7月分
7月25日
「妖魔王」(菊地秀行 光文社文庫)を読む。
”念法”の達人である工藤明彦は、妖物化に苦しむ運命の女、
南風ひとみを救うため、「神」との交渉条件を呑む。
それは妖魔と化してこの世界に帰ってきた古代神話上の復讐者から、
あるものの生まれ変わり・結城みずほを守ることだった。
獣欲をそそる肉体を持つみずほへ、復讐者は激しい陵辱の魔手を・・・。
というわけで、元もと便利な工藤流念法なんだが、もはやなんでもありだな。
この世界自体も、なんでもありになってきたよ。
面白いかどうかは、別問題だが。
7月6日
「龍は眠る」(宮部みゆき 新潮文庫)を読む。
嵐の夜だった。
雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道端で自転車をパンクさせ、
立ち往生していた少年を拾った。
なんとなく不思議なところのあるその少年、稲村慎司は言った。
「僕は超常能力者なんだ。」
その言葉を証明するかのように、
二人が走行中に遭遇した死亡事故の真相を語り始めた・・・。
第45回日本推理作家協会賞長編部門受賞作。
彼女の作品は、クラシックな香りがする。
どうもねぇ、路線がはっきりしないのがちょっとツライかな。
いや、面白かったですよ。