ビタミン様物質 |
|
ビタミンP |
水溶性のビタミン様物質です。柑橘類の色素であるフラボン類やそばに含まれるルチンなどと合わせて
フラボノド化合物と総称されることもあります。
ビタミンPはビタミンCの作用を補強し、コラーゲンの合成をすすめて毛細血管を丈夫にします。
また、毛細血管は組織と栄養や空気をやりとりするため、適度な透過性が保持されなければならないので
すが、ビタミンPはこの透過性が過剰になるのを抑制します。Pが不足すると、血液中のタンパク質がしみ
出したり、出血しやすくなったり、細菌が侵入しやすくなります。また、Pには毛細血管の収縮作用や血圧
効果作用があると考えられ、脳出血などの出血性の病気や高血圧の予防に期待がもたれています。 PはビタミンCの吸収を促し、酸化を防ぐので、一緒に摂るとCの効果が増します。
|
ビタミンQ(ユビキノン) |
体内でも合成される脂溶性のビタミン様物質です。栄養素の代謝に働きます。特に、糖質をエネルギー
に変えて血液中の糖分を減少させます。ビタミンEのように抗酸化作用をもち、細胞粘膜の酸化を防ぐと
共に、酸素の利用効率を高めます。また、精子を活発化したり、免疫細胞や白血球の働きを強める作用
を持っています。これらの作用は、虚血性心疾患や脳出血、糖尿病の治療薬に利用されています。
また、歯槽膿漏にも効果を発揮しています。
|
ビタミンU(キャべジン) |
胃酸の分泌を抑制するビタミン様物質で、キャベツから発見されました。細胞分裂を盛んにする作用も
あるので、胃腸の粘膜の新陳代謝を促し、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を治しやすくします。粘膜の新陳代謝
には新しいタンパク質が必要ですが、Uにはタンパク質の合成を促進する作用もあります。
|
イノシトール |
水溶性のビタミン様物質で、ビタミンB群の仲間とされます。イノシトールは、脂肪の流れをスムーズにし、
脂肪が肝臓に蓄積されないように作用するので、「抗脂肪肝ビタミン」と言われています。コレステロール
の流れもよくしますから、イノシトールの充分な摂取は動脈硬化の予防に効果的です。また、イノシトール
は細胞膜にあるリン脂質の大事な成分で、特に神経細胞に多く含まれ、脳細胞や神経を正常に維持する
為に働いています。体内で合成されますが、オレンジやメロンなど食品からの補給が望まれます。
|
コリン |
体内でアミノ酸から合成される水溶性のビタミン様物質です。
コリンは、血管を拡張させて血圧を下げる作用をするアセチルコリンの材料になっています。したがって、
充分なコリンがあれば、高血圧は予防できます。また、細胞膜を構成するレシチンという脂質の成分にも
なります。レシチンは血管壁にコレステロールが沈着する事を抑制したり、肝臓に脂肪が蓄積しないよう
に働きますから、コリン不足は動脈硬化や肝硬変を招く原因になります。このほか、コリンは神経細胞の
成分でもあり、脳の記憶形成を助ける働きをします。 アミノ酸から作られるので、タンパク質の摂取が少ないと、不足することもあります。
|
ルチン |
フラボノイド化合物の一種で、ビタミンPとも呼ばれます。毛細血管を強くし、浸透性を正常に保つ作用があ
り、高血圧予防出血性の病気に効果を発揮します。また、動物実験では、血圧降下作用あることも報告さ
れており、ビタミンCとの併用で、循環器疾患を予防する成分として注目されています。
|
パラアミノ安息香酸 |
水溶性で、ビタミンB群の仲間とされるビタミン様物質です。PABAとも表示されます。
腸内の有用菌の繁殖を促す作用をもっています。また、葉酸の構成成分でもあるので、葉酸の合成に欠か
せません。葉酸は、貧血の予防や発育に重要な働きをするビタミンですから、葉酸の量を増やしたい場合
は、パラアミノ安息香酸をとると効果的です。葉酸、あるいはパントテン酸といっしょに摂取すると、白くなり
かかった髪の色を元に戻したり、肌の老化を防いでしわが出るのを遅らせる作用があると言われています。
|
前ページに戻る |