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先攻高槻高校はキックオフされたボールを自陣40ヤード付近まで戻すと、中央突破ラン5ヤード後の第2Dに、RB#23が右オープンをスピードで駆け抜けてわずか2プレーで先制する。さらに、続く大産大附属高校攻撃中のファンブルボールを拾い上げてそのままエンドゾーンへ持ち込んで速攻の2TD差とした。 この2TDが高槻高校に試合最後まで優位な展開をもたらすことになるのだが、大産大附属高校もこの差を詰めるべく追い上げていく。 大産大附属高校オフェンスは、QB#18によるショットガンとセットバックの併用によるランパスバランスアタックで第1Qに1TDを返すと、第2Qにもオプションプレーを絡めながら敵陣エンドドーン目前8ヤードまで到達する。だが、ここからのランパスを高槻高校ディフェンス陣に遮られて3点を詰めるに留まった。 第2Q残り1分54秒からの高槻高校攻撃は、自陣43ヤード付近から。そして10ヤードミドルパスが連続ヒットとなる。大産大附属高校DLのプレッシャーが全くQBに届かなず、空いているターゲットを探してヒット、さらに第2・3列が後退する好循環/悪循環によって前半終了間際にFG3点を追加した。 ******** 試合前半は攻守ともライン戦で高槻高校が上回る状態にあり、高槻高校オフェンスは中央ランプレーで1回5ヤード以上前進し、パスも連続ヒットしていた。一方の大産大附属高校オフェンスは、ラインが押し込まれることを見越したのだろう、左右への早いボール回しでプレッシャーから逃げながらというプレー組み立てとなった。ただパスに関しては高槻高校のパスカバーに甘いこともあって、速いタイミングパスだけは連続ヒットする状況だった。 したがってライン戦では苦しんでいた大産大附属高校だったが、逆転に向けて追い上げる姿勢は後半も衰えることはなかった。 ******** 第3Q、大産大附属高校の攻撃で再開すると、再びランパスで敵陣へ侵攻する。しかし第2D5ヤードを残した中央突破ランがノーゲインに終わると、第3Dパス失敗、そして第4Dピッチプレーを高槻高校ディフェンス陣に見抜かれてギャンブル失敗に終わってしまった。 そして続く高槻高校の攻撃で中央突破ランが止まらなくなってしまう。1回10ヤード超のゲインを繰り返し5回のFD更新の末にTDを挙げて14点差とする。 これに対して大産大附属高校もミドルパス連続ヒットで1TDを返して再び7点差まで詰め寄るのだが、ここまでだった。第4Q、高槻高校は再び約8分のランドライブを繰り広げて試合を決めた。 ******** 高槻高校が、試合序盤に速攻で得た2TDとライン戦で優位だったことで、終始高槻高校ペースの試合になった。だが大産大附属高校オフェンスの追い上げも執拗で、劣勢のライン戦を緩急織り交ぜたプレー組み立てで挽回を図る。しかし、相手陣に入りながらFGとギャンブル失敗に終わった2シリーズが、数字上序盤速攻で失った2TD分に相当してしまった。 この2シリーズの最終2プレーは、いずれも左ミドルパスとロングピッチランだったのだが、ここを見切った高槻高校ディフェンスLBDBのカバーが上回ったということだろう。 高槻高校オフェンスは、OLのパワーとそこをすり抜けるスピードのあるRB陣の活躍が光った。さらに、リターナーもスピードがあって優位なフィールドポジションを得ていたことも大きい。 ******** この結果、高槻高校は関西大倉高校とともに関西大会出場を決め、また24日の大阪府大会決勝戦で対戦する。一方の大産大附属高校は大阪学芸高校と3位決定戦を行い、その勝者が関西大会へ進むことになる。 |
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前半は神戸大学が攻守ともラインが押し込まれてしまったこともあって、甲南大学のペースで試合が進んだ。甲南大学QB#11歳内キープやRB#5山本の中央突破ランが1回10ヤード近いゲインとなって1TDをあげ、さらに次のシリーズもFGレンジまで侵攻した。 一方の神戸大学はQB#7多和によるノーマルI中心のオフェンスだったが、RB#1による中央突破独走70ヤード超TDランはあったものの、ほとんどのプレーでOLが押し込まれてしまい、LB#99山に再三のロスタックルを見舞われるなどで手詰まり状態だった。 ただ、甲南大学自陣でのファンブルロストがきっかけになって、徐々に神戸大学側に試合の流れが傾いていく。 神戸大学は、甲南大学のホールディングとパスインターフェアで小刻みな前進FDを繰り返して敵陣2ヤード。RB中央突破ランでTDを挙げ、さらにPATは#92へのパスで7点差とし、さらに第2Q終了間際の残り26秒、RB#29の腰の低い中央突破が70ヤードTDランとなった。 第3Q、神戸大学はRB#92がリードブロック役となったRB#32、#1の中央突破ランで得点を奪い、一方の甲南大学もWR#80へのクイックパス+DB隙間を縫ったラン計70ヤードのTDパスランとRB#5山本の中央突破30ヤードTDランで追い上げたが、28−20でタイムアップとなった。 ******** 神戸大学オフェンススタイルは昨年までのショットガン併用からI中心へと変わっていた。これは、やはり充実したRB陣の存在によるのだろう、#1、#2、#29、#32、そしてブロック専門の#92という陣容である。パスターゲットも、#12、#19と#92。RBとTEのマルチ起用されている#92は、今年のバックスキーマンの一人になりそうだ。 序盤はOLが押し込まれていたのが、そのうち解消するだろう。今年の神戸大学オフェンスは、ここ数年で比較してみると最も充実しているように見える。 一方のディフェンスは全体的に戸惑っているような印象だったが、まだスタートしたばかりなので。 甲南大学は今年もDIV2所属となるが、ラインは攻守ともサイズがありLB#99山の動きが際立っている。オフェンスはQB#11歳内RB#5山本を中心にパスターゲットも揃い、攻守ともバランスよく充実しているように見えた。 |
