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9/29
平井堅/Yellow Generation

平井堅の「大きな古時計」。まあ「みんなのうた」という、実はヒット曲のひとつの鉱脈となっているところから
出てきた曲っていうのはあるかもしれませんが、それを出しちゃうというところ、そして馬鹿売れしちゃうというところ。
売り手買い手双方が恐ろしく保守的になっているのだなあ、となんとなく恐怖すら覚えます。
こんなんじゃ、コピーガードしたところでCDなんて売れやしないわな。
ベスト盤、カバーアルバム乱発、そして今回。「聴いたことのある曲」しか売れない事態。誰のせいだ?

で、これが売れたことで、レコード会社各社は新しいヒット曲のパターンを発見して喜んでいるのだろうか、
と一旦は思ったのですが、ちょっと考えると二番煎じでのヒットは案外難しいような気がします。
アーティスト・選曲ともかなり微妙なバランスですし、これは。
一歩間違えたら由紀さおりと安田祥子になっちゃうしね。まあ、紅白出れるからいいんだけど。

あと、誰だっけ。若手のバンドで「グリーングリーン」をライブの持ち歌にしてるバンドいたっしょ。
このタイミングで録音して発売するのはある意味危険だけど、もしかしたらイケるかもよ。


でさ、今更思い出したんだけど、これまでWhiteberry、ZONEとヒット曲を2年連続で生み出してきた
TBSの夏の昼ドラマの主題歌って、Yellow Generationだったんすね。なんかすげえナットク。
「詞先」だなんだってお題目つけておいて、結局狙いはそこらへんの層ということで。
無理にヒネり出したような各メンバーのトラウマを衆目に晒してみるパフォーマンスといい、わかりやすすぎる歌詞といい、
中学生あたりの「なんか自分なりにいろいろあるんだけど椎名林檎では難しくてわからなかった人たち」を
狙うのがジャストだというのは、正しい判断だと思いますが。

でも、Whiteberryがそのアイドル性の無さから苦戦を強いられている現状を見ると、
彼女たちも今後かなり厳しくないか。なんか変な着色してるから素顔にすればまだいけるのかな。
まあ、ここまで持ってこれれば、今後彼女たちがコケようがどうなろうが、
おちまさとにとっては痛くも痒くもないのかもしれませんが。


9/22
菊川怜/タッキー&翼/Going Under Ground

あー。自分のイベントの告知すんの忘れてたよ。
9/28(土)、中野に新しくできた「Heavy Sick Zero」というところで回します。20:00から。2000円。
ここ、2フロアの箱なので、暴れることもまったりと飲むことも可能です。
自分は「暴れ」セットは午前0時過ぎあたりから、まったりセットは午前2時くらいから回します。
このサイトにのっけてるような80年代やカヴァー曲中心に組んでます。もしよろしければ。

連休、お金がなくてずっと家にいたので、久々に鬼の検索モード。リンク集を凄い勢いで更新してみました。
あと、Modern Englishがずっと活動を継続させていることと、Men Without Hatsが再結成してることを発見。
そこらへん含め「LOST BANDS」のコーナーもあちこち加筆修正してみました。


上戸彩のヒットで気をよくしたオスカー。次の一手は「菊川怜CDデビュー」!
ポスト今井美樹を狙い来春デビューということなんですが、なんかヤバイよ、これは。プンプンするよ。

彼女がおじさま受けがいいというのは知ってます。週刊ポストにも載ってるし。
でもそこらの層が彼女のCD持ってレジに並ぶわけがねえ。
中高生は、男女ともども24歳のお姉ちゃんなんざ眼中にもないでしょうし、
(男子の一部が「あんな人が家庭教師だったら・・・ハァハァ」というのは除く)
OLさんとか大人の女性にはそもそも今の時点で大変ウケが悪うございます。
・・・ほら、買ってくれる人がいないもの。

ただのタレントのうちは、おじさんというか、テレビ局のディレクターと雑誌の編集者とメーカー宣伝部の人にさえ
ウケがよければ「人気タレント」としてやっていくことは可能ですし、実際もそんなもんでしょう。
それを調子こいてCD出すと、まともに「世間一般の評価」を食らっちゃいます。
事実、そういうタレントさんがCD出して悲惨な目にあったという例はいくらでも出てきます。
安西ひろこがあそこまで世間に媚を売った挙句に玉砕したり、柴咲コウが話題にもならなかったり。
どうすんだろうねえ。

