その他栄養成分
ビフィズス菌 ●ビフィズス菌
  乳酸菌の一種です。乳酸菌は自然化界の何処にでも分布していますが、人の腸内に存在する乳酸菌
 は、他の動物の腸内では生育することができません。人の体内に入った乳酸菌でも、生きたまま腸に達
 して増殖できるのは、相性がよいものだけです。ビフィズス菌は相性がよく、腸にすみつくことが出来る
 乳酸菌です。ビフィズス菌は大腸内で、腐敗菌や病原微生物の繁殖をを抑えて有害物質の生成をを防
 ぎ、肝臓の解毒作用の負担を軽減します。同時に腸内の環境を整えて、消化・吸収を高め、便通を良く
 します。また、抗生物質を使用すると、有用菌まで退治して腸内細菌のバランスを崩し、それまで抑えられ
 ていた病原菌が増殖して障害を引き起こすことがありますが、ビフィズス菌は崩れたバランスを正常に戻
 すように作用し、障害を避ける働きをすると考えられています。

★感染性の下痢を予防する
  腸には約100種類の腸内微生物がすみついていますが、そのなかで健康に良い代表的な菌がビフィ
 ズス菌です。腸内で病原微生物が繁殖するのを抑えて、感染性の下痢を防ぎます。

★抗がん性の強い乳酸菌

  人間の腸内にすむ善玉菌の代表格です。ストレスやアルコール飲料の過剰摂取によって腸内のビフ
 ィズス菌が減少すると、胃腸障害や肝障害を引き起こし、ガン発生の遠因になります。ビフィズス菌は腸
 内の腐敗菌の増殖を抑えることによって、有害物質の生成を防ぎます。たとえば、胃の中で生成する発
 ガン物質ジメチルニトロソアミンを無毒化するとの報告があります。また、ガンの予防に効果のあるビタ
 ミンB群などを腸内で合成し、これらを吸収し利用する働きがあることがわかっています。さらに、ビフィ
 ズス菌の構成成分である多糖類がもつ体内の免疫機能を高める作用によって、がん細胞に対する抵
 抗力が強まると考えられています。

★弛緩性便秘によい
  ビフィズス菌には整腸作用があります。体内で生産される酢酸や乳酸が腸を刺激して蠕動運動を活
 発にすることで、便秘の予防、改善に効果を発揮します。

★腸内でアンモニアの発生を抑制
  ビフィズス菌は有害な菌の活動を抑制し、便秘を予防することで、腸内のアンモニアや有害物質の
 発生を減らします。肝硬変症では肝臓の解毒能力が著しく落ちている為、健康ならば尿素にかえて無
 毒化されるアンモニアが血液中に高濃度になって脳に入り、精神や神経症状を起こします(肝性脳症)。
 アンモニアを発生させない事が大事なので、ビフィズス菌の整腸作用は有意義です。

★上手に摂取するには
  摂取したビフィズス菌が胃の酸で死滅するのを少なくするために、食後に取るのが良いとされています。
 ビフィズス菌は約1週間で排泄され、二日酔いやストレスによる減少もあるので毎日摂ります。腸内のビ
 フィズス菌を増やすために、えさになる栄養として、牛乳に含まれる乳糖や、玉ねぎ、ごぼう、にんにくに
 含まれるフラクトオリゴ糖をとります。また、ヨーグルトを食べて乳酸菌が体内に入ると、腸内のビフィズ
 ス菌が増殖します。

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イソフラボン ●イソフラボン
  大豆に含まれる成分でポリフェノール類の一種。女性ホルモンに似た働きがあり、更年期障害特有の、
 のぼせの症状をしずめたり、骨粗しょう症の予防、改善に効果があります。

★じょうずに摂取するには
 大豆に含まれるイソフラボンは大豆食品でとるのが手軽ですが、ものによって含有量が異なります。
 一番のお薦めがきな粉。牛乳に混ぜたり、お菓子作りに利用して毎日摂るとよいでしょう。ちなみに、
 北海道など北の地方でとれた大豆はイソフラボンを多く含んでいるというデータがあります。