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試合の流れを握っていたのは関西学院大学だったが、それはキッキングで優位なフィールドポジションを得ていたからであって、オフェンスディフェンスは新年度が始まったばかりということもあって、コンビネーション不足をうかがわせる試合内容だった。 関西学院大学の先制点はLB#4橋本が日本大学のパスをインターセプトしてそのまま15ヤード走り抜けたリターンTDであり、次の得点も#91のキックオフリターンでエンドゾーン手前15ヤードまで大きく戻したプレーがきっかけになっている。 それ以外の前半3シリーズをFD更新なしのパントで終えており、特にライン戦で均衡から押し負けていたので、ランプレーがゲインできずパスも投げ急ぎとオフェンス全般に苦しんでいた。 だが第2Q最後になってようやくQB#10出原のショットガンドライブがつながった。自陣20ヤードからWR#81へのショート〜ミドルレンジのパス3本の他に、ロールしながら探し出したフリーレシーバー#91へのミドルパスなどで4回のFD更新の末に、約2分30秒のTDドライブを完成させた。 ******** 一方の日本大学オフェンスはQB#11のショットガンパスが冴えていた。第1Q関西学院大学に先制された直後、自陣18ヤードから始まったシリーズでは横パスやHB#31の中央突破ラン10ヤード、さらにWR#25、#18をパスターゲットとした中央ミドルパスがDBの隙間にヒットさせて4回FD更新というテンポの良いドライブで得点につないでいる。 さらに第2Qにまたがるシリーズでも、自陣20ヤードから20ヤードぐらいのミドルレンジパスをつないだ60ヤードドライブした。 これは関西学院大学第3列の連携不足による穴でもあるのだが、そのポイントにレシーバーが入ってそこへパスがジャストタイミングで飛んでくるというQBWRの関係が春の段階で確立されていることを示している。 なお、関西学院大学の連携不足は、第2・3列間でも選手のローテーションを行っていたこともあり、ポジションがまだ固定されていないことも影響がありそうだ。 ******** 試合後半、関西学院大学はQBに三原を起用したが、リターンTDとリターンで敵陣スタートとなったシリーズの計2TDにとどまった。 一方の日本大学は、第4Qに関西学院大学の反則(交代違反・パスインターフェア)を得てエンドゾーン目前8ヤードをリバースプレーで得点した。 さらに残り1分21秒自陣30ヤードから#23などへの短いパスをつなぎつつ時計を止めつつのドライブを展開して、エンドゾーン前3ヤードに到達したのが残り16秒だった。 ここで日本大学は、Iフォーメーションから中央ランをフェイクしたプレーアクションパスが左コーナーへのTDパスとなる。日本大学ショットガンオフェンスと一風変わったスタイルで得点した。 ******** 日本大学はキッキングカバーがもう少しシステマチックに機能していたならば、この試合は結果が変わっていたかもしれない。関西学院大学の得点3TD分はロングリターンが絡んでいる。 ライン戦は攻守とも五分の関係もしくは若干日本大学が上回っており、さらに、サイズも日本大学が上回っていた。 7月に日本大学の試合をもう一度見る機会がある。大型ラインと精度の高いショットガンオフェンスがどこまで発展しているか。7月3日の京都大学戦@王子は面白い試合になりそうだ。 ******** 関西学院大学は攻守とも本格的に動き始めた直後ということなのだろう、どちらもシステム的には複雑なことをしないで、さらに無用な反則も多かった。 しかし昨年の春初戦明治大学戦でも同じような試合展開だったが最終的には関西覇者まで上り詰めている。今年もここから大きく変わっていくのだろう2005年シーズンが始まった。 |
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先攻立命館大学はリターナー#22のリターンによって自陣42ヤードからのオフェンススタートとなる。ショットガン隊形でQB#12から右パス#11へ18ヤード、#89へ12ヤード、そしてRB#34の中央ハンドオフラン11ヤードというミドルゲイン連発で敵陣17ヤードに到達、最後はWR#89へのパスで約1分40秒の速攻TDドライブを完成させた。 さらに次のシリーズもショットガンで自陣からドライブして敵陣15ヤードへ。しかし早稲田大学が徐々に慣れてきたこともあってDLDBによってパスが通らなくなり、FG3点にとまる。 ******** 第1Q最終シリーズからはQB#3に交代すると、再びショットガンドライブが機能し始める。まずRB#33、#34のランプレーで2回のFD更新。第3D10ヤードを残した第3DではQB#3がパスからスクランブルに切り替えて10ヤード前進すると#88へのインパスがヒット、DBを振り切って約40ヤードのTDパス+ランとなった。 次のシリーズも#5への短いパスや探し出したフリーレシーバー#22へのパスなどで自陣からフィールド中央までドライブを演出する。途中で第3Dに5ヤードを残すシーンが続いたのはOLの押しとパワーランナー不足によるところもあるが、窮地をクリアしつつフィールド中央までドライブしている。 QB#3のオフェンス3回目は第4Qにミドルゲイン2発(#46へのスクリーンパス22ヤード、#5へのアウト22ヤードパス)を絡めて得点をあげた。 ******** 立命館大学QB3人目#16は第2Q終盤に登場、そして約2分の60ヤードドライブ、そして約40ヤードの2ミニッツFGドライブを、RB#34へのスクリーン、WR#5、#27、#11、#88へのショートミドルパスでつなげた。 さらに第3Q最後の75ヤードドライブと第4Q最後の時間を消費しながらの60ヤードドライブをいずれも得点にまで結び付けている。 ******** 立命館大学オフェンス陣容だが、まずレシーバー陣の人材が豊富すぎる。ショートミドルのパスターゲットはもちろんなのだが、ダウンフィールドブロックでDBを処理する部分でも、皆が十分に動けていたようだ。 RBは#22が怪我から完全復帰したのかスピードランーとして動き回っていたが、さらに、QBが追い込まれたときのパスターゲットとしてスペースを探していた。 OLは押し込まれていたシーンがあったり、またRB陣も中央突破のパワーランナー不足という印象だったが、プレー機会のなかったRBも存在しているので、そのあたりは今後に期待ということで。 ******** ディフェンスは第2Qにカウンタ系のプレーで40ヤードを許し、さらに第3Qから第4Qにかけて約8分におよぶ時間的なロングドライブを許している。だが後半は若干メンバーが変わったこともあり、ほぼ早稲田大学攻撃を完封したといえるだろう。 ポジションで言えばLB#41、#4、#45のスピード、DB#12、#14のコンテインなどが目に付いた。DB陣は一度だけフリーレシーバーを許してあわや約40ヤードのTDパスというシーンがあったが、スクリメージを超えて投じたパスとして取り消しになっている。 DLはQBへのプレッシャーがかからないシーンも多かったが、第3Qの8分のドライブを止めたのも最終的にはDL#90のQBサックロスがきっかけになっており、これから形になっていくのだろう。 ******** 立命館大学の失点は、第1Q先制TD直後のキックオフで、早稲田大学#7田谷野に許したリターンTDによる。#7のスピードが早かったこともあってカバーチームの動きがいずれもワンテンポ遅れてしまい、そのままエンドゾーンまで持ち込まれてしまった。第2Q最後にも同様#7のスピードリターンで50ヤード戻されている。また相手パントをリターンできないなどスペシャルチームはまだまだ未整備のところが多そうだ。 ******** 昨年の長浜ひょうたんボウルは龍谷大学との対戦だった。今年の対戦相手は早稲田大学であり、単純に比較することは不可能なのだが、昨年よりは今年のほうが形になっているように思えた。立命館大学が関西学生4連覇に向けてスタートした。 |