オスカーも、米倉涼子ではなく菊川怜を選んだという点は、二択として正しいと思うけど。
ていうか、そもそも来春までもってるかどうかというところからスリル満点。


タッキー&翼の話を以前にしましたが、チャート的にはまあギリギリ成功というところでしょうか。
でも、ピンでは多少弱い、同じ事務所所属の2組を一緒くたにすることで
いっぱしのセールスを稼ごうという試みは、シングルでは既に成功例がありました。
SHAKKA LABBITSと175R。
あと、「ハモネプ」からメジャーデビューしたヤツらも同じ感じっすね。
番組の司会も含めて全員ホリプロ。


深夜、テレビで初めて Going Under Ground のビデオを見ました。売れてほしいと心から思いました。
恐らく日本で初めてでしょう。デブの不細工がフロントマンのバンド。
ハックルベリー・フィンのヴォーカルの不細工さ加減もなかなかですが。


9/15
The Devils/The Music/McAlmont & Butler

腐っても洋楽サイトだから、たまにはここにも洋楽のことを書いてみよう週間。

The Devils / Dark Circles
Duran Duranのニック・ローズと元Duran Duranのスティーブン・"ティンティン"・ダフィ。
20年以上の時を経てついに邂逅した2人のユニットのアルバム。
10年前だったらもっとニュースになってたのに、今やちいともメディアが取り上げませんなあ、とか思いつつCDをセット。

・・・・困ったなあ。

極彩色のやりすぎ感溢れる馬鹿ポップに違いないと勝手に決め付けていたこっちもこっちですが、
見事に正反対の音をぶちかましてくるヤツらもヤツらだ。いやあ、暗い暗い。
こりゃどのメディアも取り上げないわけだ。非常に言葉にしにくい。いろんな意味で。
「実験」といえば聞こえはよいでしょうが、未消化な感じのヘボいノイズまみれの打ち込み音が続きます。
なんの予備知識もないまま聴いたら絶対21世紀の録音とは思えないよ。
気分はすっかり同窓会、という感じの音。要するにベースには完全に80年代初頭のセンスが息づいているわけで。
だから正直、嫌いじゃないんだけど、決して人様に胸張ってお勧めはできない一品。


The Music / The Music
うわあ、すげえや。もう完全にてめえのグルーヴをがっちり握り締めてるよ。
90年代頭にマンチェスターの一派が結局辿り着けなかった地点から、いきなり始めちゃってるような音。
"The People" "Disco" "Too High"なんて曲名から察するに、基本的なセンスはまったく一緒なんですが。

先に80年代前半のハードコアを通り、後から初めてピストルズを聴いて「へぼっ!」と思った自分ですが、
ここから入った若者は、ストーン・ローゼズの1st聴いて「へぼっ!」って思うのかもしれません。困ったなあ。


McAlmont & Butler / Bring It Back
わかりやすく喧嘩別れした2人が仲直りしてやっとこさえたフルアルバム。
Suede時代は完全に「俺が俺が」状態で、ヴォーカルを食っちゃう勢いで変なギター音を出しまくっていた彼ですが、
さすがにもう喧嘩はしたくないと思ったのか、非常に分をわきまえたギタープレイに徹しています。
つうか、バックトラック全体の主導権を握った結果、ギターだけで自己主張しなくてもよくなったためとも思えます。

結果、非常に粒揃いのポップスアルバムになりました。バトラー兄さんである必然性はどこにもないんだけど、まあいいや。
間奏の後半とか後奏のフェイドアウト前になってからいきなり弾きまくっちゃうところなんかご愛嬌ですが。


ラルクのTetsuのソロ新曲。どう考えても曲とジャケとビデオのコンセプトが全部バラバラなんですけど、いいんですか?


9/8
宇多田ヒカル/上戸彩

宇多田についてはもういろんなところで言い尽くされてるので敢えて言うことなし。
自分、夏休みの北海道旅行中にこのニュースを聞きました。
安室のお母さんが殺されたのはシドニーのホテルで知ったし、
アメリカの航空機テロは、香川でうどん食ってるときに知りました。
なんかそんな感じの星のもとに生まれてきてしまったようです。

ついでに、余談というか泣き言をひとつ。
北海道から帰るとき中標津空港から羽田に出る予定だったのですが、いきなり欠航食らいました。
よりによって飛行機以外に何の交通手段もない北の果ての空港で。
しばし途方に暮れたあと、バスで2時間以上かけて釧路に移動、釧路で千歳行きの飛行機を押さえ、
千歳空港で羽田行きのキャンセル待ちを突込み、最終便の1本前でギリギリ席ゲット。
結局家に帰りついたときには午前0時を回っておりました。予定では午後3時くらいにはついてたはずだったのに。
そして余計にかかった交通費、カミさんの分と合わせて8万円。・・・あと半月、どうやって暮らそうか。