■イソフラボンを多く含む大豆食品
 
●きな粉 ●納豆 ●油揚げ ●煮豆 ●豆腐 ●みそ
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エルゴステリン しいたけや酵母に含まれる成分で、紫外線に当てるとビタミンD2に変わります。特にこのD2は、体内で
カルシウムの吸収率を20倍にも高めます。
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オリゴ糖 ブドウ糖や果糖などの単糖が数個から20個つながったもの。低甘味料として使われるほか、ビフィズス菌
の栄養となって整腸、免疫機能の向上に役立ちます。オリゴ糖には、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、
大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖などがあり、添加された食品が各種市販されています。
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アリシン ●アリシン
 にんにく特有の強烈な臭い成分です。にんにくを、切る、すりおろす、たたきつぶす、などして細胞を壊す
 と、細胞中にあるアリインという成分が酵素のアリイナーゼと反応してアリシンが合成されます。
 アリシンはビタミンB1と結合すると、アリチアミンという物質になりますが、これは体内に吸収されやすく、
 蓄積されやすいという特性があります。にんにくを食べるとスタミナがつくといわれる理由は、疲労回復効
 果のあるビタミンB1が十二分に吸収され、しかも活性が持続するからです。
 また、臭いの成分のアリシンは、低温の油で加熱されると、抗酸化作用の強いスルフィド類やアホエン
 に変化します。いずれも脂溶性で、とくにアホエンは、無臭でがん予防効果に加えて強力な血栓予防作
 用があるのが特徴です。 近年注目されているのがS-アリルシスティン。これは水溶性の無臭成分で、
 にんにくを長時間アルコール類に漬け込んで熟成させると生成されます。抗酸化作用によって動脈硬化
 を予防し、血液をサラサラにするほか、がんを防ぐ働きがある。

★解毒酵素の働きを高め、抗酸化作用も

★上手に摂取するには

  にんにくで摂るのが一番ですが、刺激が強いので空腹時に食べると胃腸の粘膜に炎症が出来る事が
 あります。

■アリシンを多く含む食品
  ●にんにく ●ねぎ ●たまねぎ ●にら ●あさつき ●ラッキョウ
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アシドフィルス菌 ●乳酸菌の一つで、人の小腸に常在します。整腸作用や血中コレステロール値の上昇を抑制する作用、
免疫機能を高める作用、また、抗がん作用があるとされています。
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アントシアニン ブルーベリーに含まれる青紫色の色素で、視神経の働きを支えるロドプシンという色素の再合成を促進
します。疲れ目の改善や視力の向上に効果があります。また、靱帯や腱の強化にも有効とされ、さらに活
性酵素の生成を抑制して血液をきれいにする作用も認められています。

★ロドプシンの再合成を助ける、疲れ目によい
 人間の網膜にはロドプシンという色素があって、物が見えたことを感じさせる働きをしています。ロドプシン
 は毎日消費されるので、再合成しなければなりません。アントシアニンはロドプシンの再合成を活発にす
 るので、疲れ目、夜盲症、網膜炎などに効果があります。

★上手に摂取するには
 アントシアニンは水溶性の紫の色素で、アルコールと組み合わせると吸収率がよくなります。ブルーベリー
 酒や赤ワインで煮たブルーベリーソースが最適。ハイビスカスやバラの花はお茶やジャムに。

■アントシアニンを多く含む食品
  ●ブルーベリー ●しそ ●赤キャベツ ●すいか ●ぶどう ●ハイビスカス・バラの花
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セサミノール

●セサミノール
  ゴマの種子に含まれる抗酸化物質です。体内や食品中の脂質が酸化されてできる過酸化脂質は、細
 胞の老化やガン化の原因の一つと考えられていますが、セサミノールは抗酸化作用によって過酸化脂
 質の生成を抑制します。また、動脈硬化の原因になる悪玉コレステロールの生成も抑制します。ほかに、
 アセトアルデヒトの分解速度を早める作用があるので二日酔いに有効です。


★細胞の抗がん化に有効
  セサミノールは、ゴマ油を精製する際の脱色工程で多く生成されるため、ゴマそのものより、ごま油に
 多量に含まれています。ごま油が他の食用油脂より酸化されにくいのは、セサミノールの抗酸化作用に
 よるものです。この抗酸化作用が、過酸化脂質の分解に大きな役割を果たします。過酸化脂質は体を
 構成する細胞膜などに含まれる不飽和脂肪酸が酸化されることによってできるもので、細胞のガン化の
 原因の一つになっています。セサミノールは過酸化脂質の生成を防ぐ事で、ガン化を抑制します。

