■ 大勇士ナアマン
イスラエルの隣国アラムにナアマンという大勇士がいました。ナアマンはあらゆる戦いでアラムを常に勝利に導いてきた英雄でした。さらに、聖書に見るナアマンは、強いだけではなく、謙遜さを持ち合わせており、人々から尊敬され、愛されている真の英雄であったと言っても良いでしょう。
■ 勇士にも勝てないものがある
このように何もかも持ち合わせていて、うらやましい限りの人物にも、どうすることもできない深い苦悩がありました。聖書はこう言っています。
「この人は勇士であったが、重い皮膚病を患っていた」
これは悲劇です。しかし、こういう悲劇が人間世界の至るところにあるのです。力と勇気に満ちた大勇士であろうと、最高の権力を駆使できる皇帝であろうと、欲しいものを何でも買える大富豪であろうと、最高の頭脳をもった学者であろうと、この世にはそれだけでは勝てないものがあるのです。人間の力ではどうにもならないことがあるのです。
■ 敗北からの出発
大勇士ナアマンは、病になって初めて敗北感というものを味わったのかもしれません。しかし、この人生の敗北感が、この救いの物語全体の出発点となるのです。
救いとは、自分にはどうにもならない問題からちゃんと救って下さる真の神様がいるということを知ることです。ナアマンは自分の挫折感、敗北感、無力感を通してそれを知りました。
これが大切です。挫折、敗北は、自分から望みを奪うだけではありません。自分のどうしようもない現実から救いだしてくださる素晴らしい神様がいることをを知り、新しい望みに生きる新しい人生を始めるチャンスでもあるのです。
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