脂質・脂肪酸 |
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アラキドン酸 |
■必須脂肪酸の一つで、肉、卵、魚など動物性脂肪に含まれますが、体内でリノール酸から合成される
脂肪酸でもある。リノール酸からγ-リノレン酸、ジホモ・γーリノレン酸を経て、生体調節ホルモンのプ
ロスタグランジンに変わります。プロスタグランジンには、血圧や炎症、免疫系の調節など、さまざまな
機能があります。また、未熟児のアラキドン酸血中濃度が低い事から、アラキドン酸は妊娠後期の胎
児や出生直後の乳児の健全な発育に必要だと考えられています。しかし、肉類や油を使う食事が多い
現在、アラキドン酸の不足により過剰のケースが多く、動脈硬化や高血圧などの過剰症が心配されます。
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αーリノレン酸 |
■多価不飽和脂肪酸。α-リノレン酸とγ-リノレン酸があります。生活習慣病を予防するさまざまな作用が
明らかですが、エネルギーオーバーには注意します。
★コレステロール値を下げ、高脂血症によい
α-リノレン酸は人間の体内で合成できず、食品から摂らなければならない必須脂肪酸です。一方のγ
-リノレン酸は、体内でリノール酸から合成されてできます。天然に存在するγ-リノレン酸は月見草油と
母乳などですが、合成によって純度の高いγ-リノレン酸が生産されるようになり、ゼリーやドリンクに添
加された製品があります。コレステロール値の低下や抗血栓の作用は、γ-リノレン酸に強くみられます。
★上手に摂取するには
α-リノレン酸は体内でEPA,DHAとなりますが、体内のγ-リノレン酸は、ジホモ・γ-リノレン酸、アラキ
ドン酸を経て、プロスタグランジンというホルモンにかわります。このプロスタグランジンが、血中のコレス
テロール濃度や血圧、血糖値などを調節しています。プロスタグランジンは、加工食品の多食によってミ
ネラルやビタミンB6が不足したり、動物性脂肪の多食、アルコール飲料の多飲などの傾向があると充分
に機能しません。バランスのよい食生活が大事です。
■γ-リノレン酸を含む食品
●母乳 ●しそ油 ●ボラージ油 ●昆布 ●月見草油 ●わかめ
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EPA
(エイサコペンタエン酸) |
■n-3系列の多価不飽和脂肪酸で、IPA(イコサペンタエン酸)といわれることもあります。
動物性脂肪は動脈硬化を起こし、血栓症の原因になると考えられていましたが、魚やアザラシを多食
するイヌイットの人たちに、心筋梗塞につながる血栓症が少なく、動脈硬化もほとんど見当たらないこと
から、EPAに注目が集まりました。そして、同じ動物性脂肪でも、魚介類や海獣の脂肪には血液を固ま
りにくくする作用があることが判明しました。
EPAには、抗血栓作用、悪玉コレステロールを低下させて善玉コレステロールを増加させる作用、抗
がん作用などがあり、生活習慣病の予防と改善に有効です。体内では合成できないので、魚などの食
品を積極的に摂取しましょう。
★血液の流れをよくする、虚血性心疾患によい
魚介類に多く含まれます。血栓を溶解し、血管を拡張します。この働きはDHAより強いと言われていま
す。スムーズな血流は動脈硬化を防ぎ、心筋梗塞を予防します。
★血液の流れを良くし、血圧を下げる
EPAは血液を固まりにくくし、血液の流れをよくすることで知られています。収縮をゆるめた血管で血
液がさらさらとスムーズに流れれば、血圧は下がり、高血圧症は改善されます。
★血栓を溶かし、血液の流れをよくする
EPAは、血小板の凝集を抑えて血液をさらさらにする、血栓を溶解する、血管を拡張するなどの作用
で知られています。また、血液中の中性脂肪を減らし、血管の中を血液がスムーズに流れるように働き
ます。こうした作用が脳血管障害を起こりにくくし、痴呆症の発症や進展を予防します。また、脳の血流
が悪い為に起こるめまいを防ぐ効果もあります。
★コレステロール値・中性脂肪を下げる
★アルコール性の胃炎を予防
体内で、ホルモン様の働きをするプロスタグランジンに変わり、アルコール性の胃炎を予防する効果