★悪玉コレステロールの生成を防ぐ
  動脈硬化を防ぐはたらきをし、脳血管障害の予防に有効です。臨床試験によると、動脈硬化の原因と
 なる悪玉コレステロールができるのを防ぎ、その効果は高脂血症治療薬に匹敵するほど高いと言う事
 です。

★上手に摂取するには
  ごまは、そのまま食べたり、ごまあえにしたり、料理の仕上げのちょっとした味付けに使いますが、殻が
 かたいのですりゴマにすると消化吸収率がアップするだけではなく香りも引き立ちます。ごまを煎ったり、
 すったりするのは直前に。揚げ物や炒め物、ドレッシングなどにごま油を使うと多く摂取できます。料理
 の仕上げに数滴たらしたり、サフラワー油などに混ぜて使うのもよいでしょう。

■セサミノールを含む食品
  ●ゴマ ●ごま油

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カプサイシン

●カプサイシン
 唐辛子の辛味成分です。体内では、中枢神経を刺激して副腎皮質からアドレナリンなどのホルモンの分
 泌を促進させるのでエネルギーの代謝が盛んになり、体内の貯蔵脂肪の分解が進みます。また、毛細
 血管を収縮させて心臓の働きを活発にしますが、血圧を上昇させることあまりないと報告されています。
 これらの作用によってカプサイシンは、肥満防止、老化防止、強精に効果があるとされます。古くから唐
 辛子は、胃腸内の殺菌作用、食欲増進、健胃作用があるといわれていますが、これらの作用もカプサイ
 シンの働きによるものです。


★体内のエネルギー消費を促進させる
 唐辛子を食べると、体が熱くなるように感じ、発汗を招いたりします。これはエネルギーが活発に消費され
 るために起こる現象です。唐辛子の辛味成分であるカプサイシンは、体内に入ると交感神経を刺激し、
 血行をよくして体温を上げるため、その分、体内の脂肪がエネルギーとして消費されます。また、料理に
 唐辛子を使うと、塩分を控えても美味しく食べられるので、肥満の人に多い高血圧の予防にもなります。


■カプサイシンを多く含む食品
  ●唐がらし

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ギムネマ酸 ●ギムネマ酸
  インド、東南アジアに自生するギムネマ・シルベスタというつる性植物の葉から抽出される成分です。
 この植物の葉は甘味だけをまったく感じなくする作用があります。この原因はまだ解明されていませんが、
 インドでは2500年も前から、糖尿病の治療薬として用いられてきました。現在、ギムネマ酸には、血糖
 の上昇抑制作用、ブドウ糖の腸管吸収を抑制する作用があることが明らかになっています。血糖値を下
 げる作用はないので、低血糖の心配がなく、糖尿病の治療薬として期待されます。


★血糖値の上昇を抑制する
  多年草ギムネマ・シルベスタに含まれる成分で、腸管から糖分が吸収されるのを抑制し、血糖値が上
 昇するのを防ぎます。食後に摂取すれば、糖質の吸収が徐々に行われ、代謝に必要なインスリンの負
 担が軽くなります。しかも血糖値を下げるわけではないので、低血糖を起こす心配はありません。


★上手に摂取するには
  ギムネマ・シルベスタの葉を乾燥させたものが、ギムネマ茶です。煎茶や紅茶と同様に、湯をさして浸出
 液を飲みます。特に食事中や食後に飲めば効果的。


