Qcamフーコーテスター

 高精度望遠鏡にはなんと言っても高精度光学系でなければなりません。皆さん自作派の方々がよく見える望遠鏡を作るのに鏡面の精度をあまり気にしていないようですが(?)、鏡が悪ければどんなに鏡筒を良く作ってもよく見えるものにはなりません。
 星や望遠鏡の好きな人はだいたい理系人間が多いので皆さん理論好きですが、特殊なカセグレン系の鏡を自ら磨いたり、接眼レンズを作ったりしなけば望遠鏡作りに高等な理論はほとんど必要ありません。私も理論はそれだけでたいへん興味深く面白いのですが、たいてい出来上がる望遠鏡とはなんの関係もないのです。・・・と私は思ってますがいかがでしょう・・・・
 ところで、納得のいく鏡面はなかなか手に入りません。市販品はほとんどが精度1/8ラムダの表示で売られていますがほとんどあてにならないようです。そもそもこの業界、同一口径、同一精度のものが業者によって一桁も違う価格で売られているのがおかしい・・当てにならない?。

 皆さん望遠鏡のカタログにある集光力、分解能が売られている望遠鏡の性能だと思っていませんか?、カタログにあるのは理論値で、商品の性能ではありません。昨年買い求めたTOA150の分解能は0.77秒てすが、ついこのあいだ手軽な天体写真用にと買い求めたVC200Lは0.58秒になっています。つまりカタログではバイザックの方が分解能が高いのです。これが正しければバイザックの方がずっと細部がよく見えることになりますが、そうなっていないことは望遠鏡好きなら誰でも知っています。(20pくらいまではシーイング等加味しても良いものは判ります)
 カタログにある分解能は見慣れた人には理論値以上によく見えるのだという ドース゛の経験則 11.6/口径p の値で商品の分解能ではないのです。
 上の1/8λも口径分の分解能が出せる最大波面収差であり、製品鏡面の収差ではありません。 ですからメーカーの違いや価格によらずみな同じ値になっているのです。・・・・近年は製品の精度を記している業者もありますが・・・・。
 アマチュアのブランドメーカーのCMに当社の**鏡筒では球面収差、色収差をほぼ完全にゼロとすることに成功したとありましたから、つい私も**鏡筒はこの二収差がほぼゼロになっていると思っていました。ところが実際は、成功したのは事実でしょうが、売られている製品の収差がほぼゼロというわけではないようです。いいかげんなと思いましたが、調べてみるとこの鏡筒も製品の仕様書等で二収差がほぼゼロという記述や証明はどこにもありません。したがって商品に嘘もないのです。(私が見つけれないだけかな・・・・?)
 不信の増幅になりますが、いろいろ出ている望遠鏡ガイドブック等には各社の望遠鏡のロンキー像やヌルテストの写真が載っていますが、これとて望遠鏡の解説本を書くとかインプレを載せるのでなどと、各社から借り受けたサンプル品のテスト結果を載せているものが多く、市販されている同型の望遠鏡の精度とはかなりひらきがあるのが実体です(あなたは鏡筒運が悪いなどと言わないでご自分のを調べてみましょう)

   
この業界もそろそろ公的な、あるいは中立的なアマチュアの団体等で精度を認定するみたいなことが必要ではないかと思うこの
  ごろです

 ただまあ、有名メーカーの小口径のものは十分カタログ値に近い精度のものもあるようです。

   
これはあくまで高精度を目指して、自作したり買い求めたりして長年望遠鏡をみてきた私の感想です ・・                                                                     ・・・2014/2/4追記

 ということで名人の鏡を手に入れるか価格で精度を信じるかでしょうが、それでも測定して確認するまでは確かなことは判りません。
 となれば、自分で測定して買うか、自分で磨くしかありません。
 若いときに、20cmまで4面ほど磨いた経験がありますが、そのとき思ったのは研磨面が正しく判断できれば、あとは時間と労力の問題で理想のものができるのでは、でした。
 ふたたびこの趣味をはじめて、いろいろな望遠鏡を作りながら、いつかは自分で納得のいく鏡を磨いてみたいと思っていました。
 そうした折り見つけたのが、vegaさんのHP・・QCAMフーコーテスターでした、コンピュータの自動測定なら客観的な鏡面の評価ができるはずです。
 ハンダ付けはむかしの趣味で自信がありましたので、いつかは自作鏡をと作ってみました。 VegaさんからはROMの書き込みの他にメールでもいろいろご指導いただいております。またわたなべさんからは壊れて困っていたQcamカメラをいただきました。(感謝)・・・・2009/6まで
 もりかわさんがWindowsXP、QV−4000(カラ−)のシステムで自動測定に成功したことを知り、もりかわさんのアドバイスを受けながら、システムを変更しました。・・もちろんベガさん開発のすばらしいソフトのお世話になってです。
 測定結果に若干のゆらぎはありますが、全くの自動で短時間に間違いなく結果が出るようになりました。皆さんに感謝です。
 これまでのコンピュ−タ読みとりの左右2点の数値を比較しながら手動でプロットしていたデ−タとは少し違う結果もでています。
 人間の眼の不確かさというか、判断の甘さが反省させられます。もちろん測定者の能力にもよりますが、目視手動の一般のフーコーテスターの限界を認識させられます。しかし今度は完全な自動測定で、毎回ほぼ同一の結果が出ていますので十分な信頼性があるはずです。
 ということで、デ−タをすべて入れ替えることにしました。 

