った西宮球場での闘牛開催を作品化している。[5] |
黒い蝶 | 『黒い蝶』の主人公・三田村は、『貧血と花と爆弾』の主人公・木谷と同じく小谷正一をモデルとしており、当時の小谷は実際にソ連のヴァイオリニスト招聘を実現している。[5] |
[1] 井上靖ノート
[5] 文春文庫『貧血と花と爆弾』〜解説(福田宏年)