■ギムネマ酸を含む食品
  ●ギムネマ茶
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カフェイン 茶葉やコーヒー豆、コーラなどに含まれる苦味成分です。脳や筋肉を刺激して興奮させる作用、利尿作
 用を持っています。強心剤としても配合されます。 
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カロチノイド ●植物の脂溶性色素の総称です。黄色から赤色の色調を持ち、代表的なカロチノイドとして、α・β・γ-カロ
 テン、リコピン、キサントフィルがあります。リコピンにはビタミンA効力はありませんが、カロテンやキサント
 フィルにはのうちクリプトキサンチンにはビタミンA効力があり、なかでも最大の効力を持つのが、β-カロテ
 ンです。近年、温州みかんから発見されたβ-クリプトキサンチンに抗がん作用のあることが認められまし
 た。βーカロテンは、遺伝子や細胞を活性酸素の害から守りますが、β-クリプトキサンチンは発ガンを促進
 する物質を抑える作用があるので、酸化によって細胞が傷ついても、発ガンしないように防ぎます。このた
 めβ-カロテンの5倍の抗がん力があるとされます。
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ガングリオシド ●生のさつまいものしぼり汁」に含まれる成分で、ガン細胞の増殖を抑え。正常な細胞にもどす作用があり
 ます。母乳にも含まれ、乳児の脳の発達や記憶の形成に関与しています。
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キシリトール ●糖アルコールの仲間で、虫歯の原因になる酸を作らない天然素材の新しい甘味料です。健康志向型の
 甘味料あるいは食品添加物として注目されています。インスリン分泌を促進しますが、インスリンの作用を
 介さずに細胞内に入り、血糖に影響を与えないなどの特性をもっているので、医療用として糖尿病患者の
 エネルギー補給に用いられます。
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ギンコライド ●イチョウの若木の葉や根に含まれる成分です。脳に作用して末梢血管を拡張させる、血液の粘度を下げ
 る、有害物質である乳酸の濃度を下げるなどの働きがあり、動脈硬化、血行障害、老人性痴呆症に有効
 とされます。また、血管に炎症を起こしてアレルギーやぜんそくの原因となったり、血栓を形成したりする
 血小板活性化因子が血管の組織にとりつくことを阻止するので、アレルギー症状を改善するといわれてい
 ます。
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クエン酸 ●クエン酸は「枸櫞」、つまりレモン類のこと。柑橘類に多く含まれる有機酸の一つで、酸っぱさの元がクエ
 ン酸です。無色または白色の粉末をしています。生命を維持する為に必要なエネルギーがスムーズに得
 られる様に働きます。クエン酸を摂取する事にで、疲労物質である乳酸が消失されます。肩こりや筋肉
 痛、神経疲労の予防のほか、唾液や胃液の分泌を促す働きもあります。
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クロロフィル ●植物に含まれる緑色の色素で葉緑素ともいいます。血色素(ヘモグロビン)をつくるので貧血を改善しま
 す。また、コレステロールを減少させ、血栓予防、血圧降下の働きもあります。遺伝子が傷つくのを防ぐ作
 用もあり、細胞を強化してガンの発生を抑えることも認められています。そのほか、解毒、整腸、炎症鎮静
 の作用もあります。
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クルクミン ●ターメリック(ウコン)の成分の70%を含める黄色の色素。ターメリックはカレー粉に欠かせない香辛料で、
 たくあんの色づけ
にも用いられます。クルクミンは肝臓の細胞を活性化させる他、体内で強力な抗酸化物
 質テトラヒドロクルクミンに変わり、大腸ガンや肺ガンなどを抑制することが確認されています。つまり、カ
 レー料理を食べれば、その抗酸化作用によって、ガン予防が期待されます。

★抗酸化作用と免疫力の強化
 カレー粉の黄色の色素(ターメリック)の主成分であるクルクミンは、強力な抗酸化物質。細胞のガン化
 を抑制するだけでなく、細胞がガン化したあとの増殖を助ける酵素の働きを抑えて、抗ガン作用を発揮
 します。なお、ターメリックはウコンの根の部分です。また、免疫力を高めるインターロイキンチという物
 質を増やし、ガンを抑えます。

★抗ウイルス活性で解毒機能を促進、肝炎に良い
 生薬として広く利用されているウコンの根からとれる黄色の色素(ターメリック)の主成分が、クルクミンで
 す。ウコンは肝炎や胆石症、胆道炎などに効能が認められており、肝解毒機能促進作用もあります。主
 成分であるクルクミンには抗ウイルス活性のあることが確認されており、ウイルス性肝炎の治療に効果が
 あります。


★痛みを緩和する消炎効果、慢性リュウマチに良い
 慢性関節リュウマチの患者の関節の腫れ、朝のこわばりなどの症状を緩和する効果が認められていま
 す。

★上手に摂取するには
  クルクミンは、水にも油にも溶けるので、広く調理に用いられます。手軽に使えるカレー粉は、カレーラ
 イス、ドライカレーのほか、炒め物や煮物などにも使いましょう
 抗がん効果をもつ野菜、キノコなどを組み合わせると、がん予防に一層期待が持てます。


