原発問題トップページへ



  1. プルトニウムの誕生
     プルトニウムは、天然の元素じゃアないンです。そう、人工的に作られたものなンですネ。1940年末にカリフォルニア大学バークレー校の実験室で、シーボルグ、ケネディ、ワールの三人が、ウランの原子核に重陽子を衝突させて合成し、誕生させたって訳。プルトニウムは、冥王星(プルートー)にちなんで命名されたンですが、冥王(地獄の王)の元素とは、今にして思えば皮肉なことです。誕生後、四年半ほどしてこの元素が原爆として日本に投下され、長崎に地獄を作り出したンですから。

  2. プルトニウムの性質
     プルトニウムは、強い放射線(アルファ線)を発するから、「エネルギー源」としてのプラス面だけじぁアなく、「毒物」としてのマイナス面も併せ持ってるンです。また、「エネルギー源」としちゃア平和利用だけじゃアなく、核兵器として使われる場合にゃア非常な災厄をもたらすことになる危険性も忘れちゃアならないンです。

  3. プルトニウムと核燃料リサイクル
     天然ウランは、99.3%がウラン238 、 0.7%がウラン235 なンです。ウラン238 は非核分裂性なンで、原子炉の材料となるのはウラン235 です。現在の一般的な原子炉の軽水炉は、ウラン235 を3%程度まで濃縮して使用するンですが、それでもウラン燃料の97%は燃えないウラン238 が占めてる訳。ところが原子炉の中でウラン238 の一部が、プルトニウム239(核分裂を起こしやすい) に変わるンですネ。これを核燃料として再利用(核燃料リサイクル)すりゃア、天然ウラン資源の利用効率を高めることにつながるって寸法です。けれども、ウランと比較して、原子炉の中で生成されたプルトニウムの毒性が格段に強く、放射性廃棄物が問題となる根拠がここにあるってことを見逃せないンです。

  4. プルトニウムと高速増殖炉
     現在、ウランの国際価格は安定してるから、プルトニウム利用のメリットはほとんどないンです。むしろ、核燃料の再処理や、核燃料リサイクルに組み入れる高速増殖炉の問題点が浮き彫りになっていると言えるでしよう。核燃料の再処理は大量に放射能を扱うから、環境への放射能放出も多くって、原発以上に大事故の可能性も否定できないンです。また、高速増殖炉は安全技術上、特に次の二点が問題なンですネ。

    • 冷却材として、高温(約セ氏 500度)で溶けた金属ナトリウムを使うが、ナトリウムは水と爆発的に反応するうえ、大気に触れても燃えてしまう。冷却材として大量に使用することの潜在的危険は大きい。

    • 炉心に高密度のMOX燃料(プルトニウムとウランの混合酸化物燃料)を使用していることと、沸騰したりすると暴走しやすいナトリウム冷却剤を使用していることから、核爆弾のように暴走爆発する可能性を秘めている。

 原発問題トップページへ

著作権情報:このページの更新日は   です。