甲子園&ライス(98年度)

Updated, 1999. Feb. 18 at 01:49 JST.




 今年もまたタイムチャートを作ってみました。98年度の「甲子園ボウル」
と「ライスボウル」について、わたしのメモに基づいて作成したのが、下記の
2個です。(97年の甲子園ボウルタイムチャートはこちら


第1図

TEAM 1Q2Q3Q4Q合計
立命館大学 6331325
法政大学 1430017

 縦軸にフィールドポジション、横軸に経過時間をとっているので、試合中に
どのようにポジションが変わったのかがわかります。図中記号を説明しておき
ましょう。

□印:FD獲得位置およびパント位置
黒線:パントによる攻撃権移動(パント飛距離とリターン距離は表示せず)
橙線:法政大学オフェンスシリーズ(上から下へ)
紫線:立命館大学オフェンスシリーズ(下から上へ)

黒線なく攻守交代しているところは、ターンオーバー
反則罰退はオフェンスゲインに含まれる

 一見して試合展開がわかるはずですが、如何でしょうか。見にくいですか?
んー、かもしれません。ま、それはきっと来年には解決していることでしょう
・・・??

で、このタイムチャートを眺めながら甲子園ボウルを思い出してみて下さい。

●甲子園ボウル
 5年連続出場の法政大学と4年ぶり2回目の立命館大学で行われた第53回
甲子園ボウルは、第1Qに法政大学がスピードで立命館大学を圧倒し、2TD
を先制する。立命館大学はFG止まりで前半が終了する。

 後半、立命館大学オフェンスがタイムコントロールでモメンタムを奪いとる
と、じわじわ追い上げて第4Qに逆転に成功、このまま逃げ切るかと思われた
が、自陣でのファンブルロストで流れは法政大学へ。
 しかし、立命館大学ディフェンス奮闘で、かろうじて逃げ切った。

・法政大学オフェンスは徹底した地上戦で挑んだ結果、パス試行は3回のみ。
・後半に流れを掴んだ立命館大学は、小刻みなランで時間を消費した。
・後半の法政大学オフェンスは中央突破のみ。積極的なオープンへの展開は、
最終シリーズだけだった。
・・・・など、この試合のポイントはいくつかあるが、なかでも、第4Q終盤
の法政大学ターンオーバー後のオフェンスシリーズはいろいろ興味深いものが
ある。

(ターンオーバー後からのプレー)
第1D:敵陣25ヤード QB#17キープ 中央突破 2ヤード

第2D:敵陣23ヤード RB#2ピッチ 右オープン 0ヤード

法政大学タイムアウト9回目

第3D:敵陣23ヤード 左TE#87 ポスト22ヤードパス失敗

第4D:敵陣23ヤード 左#33 左アウトパス ショート失敗
(ターンオーバー)

 ランオフェンスに終始していた法政大学が、ここの第3Dでこの日始めての
パスを投じた。ここまで「ラン」だけだったのだからディフェンスはランケア
に陥りがち。その期待を裏切ってパスを投じた瞬間、「オオッ」となった。

 レシーバーは、DBLBを抜き去ってエンドゾーン手前に到達、あとは、
キャッチのみだった。だが、わずかにオーバーパスの失敗に終わった。


 この日の法政大学オフェンスはランばかりだと言われている。だが、このパ
スが決まっていたら「切り札成功&TD」となって、終始ランに固執していた
効果が現れる。「とっておき」を隠した試合全体のオフェンス組立は、見事な
頭脳プレーと言える。だから、結果としてパス試行回数3回というラン偏重オ
フェンスだったが、それは、構わないだろう。

 それでも、絶大な効果をもたらすはずの「切り札・奥の手」が「オオッ!」
程度でしかなかったのは、カードの使い方を間違えたことによる。


 このシチュエーションで一番嫌らしいのは、ターンオーバー直後の第1Dで
ポストパターンパスを投げることである。
 まさかのターンオーバーで突然の登板となったディフェンスである。フィー
ルドポジションが悪く、得点差はたったの8点となれば、かなりのパニック状
態だろう。

 そして、ここのパスは、失敗でもいい。パスもあるぞと脅しておくだけで、
充分効果がある。第2Dからの3回の攻撃を、「次はパス?得意なラン??」
立命館大学はさらに混乱、モメンタムは完全に法政大学、だったかも・・・





 第52回甲子園ボウル(97年) 関西学院大学−法政大学

 第4Q、残り約4分、法政大学パント後の反則罰退15ヤードで、リードさ
れていた関西学院大学は、敵陣40ヤードからのオフェンス。最初のプレーが
QB#7高橋からWR#81塚崎へのポストパターン35ヤードパス成功で、
エンドゾーンまで5ヤードに到達、逆転のTDへと繋げた。

 法政大学、第3Qエンドゾーンまで数ヤードで左TE#84升田へTDパス
および、第4Q残り59秒RB池場の逆転TDの右オープンラン。いずれも、
中央ランが容易に想像できる状況で、ディフェンスの裏を突いたTDシーン。








第1図

TEAM 1Q2Q3Q4Q合計
立命館大学 736016
リクルート 2430330

□印:FD獲得位置およびパント位置
黒線:パントによる攻撃権移動(パント飛距離とリターン距離は表示せず)
紫線:立命館大学オフェンスシリーズ(下から上へ)
黄線:リクルートオフェンスシリーズ(上から下へ)

黒線なく攻守交代しているところは、ターンオーバー
反則罰退はオフェンスゲインに含まれる

(作者注:
  最後の約2分はメモがありません。確認するまでの間、暫定表示します)






次回のテーマは、「非常識が常識」の予定を変更して、『宇多田ヒカル』です。



雑感目次へ



(よろしければ、下記アンケートにご協力お願いいたします。)
観戦経験回数は?: 3回以下  4回〜10回  10回以上  

内容について  : わかりやすい   わかりにくい

 つまらない   おもしろい

画面表示について:   見にくい   見やすい

ご意見ご感想など:
   (未記入可)
メールアドレス :
   (未記入可)


 



ここに掲載の文章・写真(まだ、ありませんが)の無断転載をやめてください。
すべての著作権はAK.HIROに帰属します。
Copyright(C)1996-2011 AK.HIRO No reproduction or republication without written permission.