猟銃

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作品情報

作品名 猟銃
さくひんめい りょうじゅう
初出誌 文学界
初出号数 1949年10月号

収録状況

文庫/全集 文庫本名/副題
新潮文庫 - 猟銃・闘牛
井上靖小説全集 1 猟銃・闘牛
井上靖全集 1 全詩篇・短編1

作品紹介

時代 戦後
舞台 静岡県(伊豆、天城、熱海)、兵庫県(夙川、蘆屋(芦屋)、明石、三ノ宮駅)、京都府(洛北・八瀬、山崎・天王山)
あらすじ

‘私’は、「猟友」という雑誌に「猟銃」と題する一編の詩を掲載した。その詩は初冬の天城ですれ違った猟人をモデルしていたが、その後、三杉穣介なる人物から、その人物は私でないかという手紙と、三人の女性が三杉宛に書いた、三通の手紙が送られてきた。そして、その三通の手紙とは、三杉穣介の妻・愛人・愛人の娘からの手紙だった。

ちょっと一言

おなまえ 日付 ちょっと一言
さん 2003.02.18

NHKで名作の朗読をする番組があり、そのなかで私は猟銃という作品を始めて知った。いまは携帯電話のメールで用事が済まされる時代であり手紙を書く機会を持たない私にこの作品は手紙の美しさとその美しさゆえの残酷さを教えてくれた。そして、罪というものは誰かを傷つけること自体ではなく、その行為をしたことに自分が苦しむことによって本当の姿をみせるのだと私は感じた。

掲示板から

おなまえ 記事No.
日付
書き込みから
伊豆さん [28]
2000/03/14

今、手元に「なつかしの日本映画ポスターコレクション」という本があります。この本に「猟銃」と「氷壁」と「憂愁平野」の当時のポスターがちょうどいい縮写で載っています。ここでポスターに書かれている言葉を紹介したいと思います。映画だけでなく、原作にもぴったりだと思うので。

「猟銃」
豪華スターで描く、女の愛のすべて!
「氷壁」
愛と死の大ロマン!日本中の女性が待っていた井上靖の傑作小説の映画化!
「憂愁平野」
恋してはならぬと
心に誓った
あの人を
それでも
慕う
私は妖精

とくに「憂愁平野」は(時津)美沙子の(納所)賢行へのせつない愛が大変うまく表現されていると思います。

さん [692]
2002/06/10

もともと書簡体の小説は読んでる最中に
「こんな長い手紙ってホンマにあるの?」とか
「どんな分厚い封書やねん!」とか
実に詰まらない事を考えてしまって、苦手にしてました。

だから、初読の時は同時期の「闘牛」の方に軍配を上げましたが
今回、偏見を捨てて向かってみると、、、、、
いや〜、イイですねい(何を今さら!!)
たっぷりと作品の世界に浸ることができました。

一度気に入ると、薔子の手紙の中の
「おじさま 穣介おじさま」のリフレーンも心地良い(笑)

映画化情報**

映画の題名 猟銃
制作 松竹
監督 五所平之助
封切年月 1961年1月
主演俳優 山本富士子、鰐淵晴子

参考

[2] 旭川市・井上靖記念館ホームページ

文庫本限定!井上靖館作品