 フーコーテスターです。これをコンピューターで動かします。
 光源とスリットはレンズとカメラの筒に一体になっています。ナイフ、光源の移動はコンピュータ画面上の移動量1.00がちょうど1mmの移動にしてあります。
 初めの動きが画面上の動きと前後が逆だったのでステッピングモーターの取り付けを(前部斜めに取り付けている)を反転させました。

 ステッピングモーターの駆動回路とナイフを動かすステッピングモーターです。回路図はベガさんのものそのままです。
 パ−ツは通販(ワカマツ、千石)でみな揃いました。
   写真2011/1/10入れ替えました

 修正研磨中の31cmサトウ鏡です。
 まだ始まったばかりですが、残念ながら急速に悪化しただけです(涙)
 この鏡面、わたなべさんの測定で1/8ラムダ鏡と判定をいただいた鏡でした。
 幸いサトウ鏡はもう少し良い(自分の測定で)同焦点のものがもう一面あるので、この鏡をパーフェクトを目指して修正研磨することにしたのですが・・。
 上部の鏡押さえ糸はレンズの焦点あわせにもなっています。

 鏡の台は上下左右ともネジ式になっています。テスター側からの遠隔制御も考えましたが過剰な装置と思い直しやめました。
 上の鏡の前の黄色い糸は光源、レンズの移動方向と鏡面光軸の直線性を見るためのものです。

 簡単に磨けると思ったらやたら重くて10分もしないうちに音を上げてしまいました。どうもピッチが硬すぎたようです。
 無理に20回ほどキントレ状態で往復運動させたら、大変な面荒れと細いターンダウンができてしまいました。
 がっかりしてやめてますが、面の状態がきっちり見えるので、気を取り直しピッチを変えて少しづつ挑戦していくつもりです。
 中央に穴が見えますが、磨き方のクセなのでしょう、もう一面にも同じものがあります。斜鏡に隠れる部分なのでほとんど実害はないでしょう。(サトウ氏談)ですが少し気になりますね。

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 鏡面横直径線上の明るさの値が数値とグラフになってでるものです。
 同半径位置の二点のグラフの高さが同じになるナイフ位置をコンピュータが記録していきます。

 精密位置決めテーブルが我が家のジャンク品にあったのでわりと楽に作ることができました。

 スリットは幅0.3ミリくらい、長さ5ミリ程で、レンズ上部に組み込んでいます。
 焦点位置を探すための光源・高輝度LeDを、カメラの右にそして、左にその受け紙を貼っています。
 左上丸い銀紙にLEDの光が像を結べば、レンズ中心にフーコー像が写ります。

 Vegaさん、ワタナベさん、もりかわさん皆さん有名なHPを公開している方なのでよろしいかなと思いかってにお名前を拝借させていただきました。
 今後ともご指導、ご協力よろしくお願いします。

 11月初めよく見えると出品者おすすめの32cmF5の鏡を入手したので早速テストしてみました。予想外の結果でした。
 他も鏡も測定しています

Qcam Fuko Tester Мера точности в вогнутое зеркало

サトウ鏡 31cm F6.9   09/8/18

 ジオマテックでメッキした後の測定でした。端から中心30%あたりまではかなり良い線がでています。
 特に周辺がすっきり磨かれています。ただ中央に穴があるので全体で1/8ラムダは厳しいでしょう。しかし、中央部は斜鏡で隠れますからニュートン焦点では十分な高精度鏡になるはずです。

 09/8/18/0:20 ごろ32cm鏡と二本並べて子細に比較してみましたが、こちらの方がくっきり見えました。
 確かに中心の穴の影響は少ないようです。
 32cm鏡は斜鏡がやや大きいのと反射率が少し落ちているせいかもしれません(斜鏡は既に入手済みなのでまもなく交換です) また、こちらは赤道儀自動で像が安定していたことも影響しているかもです。32cm鏡も赤道儀に載るようにはしています。(現在ドブではつかってません2012/6/20)

旧半自動測定です、完全自動測定は別に表示

QVー4000Rカメラによる Qcamテスター

修正研磨始めなければ・・・・