−−1983年にホーキング等は「虚数時間」の概念により、「宇宙の始まりは端(特異点)ではなく、どこが端であるかわからないなめらかなもの」と言う提案をした。−−


 従来ァ、宇宙の始まりは「円錐の頂上」のような一点(特異点)としてとらえられていたらしいですぜ。だから、その一点より過去が無い、すなわち宇宙発生の原因があり得ないという矛盾があったンでござんすネェ。ホーキング等が提案した「虚数時間で始まる宇宙」の考え方にゃア、量子論の「トンネル効果」も採用され、従来の壁を打ち破ることが可能になったってェ事ですぜ。概略を下の「解説」に書いといたから、興味のある方ア、読んで下せェまし。あっしにゃア、何が何だかさっぱりでござんすヨ。

 解 説
 相対論によると次の式が示すように、宇宙全体の歴史、つまり時空において、「空間方向」はプラス要因、「時間方向」はマイナス要因になる。

 (時空内の距離)の2乗 =(空間方向の距離)の2乗 −(時間の経過)の2乗

 虚数とは、2乗するとマイナスになる数である。マイナスの数を引けばプラスになるので、虚数時間が流れていれば、「時間方向」もプラス要因となり、空間方向と時間方向の違いがなくなる。つまり宇宙の始まりは、ほかの点と変わらなくなり、端(特異点)ではなくなるのである。
 しかしですねェ、そうやって考えられた「宇宙の始まり」ってェのア、全く物質のない真空状態であることが判明したってェから、話ァややこしゅうござんすネェ。この「全く物質のない真空」から、現在の宇宙がなぜ誕生し、膨張したンでござんしょうか。不思議でしょうがねェンでござんすヨ。

このページの更新日は   です。