■クルクミンを含む食品
  ●ウコン茶 ●カレー粉
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グリチルリチン 甘草の根に含まれる甘味成分です。甘草は、消炎、解毒作用がある生薬として、古くから用いられてい
 ますが、これらの作用の主体がグリチルリチン酸です。肝細胞の粘膜を強くして、肝細胞が破壊されない
 ように保護する働きがあり、肝臓病治療薬の主成分になっています。また、アレルギー、炎症、ウイルス
 に対する免疫力を高める作用もあります。免疫力のアップはがん細胞にもはたらき、ガンの発生と成長
 を抑えることが報告されています。さらに、体内のインターフェロンを誘導してエイズウイルスを抑えると
 いわれています。


★肝機能を増強する
  グリチルリチンは、生薬として古くから用いられているマメ科植物の甘草の主成分です。抗ウイルス作
 用、抗アレルギー作用など、様々な生理活性があり、肝臓に対しては、肝機能増強作用が認められて
 います。肝炎の治療に用いられている注射薬「強力ネオミノファーゲンC」の主成分にもなっています。


■グリチルリチンを含む食品
  ●甘草(マメ科)の根
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グルタチオン ●別名をγ-グルタミルシスティニルグリシンといい、酵母、まだら、ブロッコリ−など、動物性組織や微生物
 に広く存在しています。放射線に対する防御、発ガン物質の解毒、アルコール性脂肪肝の予防にはたら
 きます。これはグルタチオンが、細胞の機能を低下させる物質に対して防御機能を持っている為です。
 細胞の機能低下をもたらす主な物は、活性酸素や過酸化脂質で、グルタチオンはこれらを除去し、細胞
 の老化を抑制します。


★肝機能を改善する抗酸化作用
  グルタチオンは酵母などの食品に含まれています。もともと生体内で合成されている物質で、解毒作用
 をもち、過酸化脂質の生成抑制や分解に働いています。このグルタチオンが持つ抗酸化作用が、肝臓の
 機能を改善する事がわかっています。慢性肝炎では、肝庇護剤として利用されています。

■グルタチオンを含む食品
  ●牛レバ− ●まだら ●赤貝 ●ほうれん草 ●ブロッコリ− ●酵母
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カテキン ●緑茶の渋み成分です。抗酸化作用を示し、活性酸素の害を防ぐので、発ガン、老化、動脈硬化を抑制す
 る効果があります。そのほか、細菌の増殖を防ぐ作用や抗毒素作用もあります。また、胃炎や胃潰瘍の
 原因になるヘリコバクター・ピロリという細菌が死滅することが認められています。ピロリ菌は狭心症や
 心筋梗塞との関連が大きい事も知られています。


★血行を改善し、血圧を下げる
  お茶が血中コレステロールの増加を抑制する事は明らかで、その作用を発揮する主な成分はカテキン
 と推定されています。
  血中のコレステロールや脂質を取り除いて血行を良くし、血圧を低下させます。なお、カテキンは緑茶成
 分ですが、紅茶に含まれるテアフラビンにも血圧上昇を抑制する作用のあることが証明されています。


★血圧上昇や血小板の凝集を抑制
  お茶の渋味の成分であるカテキンには、血圧上昇抑制作用、血小板凝集抑制作用、抗酸化作用が認
 められています。こうした作用は脳血管障害を起こりにくくするもので、痴呆症の予防に効果が期待でき
 ます。また、同じ緑茶に含まれる旨みの成分テアニンは、脳血管障害によって起こる脳の神経細胞の死
 を抑制することが、ラットを用いた動物実験で確認されています。人間の場合、脳内にテアニンが取り込
 まれるところまでわかっています。毎日、お茶を飲む習慣が、脳血管性痴呆症を予防する可能性があり
 ます。


★ガンを予防し転移を抑制する
  カテキンを経口投与した動物実験の結果、皮膚、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肺、肝臓、乳腺、
 膀胱など各部位の予防効果が得られています。緑茶の抗がん作用のメカニズムは、細胞の遺伝子を傷
 つ ける変異原物質の働きをカテキン(エピガロカテキン)が抑制する為ではないかと考えられています。
 発ガンを防ぎ、ガンの増殖も抑える作用があるものとしてカテキンが注目を集めています。また、海外で
 の研究も盛んで、カテキンが発ガン性物質ニトロソアミンの生成を抑制するとの報告もあります。


★O-157も防ぐ抗菌・抗毒素作用
  カテキンが抗菌作用および抗毒素作用を持つ事は実験によって確かめており、ボツリヌス菌、コレラ菌、
 黄色ブドウ球菌、O-157などの菌に対して高い効果が認められています。従って、感染症の下痢の予
 防に役立ちます。


