5月分
5月29日
「われはロボット」(アイザック・アシモフ ハヤカワ文庫)を読む。
たんなる機械にすぎなかったロボットから、人間そっくりな行動と考え方をする優秀なロボットまで、
様々なロボットの開発史を、ロボット心理学者のスーザン・キャルビン博士を狂言回しに
〈ロボット工学の三原則〉の生みの親であるアシモフが、
ユーモアと論理を駆使して描き出す連作短編集。
というわけで、面白かったです。
まぁ、以前読んだモノだが、100円で売ってたので買ってみた。
そしたらところどころ、赤いペンで線が引いてあった。
それはともかく、これ一冊読めば〈ロボット三原則〉を完璧に理解できる、はず。
一つだけ、収録作中「災厄のとき」において、
のちに「ロボットと帝国」で言及される”第0原則”に触れているのは興味深い。
ちなみに
〈アイザックアシモフのロボット工学における三大原則〉
第一条
ロボットは人間を傷つけてはならない。
また危険を看過することによっても人間を傷つけてはならない。
第二条
ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない。
ただし第一条に反する場合はこの限りではない。
第三条
ロボットは第一条および第二条に反さない限り、自分を守らなければならない。
5月28日
「魔獣児」(菊地秀行 徳間文庫)を読む。
〈伝説の闇ガード〉滝蓮三郎と麻紀絵の血を受け継ぐ兄妹・直也と涼子。
彼らには世界の命運がかかっているという。
〈闇ガード〉蒼珠冬樹の任務は、襲い来る魔物たちから兄妹を護り、
両親が待つという八ヶ岳まで無事送り届けることだった・・・。
「妖獣都市」のシリーズ6作目。
今回はネクストジェネレーションだ。
というわけで、面白くありませんでした。
特に見るべきところもなく、思うところもなかった。
5月22日
「ドラキュラ紀元」(キム・ニューマン 創元推理文庫)を読む。
ヴァン・ヘルシングが斃れ、ドラキュラはついに英国全土を征服した。
だがその治世下、吸血鬼の娼婦ばかり惨殺される事件が発生。
諜報員ボウルガードは、闇の内閣の命を受け〈切り裂きジャック〉追跡に乗りだす。
一方、ドラキュラとは血統を異にする吸血鬼の美少女、
ジュヌヴィエーヴもまた事件を追い始めるが・・・。
ブラム・ストーカーの名作「吸血鬼ドラキュラ」をベースとし、
ヴァン・ヘルシングがドラキュラを退治できなかった19世紀のロンドンを舞台に、
吸血鬼モノに限らず、この時代の古今東西の史実、
フィクションないまぜにした登場人物のオンパレード。
いやぁ、面白かったよ。
元ネタが、シャーロック・ホームズくらいしかわからないのが残念でならない。
それでも、初っ端ジュヌヴィエーヴをたたき起こすのがレストレイド警部だったり、
ボウルガードに接触するライムハウス同盟の一人が
”犯罪界のナポレオン”と呼ばれる教授だったりする場面はわくわくする。
ほか、ジキル博士と、ドクターモローが一緒に研究してたり。
あとはまぁ、実年齢400歳を越えるが、外見上16歳の美少女、
ジュヌヴィエーヴのの魅力に依るところが多い、僕的に。
そういうわけ。