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切手の話 その3

ZIL ELWAGNE SESEL(塞舌爾)という国は、アフリカ大陸から東方向に約1600km離れた杳然たる遐域に点在し、百余の島嶼から成る歴史的にも夢のような国である。この地は昔、バスコダガマが、角布を経て Agulhas岬を越えて漂着し、版図を拡げた魅惑の異域である。その後、猖獗を極めたアラブ人の海賊が、これらの島のどこかの巖窟に、鉅万の財宝を隠匿したと伝承されているが、憑拠がないだけに、渺瀰たる瀛海を疆域まで盤桓し、双眸を光らせても、帑庫さえ発見は至難であり、耳を欹てても、人々を歙かす海寇の籟籟たる跫はもう聞こえてこない。18世紀には仏蘭西の領有となるものの、その後大英帝国の采邑になり、現在は独立して首都はマヘ島(la isla Mahé) のヴィクトリアである。この切手に描かれている塞舌爾は、玉兎が皓皓と照り、小鳥は啅啅と囀り、
は煌煌と瞬く恋の島嶼。ここでは、一陣の清籟さえ、広寒宮(月宮)の姮娥の奏でる瀏亮たる仙楽の音色を彷彿させる響きを持つのである。夢のような幻境。宛ら華胥の国に遊ぶ心地。その名 Ансе Лацио 。 (ein wunderschöner Traumstrand auf Insel Praslin)









SESEL50cの切手の二つの台形は90°回転していて、仮想の国アマゾンに住むという清純で嬌艶な女戦士のベラトリックス(大陵大星)から三光と言うアステリズムを経て参宿西南星に曁ぶ途中の台形の外側にキラリと暉っているのはクルサという名の三等星で上方にπ1-π5の星の群れを仰望する。これから波打って畝るエリダヌス川の源頭である。(看参星の右の梯形の中心に白い点が描かれていますが、これは重星で分子雲から星が発生しているトラペジウムと考察でき、宇宙は邏吏する事の傍証になる。)歴史の古い星座でこの川を古代埃及人は霄漢の滂洋たる尼羅川と言い、古代バビロニア人は汪茫たる由非刺底川と言った。この夜空の長流は星の乏しい漆黒の空間をまずバウンドを打って西に走り左岸に今は亡き伝説の星座『ジョージのリラ座』を盻み鯨座のバテンカイトスを瞻望しながら南下していく。さらに東に逆転し、今は亡き伝説の星座『ブランデンブルク座』を拝んだ後に南に流れてはレチクルや旗魚を篤と堪能し地平線の下に湎んでいくのである。地平線の遐かなる南に『河の果て星』があるという。この『河の果て星』は、ノアのアルゴ船に晃々と、いやどんよりと輝くリュウコツ座の入定星(老人星)と同じくらいに私達には観に行きたい星である。伝説の星座と言うのは光度が昔より消失して見えなくなったから廃止されたのではなく、複雑さを避ける目的においてのみ遠い遠い昔に廃止された。例えば恒見圏の領域にあって周極星ポラーリスの近くで冷然と天涯に瞬く伝説の星座、すなわち斯干的那維において蕭条たる凛冽なる凍原で橇を牽きながら暉る『馴鹿座』と同じなのである。(昔の人が言う北辰尊星は、ポラーリスの異称である。)ところが、このSESELの二人は『河の果て星』つまり燦燦たるアケルナルの煌きを炳乎として確認しながら恋を語り、オードブルには檸檬の香りの煌魚のマリネを、デザートには檬果(菴羅)のスムージーを、そんな
♪♪anse lazio の怡楽の夜であろう。次に奇怪な事に、この切手の左の椰子の枝の位置に、燦爛たる猩紅の星が曄いている。これは何だと思いますか?実は火星なのです。火星の会合周期は土星や木星の会合周期の約2倍もあり、火星は地球から見て西矩を9月19日に通過し、暢月には「留」を堪能し、極月には地球に最接近することになっている。平安時代の天文学に博通する学者は、火星の運行を考覈しているうちに火星の動きが一度止まって、やがて反転して反対方向に動くという事を見つけ、不思議な動きに蠱惑し、更には蔽虧現象まで知悉し愁歎していた。(つまりこれは地球から見て、見かけ上の逆行をしているように見えるのである。この進行方向の反転時を天文学では「留」と呼んでいる。)地球に最接近時は光度が増すので好シーイングを満喫してほしいものである。会合周期は780日なので約2年に一回の割合で地球に接近する。(会合周期とは惑星の相対的位置が同じになるまでの周期をいう。)火星の衡は12月25日で、この頃には北極方向で蛍惑の掩蔽が起こるので牢記しておきたい。十二年周期で同じ星座に鎮座する歳星や宇宙に海洋があれば浮くとまで言われる鎮星が坤輿と同じく太陽の回りを公転している事を知らなかった時代なのに、華洛(京都)の嵯峨野の小倉山荘で鴻儒である藤原定家が緝綴した「明月記」には、螢惑だけでなく魅惑的な客星まで克明に記述されていて驚嘆してしまう。(この皎皎たる客星が何故に現れたか解義すると、高密度の白色矮星が重力による収縮を支えきれなくなった為に、核融合反応を起こして爆発したのである。畢竟、星の進化の畢わりの姿で宇宙はこのように邏吏するのである。)更に螢惑のメリディアニにおいて三方晶系のヘマタイトが発見されているだけでなく別の地点で斜方晶系のゲーサイトまで発見されるに及んで逖い昔に水があった事が推究される。また螢惑最大の山は屹然としていて標高27000mに達し、坤與のそれの比ではなく、昔に耿介なる聖徳太子が都雅なる斑鳩の禁裏で赫奕たる夏日星と名付けたのは心弦を扣くものだけに刮目に値し畏敬の念を抱かざるをえない。
次に2セイシェルルピーの額面の切手に描かれているこの辺りは銀漢の面でも宇宙塵の雲が輝面を遮蔽しているために密度の高い微光星が宛ら銀砂子のように煌めいて、これを光背に、嬋媛としたCYGNUSが飛翔するのが神々しく、原住民は、鰵でなくブルジョワ(塞舌爾特産の白身魚)を挈げてゴルゴタの聖十字をメタファーとして彷彿しながら跣行しているのかも知れない。これには大変な間違いがあります。皆さん、お分かりでしょうか?CYGNUSの交差点はγ-サドルという星の名でε-ギエナーを左に、δを右に構え、下方にη、φを経て、アルビレオという琳琅に到っている。アルビレオが魅惑的な理由はキラキラした琥珀色の主星の奕奕たる光彩に擁かれて、小さなエメラルドの伴星が、暉っている、いわゆる二重星として甄別できるからである。私達がこのような形状の星座を矚目しているものの、実はこの切手の中の原住民が観ている星の群れはこの図形をなんと180°回転させて、いわばひっくり返したような図形である。 (つまりこの切手の図形は北半球の北緯度35~50度くらいで観た図であって、SESELの夜空ではない。)
ZIL ELWAGNE SESELでは、ギエナーが右で、δ星が左であってアルビレオがγーサドル星より上方に輝いていなければならない。それがSESELの真(genuine)の夜なのである。
(切手の左上隅には、恰も、欠刻の形状で蜥蜴座が懸かっている。ボーデは鼬を描いたが。)
            
