イエス様が来た!

 カファルナウムに王の役人がいて、その息子が病気であった。この人は、イエスがユダヤからガリラヤに来られたと聞き、イエスのもとに行き、カファルナウムまで下って来て息子をいやしてくださるように頼んだ。息子が死にかかっていたからである。

新約聖書『コリントの信徒への手紙二』12章9節

絶体絶命

 息子が病気であった・・・ どんなにこの父親は癒しを求めたことでしょうか!

 最高水準の医療、新しい薬、民間療法、加持祈祷、あらゆる限りの手を尽くしたにちがいありません。しかし、父親は、期待した数だけ失望をしてきました。何をしても駄目でした。そして、息子は死にかかっていたのです。

 すばらしい知らせ

 そんなある日、父親のもとに福音が届けられました。「ねえ、君。数日前、カナで起きた話を知っているかい。婚礼の席で、水をぶどう酒にかえられた御方がいるっていうんだよ。『この御方こそ神の人、救い主だ』って、もっぱらの評判さ。それでね、その御方がすぐ近くまでいらしているらしいだ。イエス様っていうんだよ」

 望みをかけよ

 父親の心に、再び希望の灯がともりました。最後の、そして唯一の望みでした。この望みは、父親の信仰と祈りを再び燃え上がらせました。「イエス様のもとに行こう。土下座でも何でもして、イエス様にお願いしよう」こうして、この父親はイエスのもとに行き、カファルナウムまで下って来て息子をいやしてくださるよう頼んだのです。

 「イエス様が来た!」 これが全ての人に与えられている福音です。しかし、聞くだけ終わる者に終わっては意味がありません。瀕死の息子を持つ父親なら、決して聞くだけに留まらず、迷わずイエス様のところに駆けつけるでしょう。イエス様のもとに行く者となってこそ、福音は福音になるのです。そうする者だけが、人を救う神の力を味わうことがでるのです。

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