乙葉、小向美奈子、柴咲コウ、平山綾。タレントやグラビア系アイドルがこっそりと
CDデビューを果たしておりますが、出す方はどれくらいの勝算でもってやってるんでしょうか。
釈由美子なんて3年も前にCD出しているんですが、知ってる人ほとんどいないしね。
このクラスでそれなんだから、それ以下のタレントはどうなっちゃうんでしょうか。

そんな中、オリコン4位にまでなってしまった上戸彩。
まあ「金八」効果絶大というところなんでしょうが、いったい実際に何がウケているのかはさっぱりわかりません。
ツラもタレントさんとしては実に地味だし、「金八」以前に目立ったプロフィールがあるわけでもなし。
ていうか彼女、実は「Z-1」というセコいユニットのメンバーとして既にCDデビューしていて、
売れないCD何枚も出してますんで、逆にケチがついてるくらいです。
オスカープロモーションが、菊川怜と米倉涼子で蓄えた小銭を使って一気にここで地固めを行ったのかもしれません。
つい2年前までは、出すタレント出すタレント全部コケてたオスカー、ここで一気に天下を取りに行くのか。

上戸彩、「第7回国民的美少女コンテスト」の審査員特別賞になったのが芸能界入りのきっかけだったんですが、
そのとき「大賞」を取ってる須藤温子は今、どんな気持ちなんだろうか。


9/1
中島美嘉・島谷ひとみ/Roddy Frame etc

中島美嘉とか島谷ひとみって、いったい誰がCD買っているのか考えてみる。
少なくとも自分の周りにはそんな奴ひとりもおりませんし、
もはや盛大に自社買いするような体力がレコード会社にあるとは思えませんし。

ふと考えたら、MAXがいなくなった穴を埋めているのが彼女たちではないかと。
MAXも、最初は誰が買っているのかさっぱりわからなかったのですが、
「水商売の人たちに絶大な人気がある」ということを元水商売の友人から聞いて、
目から鱗の落ちる思いをしたことがあります。

MAXから中島・島谷。確かに代替品としては猛烈にしっくり来ますね。


ロディ・フレイムの新作"Surf"。よいです。染みます。全編弾き語りとはいっても
彼はギターもめちゃくちゃうまいっすから、その音色を聴いてるだけでも飽きません。
ただ、曲によっては「やっぱバンドでやったほうがもっといいのでは?」と思ったりするのが。

あと、渋谷HMV、その"Surf"と同じ試聴機にSnowblindという新人バンドのアルバム突っ込むのは反則。
その「バンドだった頃のアズテック・カメラ」を嫌でも思い起こさせる音。しかもメロは超泣き。
絶妙のタイミングで、でも出しゃばらずにスポッと入ってくるラッパや弦。パーフェクト。
頭の2曲で完全にヤられて結局2枚ともお買い上げ。ちきしょー、商売うまいな。
ただし、ヴォーカルは女性でございます。

話題になってるみたいなので、Cave Inをはじめて聴いてみました。Killing Jokeみたいでした。


8/25
松浦亜弥/George Michael

あー。考えてみたら先週でちょうど4周年でした。皆様ありがとうございます。
あまり深く考えずにだらだら続けていきますので、よろしければこれからもお付き合いの程を。


松浦亜弥の9/19発売の新曲。タイトルは『The 美学』。もう怖いもんなしです。無敵。
「学生のリアル恋愛」的な歌詞は藤本美貴に完全にまかせられるようになったので、
彼女はもうこのまま無意味の極北まで突っ走るしかないでしょう。セカンドアルバム、激しく期待しています。


ジョージ・マイケルがとんでもないことになってました。
新曲「Shoot The Dog」のビデオを先日やっと見たのですが、これすげえよ。
もしかしたら今世界でいちばんヤバイ人はこの人かもしれない。いや、たぶん一番だ。
曲はかっこいいけど何のヒネリもない70年代ディスコ風ですし、PVもかなりフザけたアニメですが、
この情報量と内容はすごいです。ワンシーンごとにとんでもない覚悟が見てとれます。

前作「Freeek!」もヤバかったといいますか、
「俺は異形だ! 文句があるか!」という凄まじいまでの宣言ソングであったわけですが、
今回はアメリカ・イギリスという国家と、その国の半数以上を占める世論に喧嘩売りまくってます。