  
    A イスラエル(1961年)     B リヒテンシュタイン(1978年)

(問題)古代ギリシャの哲学者プラトンが「亡霊が天国に昇るにあたってこの門をくぐる」としていますが、果たして上の二枚の切手に描かれている、どちらの動物の下を潜って天に昇ったのでしょうか?

官製はがきに、AまたはBの解答を書き、新宿郵便局私書箱220号東京スタンプ社「クイズ係」に送ってください。
正解者に抽選で正解賞を差し上げます。ニ択ですので、正解率は50%です。  弊社の解答は次号ですが、弊社より詳細な解析をした人(郵便限定)には3万円相当の特別賞の賞品を贈呈します。(2008年2月10日締切)
※※難読漢字⇔【鰵】は「いしもち」と読む。
※※心弦を扣く∞∞∞「琴線に触れる。」の意味。
※※難読漢字⇔避役は「カメレオン」と読む。難解な「星座」でテーブル山座Mensaの近くで眇眇と瞬いている。
Mensaとは、昔の人が言う「平山座」の事である。
※※華胥の国に遊ぶ⇔夢にででくる理想郷で楽しむ。

Le Triangle austral est une petite constellation de deuxième et troisième magnitude apparente, forment approximativement un triangle équilatéral.(バイエルのウラメトリアではSüdliche Dreieck と言うが。)

anse lazioでは、貴方は南十字星とアケルナルを一緒に見て驚嘆するに止まらず、幻想的なオレンジの巨星その名Atriaの煌めきに感激して涙するでしょう。心が灼ける永久の想いで。Ансе Лацио の純白の浜辺。機杼を賞翫する皎皎たる河漢の女は、この華胥の地では、須臾にしてその婀娜なる姿を隠す。(Lyreの純白のA型主系列星の事を言う。)La Lyre - α est une étoile très brillante。日本では到底見る事のできない星座、その名、避役は、古代の幻獣を彷彿させるのである。(Das Chamäleon ist ein sehr unscheinbares Sternbild)
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切手の話
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