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試合は近畿大学のキックで始まった。リターナーは#1中井。そして75ヤードのリターンTDによって開始わずか16秒、神戸大学が先制した。 続く近畿大学はQB#10岡のスクランブル10ヤード、TE#4橋本へのクイックパス12ヤードでフィールド中央へ到達、立ち上がりにテンポのよさを伺わせるオフェンスを見せる。 ここから左右へ2本のロングパスはいずれも失敗となった第3D、RB#25冨尾がオプションからカットインして中央付近に空いた空間を抜けた。50ヤードTDランとなって近畿大学も6点を返した。(PATキック失敗) ******** 神戸大学QB#7多和によるオフェンスは、序盤、どちらと言えばパス中心の組み立てを行っていたのだが、近畿大学ディフェンスのプレッシャーというよりは、パスターゲットWR#43三輪、#19福田、#88齊藤などとのコンビネーションが合わないことによるパス失敗が続く。 ただし、ランプレーは前回観戦した甲南大学戦同様にOLが均衡以上の力関係にあったので、ドライブできる可能性を秘めたプレーが、少し見えていた。 近畿大学オフェンスは、RB#7樋口、#25冨尾、#21尾下、そしてQB#10岡によるランは進んではいるのだが、神戸大学ディフェンス第2・3列のコンテインコースに課題を残すためのゲインとも考えられそうだ。違ったディフェンスに対しても同じくらい機能するかは、少し不明なところがある。 神戸大学ディフェンス側から見ると中央付近のランプレーは数ヤード程度に止めているので、DLLBの前へのプレッシャーは効いている。だがオープンへのピッチプレーに対しては、必ずディフェンス1人不足してしまっている状態が最後まで続いた。近畿大学第2・4Qの得点は、これによるロングゲインがきっかけになっている。 ******** 神戸大学オフェンスが第2QからRB#1中井、#29中桐、および、QB#7多和による中央突破ランプレーを多用、このランプレーをメインに少しだけパスを混ぜるという組み立てに変わっていくと、ドライブの兆候が見えてきた。 試合前半は、ロングドライブのみで得点には至らなかったのだが、第3Q最初のシリーズでRB#29中桐、#1中井による中央突破ランを中心とした所要時間5分90ヤードのロングドライブで得点する。 さらに、#5清水による2ヤードのパントリターンTDという珍しい得点も加わって試合は一気に神戸大学ペースへと傾いていった。(2ヤードパントリターンTD:近畿大学エンドゾーンを背負ったパントでスナップボールを後逸する。パンターは蹴ることはできたのだが、真上に上がってしまい、それを神戸大学#5がキャッチして目の前のエンドゾーンへ飛び込んだ。) ******** 続く近畿大学は、オプションオープン24ヤード、スピアリング15ヤード、オプション12ヤードなどのビッグゲイン連発でTDをあげる。ここで同点に追い付くべく2ポイントPATを選択するが、ロールパスをDLにカットされ、2点差が残ってしまった。 ここで神戸大学は再び約5分65ヤードのTDロングドライブ行った。RB#1中井、#32竹内のランと、WR#19福田へのミドルパス30ヤードなどで前進、そしてゴール前8ヤードからのTDプレーは、左2レシーバーがDBを内へ釣った裏へ入ったRB#29中桐へのパスが決まった。 ******** 神戸大学オフェンスは、時間が経過するにつれてQB#7多和によるランパスバランスアタックが機能するようになっていった。今年のオフェンスは、RB陣の人材が豊富でOLも揃っておりランプレーは十分に計算できそうだ。スタイル的には「ラン中心の時々パス」が合っているようだが、レシーバーの人材も豊富であり、パスにも期待。 ディフェンスは、オープンピッチに対する動きが今後の課題か。6月5日の関西学院大学戦では第2・3列がどこまで機能するかが試合の行方を分けるポイントになりそうだ。 ******** 近畿大学オフェンスはRB、TEなどバックスのタレントは豊富で、さらにレシーバー陣のダウンフィールドブロックもあってビッグゲインを連発していた。ただ。もう少し整備されたディフェンスに対して本当に機能するかなど、もう少し試合を見てみたい。 |
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先攻関西学院大学のオフェンススタート地点は自陣20ヤード付近。QB#10出原によるショットガンフォーメーションからWR#85秋山などへの10ヤード付近のパスをつなぎ、さらに自身のキープも加わってフィールド中央に到達した。 だが、ここから、右コーナーロングパスをDB#37吉田にカットされ、続く左ミドルパスをDB#21金にインターセプトされてしまう。 日本大学戦同様テンポの悪いオフェンスが続くのかという思いが一瞬頭を過ぎったのだが、この日は違った。 QB出原は、その後の全4シリーズをショットガンからのランパスで4TDを奪うというベストのパフォーマンスを展開した。 オフェンス2回目は自陣47ヤード付近から。ハンドオフフェイクのQBキープ2連発計19ヤード、さらにフリーとなったパスターゲットWR#91萬代を探し出して24ヤードのパスをヒットさせ、さらに、WR#20三浦へのプレーアクション11ヤードとテンポよくゲイン、最後はQBキープ5ヤードTDランによって得点する。 第3シリーズもWR#81榊原へ中央20ヤード、WR#91萬代へコーナー40ヤードなどで敵陣4ヤードに迫ると、最後はカウンターランで加点する。 さらにWR#81榊原へのインパス22ヤードとQBスクランブル25ヤードのわずか2プレーで3個目のTDを奪い、最後は京都大学ファンブルロストで得たゴール前3ヤードを4プレーで得点した。 ******** この日のオフェンススタイルは、日本大学戦と比較するとQB#10出原のキープが増えているところが一つの注目ポイントだろう。 ショットガンパスにQBキープを加えたことで、ディフェンスを前後に揺さぶって切り崩すことが可能になる。これがテンポのいいオフェンスになった要因と考えられる。 このスタイルはどこかで見た光景であって、今の時期に型にはめてしまう表現は避けたいのだが、ここから更なるステップアップを期待する意味も込めて、あえて文字にすると、それは、昨年のQB河野による強引なQBキープランと同じ風景になる。 RBにパワーランナーが不在であることと、若干OLが押し込まれている風景まで昨年とおなじで、それを打破するための強引なQBスクランブルランである。ただし昨年と大きく違う点はバックアップQBが育っていないことで、怪我が少し怖い。 