それだけならまだ風刺とかで済ませることもなんとか可能かもしれないんですが、
さらにWham!とか"Faith"の頃の自分まで嘲笑の対象にしちゃっていますから、ビデオで。
おまけにヴィレッジ・ピープル(70年代後半のコスプレホモ5人組)の格好とかにもなってまして、
これは「俺はホモだ! 文句があるか!」という、豪速球ストレートなカミングアウトと捉えるべきでしょう。
自分を生んだ国も、受け入れた国も、過去の自分も全部捨て、あるのは「今のリアル俺」のみ。
それを軽いビートとマヌケなビデオに乗せ、何の悲壮感もなくヘラヘラと世に出してしまう。もう人じゃねえ。

スタンダードナンバーを甘くカヴァーした前アルバムで、完全にこの人も焼きがまわったかと思いましたが、
便所のチンポ丸出し事件で何か完全に吹っ切れたというか、彼の中のチャンネルが切り替わりました。
十数年前、「偏見なしで聴いてくれよ!」と半ベソで叫んでいた彼はもうどこにもいません。
受け手のこっちだってもう偏見もクソも持てやしません。手に汗を握ってじっと動向を見守るだけ。

今の彼は、2度世界をモノにしたスターなんかではなく、腹を括ったただの危ないオヤジです。
アルバム、どうなるのでしょうか。楽しみでたまりません。

公式サイトはこちら。新曲のビデオは右上の「CLICK HERE」から。
http://www.aegean.net/


8/18
day after tomorrow/The Velvet Teen

しつこいですが、エイベックスが社運を賭けて送り出す新人ユニット day after tomorrow。
5年前のビジネスモデルを模倣しただけではありませんでした! 前言撤回します。
そこには現在の社会状況に応じた様々な「くふう」があったのです!

くふう・その1
ベストばんみたくしてみました。
6きょくぜんぶタイアップ。テレビばかりみてるひとにとってはどれもききなじみのあるきょくばかり!
ベストばんしかうれないこのごろにピッタリ!

くふう・その2
アルバムでデビューしてみたよ!
シングルはだしてもあんまりうれないから、まだひかくてきうれるアルバムでデビューしてみたよ!
しかもアルバムだからレンタルにでるまでじかんがかかって、そのぶんかってもらえるからいっせきにちょうだ!

くふう・その3
すくないおかねでもかえるよ!
きょくすうをへらしてそのぶんやすくして、キミのおこづかいでもかいやすくしてあるんだ!

まあ、なんちゅうか、最後に残ったわずかなオアシスを荒らしてまで目の前の売り上げがほしいのでしょうか。
これでいけたとしても、また1年後くらいにもっと酷い目に遭うのではないかと。業界全体が。
オリコン初登場10位という、これまた微妙なチャートアクションで。
でも、世の音楽番組は相変わらずシングル偏重で、アルバムはベスト5くらいしか紹介しない場合も多いから、
パブリックによる宣伝効果はいまいち見込めないのではないでしょうか。さあ、どうする。

ただ、いっこだけ芽があるとするならば、ここ数年は本当にどのレコード会社も「それまで売れてきたバンド」
の売り上げで口を糊してきた感がありまして、爆発的なセールスを稼げる新人がほとんど育っていません。
それって今の10代の子達にとっては「僕らのバンド」の不在という事態なわけで。
んで、それを欲している層がインディーズ系バンドに流れ込んでいる、というのが今の構図だと思うわけです。
そこにうまく割り込んでいければ、勝機はあるのかも。

ヴォーカルの彼女の、何かの間違いかと思うくらい人なつっこそうなツラ構えを見ながら、
そんなことをなんとなく思った次第。


The Velvet Teen。いくつかの雑誌で1stアルバムが紹介されております。実際いいバンドです。オススメ。
でも、バンドの資質はそのアルバムよりも初期EPをコンパイルした9曲入りアルバムの方がよくわかりますので、
そっちの方をより強くプッシュしたい気持ち。薄型ケースに入った男子3人のイラストジャケです。


8/11
ロッキンオン/day after tomorrow

久々にロッキンオン誌を買いました。30周年記念号。で、特集冒頭の編集長の前書きを読んだのですが。
『ファンとかリスナーとかいう曖昧なものを想定してロックを語る事は不毛であり、
語る事ができるのは「自分」という視点からだけだ』ということですが、
でも、読んでる(読んでた)人の中にはその「自分」こそがいちばん曖昧なものだってことを
いやというほどわからされてる人間がたくさんいるんですけど。
今の段階であなたの言う「自分」って何ですか。meですか。usですか。
そして重要なのは「自分」の何ですか。信念ですか。思想ですか。趣味ですか。利益ですか。
そこをはっきりさせない限り、この2ページ、何の意味もないと思うんですが。