があります。
★抗炎症作用がある、潰瘍性大腸炎によい
体内でEPAから合成されるプロスタグランジンやロイコトリエンが炎症を抑えるように働き、潰瘍性大
腸炎にともなって起こる下痢に効果を示す事が、臨床試験で報告されています。
★気道の炎症を改善する
気管支ぜんそくは、気管支の粘膜が慢性的な炎症の状態にあるために起こる病気です。この炎症が
強いほど、気管支が刺激に反応しやすく、症状が重くなります。EPAには炎症を鎮める働きがあり、難
治性のぜんそくに著しい効果を発揮したと報告されています。
★高脂血症をともなう腎不全に有効
腎不全で透析治療を受けている人には動脈硬化症が非常に多くみられます。こうした透析患者に、魚
油に含まれるEPAが有益であるという報告があります。EPAの血液の流れをよくする作用は、腎不全
の危険因子の予防にも有望であると考えられています。
★炎症を改善、乾癬によい
乾癬は、境界のはっきりした鮮紅色の班が皮膚から盛り上がり、その表面に鱗屑(ふけのような皮膚
片)がついた皮膚の病気です。EPAは、毛細血管の血行をよくして、乾癬の症状改善に効果を発揮しま
す。
★上手に摂取するには
脂肪分の多い青背の魚で、なるべく新鮮なものを選びます。刺身なら赤身よりトロに多く、調理法は
脂肪分を逃がさなように。
■EPAを多く含む食品
●はまち ●きんき ●まいわし ●さば ●まだい ●ぶり ●うなぎ蒲焼 ●さんま
●本マグロ(トロ) ●身欠にしん
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オレイン酸 |
■n-9系列の脂肪酸です。血中コレステロールを低下させる、胃酸の分泌を調整する、腸の運動を高める
などの作用があります。
ヘット(牛脂)やラード(豚脂)などの動物性脂肪にも含まれていますが、動物脂には飽和脂肪酸も多いの
で、オレイン酸作用効果を期待するのなら、植物性を利用するのがよいでしょう。特にオリーブ油は、オレ
イン酸の含有量が70%以上で、体内で発ガンのもとになる過酸化脂質がつくりにくく、加熱しても酸化の
心配がないとされる油です。
植物油の中で最も消化吸収がよく、脂溶性ビタミンも含んでいます。また、菜種の改良種でつくられるキャ
ノーラ油もオレイン酸を多く含みます。
★血中コレステロールを減らす
酸化されやすい多価不飽和脂肪酸に比べ、酸化の心配のない単価不飽和脂肪酸です。血液中の悪玉
コレステロールを除き、動脈硬化を予防します。含有量が70%以上のオリーブ油を日常的にとっている
南イタリアでは、心臓疾患による死亡率が低い事もその根拠とされています。
★上手に摂取するには
オレイン酸含有量の多い植物油を選びましょう。酸化しにくいので、加熱調理にも安心して使えます。
特にオリーブ油は消化吸収がよく、オレイン酸の効果を高めるビタミンEも多く含んでいてお勧めです。
■オレイン酸を多く含む食品
●ヘーゼルナッツ ●マカダミアナッツ ●アーモンド ●オリーブ油 ●菜種油 ●落花生油
●米ぬか油
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γーリノレン酸 |
■ビタミンFとも呼ばれ、生体内でリノール酸さら合成される脂肪酸です。リノール酸からγ-リノレン酸、ジホ
モ・γ-リノレン酸を経て、アラキドン酸に変わります。生体調節ホルモンのプロスタグランジンの構成成分
になりますが、このホルモンは体の各組織の働きを調節します。さまざまな種類があり、微量でも強い影
響力があります。血圧・血糖値・コレステロール値を低下させる、血液の凝固を抑制する、血管や気管支
を拡張させる、子宮を収縮させるなどの作用が認められています。
動物性脂肪やアルコールを過剰に摂取している人、ビタミンやミネラルが不足している人、糖尿病でインス
リン不足の人などはγ-リノレン酸の合成が充分でない場合があります。体の機能に支障が出たときには
対外から直接補給する処置がとられます。天然ではあまり含まれていない成分で、人工的に生産されて
います。
★血中コレステロール値を下げる
γ-リノレン酸は、必要に応じてプロスタグランジン(体内機能調整物質)に変化するように蓄えられ、さま
ざまな生理作用をしています。血中でコレステロールを運び、コレステロール値を下げる作用もその一つ