なお、この日の京都大学ディフェンス陣は、最初のプレーでLBが、さらに途中でもDBが負傷などで戦列を離れてしまっている。ともに中心メンバーだったので、万全なショットガンディフェンスにならなかった可能性は残る。 ******** 京都大学は、第1Q最初のインターセプトによって得た敵陣35ヤードのフィールドポジションをFG3点に結びつけているが、全般にオフェンスは低調だった。 プレースタイルはTフォーメーションからのオープンプレーと中央突破の緩急織り交ぜた組み立てが中心だったが、オープンへのピッチプレーにはLB#49井上、#45磯野、DB#8渡辺などにロスタックルを見舞われてしまい、前半5シリーズでFD更新回数は、中央突破が抜けた1回にとどまる。 そして、この傾向は後半になっても大きく変わるところはなく、1試合通じてのFD更新回数はわずかに4回だった。 なお、この日のQBは4年の#3御澤ではなく2年の#12宮下を起用しているが、まだ春の5月の試合であり、これから調整していこうとする最初の段階でもあり、すべての面で、大きく変わっていくだろう。 ******** 関西学院大学オフェンスも第2Q最終シリーズからQBに#9三原を起用、さらに最終シリーズはQB#19加納が登場している。 第2QはRBへのショベルパスとWR#81榊原へのパスがいずれもミドルゲインとなってFG3点につなげ、さらに第3Q最初のシリーズもパスインターフェアやWR#20三浦へのミドルパスなどでFGにつなげている。 その後はオフェンスが低調になっていくのだが、OL含め若干のメンバー交代があったことによる影響もある。 |
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先攻は同志社大学だったのだが、自陣での攻撃の2プレー目のパスを龍谷大学DB#20島にインターセプトされてしまい攻撃権を失ってしまった。 突然の登場となった同志社大学ディフェンス陣だったが、DLLBが踏ん張って第4D残り5ヤードまで追い詰めたのだが。 QB#12善元からWR#9中川へ中央11ヤードパスでFD更新を許すと、続くRB#1山形オープンランに対するタックルが甘くなった。 オープンプレーに対するディフェンス陣の集まりがよく、プレー的には完全に止まっていたのだが、甘いタックルで生き返ったランナーに抜かれてしまい、20ヤードのTDランとなって龍谷大学に先制された。 龍谷大学オフェンスは続く第2シリーズもRB#1山形、QB#12善元キープ、ダイブなど中央付近のランプレーがミドルロングゲインとなって再び敵陣15ヤード付近まで侵攻する。 しかし、同志社大学ディフェンス陣もようやく動きに慣れてきたのだろうかLB#99沖宗が中央ランプレーでロスタックルを見舞い、TDパスに対してDBが寸前でカットなどの堅守によって失点を防いだ。 そして第2Qになると同志社大学ディフェンスと龍谷大学オフェンスの力関係が完全に逆転して、LB#99沖宗の再三のロスタックルやスクリーンパスに対するDBの早い詰め上がりなどで、龍谷大学攻撃を完全に封じ込めていった。 同志社大学の攻撃はQB#8村上、RB#21山本、#25福山、#1永富、#34、#32平野、#20和田谷、そしてWR#9池田、TE#4天野によるランパスバランスアタックが展開されていた。第1Qはフリーパスをレシーバーが弾いてしまうなどでドライブが点には結びつかなかったが、QB#8村上のパスコントロールと判断のよさが垣間見えていた。 そして試合が均衡状態になり始めた第2Q中盤、WR#9池田へのアウトパス27ヤード(P10+R17)とRB#25福山に中央突破25ヤードで得点を上げると、さらに右WR#9池田へのロングパスではDBに寄られながらもボールキャッチに成功、これが35ヤード(P20+R15)TDパスとなって試合を逆転した。 ******** 試合後半もこの力関係は変わることがなく、同志社大学ディフェンスは副将LB#99沖宗中心にLB#2江上、DL#94藤井、#90赤堀などのフロント陣が龍谷大学の動きに正確に反応してロスタックルを繰り返していく。 オフェンスも巧みな走りを連発したRB#20和田谷や、#32平野、#25福山、そしてQB#8村上と多数多彩なランナーによるランプレー中心に時折パスを混ぜて2TDを加えた。 ******** 今年の同志社大学は、まず攻撃のバックス陣が充実している。RB#1永富の出場機会があったにもかかわらず、際立つところがなかったのは、オフェンスバリエーションが広がるという点で良い傾向にある。 RB陣と比較するとレシーバー陣に手薄の印象があるが、QBパス判断コントロールは優れており、あとはレシーバーの成長を待つのみという状況にある。さらにRBのランプレーを支えたOLも期待できそうだ。 ディフェンスもLB#99沖宗中心によくまとまっており、中盤からは試合を完全にコントロールしていた。5月4日立教大学戦の失点(前半13失点・後半13失点)の詳細理由を知りたいところだが、過去は忘れるとして。春のうちに攻守とも完勝の試合を見ておきたいと思う。もしも攻守がまとまっていけば、秋リーグ戦の同志社大学は、少し楽しみかも。 ******** 一方の龍谷大学だが、オフェンスはQB#12善元、RB#1山形、#7辻本、WR#9中川によるランパスバランスアタックで展開しているが、オフェンス手詰まり後もショベルパススクリーンパスなど色々と工夫した攻撃手段で打開しようとする姿はあった。ディフェンスも各ポジションには核になる選手もおり、攻守とも昨年同様少数ながら精鋭メンバーが育ってくることだろう。春の試合をあと1試合以上観戦予定なので今後の成長に期待。 |
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試合開始直後から立命館大学のショットガンオフェンスが大爆発した。第1シリーズは自陣32ヤードから、WR#5阿南、WR#88大滝、WR#11前田へとつないで5回のFD更新、そして、最後はQBカウンターによって得点をする。 さらに自陣20ヤードから始まった第2シリーズもWR#27和田、WR#11前田へのパスとRB#22佃、#34石井のランで5回のFD更新の末に得点を重ねた。 立命館大学の集中力と団結力の成せる技という光景だったが、OLのパスプロテクションが完璧だったので、DLのプレッシャーを受けずにパスターゲットを探す余裕があったのも大きい。もちろん、この「時間余裕」を感じとったQB#12池野の落ち着いたパフォーマンスも怒涛オフェンスとなった大きな要因である。 この怒涛の攻撃も第2Qに入ると、敵陣での攻撃チャンス2回を無得点に終わってしまい、中休み状態に陥ることになる。 そして第2Q最後に再びWR#88大滝、#5阿南へのショートミドルパスと#11前田へのTDパスで得点をあげた。 ******** ところで、得点したシリーズと無得点に終わったシリーズのプレー内容を比較検討すると少し面白い傾向が見えてくる。 