★上手に摂取するには
  カテキンの量は3煎目以降極端に減少するため、茶葉をとりかえながら、濃い目に入れるのがコツです。
 また、緑茶にはがん予防に役立つ食物繊維やビタミンEなど、水に溶けない成分も豊富に含まれている
 ので、飲むよりも茶葉を食べるほうが、より効果的です。脳の健康を維持する為に、1日10杯ほどのお
 茶を飲むとよいとされています。なお、テアニンは抹茶や玉露など高級なお茶に多く含まれます。


■カテキンを多く含む食品
  ●緑茶(煎茶・番茶・玄米茶・玉露・抹茶・茎茶)

■1日の目標摂取量 1g
  茶葉3gに100〜120gの湯を注ぐと約100mgのカテキンが摂取できる。煎茶粉末5gではカテキン
 が650mg摂取出来る。
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大豆サポニン ●大豆の主要活性成分の一つとして古くから知られています。不飽和脂肪酸は空気中で熱せられたり、
 長時間放置されると過酸化脂質に変化しますが、不飽和脂肪酸が多い植物油に大豆サポニンを加え
 て加熱しても、過酸化脂質の上昇がほとんどみられず、このことから、大豆サポニンは体内でも脂質の
 過酸化を抑制し、代謝を促進すると考えられています。実際に、高脂血症、動脈硬化、高血圧の患者に
 投与され、大豆サポニンには血中脂質を低下させる作用があることが確認されています。また、大豆サ
 ポニンは腸管から吸収されたブドウ糖が脂質に変化することを抑制し、脂肪細胞に蓄積されるのを抑制
 します。大豆サポニンを長時間常食すると、腸管表面の組織が変化し、肥満体質が改善されるといわれ
 ています。

★動脈硬化症・脳血管障害によい
  過酸化脂質は体内に血栓をつくり、動脈硬化を進行させる元凶です。大豆サポニンにはこの脂質の過
 酸化を抑え、代謝を促進する働きのあることが認められています。また、血中のコレステロールや中性
 脂肪を減らし、動脈硬化症を改善させたという臨床報告もあります。


★上手に摂取するには
  大豆、大豆の加工食品の味噌、豆腐、納豆などを積極的に摂るようにしましょう。大豆の栄養価は加工
 されてもそれほど変わりません。1日3食のうち1回は和食にすると摂りやすくなります。


■大豆サポニンを含む食品
  ●大豆 ●納豆 ●味噌 ●おから ●豆乳 ●油揚げ ●ゆば
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シスタチン ●細胞内のタンパク質分解酵素の作用を阻害する物質です。
 シスタチンは現在、細胞内に存在するファミリー1(シスタチンα・β)、分泌性のファミリー2
 (シスタチンC・S、卵白シスタチン、牛乳シスタチン)、ファミリー3(キニノーゲン)に分類されてます。
 シスタチンαは、表皮、消化管・膣などの上皮細胞、白血球などに存在し、病原菌の侵入から身体を
 守ります。シスタチンβは、ほとんどの細胞質に含まれ、タンパク質分解酵素の作用を阻害してウイル
 スの感染を防ぎます。卵白シスタチンもウイルスの感染防止に役立つことが報告されています。卵白シ
 スタチンと同様の働きをするのが、オリザシスタチンで、稲の種子から発見されました。

★ウイルス感染を防ぐ
  シスタチンは、細胞内のタンパク質分解酵素の働きを阻害する成分です。外界からの病原体の攻撃
 から体を守る働きがあり、インフルエンザなどウイルスに感染するのを予防すると言われています。
 シスタチンには、いくつかの種類がありますが、なかでも卵白シスタチンには、この効果の高いことが明
 らかになっています。