ていうか、現状は急に始まったことではなく、80年代の段階であったことですけどね。
まだ「JAPAN」が発行されていなかったころ、どうしてもこれまでのロッキンオン誌の
文脈では理解しがたい日本人アーティストのレビューが載っていましたね。
別ページのそのアーティストの全面広告と共に。
悪戦苦闘したんでしょう。「大人のロック」とかいう、ほかの「提灯記事音楽誌」で
多用されているようなフレーズを使って賛辞を送っていました。

商業誌です。ビジネスです。当然といえば当然の流れでしょう。
だから、現在の方針にケチをつけるつもりはあんまりないです。
ただ、他の音楽誌より優れているような物言いとか、
編集者の自己尊大を見せつけるような原稿を載せるのはもう勘弁してください。
それはもう、ただ滑稽なだけなんですから。


エイベックス。社運をかけて送り出す新人ユニット day after tomorrow。
ティーンの女voとギターとキーボードの3人組。
デビューミニアルバム全6曲すべてタイアップ付き。
サウンドプロデュースは元ELTの五十嵐。
・・・全国のリスナーの皆さん、なめられてますよ。
5年前のビジネスモデルを何のヒネりもなくリサイクルしてまだ儲けられると思ってますよ。
よっぽどリスナーのことをアホだと思っていない限り、こんなことできません。

で、株主に向かって「今後わが社のCDはすべてコピーコントロール付きです」と言ったはずのエイベックス。
9月に出る細野&ユキヒロのユニットSKETCH SHOWは普通のCDなんだそうです。あれ、おかしいね。
アーティストを納得させうる理由もないまま無理にゴリ押しして、
ゴリ押しの効かないアーティストには簡単に屈して会社としての方針すら曲げてしまう。
リスナーの方をまったく見ていない会社だということはわかっていましたが、
株主の方すら見ていないことがわかりました。だとしたら?



8/4
ハロプロ/タッキー&翼

プライマル・スクリーム、新作むちゃくちゃ。もう常人じゃないね、こいつら。

つうわけで、モーニング娘。から後藤と保田が抜けるわけですが。
後藤の場合、ソロリリースのインターバルが妙に早くなってきたあたりで
可能性として見えてたわけですが、保田はすげえ意外。意表突かれました。

いや、モー娘。の「歌」の部分をほとんどひとりで支えてきた人なんで、大丈夫かよ、というのもひとつですが、
こういうグループにはだいたいにおいて「お味噌」役がつきものでして。
たのきんの野村義男。CHA-CHAの桃太郎(反則)。SPEEDのヒトエ。DA PUMPのシノブ。W-indsの龍一。
そんな中、彼女は珍しく「非常に愛されているお味噌」だったわけで。
なんかあったら「オチ」として使われたり、某掲示板でちゃんとしたアスキーアートを作ってもらえてるのが彼女だけだったり。
龍一だったらそうはいきません。握手会のとき、最後に彼がいるのがたまらなく嫌だと言い放ったファンもいるくらいで。

で、そんな「存在感のあるお味噌」だった彼女が抜けたらどうなるのか。
お味噌はいることはいます。新垣。でも彼女は龍一的扱いの単なるお味噌ですから、保田の穴は埋められません。
もしかしたらこれでグループ全体のバランスが崩れるのではないか。そんな気も少ししたりして。

でもいちばん不憫なのは、ハロプロそのものから追い出されてしまう平家みちよ。


ずーっとここ数年、ピンでは弱いが今更グループとしてデビューするには旬を過ぎてしまってどうすべ、とか言われていた
タッキー&翼の「スプリットアルバム」的リリース形態は、凄まじくアクロバティックな解決法だと思った。


7/28
最近のレコード会社

Chemistryの新曲"Floatin'"の歌詞。この卑屈さは凄いよ。こんな後ろ向きでもオリコン1位。
それに比べてモーニング娘。の新曲のつまらなさよ。

というわけで7/24の新曲ラッシュは、浜崎→GLAY→モー娘。の順で決まりそうです。順当。
それでも浜崎は3種違いのジャケ(しかも水着)で必死になって逃げ切った感あり。
モー娘。は、あの曲では勝てるものも勝てないし。
でも正直なところ、ここらへんの人たちはもう完全に頂点からじわじわとずり落ち始めてますね。

で、違法コピーがどうとか言って、CDが売れない責任を客になすりつけているメーカーさん、
ロクに新商品開発のための投資を行っていませんから、次を担える新人がまったく育っておりません。
桑田とか井上陽水とか小田和正がこの時期馬鹿売れするのは、
じつは「他にタマがないから安全パイに投資する」という
メーカーさんのプロモーション行動の結果だったりするわけで。
エイベックスがはっぴいえんどとかURC関連の音源の版権を押さえたのも、
そこらへんと同様の意識が働いた結果でしょう。若い会社だからそこらへん弱いものね。