です。また、血栓をできにくくし、血液の流れをよくする作用も認められています。
★血糖値を下げ、合併症を防ぐ
γ-リノレン酸は体内で、プロスタグランジン1という生体調節機能をもつホルモンの材料となります。プロ
スタグランジン1には、血圧・血糖値・コレステロール値の低下、血液の凝固阻止、血管拡張などの作用
があります。また、糖尿病のさまざまな合併症の予防に効果が期待できます。特に神経障害の治療効果
は注目されています。
★アトピー性皮膚炎を予防し、症状を改善する
生体内で代謝されて、プロスタグランジンに変換され、ごく少量でも強い生理活性を示すことがわかって
います。また、プロスタグランジンに変わらない場合でも、細胞膜を構成する脂肪酸として取り込まれ、細
胞を活性化させる働きがあります。
このようなγ-リノレン酸の効果により、アトピー性皮膚炎の症状が改善されたという報告が出されてい
ますが、EPAとのバランスが必要であるとも指摘されています。
★上手に摂取するには
γーリノレン酸は、天然のものでは母乳の中に含まれているほか、ハーブのボラージ、限られた地域で生
育する月見草の種子、しそ、昆布やわかめなど一部の海藻類に、それぞれ少量含まれています。リノール
酸を摂ると体内でγーリノレン酸に変化します。ですから、サフラワー油、ひまわり油、コーン油などリノール
酸の多い油からγ-リノール酸が摂れるわけです。近年では、人工的な生産技術も進み、γ-リノレン酸を
添加したドリンクやゼリーなどの製品も作られています。過剰症は特に心配ありませんが、月見草油を使
う場合でも、α-リノレン酸と同様、摂り過ぎに注意する事が大切です。また、油はなるべく早く使い切る事
がコツです。古くなった油は、かえって体内に過酸化脂質を増加させることになります。
■γーリノレン酸を含む食品
●母乳 ●しそ油 ●ボラージ油(ハーブの一種) ●昆布 ●月見草油 ●わかめ
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リノレン酸 |
■多価不飽和脂肪酸。α-リノレン酸とγ-リノレン酸があります。生活習慣病を予防するさまざまな作用が
明らかですが、エネルギーオーバーには注意します。
★コレステロール値を下げ、高脂血症によい
α-リノレン酸は人間の体内で合成できず、食品から摂らなければならない必須脂肪酸です。一方のγ
-リノレン酸は、体内でリノール酸から合成されてできます。天然に存在するγ-リノレン酸は月見草油と
母乳などですが、合成によって純度の高いγ-リノレン酸が生産されるようになり、ゼリーやドリンクに添
加された製品があります。コレステロール値の低下や抗血栓の作用は、γ-リノレン酸に強くみられます。
★上手に摂取するには
α-リノレン酸は体内でEPA,DHAとなりますが、体内のγ-リノレン酸は、ジホモ・γ-リノレン酸、アラキ
ドン酸を経て、プロスタグランジンというホルモンにかわります。このプロスタグランジンが、血中のコレ
ステロール濃度や血圧、血糖値などを調節しています。プロスタグランジンは、加工食品の多食によって
ミネラルやビタミンB6が不足したり、動物性脂肪の多食、アルコール飲料の多飲などの傾向があると充
分に機能しません。バランスのよい食生活が大事です。
■γ-リノレン酸を含む食品
●母乳 ●しそ油 ●ボラージ油 ●昆布 ●月見草油 ●わかめ
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コレステロール |
■脂質の一種である遊離脂肪酸。動脈硬化の元凶とされているが、同時に細胞膜や副腎皮質ホルモンの
合成、神経伝達の関与など、人体を維持するために欠かせない物質です。
食事からも摂取されますが、ほとんどは体内(肝臓と小腸)で産出され、血液に溶け込んで必要な箇所
に運ばれます。このとき、水に溶けやすいリポタンパク(脂質とタンパク質の複合体)の形になって移動
しているのですが、コレステロールを体中に運ぶ役割をするリポタンパクがLDL,体内で余ったコレステ
ロールを回収するのがHDLです。このLDLとHDLの比率が問題で、LDLが多くなると動脈を硬化したり、
破壊したりという作用を及ぼします。このためLDLを悪玉コレステロール、掃除約のHDLを善玉コレステ