無得点シリーズはランプレーが多く、そのキャリアはRB#22佃とRB#46がメインになっている。ただし最長で7ヤードゲインにとまり、平均4ヤード程度しかゲインできていない。第3Q以降QBOLが交代はしているものの、ランプレーでショートゲインに止まることに変わりはなかった。 つまり、ランプレーでビッグゲインが生まれていないのである。OLはパスプロテクトは完璧だがランホールが空かないということなのだろうか。私は派手なミドルパスに惑わされてしまい、ランプレー時のOLDLLBのパフォーマンスについては、はっきりと把握していない。 WR陣は人材が豊富、さらに、パスプロテクトも完璧、そしてQBパスコントロールも精巧だった。ショットガンパスという点ではほぼ完璧の立命館大学オフェンスだが、パスオンリーでは雨天の試合では、おそらく手詰まりになってしまいそうだ。 春なので、この試合の目標がパス重視ということも十分に考えられるのだが、ランプレーのバリエーションがどのくらい増えてくるのか、少し気にかかる。 ******** 関西大学オフェンスは、4月に行われた法政大学との定期戦と同じように、QB#14森口によるショットガンからのQBキープとRB#22中西のランにミドル〜ロングパスを織り交ぜるという組み立て方になっていた。 だが、立命館大学の強力ディフェンスに対して序盤からほとんどゲインできない状態が続き、試合前半のFD更新回数は5シリーズ中わずかに2回に抑えられている。 後半は、RB#22中西にボールを集中させて、さらにショベルパスなどで一発ロングゲインを狙ったプレーが中心になっていく。それでも後半開始直後は、少しずつだがゲインできていたのだが、ディフェンスが#22中西を集中マークした時点で止まってしまった。 その後は、単発でWR#8北尾へのロングパス55ヤードが決まるなど、QBの肩の良さを示すパスもあったが、レシーバーとのコンビネーションミスやDBの堅守によってパスもつながらなくなり、手詰まり状態を抜け出せないまま時間だけが経過して行った。 この状態でもFG2本で6点を得ているのは、リターナーとキッカーの個人技による。 #17西尾は、コース判断とカットとスピードで30〜50ヤードのリターンを繰り返した。立命館大学は前回長浜ボウルでもリターンを許していてキックカバーに課題はあるのだが、それを差し引いても、スピードは際立っている。リターナー#17西尾の存在は今年の関西大学の大きな武器の一つになるだろう。 さらに、K#20西口が飛距離45ヤードと38ヤードのFGを決めている。極論すると、この2人だけによる6得点になってしまうのが、少し寂しい。 |
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先攻大阪産業大学第1シリーズはFD更新なくパントになるのだが、向かい風が影響したか南山大学リターナーのファンブルによって、大阪産業大学の攻撃が続いた。 だが、大阪産業大学OLと南山大学DLは互角の力関係にあり、さらに南山大学第2・3列LB#41、10、#55、DB#13などがアグレッシブに動いていたこともあって、QB#4キープ、RB#31、#30のオプションに対して早い段階でタックルを浴びせてショートゲインに押さえ込んでいた。南山大学デイフェンスの堅守によって再びパントに終わった。 一方の南山大学オフェンスは、第1Q終盤自陣43ヤードでの第1プレーで、RB#30のドローが中央を抜ける独走のTDランとなって先制すると、第2Qには、所要時間5分半の88ヤードロングドライブで追加点を奪った。このシリーズはランパスを巧妙に織り交ぜて大阪産業大学ディフェンスを振り回している。 自陣12ヤードスタートのこのシリーズは、QB#18キープ左オープン10ヤードを皮切りに、WR#9、RB#30への短いパスとRB#30、#40の中央突破ランによるショートゲインを積み重ねてフィールド中央へ到達した。 そして、ここまでランパスで種をまいたこともあって、中央ランフェイクを入れたTE#8への縦パスが21ヤードヒットへとつながる。さらに敵陣27ヤードからは中央ラン2プレーの後に、再びTE#8への縦パスがTDパスとなった。 大阪産業大学ディフェンスは、最初のQBキープに対して緩いタックルでズルズルと10ヤードゲインを許したことも含め、短いパスとランプレーに対して対応が後手に回ったシリーズだった。 この南山大学ランパスドライブは第2Q最後のシリーズでも展開された。自陣34ヤードから始まったこのシリーズは、RB#40中央突破ドロー3ヤード、TEパス失敗も、WR#19インショート9ヤードとQBドロー13ヤードと、ショートゲインながらランパス混在だったことでディフェンスに的を絞らせないプレーの組み立てになっていた。ランフェイクのプレーアクションパスと、パスフェイクのドローランの組み合わせがディフェンスを翻弄していたのは明らかだった。 敵陣15ヤード、FD更新まで約6ヤードを残した第2D前に南山大学はタイムアウトを行使した。残り時間1分15秒、得点差は13点。 ******** 結果から言うと、ここから試合の流れが変わっていくことになる。 タイムアウトで準備したプレーは左WRへのショートパスだった。これをDLLB?がカットして真上にボールが上がり、大阪産業大学にインターセプトされてしまう。南山大学としては最悪の結果になってしまった。 南山大学のこのシリーズの最低目標はFGによる3点を得ることではないだろうか。16点差にすれば2TDで追い付けない。7点獲得できればベストだが、それよりも最悪でも3点が得られるようなプレーを選択すべきだったと思う。ランプレーでキッカーの蹴りやすい位置を保ちつつ、あわよくばランでFDあるいはTDを取れるプレー。ランで時間を消費しつつ最後のタイムアウトを使い前半終了と同時にFG3点獲得が理想だったのだが。 ******** 第3Q先攻南山大学。自陣37ヤードでの第1D。RBへのフェイク動作を入れてから左ロールのロングパス狙いだった。ただターゲットが空かなかったのか1回空振りをするのだが、その間にもディフェンスが詰め寄ってくる。結局、サイドライン外へ投げ捨てず、サイドライン外へ逃げ出ることもなく、スクリーン気味にライン裏へ投げたボールを大阪産業大学にインターセプトされてしまった。 大阪産業大学オフェンスは後半からRB#29も起用したオプションを展開する。前半は南山大学第2・3列のコンテインに全くゲインできなかったオプションだったのだが、キャリアが変わったことで微妙にタイミングとコースが変わったようだ。RB#29の左オープン22ヤードのゲインによってエンドゾーン前4ヤード。そして再び#29のランによって大阪産業大学が初得点7点を獲得する。 続く南山大学にはまだ余裕があった。自陣からRB#90ダイブ10ヤード、RB#30オープンはボディバランスコントロールで甘いタックルを交わしながら左ライン際を35ヤードゲイン、そしてピッチ10ヤードとランプレーだけでで敵陣19ヤードに達した。 