まだしばらくは、インディーズで話題になった人がメジャーへ、というパターンを除いては、
意表を突いた人が馬鹿売れする、ということはあんまりないんでしょうねえ。


7/17
最近のレコード会社

すいません。出張行った後死んでました。今から申し上げておくと、今週末も日曜出社の後そのまま神戸出張。
その後再び死にかけることが予想されるため、更新はまた火曜か水曜くらいと思ってください。すいません。



みんな。冷静になってもう一度この事実を確認してみよう。
ヴァンゲリスがオリコン5位。

dreamが8人になった。腰が抜けるほど驚いた。反則だ。
新しい公式サイト見たら「dreamナンバー」という名の会員番号までついていたぞ。
もちろん「卒業」した松室はいきなりの永久欠番「01」をゲット。
どうするつもりなんだ、MAX松浦。・・・今後を予想してみよう。
1)本体とは別にソロやユニットでバラ売りデビューする。2人ほど太ったりする。
2)本体とは別にソロやユニットでバラ売りデビューする。ソロシングルのカップリングに「会員番号の唄」を収録。
3)最終的には13人登場して互いに戦う。10人目くらいにはカニ型アイドルが登場して瞬殺されたりする。
4)15人くらいになり、MAX松浦に全員食われた結果内紛が勃発し、自然消滅する。
・・・元ネタは各自で考えてください。

ビートパンク、ヴィジュアル系と、メディア主導のブームをいくつか見てきてしまった身としては、
Rag Fairの今後を見届けることは非常にしのびないのですが。

吉澤ひとみにこの半年で何があったのか?
あれはいくらなんでも尋常じゃねえだろう。
余計なお世話とは思いつつ、本気で私生活を心配してみる。


FLAMING LIPSの新譜、泣けるよ。なんか泣けるよ。
WASTE OF POPSは、あなたが人生と、このサイトをエンジョイしてくれることを願っています。

7/7
日本のヒップホップ

だからやっぱ日本人ってニューミュージック好きなんですよね、自分含め。
「メロコア」の場合、まあそっちの方に向かう流れになるだろうな、ということは予想できましたし、
実際、モンゴル800のように歌詞がまんまニューミュージックなバンドが売れてるわけですが、
ヒップホップまでそういう流れになってきてます最近。
ケツメイシとかRIPSLYMEとか、ニューミュージック濃度の高い連中が売れるのを見るにつけ、
日本人の好みの強固な変わらなさっぷりをまじまじと感じてしまいます。

まあ、ヒップホップの場合、「日本人にとって一番リアルなスタイル」がスチャダラパーによって10年以上前に
完成されちゃって以降、やることといえば、日本にはありえない「ギャングスタ」的なものの近似値を探すしかなし。
その結果は「サムライ」とか、「それしかねえのかよ」と言いたくなるような代理のモチーフ持ってきたり、
「ホモ殺す」とか不当な仮想敵を作って粋がって揉めたり、なんだかとっても情けないパターンが多くて。
中には、かっこいいフレーズを並べ立ててはいるものの、リリックをよく読むと
結局言ってることは「親を大切にしよう」だったりする、もう笑うしかないものもあります。
正直もう行き詰っちゃってますね。日本的リアル「ギャングスタ」は相変わらず演歌聴いてるし。

そこの活路を見出すひとつの手段として、「ニューミュージック」化はひとつの有効な手段でしょう。
既存の流行歌のフォーマットにヒップホップのスタイルだけ落とし込む。
ウケる層のキャパは広がりますし、リリックの世界観は既存のものからなんぼでも流用可能。
聴き手にとっての、「これはヒップホップ」というエクスキューズは残りますから、
「ほかのみんなとは違う自分」なオルタナ気分もちゃんと満喫できます。
そこらへん、送り手のほうも意識しているようで、RIPSLYMEの「楽園BABY」なんかは、リリック全体の世界観は
もう完全にTUBEとかと一緒なんですが、「オナる」とか、やんちゃな単語を入れ込むことで差別化を図っていたりします。

日本の場合、流行しているジャンルの中で、音楽よりお笑い勝負やキャラ勝負のグループが出てくると
その流行はもう終わり間近というのが最近の定説。ヒップホップもその手のがぼちぼち出始めているようです。
一時の流行で終わるのか、このニューミュージック化を契機にひとつのスタイルとして定着するのか、
ここらあたりが踏ん張りどころでしょうか。


6/30
少林サッカー

今日、「少林サッカー」見てきました。このタイミングは明らかに失敗。
そのあと帰ってW杯見たんですが、決勝だというのにヘボくみえてしまうんです、これが。
だって、誰も吹っ飛ばないんだよ、ゴールポストが曲がらないんだよ、シュートしても火が出ないんだよ。