ロールと呼んでいます。総コレステロールという場合は両方を含んでいます。 体内のLDLをふやすのは、おもに肉類や加工食品に含まれる飽和脂肪酸です。
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多価不飽和脂肪酸 |
■n-6系列(リノ‐ル酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸)とn-3系列(α‐リノレン酸、EPA、DHA)の脂肪酸を
併せて、多価不飽和脂肪酸といいます。人体内で合成されない、または合成されにくく、食品からの摂取
が必要な必須脂肪酸です。
★血行を良くし、血圧を下げる
リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸などの多価不飽和脂肪酸は、血中コレステロールを減らし、
血栓を解消し、血液の流れをよくする作用があり、高血圧症を改善、予防することが証明されています。
なかでもα-リノレン酸は、体内でEPA、DHAへと代謝されるので、EPA、DHAの機能も期待できます。
★上手に摂取するには
リノール酸の過剰摂取でガンやアレルギー性の病気の発症が指摘されています。リノール酸の多い油
は減らしてα-リノレン酸の多い油に。ただ液化しやすいので過熱はさけ、サラダなどに使いましょう。また、
γ-リノレン酸はドリンクやゼリーなどにも添加されています。
★リノール酸を多く含む食品
●クルミ ●ブラジルナッツ ●紅花油、ひまわり油等植物油 ●ピスタチオ ●落花生 ●松の実 |
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DHA(ドコサヘキサエン酸) |
■n-3系列の多価不飽和脂肪酸で、EPAと同様に魚の脂肪に多く含まれます。また、植物油などα-リノ
レン酸を多く含む食品を摂取すると、体内でEPAを経て、合成されます。
魚の脂肪を摂ると、コレステロールの生成を抑制し、肝臓から血漿中へのコレステロールの分泌が減少
することが明らかになっています。詳しい仕組みはまだわかっていませんが、魚は低温の水中に生息す
るため、魚の脂肪はマイナス45℃になるまで液状を保つという性質を持っている事、えさとなる植物性プ
ランクトンにはα-リノレン酸が含まれ、魚の体内でEPA、DHAに変化し、蓄積されているためと考えられ
ています。また、DHA、EPAには脂肪酸の合成に関わる酵素のはたらきを抑制する作用があり、血漿中
の中性脂肪や臓器内のアラキドン酸を減少させると考えられています。その結果、脳血管障害、痴呆、
虚血性心疾患、高血圧症、動脈硬化、慢性炎症性疾患、高脂血症、皮膚炎などの予防と改善に有効とさ
れています。
★コレステロール・中性脂肪を減らす
魚の脂肪を摂る事で、コレステロールの生成が低下し、肝臓からのコレステロールの分泌が少なくなる
事が証明されています。
★中性脂肪を減らし、高血圧症を改善する
EPAと同様に、血液が固まって血栓が出来るのを防ぐ作用があり、血圧を下げます。中性脂肪を減ら
し、アラキドン酸(しばしばDHAと逆の作用をする)を抑制する事によって高血圧を改善、予防します。
★悪玉コレステロールを減らす
EPAと同じ働きにより、脳血管障害の予防、改善に効果が認められています。特にDHAは悪玉コレ
ステロールを減らし善玉コレステロールを増やす作用が著しく、注目されています。
★痴呆症によい
EPAと同様の作用により、痴呆症を予防します。また、DHAは、脳の発育や機能の維持に欠かせない
成分で、不足すると情報伝達がうまくいかず、学習能力や記憶力に影響します。老化にともなう学習能
力の低下についての研究も進められており、脳細胞が死んでも、残った脳細胞の働きをDHAで高めら
れれば、脳血管性痴呆やアルツハイマー型痴呆の改善に役立つと考えられています。
★気道の炎症を改善する
魚の脂肪には炎症を改善する効果があります。DHAには健脳効果をはじめ、EPAと同様にコレステ
ロール低下、心臓疾患予防などの数多くの作用があることがよく知られていますが、気管支の炎症を
改善することで、ぜんそくの発作を抑える効果もあります。
★体質を改善させてアトピー性皮膚炎の予防に良い
