作品名 | 黒い蝶 |
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さくひんめい | くろいちょう |
書き下ろし長編小説 | 1955年10月10日、新潮社刊[1] |
文庫/全集 | 巻 | 文庫本名/副題 |
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新潮文庫 | - | 黒い蝶 |
井上靖小説全集 | 9 | 黒い蝶・射程 |
井上靖全集 | 11 | 長篇4 |
おなまえ | 記事No. 日付 |
書き込みから |
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座禅草さん | [987] [988] 2003/05/14 |
交通事故で死んでいく瞬間、ムラビョウフとわけの分からない言葉を残してく美少女の言葉から始まる小説です。 「黒い蝶」で絶対に面白いのは主人公に騙される大富豪の性格でした。作品中での存在度は30パーセントですが、どうしたらこんな性格を思いつくのかな、と思いました。面白かったですよ。 |
座禅草さん | [996] 2003/05/21 |
987番で「黒い蝶」の美少女の死因は病気でした。覚え間違いすみません。「お薦め」だけしてしまったので、気になり大急ぎ、久しぶりに読み返し。・・・タイヘン、オモシロカッタ、デス。 でも今回は「面白ければ良いのか」という疑問にもぶつかった。 こんな感想は、こちらが年を取って分別臭い読者になったせい? 大国米ソに気兼ねの日本外交事情がよく出ているが、今日の会話と全く同じ。「拉致」の言葉さえもあって、笑ってしまった。「ソ連」が「北」に変わっただけ。 小説導入部分のおかしさは抜群です。 読み終わってみると、全ての事件と登場人物の狂乱が、最後の美少女の呟き1点に吸い込まれて、瞬間に作品の印象はがらりと変わってくる。 |
三毛猫さん | [1003] 2003/05/30 |
恋愛小説などを旺盛にかかれていた頃の作品だと思っていましたが、初期のものだったんですね。恋愛小説でもなかった。読んでいる間中、ソ連の音楽家は日本にはやって来ないのだろうと、そのような結末を踏んで読んでいたのですが やってきましたね。そのことにとても感動し、そこに先生の若さを感じたような気もするのです。そして亡くなった娘の魂が呼び寄せたことを読者として忘れないで読んでいたはずなのに、ストーリーの面白さに夢中になっていた私に、あの娘を忘れてはいけない、とガツンと言われたようでした。わたしにとって目新しい先生の作品でした。いい小説でした。 |
[1] 井上靖ノート