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藤 沢  周 平   著者プロフィールの紹介
書    名 出  版  社 書    評
出  版  日
価      格
漆の実のみのる国
(上巻・下巻)
文 春 文 庫  江戸時代、米沢藩は他藩に比べ多すぎる藩士を抱え、旱魃・冷害の被害、参勤交代等の対幕府用出費の負担等により貧窮のどん底にあった。ここに高鍋藩から米沢藩に養子入りし、17歳で藩主となる上杉鷹山が登場する。彼は「領民の幸せ」を真剣に考え、志を同じくする家老をはじめとする藩士たちと、藩政立て直しに敢然と立ち向かう。この本は、上杉鷹山やこれら執政たちの苦闘を描きつつ、その根底には「人間愛」が美しく語られている。著者の遺作であると同時に、われわれに残された「遺書」とも言うべき作品となっている。
2000/2/10
1000
静 か な 木

新 潮 文 庫  藩の勘定方を退いてはや五年、孫左右衛門もあと二年で還暦を迎える。城下の寺にたつ欅の大木に心ひかれた彼は、見あげるたびにわが身を重ね合わせ、平穏であるべき老境の日々を想い描いていた。ところが.....。舞台は東北の小藩、著者が数々の物語を紡ぎだしてきた、かの海坂(うなさか)。澹々としたなかに気迫あり、滑稽味もある練達の筆がとらえた人の世の哀歓。藤沢周平最晩年の境地を伝える三篇。《岡安家の犬》《静かな木》《偉丈夫》を収録。
2000/9/1
380
春秋山伏記

角 川 文 庫  崖の下に伸ばした母親の腕に女の子がぶら下がっている。辺りには人影もなく、かよわい女の力では引っ張り上げることができない。母親の腕の力が尽きかけたその時、山伏が現れて、子供を救い上げた。大鷲坊と名のるこの山伏は、白装束に高下駄、髭面の大男。羽黒山からこの村の薬師神社の別当に任ぜられてきたのだが、神社には長年住み着いている偽山伏がいて、村人たちの信望を集めていた.....。
山伏と村人たちとの交流を通して、著者が愛してやまない郷里山形県庄内の人々の往事の暮らしを、郷愁をこめて書き綴った時代長編。
2001/11/25
560
早 春 その他
文 春 文 庫  主流をはずれた職場、地方で入り婿状態の息子、妻子持ちと交際中の娘。五年前に妻を亡くし、まだローンの残る建売の家で一人、主人公は自分の役目は終わったと感じている。そんなある日、娘に再婚を勧められ──。初老の勤め人の寂寥を描く「早春」。加えて時代小説二作と、作家晩年の心境をうつしだす随想、エッセイを収録。解説・桶谷秀昭
2002/2/10
420
天保悪党伝
文 春 文 庫  天保年間の江戸の町に、極めつきのワルだが、憎めぬ連中がいた。博打好きのご家人・片岡直次郎、辻斬りで財布を奪う金子市之丞、抜け荷の常習犯・森田屋清蔵、元料理人の悪党・丑松、ゆすりの大名人として知られた河内山宗俊、そして吉原の花魁・三千歳。ひょんなきっかけで知り合った彼らが、大胆にも挑んだ悪事とは.....。世話講談「天保六歌撰」に材を得た痛快無比の連作長編!
2002/11/1
500
日暮れ竹河岸
文 春 文 庫  江戸の十二ヵ月を鮮やかに切りとった十二の掌篇と広重の「名所江戸百景」を舞台とした七つの短篇。それぞれに作者秘愛の浮世絵から発想を得て、つむぎだされた短篇名品集である。市井のひとびとの、陰翳ゆたかな人生絵図を掌の小品に仕上げた極上品、全十九篇を収録。これが作者生前最後の作品集となった。
解説・杉本章子
2000/9/1
460
書評欄の背景が「黄色」の本は、yamateru お奨めの一冊です。