DHAは、EPAと同じ多価不飽和脂肪酸で、体質を改善させてアレルギーを防ぐ免疫調整作用があり、
アトピー性皮膚炎に対する効果がわかっています。魚の脂肪に多いほか、α-リノレン酸を含む食品を
摂ると、体内でEPAを経て合成されます。
★脳細胞を活性化し、自律神経失調症によい
DHAはもともと脳の神経細胞に含まれ手いる成分で、脳の発達や機能を維持するために重要な役割
を果たしています。DHAを多く含む食品から充分に摂取すると、脳細胞が活発になって知識欲が向上し、
不定愁訴が軽減します。
■上手に摂取するには
脂肪分の多い青背の魚に多く含まれます。特に魚のかま(頭の部分)の目のまわりの脂肪にDHAは
多く含まれています。あらを利用した煮魚がおすすめです。脂肪分を逃がさないような調理法で、β-
カロテンやビタミンEの多い食品と一緒に摂ると、更に効果的です。
■DHAを多く含む食品
●さば ●ぶり ●まだい ●はまち ●蒲焼き ●きんき ●ほんまぐろ ●さんま ●さわら
●まいわし ●にじます
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パルミチン酸 |
■ヤシ油や大豆油にも含まれていますが、牛肉や豚肉の脂身、また、ラードやバターなど動物性脂肪
から摂取することが多い飽和脂肪酸です。炭素数16で人の体脂肪にも多くあります。とりすぎは血中
コレステロールを増やします。
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リノール酸 |
■n-6系列の代表的な多価不飽和脂肪酸です。体内では合成出来ないため、食品から摂らなければな
らない必須脂肪酸とされています。
アメリカでの研究から、植物性脂肪の不飽和脂肪酸、特にリノール酸にコレステロール値を下げる効果
があることが判り、動脈硬化の予防と治療に用いられはじめました。しかし、現在はリノール酸を過剰に
摂取すると善玉コレステロールまで減少させるなど、さまざまな弊害が起こることが明らかになっていま
す。最近では、n-3系列の脂肪酸との摂取量のバランスを摂ることが重要だとされます。望ましい摂取比
率は4対1(n-6対n-3)とされます。
リノール酸の弊害の一つに、リノール酸が酸化されやすく、体内で過酸化脂質を生じやすい事がありま
す。過酸化脂質はガンの原因となり、日本で増えてきた欧米型ガン(肺ガン、乳がん、大腸ガン、前立腺
ガン、すい臓ガンなど)のほとんどはリノール酸によって促進されることがわかっています。また、リノー
ル酸はアラキドン酸を合成しますが、アラキドン酸にはアレルギー症状を悪化させる作用があり、アトピー
性皮膚炎、花粉症などをふやしていると考えられています。
★コレステロールを低下させる
血中コレステロール値を下げる効果が明らかで、動脈硬化を防ぎ、心筋梗塞を予防します。リノール酸
の含まれた植物性の油がよいからといって過剰に摂取すると、リノール酸の過酸化された物が肺ガン、
乳がん、大腸ガンを促進するという弊害もありますから注意を要します。
★高脂血症によい
コレステロールの排泄を促進し、コレステロール値を下げます。同時に血管を拡張するはたらきもあり、
血液の流れをよくします。
★胃液の分泌や胃粘膜の健康に関与
人の体内で、プロスタグランジンというホルモン様の物質が各種あり、生体各組織の機能を調節してい
ます。胃液の分泌量を決めたり、胃粘膜の内壁を丈夫にする事にも働いています。リノール酸は体内で
γ-リノレン酸を経て、プロスタグランジンの原料となります。
★上手に摂取するには
過剰な摂取は禁物です。動物性油脂を控えて、そのかわりにリノール酸の多い植物油を使います。摂
り過ぎると、善玉のHDLコレステロールまで減らしてしまい、かえって症状が悪化することもあります。
油脂は高エネルギーですから、エネルギーのとりすぎにもつながります。また、リノール酸は酸化され
やすいので、早めに使い切るようにし、古い物は避けましょう。ドレッシングのように加熱しないで使うと
効率よくとれます。
■リノール酸を多く含む食品
●くるみ ●ブラジルナッツ ●植物油 ●落花生 ●松の実
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