しかし、ここから一気にTDを狙うべくパスプレー3回となったが、それは大阪産業大学ディフェンスに完全に見破られてしまった。特に第3Dではパスに絞って強烈なブリッツが入っている。南山大学はFG3点に止まった。 大阪産業大学の攻撃は自陣25ヤードからだったが、RB#30のオプションラン、そしてQB#4キープランが加わって、オープンへの展開で完全に南山大学ディフェンスが後手に回った。大阪産業大学得点により第3Q残り2分11秒の時点で3点差となる。 ******** 第4Q。南山大学パントは飛距離がなかったが大阪産業大学パントでもスナップボールを後逸、そして南山大学は敵陣30ヤードからの攻撃スタートとなる。絶好のフィールドポジションでの攻撃権獲得は3点差に縮まった直後のことであり、是非とも得点したいシチュエーションではあるのだが。 残り時間10分06秒。 RB#40カウンター中央突破でFD更新直後にディレイ反則寸前のタイムアウトを行使。これが後半2回目のタイムアウトだった。 右コーナーTDパスは、ターゲットと少しあわず、第2D右横RB#30へのパスもDBあがりよくノーゲイン。先と同様ミドルパス狙いの南山大学攻撃を見切った大阪産業大学ディフェンスは、第3Dでブリッツを入れてQBにプレッシャーをかける。DLの中へ投げ捨てパス失敗。こうして、第4Dで10ヤードが残った。残り時間7分半。得点差は3点。 ここで後半最後のタイムアウトを使ってしまった。ギャンブルプレーも候補に挙がったのかもしれないが、結局FGを狙った。 ******** 3点差にFG3点を加えても6点差にしかならず、相手TDで同点から逆転されてしまう。したがってFGを積極的に狙う意味がない。 さらに、最後のタイムアウト要求が審判に認められてしまったならば、それはここが最後の勝負と決まったのだから、FGではなくTDの可能性を残すべくFD更新を狙うべき。 そして、おそらく本当のベストチョイスは、タイムアウトも使わずにコントロールパント(エンドゾーン直前で止めるあるいはサイドラインを切る)を蹴ることだっただろう。大阪産業大学にエンドゾーンを背負った攻撃を強制すれば積極的な攻撃ができなかったかもしれない。そしてパントを蹴らせれば、南山大学攻撃はフィールド中央スタート、タイムアウト残り1回、残り時間4分ぐらい?。このドライブはFGでもいい。 結局南山大学FGは外れてしまい、続く大阪産業大学オフェンスはWR#82パスとQB#4キープというオフェンスエースプレーを連続投入し、そして最後はWR#82への縦パスで試合を逆転し、そのまま大阪産業大学リードのまま試合が終了した。 ******** 南山大学はオフェンスもディフェンスも選手層が厚い。 ディフェンスはLBDBの動きがシャープでLB#10、#55、#41、DB#34、#13、#22などが中央ランにもオープンピッチにも試合前半はほぼ完璧に対応できた。DLは大阪産業大学と互角だったがそれでもLBDBが十分に判断の元で動ける。 オフェンスはQB#18からWR#9、WR#19の内へ切れ込むショートパスとTE#8への縦ショートパス。さらにRB#30、#40、ダイブ用途大型RB#90とスピードサイズボディバランス多様のランナーが揃っている。攻守ともバランスのいい/隙のない陣容である。 しかし、前半と後半では全く異なるチームだった。 ディフェンスは前半はオプションディフェンスでしっかりとランキャリーを絡みとっていたのだが、後半になると、相手RBが変わったことでコースタイミングが微妙に変わっている影響もあろうが(さらに前半後半でディフェンスポジションチェンジあった?)、オープンランに振り回されてしまった。 オフェンスはもっと顕著で、おそらく得意としているプレースタイルは前半のような短いランパスをつなぐスタイルなのだろうが、後半はショートパスが無くなったことで、前半面白いようにゲインしたランパスのフェイクプレーが無くなった。ランかパスか判らない・ディフェンスを迷わせるプレアクションとドローの組み合わせがなくなってしまったことで、単発ゲインに止まる。 組み立てが単調になったことで第3Dロングゲインが必要になり、さらにこのシチュエーションではパスを投げざるを得ず、そして相手にパス狙いを見破られるという悪循環に陥っている。 ディフェンスは相手に変化があったが、オフェンスは相手に関係なく自らがプレースタイルを変えてしまっただけのように見えた。 さらに、第2Q最後のFGを狙うべきシリーズと、第4Q敵陣スタートながらFG失敗のシリーズは、その時の得点差と残り時間を考慮したベストの選択の難しさ。相手ディフェンスに追われたときにサイドライン外へボールを投げ捨てる・走り出る・・・・・ オフェンス組み立て・状況に応じたベスト・・・戦術戦略面に関しては、課題が噴出した試合だった。 ただし、相手が大阪産業大学だったから炙り出されたのであって、この黒星の意味は大きい。秋リーグ戦と冬の入れ替え戦を勝ち抜くためのツールの一つを手に入れたかもしれない。 ******** |
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先攻関西学院大学はQB#10出原によるノーハドルショットガンを展開、そしてRBへのダイレクトスナップでFD更新距離までゲインしたが、ここで痛恨のファンブル、攻撃権が松下電工に移動する。 松下電工は敵陣32ヤード付近で掴んだチャンスをQB#7高橋によるIからのランパスで前進を試みるが、こちらも関西学院大学LB#49井上、DB#8泊などタックルを受けてFD更新ならず、FG3点のみに終わった。 その後も両チームはオフェンスドライブが続かずにパントの蹴り合いになっていった。 関西学院大学は、ショットガンノーハドルで相手ディフェンスを撹乱しながらWR#85秋山のミドルパスなどでフィールド中央付近までドライブするのだが、レシーバーとのコンビネーションが合わずに攻撃権を放棄。 松下電工もWR#22下川へのショートパスとRB#1小林の中央突破ラン24ヤードでフィールド中央までドライブするが、その後は関西学院大学LB#16河合、LB#53柏木などの堅守にドライブが止まる状態だった。 膠着状態は第2Q序盤まで続いたが、松下電工がQB交代直後の最初のプレーでエクスチェンジミスによるファンブルロストによって、関西学院大学が敵陣33ヤードスタートの得点チャンスを得る。 関西学院大学はQB#10出原からWR#20三浦への速いタイミングパスを中央へ入れて22ヤードゲイン、敵陣5ヤードまで迫る。ここからはランプレーを3回試みたが、やはり松下電工鉄壁ディフェンスLB#10東などの鉄壁ディフェンスに遮られてFGで同点に追い付くまでとなった。 松下電工攻撃もWR#22下川へ縦ロングパス40ヤードで敵陣へ入るのだが、続く中央突破ランミドルゲインが反則罰退となって、松下電工もFG3点に止まる。 両チームのディフェンス堅守が続き、そして、試合後半もこの力関係は変わらない。 