★上手に摂取するには
  卵、牛乳、米などに含まれている成分です。パンやめん類だけに偏らないようにし、卵。牛乳、乳製品
 なども欠かさないよう気をつけます。

■シスタチンを多く含む食品
  ●卵 ●牛乳 ●米
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ゴマリグナン ●ごまに約1%含まれている抗酸化物質で、セサミン、セサモリン、セサミノールなど、いくつかの種類
 があります。強力な抗酸化作用をもち、ガンや動脈硬化を防ぐことで注目されています。
 また、肝臓を保護し、アルコールの分解を促進する作用もあるので、二日酔いを防ぎます。
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ショウガオール・ジンゲロン ●しょうが特有の香りと辛味成分で、吐き気止めのほか、発汗・胃液の分泌促進・炎症鎮静・保温作用
 もあり、さらに遺伝子が傷つくのを防ぐので、がん予防に有効とされています。 
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スルフォラファン ●ブロッコリーから抽出される成分で、ガン予防物質の一つです。活性酸素の害を消失させる酵素には
 たらきかけ、発ガン物質の毒性を抑えます。特に、ガンの初期増殖を抑制する作用が知られています。
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フラボノイド ●フラボノイドはフラボノール類(ケルセチン、ケンフェロールなど。主に玉ねぎ、ブロッコリーに含まれる)、
 イソフラボン類(ダイゼイン、ゲニステインなど。主に大豆に含まれる)、カテキン類(エピカテキン、エピ
 ガロカテキンなど。主に茶葉に含まれる)に分けられる、植物に広く分布する色素成分です。
 一日に5〜50mgは摂取していると考えられる成分ですが、体にわずかしか吸収されません。しかし、強
 力な抗酸化物質で、ごく少量で発ガン物質の活性を阻害します。そのほか、血行促進作用や抗血栓作
 用、抗ウイルス作用も知られています。

★毛細血管の浸透性を低下させ、脳血管障害に良い
  毛細血管は、組織と栄養や酸素をやりとりするために適度な透過性を保っています。毛細血管から血
 液が染み出ないように抑制し、保護しているのがフラボノイドで、脳出血の予防に効果が期待できます。
 また、高血圧は、脳出血の危険因子ですが、フラボノイドの一種であるルチンに血圧降下作用があるこ
 とが、ラットを用いた実験で報告されています。

★注目の抗酸化物質、がん予防によい

  フラボノイドによる抗酸化作用の電子的メカニズムは、活性酸素が不飽和脂肪酸から電子を奪って過
 酸化脂質とならない様に、活性酸素に電子を与えることで抗酸化の働きをすると考えられています。フラ
 ボノイドは、化学発ガン物質による活性酸素の害を防ぐ抗酸化作用として、大きな期待が寄せられてい
 ます。

★ウイルス性肝障害を抑制
  ラット使った実験によると、ウイルス性の肝障害を抑制する効果が認められています。

★上手に摂取するには
  柑橘類にはフラボノイドのほか、血管を強化する働きのあるビタミンCも豊富です。ルチンはそばに含
 まれています。


■フラボノイドを含む食品
  ●ぶどう ●ビール ●食用菊 ●そば ●柑橘類 ●コーヒー ●ブルーベリー ●玉ねぎ ●緑茶
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ラクトペリオキシダーゼ ●食品や腸内で抗菌作用をもつ酵素です。牛乳にはラクトペルオキシダーゼ、チオシアン酸塩があり、
 この物質に過酸化水素が加わると、ラクトペルオキシダーゼによって、チオシアン酸塩が酸化されます。
 この酸化生成物は細菌の細胞膜中にあるさまざまな酵素と結合するので、細胞膜周辺の水素イオン濃
 度変化が起き、細胞の栄養となるグルコースやアミノ酸の輸送経路が閉ざされます。結果として抗菌作
 用が示されます。この抗菌作用は、緑膿菌のような低温細菌により有効であることから、牛乳の貯蔵性
 を増すために応用されています。

★抗菌作用がある、かぜ症候群によい
  体内で細菌が増殖するには、グルコースやアミノ酸が必要ですが、ラクトペルオキシダーゼは細胞膜
 の周辺のPHに変化を起こし、グルコース、アミノ酸などの輸送を妨げる事で、菌が増えるのを防ぎます。

★上手に摂取するには
 ラクトペルオキシダーゼは牛乳に含まれる酵素ですから、牛乳や乳製品を摂るようにします。牛乳が苦
 手な人は、グラタンやクリームシチューなどの料理や、アイスクリーム、ババロア、プリンなどのデザート
 にすると食べやすくなります。

