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蜘蛛のようで蜘蛛でない虫:ザトウムシ

  山歩きをしていると森の中でこの虫をよく見かけます。豆のような体と8本の細長い足が特徴で、ゆらゆら歩いている姿が印象的です。この虫はザトウムシとよばれ、緑色、オレンジ色、黒色など種類も豊富です。ザトウムシのエサは主に虫で肉食性。弱って動きが遅いものや、死んだ虫などを捕らえているようです。写真左のザトウムシは、ヨコバイをエサとしてくわえています。エサを捕らえるのは口の近くについている触肢で、細長い足は歩行専用であり、クモのようにエサを捕らえるためには使いません。写真右のように細長い足を失っている個体もよく見かけます。鳥に襲われたときなど、足が容易に取れるようになっていて本体を守るはたらきもしています。

クモと違って糸を出しませんが、その他大きく違う点は腹が分かれていないという点です。昆虫は「頭」「胸」「腹」がくびれて3パートに分かれているのに対し、クモは「頭胸部」と「腹」の2パート。ザトウムシの仲間は「頭」「胸」「腹」の区別が無く一つの豆のようになっています。