というわけで、あんな下品のフルコースのような映画が歴代ヒット作のトップになってしまう香港が素敵。
凄い勢いで歌あり、踊りあり、笑いあり、アクションあり、友情あり、恋愛あり。もうお腹一杯。
あんまり言うとネタバレになりそうなんですが、主人公とヒロインの愛の結晶が生まれる瞬間。
普通の映画のプロットであれば間違いなく泣かせにかかるところで大爆笑させてしまう凄さ。
こういう、感動していいのか笑っていいのかわからない作りの映画って大好きです。

今日はほとんど呆気に取られながらずっと観ていましたが、
かなり強引ではあっても構成としても無茶苦茶よくできてると思ったので、
また観に行きたいと思う次第です。
 

すいません、ちゃんと音楽の話をしようと思ったのですが、
あまりにも映画のインパクトが強過ぎてまとめきれませんでした。


6/23
宇多田ヒカル

宇多田ヒカルの『Deep River』聴かれましたでしょうか。いいっすね、これ。

確か春頃、MTV JAPANの何かで彼女が「ベストR&B賞」とか取ってましたが、
これのどこがR&Bなんでしょうか。責任者出て来い。
確かに1stはそれっぽい感じで作ってましたが、2年かけてシフトを行っていった結果、今回はもうただのポップスです。
つうか、ハナっからそのつもりだったんでしょうね。所詮日本でR&Bとかいっても単なる流行りもんだし。
それに気づかずに続々とデビューさせられた声量があるだけの、「R&B」的な音にしか適性のない姉ちゃん達、
出てきてちょっと売れてだいたいきれいに全滅したところで、相変わらず彼女は一人勝ち驀進中。

そろそろコーラスの重ねっぷりは「やり過ぎ」の域に突入、アレンジ全体がトゥーマッチになるのも時間の問題。
実際『光』のサビ部の音の重ね方は、既にかなり偏執的な様相を呈しております。
歌詞は歌詞で、とりあえず売れるためには「前向き」メッセージソング、という近年の常識にシカトをかまし、
全編ひたすら「君」との私的な関係性に終始する俺様っぷり。

「小さな頃は友達がいなくて、1人で人形を2体持って声色を変えて会話させて遊んでいた」みたいなことを、
以前に歌番組で言ってましたが、そこから考えると、言い過ぎかもしれませんが、
トレント・レズナー的な精神性を抱えていてもおかしかないわけで。
そんな娘さんにDigital Performer3なんてソフト与えたらどうなるのか。
今はまだ使いこなせてはいないようですが、それはちょっとヤバイのではないかと。

だから、もしできることならば、彼女を丸1年ほどスタジオ内に監禁したいですね。
出てきたとき、その手にどんな作品を携えているのか。想像しただけでドキドキします。

いや、でももしかしたら今後の彼女は自ら進んでそれに近いことをやりそうな気もする。

というわけで、アルバムのみ収録の曲の中に作り込みが明らかに足りない曲があるのと、
収録されたのは大人の事情でしょうが、『Final Distance』が蛇足にしかなってないことを除けば、
3,059円分の価値はしっかりある作品でした。


6/15
邦楽の歌詞/GOING STEADY

結局、日本で売れる曲のほとんどは「がんばれば夢は叶う」か「今までの自分にさようなら」かどっちかですね。
ここ10年ずっと変わらない、これだけは。
たとえパンクが流行っても、ヒップホップが流行っても、結局いっしょです、歌詞の「メッセージ」とやらは。
この部分だけ取り出してみると、昔の「ニューミュージック」のほうがずっと凄かったです。
あみんの「待つわ」なんて凄い歌詞だしね、よく読むと。
でもその曲を作った人が後に「がんばれば夢は叶う」教の教祖になってしまうというこの世の不思議。

しかし、そんな変わらぬ風潮に風穴を開けるヤツらが登場しました。GOING STEADYです。
今週のオリコンチャートベスト5入りは間違いない、その曲のタイトルは「童貞ソー・ヤング」。最強。
日本中に流れる「一発やるまで死ねるか」の叫び。ここまで真摯なメッセージ・ソングはないよ。
いや、あったけど売れたことなんてなかったもの。ついに日本はここまで来たんです。