■ラクトペルオキシダーゼ含む食品
  ●牛乳・乳製品
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ナスニン ●なすの皮の色素成分で、鉄やミョ-バンと反応してより鮮やかな濃紫になります。強い抗酸化力をもち、
 活性酸素を抑えたり、壊れた遺伝子を修復するはたらきがあるため、抗がん成分の一つになっています。
バナジウム 牛乳やそばなどに含まれる、超微量元素です。脂質の代謝を促進したり、コレステロールの生成を抑制
 することが、動物実験で確認されています。不足すると、脂質やコレステロールの動きが悪くなり、血管に
 ちんちゃくして動脈硬化が起こりやすくなります。したがって、人にも必須の成分と考えられます。 また、
 最近、バナジウムがインスリンと似た作用をもち、血糖値を正常にするのではないかという研究が進めら
 れ、インスリン依存型糖尿病治療に効果が期待されます。
フィチン酸 穀類や豆類に、リン酸と結合した状態で多く存在しています。食品中のカルシウムや鉄と結合する性質
 が強く、それらを不溶化して体内で吸収されにくくする作用をもっています。しかし、腎臓で酸の分泌を抑
 制する、腎結石や虚血性心疾患の発症を抑制する、血中コレステロールを低下させる、虫歯を防ぐなど
 の作用があることが、近年報告されています。さらに、鉄や銅などが体内に取り込まれた際、フィチン酸
 が結合して細胞の酸化を防ぎ、NK活性を高め、免疫力を強めるので、発ガンを抑制します。
ペリルアルデヒト しそに含まれる香り成分で、強力な殺菌・防腐作用があり、食中毒予防効果が認められています。
リコピン ●カロチノイドの一つで、トマトやすいか、アンズ、柿などに含まれる赤い色素成分です。β-カロテンの
 約2倍という強い抗酸化作用をもち、特に、肺、前立腺、胃、膵臓、子宮のがん予防に有効とされます。
 近年、リコピンを3〜4倍もふくむリコピントマトが開発されました。
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ポリフェノール  植物の葉や花、花粉、樹皮、茎などに多く含まれ、フラボノイドとノンフラボノイドに分けられます。
 赤ワインやココアに注目が集まっていますが、これはポリフェノールのなかでもケルセチンの量が多いも
 のです。ポリフェノールはほかにフラボノイドやカテキン、タンニン、アントシアニン、イソフラボンなど数種
 あります。高い抗酸化作用が認められており、動脈硬化やガンの予防物質として研究が進んでおります。

★悪玉コレステロールの酸化を防ぐ、動脈硬化症・脳血管障害によい
 LDL(低比重リポタンパク)は動脈硬化を引き起こすために悪玉コレステロールと呼ばれますが、酸化さ
 れることに問題があります。ポリフェノールはLDLの酸化を抑制して動脈硬化を予防し、脳血管障害を防
 ぐ効果が期待できます。

★上手に摂取するには

 赤ワインは豊富ですが、飲みすぎは禁物。お茶、ココア、玉ねぎ、ブロッコリー、りんごにも含まれていま
 す。ポリフェノールは、抗酸化作用のあるビタミンC・E、β-カロテンもとらないと有効に働きません。 


■ポリフェノールを含む食品
 ●赤ワイン ●ココア・チョコレート ●緑茶・紅茶・ウーロン茶 ●春菊・ほうれん草・小松菜・ブロッコリー
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リモノイド 柑橘類の特有の苦味成分で、発ガン物質を無毒化する機能を高めたり、発ガン遺伝子の働きを抑制
 します。悪玉コレステロールの抑制作用もあります。
ラクッコピコリン ●野菜や果物の香りと苦味成分であるテルペンの一種で、精神を安定させ、眠りを誘う即効作用があり
 ます。特にレタスやサラダ菜、サンチェの芯を切ったときにでる苦い白い汁に多く含まれています。
ルティン 明るい黄色の色素成分でとうもろこしや卵黄、ブロッコリー、かぼちゃなどに含まれています。すぐれた
 抗酸化物質で、ガンや動脈硬化を防ぎます。特に、肺、子宮、乳房、大腸の発ガンを抑制することが報告
 されています。
レジスタントスターチ 米や麦、大豆、とうもろこしなどのでんぷんに多く含まれています。整腸作用をもち、便秘や大腸ガンを
 防ぎます。近年、血圧やコレステロールを下げる作用と、血糖値の上昇を防ぐ作用のあることが認めら
 れています。
レスべラトロール ●落花生の茶色い薄皮やブドウの皮に含まれている成分で、ポリフェノールの一種です。活性酸素の害
 を消す作用があるので、ガンの予防に役立ちます。さらに、悪玉コレステロールが血管に沈着しないよう
 にはたらくので、動脈硬化による心臓病や脳卒中を防ぎます。
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