第3Q、関西学院大学はキックオフ時に得た優位なフィールドポジションをQB#4加納によるショットガンでFGを決めれば、松下電工も相手パスインターセプトから得た敵陣スタートの攻撃シリーズを3回目のFGを決めた。 ******** 両チームともオフェンス側から見るとランでショートゲインに終わりパスコントロールが乱れてパス失敗の繰り返しでドライブが続かない。自陣からフィールド中央までドライブするのがやっとの状態だった。つまり、中央オープンのランとパスレシーバーマークを完璧にこなしたディフェンスがともに相手攻撃を上回っていたことになる。 なお、関西学院大学ディフェンス陣容は、LB#16河合、#49井上、#53柏木、DL#73、DB#8泊、#13岡本など。 また、関西学院大学オフェンス側から見ると、学生VS社会人ほどには松下電工DLに割り込まれていなかったこともあって、QBとレシーバーとのコンビネーションが確立されていないという課題が浮き彫りになってしまった。 両チームここまでのFG計5回は、4回が敵陣スタートのオフェンスによるもので、極論すればパントの代わりにFGを蹴ったということになる。そして関西学院大学K#11小笠原と松下電工K#9太田によるキックの競演会は、全てのFG機会を得点に結びつけて、改めて信頼背の高さを見せ付け合っていた。 さらに、両チームとも自陣からパントを蹴った時は、相手攻撃に自陣スタートを強いているのだが、特に関西学院大学P#11小笠原のパントキックは滞空時間が長い。したがって、松下電工リターナーがボールをキャッチした時点ですでに関西学院大学の選手が届いているのでほとんどリターンできなかった。 ******** 試合は第4Q中盤に動き始める。 松下電工が自陣22ヤードQB#17高橋からTE#2霊山、WR#86野口へ連続ショートパス、RB#20石野クイックドロー中央突破ラン30ヤード、さらにWR#86野口へのクイックパス10ヤードなど初めてのロングドライブをTDに結びつけた。 さらに残り3分18秒自陣20ヤードからのシリーズも時計を使いながら、WR#22下川へのショートパス・ロングパスとRB#20石野ドロー中央突破14ヤードなど先と同じランパスで再びTDへつなげた。 対する関西学院大学は#81榊原の2回連続のキックオフリターンTDによって追い上げを図る。1回目のPATではQB#10出原右ロールのWR#1岸への中央ピンポイントパスで2点を獲得、得点差を2点差にして逆転の可能性を残したが、続く松下電工TD後のPATキックが成功した時点で試合の結果が決まってしまった。 ******** 関西学院大学オフェンスは、最初から最後までリストバンド使用のノーハドルでオフェンスを組み立てていた。秋リーグ戦での立命館大学戦、そして、勝ち上がれば社会人相手のライスボウルのための準備という意図があったのだろう。それがオフェンスの低調の原因の一つと言えなくもない。 春からノーハドルでオフェンスがつながるに越したことはないが、若いメンバーも多いこともあるので、この試合ではノーハドルを経験したということで。 (以上) ******** 6月中旬に私事の小さな山があり、観戦記を書けなかった試合がいくつかあります。特に高校の関西大会では、大産大附属高校や宝塚東高校など工夫された面白い試合を繰り広げていたのだが、それをまとめられなかったのは申し訳ありません。時間があれば少しでも整理しておきたいのですが、秋リーグ戦の準備もあるので、どのようになるか判りません。 また、この「関西学院大学−松下電工」観戦記は実は6月28日火曜日深夜にはUPできる状態まで書き上げたのですが、ファイル操作ミスで完全に消去してしまいました。これまでのHP運営期間(秋9年終了・春9年目)にあって書き途中の文章でさえ誤って消去したことがないのが密かな自慢だったのですが、「やってしまった落胆度」がありまして1週間以上遅れのUPとなりました。 以上、少しの言い訳と決意表明みたいなものでした。 |
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京都大学と日本大学の交流戦は小雨の降る中でキックオフの時間を待った。 日本大学は今春2回目の関西地区登場である。以前ならば年2回の関西登場は当然の出来事と言っても良かったのだが、昨今は関西学院大学との定期戦の2年に1回の関西登場となってしまっていた。 ところで、私がアメリカンフットボールと出会ってから以降で、正確に記憶しているわけではないが、春に関西で2回も日本大学の姿を見ることができるのは始めてではないだろうか。 ******** 試合は日本大学先攻で始まった。日本大学QB#11木村、HB#4児玉、#31金、レシーバーに#25小嶋、#85などを配したショットガンオフェンスは、第1シリーズにプレーアクションパスが中央に30ヤードヒットするも、その後が続かずパントに追い込まれる。 第2シリーズもWR#19松林へ15ヤードミドルパスがヒットするが、続くWR#19松林オープンピッチにLB#41小林、DB#21金の早い上がりでロスゲイン、さらにDLに追われて投げ捨てなど、テンポに乗れないシリーズが続いた。 京都大学は、QB#12宮下によるTフォーメーションからの早いランプレーの攻撃を繰り広げた。 自陣2ヤードから始まった第1シリーズは、RB#19奥原の右オープン、QB#12宮下の中央キープラン、RB#25土屋のランなど、いずれも1回10ヤードの荒稼ぎ。日本大学ディフェンスは対戦最初のシリーズということもあってLBDBの対応が後手に回ったようだ。 敵陣17ヤードQB#12宮下による右OTからカットインしたキープランで先制した。 ******** 一方の日本大学もQB#14山城に交代した第2Q自陣12ヤードスタートのシリーズでロングドライブを見せる。 QBキープ左OT15ヤード、QB#14山城からWR#25小嶋へピンポイント中央パスがDBの隙間へ30ヤード、さらにHB#4児玉のスピードランがディフェンスを振り切って19ヤードとビッグゲインを連発する。 最後はDL#91三井に追われながらもWR#24守屋へのスクリーン気味のパスが通って中央突破28ヤードのTDパスランとなった。 さらに次のシリーズもQB#14山城からHB#31金へのスクリーン9ヤード、QBキープ5ヤード、HB#31金の左OT10ヤード、WR#25小嶋中央パス20ヤード、さらに、WR#80中村への中央パス20ヤードとLBDBの中央縦ラインを前後に揺さぶるプレーが続くいた。 このロングドライブは最終的にTDパスをDBにインターセプトされてしまうのだが、テンポのいいオフェンスだった。 ******** 試合前半の日本大学オフェンスは、ランとパスのコンビネーションが冴えて、さらにボールキャリアのスピードもあって京都大学ディフェンスをコントロールしていった。OLDLのライン対決はほぼイーブンなのだが、バックス陣対決で日本大学が優勢だった。 