きっと若者が夜の繁華街、カラオケボックスでこの歌を歌うのです。男同士で合唱するのです。
でもきっと女の子の前では選曲できないんです。恥ずかしくて。

ああ、がんばれよ日本の若者。歌えよ、勇気を振り絞って婦女子の前で。本当のメッセージを。
いっしょに「東京少年」も歌ってね。


6/2
椎名林檎のカヴァー集

椎名林檎のカヴァー集は買わなかったけど正解でした。
なんか、必死に「自分のモノマネ」をしてるみたいで、痛々しくて聴いていられません。

結局、2ndアルバムまでで浸透した「椎名林檎」的な音というのは、実はちいとも彼女自身の音ではなく
アレンジャーの亀田誠治氏の音なわけで。それに本人も気づいていてそこから抜け出そうと模索したのが
『絶頂集』であり、シングル『真夜中は純潔』だと思っていたのですが、ぜんぜんそうじゃなかったみたい。
また2ndまでと同じような音を焼き直してどうするんですか。

しかもカヴァーだから「自意識」に目覚めた中高生が喜ぶような言葉もないし。
彼女は「根拠なく自分は特別だと思い込む」思春期的思想を持つ少年少女にとってのアイコン的存在として馬鹿売れしたはず。
その「言葉」の欠落は無茶苦茶デカいと思うんですが。

無理矢理2枚組にしたような曲数といい、「契約消化」のための品ではないか、という思いも。
ポテンシャルはある人なんだからさあ、期待してるんだからさあ。


5/29
松浦亜弥/森高千里

松浦亜弥の新曲「Yeah! めっちゃホリデイ」、凄いことになってます。

自分が何かの弾みで「生涯のベスト10曲」みたいなのを考えなくてはいけないとすれば、
必ず入るはずなのが森高千里の「勉強の歌」なんですね。これは奇跡の曲なんです、自分的に。

通常、ミュージシャンは自分名義で発表する音源に対しては、何らかの「意味」を持たせようとするわけです。
歌詞然り、曲の構成然り。ビートルズっぽいフレーズを入れてみたりするのも「わかってよね」みたいな
リスナーへのメッセージだったりするわけで。
アイドルみたいな歌唄いも、「自分で作詞作曲しました」とか「親が離婚して不幸だったんです」とか、
必死こいて自らのアーティスト性を認めさせるべくメッセージを伝えようとしてるわけで。
音楽で飯を食ってる人間が、ほぼすべからくそっちの方向に力を入れてることは間違いのないことです。

でも、その力を思い切り逆に振り切るとどうなるのか。
つまり「どこまで意味を持たせずにいけるのか」というベクトルも理論上ありえますよね。
実際、元ナゴムレーベルの面々とかはけっこうその部分に切り込んでいってたりしたわけで。
でも有頂天が「僕らはみんな意味がない」と歌ったところで、そこには「アンチメッセージ」とか
「ノンポリシー」とかいう形で「意味」が乗っかってきて、結局はうまくいかなかった。

あと、初期のThe ピーズとかカステラとかもかなりそっち方向に向かっていたのですが、
「パンク」という手段を使った時点でもう限界が見えていたりして。

で、自分が知る限り「意味のなさ」を極限まで突き詰めていたのが、'89年〜'91年の森高。
アルバム「非実力派宣言」ですべての批判に「無効」を突き付けた上でやりたい放題。
彼女の場合、自分で歌詞を書いていたことはいたのですが、そのあまりにもな「何も無さ」のせいで、
それが彼女の「アーティスト性」を押し上げる効果は皆無。
さらに、「アイドルを演じるアイドル」という反則気味な立ち位置で、ブリブリの衣装にユーロビート。
結果として、音がどれだけやかましく鳴っていようともそこには何もない、という奇跡のような状態が生じたわけです。

しかし'92年以降、作詞に本格的に取り組み始めたため、彼女の歌詞に「意味」が生まれ、'93年のアルバムで自らドラムを叩き、
高校時代に出演していたというライブハウスの名前をアルバムタイトルに選んだ時点で、奇跡は終焉を迎えました。

それ以降、そんな「ゼロ」に立ち向かう猛者は現れていなかったのですが、21世紀、ついに新たな奇跡が現れました。
松浦亜弥です。

そもそもサイボーグかと思うくらいの「作られたアイドル」臭を放ちまくっている時点で、かなり奇跡に近い存在だったのは事実。
ただ、これまでの曲の歌詞はストーリー仕立てだったり甘い恋愛だったりして、どこかに「伝えるべきもの」が残っていました。
そして新曲。つんくがやってくれました。歌詞のどこにも意味がありません。これっぽっちも。完ペキです。

ぜひご自分の目で確かめてください。今週号の「CDでーた」とか、歌本とかで。

かくして、送り手は何も意味を込めず、受け手は何も意味を求めないという、世界で一番幸せな関係が生まれました。
ここに割って入って邪魔したり揶揄したりする権利は誰にもありませんぜ。

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