京都大学オフェンスは、最初のシリーズこそQBキープやRBランで前進できていたが、少しづつ日本大学LB#8長島、#9星野などにインサイドのランを止められてしまうようになる。第2シリーズのFD更新はパント時のパーソナルファウルによるもので、前半のFD更新は実質最初のシリーズのみとなってしまった。 ******** 京都大学オフェンスは、第2Q最終シリーズからQB#3御澤を起用し、さらにワンポイント的に#12宮下も起用するというQB併用スタイルに変更する。 そして後半最初のシリーズでは、タイミングとコースが微妙に異なるQBキープランがヤードを稼ぐ。さらに、この試合始めてのTE#89山本への縦パスを交えてディフェンスを撹乱していった。 自陣23ヤードから始まったドライブは、TEパス17ヤードとQBキープ、RB#25土屋中央15ヤードとミドルゲインを重ねる。 さらに左オープンへのQBキープがディフェンス網をすり抜けて23ヤードのビッグゲインとなって敵陣5ヤード、再びQB#12宮下のキープTDランで京都大学がリードを奪った。 日本大学ディフェンスはインサイドのプレーに対しては柔軟に対応できるのだが、オープンランに対しては時々ディフェンスが甘くなる。前半はLBDBで綺麗なタックルが決まったこともあったが、概ねLBDBのチェイスコースとコンビネーションが曖昧に見える。 LBの段階でボールキャリアのスピードを落としたいのだが、ここをトップスピードで抜かれてしまうと、ミドルゲイン以上は覚悟せざるを得ない。日本大学に限らず関東大学ほぼ全てのチームに見られることであり、このシリーズもこのオープンランがロングドライブのきっかけになっている。 なお、TD後のPAT中に京都大学にパーソナルファウルがあってPATキックを蹴り直している。そしてこれが右へ少し逸れてしまって6点リードにとどまった。 ******** 日本大学は、第3Q終盤にQB#11木村からWR#85への縦ロングパス60ヤードがヒット、DB2人を振りほどいてそのままエンドゾーンに飛び込み、さらに逆転のPATキックが決まる。 続く京都大学は、QB#12宮下のキープ左OTからカットイン13ヤードゲインなどで相手陣35ヤードに到達した時点でQチェンジとなった。 日本大学ディフェンス陣は、サイドチェンジしてる間に京都大学の次のプレーをQBキープにターゲットを絞ったのだろう、第4Q開始直後センタースナップボールがQBにわたった時点でDL#92西畑、#61中村の強烈のタックルが届き、そして、日本大学が試合の流れを引き寄せた。 ******** 第4Q日本大学は自陣10ヤード、HB#4児玉の中央スピードランが9ヤード等でFD更新、QB#14山城とWR複数名によるロングパスフェイクでDBを下げた空間へのWR#85へショートパス、WR#25小嶋上背のあることでパスキャッチ成功13ヤード、WR#2星野へ11ヤードとQB#14山城から様々な方向へショートミドルのパスが飛んだ。 このテンポのいいドライブは自陣10ヤードから始まって敵陣35ヤード地点に達していた。第3D残り5ヤード。日本大学はタイムアウト行使して準備したプレーはシチュエーション的にはセオリー無視のWR#25小嶋中央ロングパスだった。DBとの1対1の状況で確実にキャッチして得点差は8点になった。 続く京都大学は、QBキープやWR#82鋤崎ミドルパス17ヤードで前進するが、左ミドルパスをレシーバー前に割り込んだ日本大学DB#7秀野とほぼ同時キャッチ、審判協議の結果、日本大学のインターセプトとなる。 ******* 第4Q残り時間4分27秒、日本大学自陣15ヤードから始まったシリーズは、WR#25小嶋スクリーン、HB#31金等で前進するのだが、25秒直前まで待つなど、徐々に日本大学プレー選択のポイントが時間消費にシフトしていた。最終的にはフィールド中央付近でパントを蹴るのだが、リターンーキャッチしにくいキックボールにもなって、所要時間4分弱のドライブとなった。 京都大学オフェンスに残された条件は、残り時間32秒自陣16ヤードスタート、タイムアウトは残り2回。QB#12宮下からTE#89山本、TE#87山川へのミドルパスの連発するのだが、敵陣へ入るところまででタイムアップとなってしまった。 ******** 京都大学オフェンスは、TフォーメーションからのQBキープとRB#19奥原、#44森、#25土屋のランとTE#89山本へのパスというオーソドックスなオフェンス組み立てだったが、QB#3御澤と#12宮下の併用がいい方向に機能していた。 WR#82鋤崎へのショートパスがもう少しヒットしていれば、もう少しオフェンス展開が楽になりそうだが、OLが押し込まれている様子もなく、全般的には今年のスタイルが固まったと言える。 ディフェンスは互角のライン戦でさらにDL#41小林、DB#21金、#37吉田など勢いのある選手が存在する。だが第3列の活躍と比較すると第2列LB陣で効果的なプレーが少なかった。LB裏とかDB間へのミドルパスがヒットしてしまっていたが、パスディフェンスは今年も課題になりそうだ。LBDB全体のコンビネーションアップに期待。 5月に関西学院大学に完敗してどうなるかと思っていたのだが、攻守とも今年のスタイルが見える状態になってきた。ひと夏超えて秋にはさらにステップアップしてくることだろう。 ******** 日本大学ショットガンオフェンスはQB#11木村と#14山城をQ毎に交互に起用した。#14山城は自らのキープランでゲインするなどテンポのいいオフェンスを組み当てていた。バックスではHB#4児玉、#31金、WR#85、#25小嶋など充実している。特にQBレシーバー間のコンビネーションボールへのこだわりは近年ではトップレベルにありそうだ。 一方ディフェンスは中心線上はしっかりと構成されているようだ。しかし、止まるシリーズは止まるのだが、止まらないシリーズは最後までドライブを許すという感じがある。「核」というか、「ビッグプレーメーカー」では単独のイメージになってしまうが、あと少し、何かあればという物足りなさを感じる。 ところで、日本大学の関西での勝利は何年ぶりだろう。学生3連覇の最後の年の甲子園ボウル以来のことではないだろうか。 以前の常勝日本大学を知っている人がこの試合を観戦していたならば、実際に目の前で繰り広がられている試合運びの中に全盛期の姿を垣間見ることができたのではないだろうか。ここ数年は試合の形にするのがやっとだったが、試合全体の流れの中での時計コントロールやプレー選択のいやらしさなど、確実にステップアップしていることが伺える試合内容だった。 4月の関西学院大学戦に続いて2回目の関西登場だったが、あいにくの天候にもかかわらず積極的にショットガンからのランパスは一段と精度が増してきていて、楽しみな存在になってきた。攻守とも更なる整備が進めば、今年3回目の関西登場があるかもしれない。 |
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